2018/04/04 のログ
ボブ > (とくに連れも居ない男の一人飲みの時間はゆっくりと流れていき、皿の中も空になったタイミングで
グラスに残っていた白ワインもクイッと一気に飲み干していけば)

「ふぅ~~、実にいい時間を過ごせたな。
次来る時は誰か女性でも連れてきて、俺はこういう所も知ってるんだぜって顔でもしてみるかな」

(店を紹介されて、その店の良さを実体験した男は次に来る時の事を考えつつ、席を立ち、店を後にしていった)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」からボブさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にイグナスさんが現れました。
イグナス > もしゃ、もぐ、ごくん。
――普段だったら喧噪に包まれる夜の酒場に、一種の静寂が訪れていた。
客が入っていないワケじゃあない、わずかなどよめき声は聞こえている。
それらを発する者たちの視線は――酒場の端っこに鎮座する大男へと向けられていた。
もしゃ、もぐ、もぐ、もぐ、もしゃり、ごくん。ぐびぐび、ごくん。
静寂の中、唯一とばかりに響く咀嚼と嚥下音。机の上にはたっぷりと積みあがった皿、皿、皿。

「――――ッぷ、はあ。あー………ひとごこち、ついたあ。」

げふとちょっとばかし下品に音を鳴らしながらようやく、男が一息ついた。
よほど腹が減っていたんだろう、バカみたいにたっぷりと食べつくされた料理たち。
それでいてまだまだ、運ばれてくる。男の体躯を考慮したって、量がおかしい。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフトコロ・ニーレルさんが現れました。
フトコロ・ニーレル > 何かご飯でも食べようかと思い、酒場に立ち寄るとなんだか静かである。
何かあったのかなと人々が注目する方を見るとなるほど納得した。

「うわ。大きいというかめちゃくちゃ食べてますね」

お店の食料全部食べつくしたんじゃと思うほどの皿の量。しかもまだまだ食べるらしい。
皆は遠巻きに見ているけれど、これはビジネスチャンス。これだけ食べるということはお金も持っているのだろう。
売りつけられるものがあるかもしれないと三つ編みを揺らしながら近寄っていく。

「こんばんは、お隣いいですか?良かったら一緒にお食事でも」

営業スマイルをしながら隣の席をさす。

イグナス > 手についた肉汁を、ぴっと軽く振って落とす。
さあ、とりあえず腹の虫は収まったから次を頂こう――とした瞬間。

「おン?」

聞こえた声に視線を、じっとそちらに向けた。
己で思うのもなんだけれど、こんな有様の者に話しかけてくるなんて。
断る理由もない、にんまりと口元に笑みを置いて。

「おう、おう、構わねェよ。――つっても俺ぁだいぶ、腹減っててなァ。
 見ての通りだけども、いいンだろ?」

お仲間とみなされることについて一応釘は刺しつつも、了承を。
もしゃり、また食いついた。羊肉の香草焼きだ。

フトコロ・ニーレル > 了承を得られたので隣に座る。近寄るとより一層大きく感じる。

「おや、まだ食べられるんですか。すごいですね」

営業のリップサービスではなく、完全に心の底から驚嘆の声をあげる。
自分の倍ぐらいありそうな身長の男を見上げながら、その食べっぷりになんだか気持ちよくなってくる。

「あ、そうだ。店員さん、こっちのテーブルにスープとパン、あとこの巨大リブステーキもお願いします!
申し遅れました。私はフトコロ。フトコロ・二―レルといいます。よろしくお願いしますね」

とりあえずメニューを見ながら今まで量的な問題で気になっても挑戦できなかった料理をオーダーしていく。
自己紹介もそこそこに改めて目の前の男の食べっぷりを見学させてもらうことにする。

イグナス > 「ん?お?おー。」

ぶちりと肉を食いちぎる。もぐもぐ、ごくん、しっかりと飲み込んだ。
後、くっく、と喉を鳴らして笑って

「いやァ、ちょっとの間、飯ィ喰う機会がなかったもんでなあ。」

だからまだまだ食べれるのだと。もともと健啖家でもあるんだろう、喰いっぷりは慣れているようでもあった。
相手も、小柄ながらになかなかの量を注文した様子に、おお、とちょっと驚いたように目を開いて。

