2018/04/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 平民地区の噴水広場、噴水を囲むように並べられているベンチに腰掛けている女。

「フフ…どうかしら…私の指、素敵でしょう?…イイ子ね…」

往来の激しいこの場所で、女は優しくも扇情的な囁き声を発していた。
まるで独り言のように続けられる言葉は、辺りの人々にも聞こえている様子で…

『ママ、あのお姉ちゃん…』
『しっ、ダメよ指差しちゃ…』

声だけを聞いているお母さんの判断は至極正しい。

「ほら…もっとこっとにいらっしゃいな…沢山撫でてあげる…――おいで…」

甘い甘い声に反応したのは、一匹の黒猫。
ベンチの陰から現れたその子は小さな鳴き声と共に椅子の上に登り、女の指先をその喉下に受けている。

フラニエータ > 勿論、己の声を聞いているであろう衆人の存在を知らない筈は無い。女はそれらの反応を愉しんでいるのだ。
顔を赤くして通り過ぎる青年、平静を装いながらもちらちらと己を見る酔っ払い。
そんな人々に一々扇情的な流し目を配っている。
全くもって嫌な女である。

「ほぉら…素敵な気分でしょう?…フフ…どうしたの?そんなに擦り寄って…。
イイ子にはご褒美…もっともっと素敵な気分にしてあげるわ…」

女は黒猫が擦り寄り、己の膝の上に鎮座するのを黙認すると、毛を梳くように頭から背までゆっくりと撫で始めた。
喉元を擽る指も忘れない。

フラニエータ > 猫というのはやはり気まぐれ。女の掌に飽きたのか、幾ら待っても食べ物を与えてくれない事に腹を立てたのか…
女膝の上からぴょん、と飛び降りた。

「あンッ…あら…嫌われちゃったかしら…」

にゃあ、と一声上げる猫に対して、ひらひらと手を振る女。
一頻り衆人の反応を堪能した女は、猫が膝の上に残した毛を払って立ち上がり…
一言を残して平民地区を去っていく。

「愉しめたかしら?…またね…ククク…」

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフラニエータさんが去りました。