2018/04/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」にマイさんが現れました。
マイ > 平民地区にある冒険者ギルドには、この時間であってもそれなりの人の出入りがある。
達成した依頼の報告と報酬を受け取りにやってくる者や、翌日の依頼を確認しにやってくる者。
マイの目的は前者のほうで、さっと報告し報酬を貰って帰るはずだった。
だが報酬がカウンターに置かれたとき、ギルド内では「おおっ!?」というどよめきが走る。

「…持って帰れるかな…」

今回の仕事の報酬としてマイが受け取ったのは、数十万ゴルドになるだろう大量の金貨。
マイが受けた仕事とはトレジャーハントでこそあるが、今回は伝説の財宝を見つけ出せという、根拠も宛ても無い依頼であった。
誰も見向きもされなかったその依頼を成し遂げたが故の報酬。
持って帰るにしても、小柄なマイ一人では到底持ちきれないその量にさすがに困惑していると、一部の冒険者たちが不穏な空気をかもし出していた。

マイ > 正直なところ、あれだけの財宝を見つけての報酬としてはずいぶんけち臭い額ではある。
低く見積もっても財宝の総額の10分の1にも満たない報酬だろう。
とはいえ依頼主は換金するつもりはなく、後生大事に飾っておくらしいのでこのくらいになるのも仕方ない。
それでも一般的なギルドの報酬の中では、トップクラスの額になるだろう。
これがトレジャーハンターのいいところであるが、財宝を見つけ出すまでの時間と投資を考えれば見た目ほど利益は多くなかった。

「とりあえず、一部受け取って残りは預かっといてね」

さすがに大量の貨幣を持ち帰ることはできないので、持ち歩くよりは安全ということで大半のお金をギルドで預かって貰うことにし、冒険者やギルド員たちの視線が集中する中、じゃらじゃらと小さな袋を揺らしながらギルドを後にする。
それを見計らうようにして数人の、ギルド内でも問題児として扱われる連中が続けざまにギルドから出て行く。
気づいてはいるが取るに足らない連中、取ってある宿までの道中に撒いてやるか揉んでやるかといったところ。