「フトコロ・ニーレル?おう、ああ、よろしく。
 おれはイグナスだ、ただイグナスって呼んでくれりゃあいい。
 仕事は、そうだな、いろいろしてンだけども、冒険者ってのが一番近いか。」

ウン、と己の中で反芻して納得して言うならば、ジョッキに入ってるビールをぐびり。
7割ほど入ってたのが、ひといきで空っぽに。

フトコロ・ニーレル > 食べる機会がなかった。よっぽど働いていたのか、それともダンジョンで迷ってしまったのか。
どちらにしても生還を果たしたという事だろう。だからこそより一層何かを売りつけるのにはいいかもしれない。
自分のお仕事が出来そうだとにやりと笑う。

「イグナスさんですね。改めてよろしくお願いします。
イグナスさんは冒険者だったんですね。私は行商人兼冒険者って感じなんですよ。
イグナスさんはお仕事帰りだったり、依頼帰りだったりするんですか?」

それとなく探りを入れつつ出てきたリブステーキを几帳面に切り分けて一口大にした後、1つずつモリモリ食べていく。
パンとスープも食べていくが案の定、途中でお腹いっぱいになる。リブステーキはまだ半分ほど残っている。

「あ、店員さん、こっちにビールもうひとつください。あとミルクも」

飲み干したのを見て店員さんに手を振って注文をする。

イグナス > 「そう、イグナス。―――行商人で、冒険者?なんだ同業者か。
 おう、おう、そうだよ、しばらく遺跡に籠っててな、いやあ、餓死するかと。」

やっぱり楽し気に、くっく、と笑い声。死にかけるなんて、なかなかないものだし。
探りをかけてくるような言葉に、ある意味冒険者らしいというか――隠し事のひとつもせずに。
むしろ己の武勇伝でも誇るような物言いだった。

「――ンで?
 なんだ、世間話か、それとも大食いでも珍しかったか。」

ビールを注文する彼女に、本題とばかりに視線を向ける。
理由がないならばないでよいし、声をかけてきた理由を問うた。

フトコロ・ニーレル > イグナスの笑い声につられてくすくすと笑う。

上品な男は金持ってて好きだが、下品な男は分かりやすいのでもっと好きである。

「そんなに潜ってらしたんですね。収穫有りました?」

ちまちまと肉を口に運んで己の限界に挑戦していく。
隣に食べっぷりのいい人がいるとこっちも食欲が増すというものである。

「ふむ、やっぱりイグナスさんみたいな分かりやすい人はいいですね。
世間話でも珍しかったわけでもなく。何か困りごととか今なくて困ってるものとかないかなって思って声をかけたんですよ」

自分のすぐそばに置いたやけに大きなかばんを指さす。
私物はほとんど入っておらず、ほぼすべて商品である。ダンジョンで取ってきたものから、ありとあらゆる娯楽用品が揃っている。

「イグナスさん遺跡からもどってきたばかりですし、娯楽が足りないんじゃないです?タバコ的なものとかも取り扱ってますよ」

どうですか?と上目遣いでイグナスを見つめる。最悪色仕掛けでもして手に余るものを売っぱらってしまおうという心積もりらしい。

イグナス > 「おうとも。腹ァだいぶ減った分だけはな。
 古めのマジックアイテムがいくつかあったからな、いい金になンじゃねえかな。」

だから半分前祝みたいなもんである。金に固執はしないけれども、入れば入るだけ、悪くもない。
凄いだろうー、って若干胸を張って自慢げだ。こっちもビールをもうイッパイと注文して。
注文しつつの言葉に、ふん?と首を傾けた。

「困りゴト?――……はァン、なるほど。行商人とも言ってたモンな、お前。
 そうさなァ。酒は飲むけどタバコはそんなに。
 だけども面白いモンがあるなら大歓迎だ、なあ?」

