2018/05/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 飛び交う野次と打音。
息遣いと石畳を蹴る音。
人垣の中央には二人の男。
拳を競い、己をぶつけ合う。

喧嘩ではない。
ストリートファイトだ。

中央で戦う二人は素手格闘の技術ではなかなかに有名な冒険者だ。
どっちが勝つか人々は金をかけたり応援したりと忙しい。
今回は秘密のイベントということで、様々なカードが予定されている。
衛兵の介入もないだろう。
少年はその人垣の中でクレープをもしゃもしゃと食べていた。

ブレイド > 「やるもんだなぁ…」

もっもっと、クレープを食べつつ、男たちの戦いを見ている。
長身の男が放った上段の蹴りを、筋肉の男がガードする。
ガードした腕をすばやく跳ね上げ、長身の男の体勢を崩そうとするものの
相手もさる者というべきか、片足で踏みとどまり、変幻自在の蹴りで追い打ちを食らわせる。
しかし、筋肉の男も蹴られっぱなしではない。
パワーとスタミナならそちらのほうが上。
ハイキックからのフェイント、ミドルへ切り返しての攻撃。
だが、それがいけない。持ち前の耐久力をいかし、蹴りを喰らいつつも間合いを詰める。
頭狙いであればよろめかせることもできただろうが…。

ブレイド > 雄叫びとともに、筋肉の男が長身の男に掴みかかる。
慌てて飛び退こうとするも、蹴り足を戻すよりも筋肉のほうが早い。
長身の男は蹴りを得意とするが、拳打もだめというわけではない。
ただ、組技、投げ技では筋肉の男に分がある。

『おるぁぁぁ!!』

筋肉の男が持ち前のパワーで長身の男をぶっこ抜き背中から石畳に叩きつける。
肺から酸素が押し出され苦しげに呻く。
が、筋肉の男の肘が鳩尾へと落とされる。
背中を強打した長身に避けるすべはなく、それがトドメとなった。

「やるなぁ…つかまるわけにゃいかねーな…闘うことになったら…」

勝ち名乗りを上げる筋肉だるま。
敗者は隅の方に運ばれて転がされている。
野良格闘大会らしく、医療班とかはいないため
苦痛に喘ぎつつ自然と痛みが引くのを待つしかない。

ブレイド > 「オレもそろそろアップしておくかな」

横道の薄暗い場所で柔軟を始める。
腕試しというか、経験を積む目的で少年もこの催しに参加していた。
素早さと手数で一度は危なげなく勝利することができた。
次の相手は…よくわからない。
クレープかいに行っている間に、次の対戦相手は決まってしまったようで
どういうやつが相手なのかわからないのだ。

「パワー馬鹿とかかてぇやつだとやりづれぇな…」

自分はウェイトがないため一撃が軽い。
地形や速度を活かした戦闘が求められる。

ブレイド > 参加者は老若男女問わず、なので
女性とぶつかると少しやりづらいと思いつつ
体をほぐしていく。
最近はなんか、こういう体を動かす機会を増やしている。
冒険者として、戦闘やとっさの動きができるように体を慣らしておく必要もあるし
単純に鍛錬になる。
いつまでも駆け出しではいられないのだから…

「今度はどういうやつが闘ってんだかな…」

すでに会場では次の闘いが始まっている。
歓声やら野次やらが飛んでいるし、戦闘音も聞こえてくる。

ブレイド > ルナシイやらソラが知ったら怒るかもしれない。
だが、こういう場で死ぬことはないだろうから
多少のやんちゃは許してほしいものである。
身体は温まってきたし、準備運動はこれで十分だろう。

「さって、どうするかな…」

まだ少し間があるが…とりあえず持ち場についておくか。
ようは出番があるまで近くで待機。だ。

ブレイド > 人混みの中から覗いてみれば
今回の勝負はスピード自慢同士。
手数が多く、ともに足癖も悪い。
実力もそれほど離れていないというか、ほぼ拮抗している。
見た目がはでなため、観客も盛り上がっているが…

「やってる方は意地の張り合いってとこか」

同じスタイルであれば
意地でも負けたくないとおもうだろうし
これは少し長引きそうだ。

ブレイド > 熱気は冷めることなく、場は盛り上がっていく。
だが、そうもなればめだってしまうわけで。
結局衛兵が来てその試合はなかったことに。
人々も蜘蛛の子を散らすように逃げていってしまった。

「んー、残念だったな…」

路地を歩きつつ、腕試しできなかったことを残念に思うのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からブレイドさんが去りました。