自由と冒険と、酒と女と娯楽を好む――なんていうか、冒険者だとかならず者だとか、まさにそんな体でモノをいって笑う。
やってきたジョッキとビールを飲み干して、ごとんとまた音をさせて。

「面白けりゃあ金は出す。さあほら、見せてみろ。」

何が飛び出てくるんだ、と相手の口上も楽しみにするように、じっと正面から笑いかけた。

フトコロ・ニーレル > 古めのマジックアイテムと聞いて少し目を輝かせる。
そうか!そういうお金になりそうなものを持っている可能性もあったのかと良い笑顔になる。

運ばれてきたミルクとビールを交互に飲む。お酒はちょっと好きだが苦いのは苦手なようである。
同じように飲んで食べれば相手も心を開いてくれる。交渉技術のひとつだとフトコロは考えている。

「はい、行商人でもありますからね。
面白いものがあれば買い取ってくれるんですか。うーん。そうですね」

頭をひねりながら何が良いだろうと考える。見た限り完全に三大欲求に従って生きている人だというのは察した。
では、それ関係のものが喜んでもらえるはずだ。
ベッドの上の女性を喜ばせるグッズ、快眠を約束してくれるようなもの、おいしい食べ物。
ふとひとつ思い当たるものがあって、カバンからそれを取り出す。

「これなんていかがでしょう?」

取り出されたのはひとつの小さな箱。
箱を開けると緑色の粉が入っている。何かの薬らしい。

イグナス > 別に相手の様子を窺って話をしてるワケでもないけれど。
金目の話になればにっこりと見える笑顔に、くくく、っとまた笑みが零れた。
やれ、どうやら相手もこういうことには素直らしい。
それは好ましいから、にまりと笑みのまま。

「そう、面白いモン。
 別に生活だろうが冒険だろうが、そンなにゃ困ってねェからな。
 俺が生きるのを、楽しめるモンがいい。」

彼女の見立ては正しい。三大欲求にしたがってまさしく、気の向くままに生きている。
退屈を嫌う男にとっては、面白いものが何より、欲しい。
ほう、と目を軽く見開いて、緑色の粉に視線を向ける。見たことはない。

「なんだ、粉――……くすり、か?
 メシに掛ける、珍しいスパイスとか。」

なんだろうかと、未知のものに興味津々。なんだ、早く教えろとばかりに口元笑みにして。

フトコロ・ニーレル > 食いついてきたので楽し気に笑う。掴みはばっちりのようだ。

「ふふ、これはですね。魔物……といっても植物なんですが、それの粉末なんです。
珍しい魔植物とでも言いましょうか。自分と相手の口に入れあってキスをするとですね?しばらくの間、相手の体液が無性に欲しくなるんですよ」

まだまだ食事をしている客が多い。あくまで小声で話を進める。

「別にキスしなくても、自分の唾液とかと混ぜて飲ませれば。相手の子はあなたの体液が欲しくてたまらなくなるんですよ
血を欲しがることも無きにしも非ずで、たまに一般男性が酷い目にあったりしていますが」

あなたなら大丈夫でしょうと情報を包み隠さず伝えていく。
最初にごはんのスパイスかと言われてそっちの方がよかったかと思い商品を変えようかと思ったが、これで押し通すことにした。

イグナス > 「……ほん?」

ひそやかな言葉に、こちらも言葉を抑える。顔をぐいと軽く近づけて。
ひそひそ話というか、秘密のお話の空気を楽しむ空気。
ほう、ほう、と言葉にうなずいた。なるほど、そのたぐいのアイテムか。
彼女の押し通された狙い通り、それに興味を示したよう。
緑の粉をじいっと眺めて、にやりと口元を笑みにしたかと思えば、視線をあげた。

「で―――、それは試用とかできンのかー?
 そう、例えばフトコロ、お前とかで。」

なんて試すように声をかける。もちろん冗談半分本気半分。
やっぱり欲望たっぷりというか、相手に対する欲を一つも隠しはしない。
もちろん、試用OKならば購入もするだろう。断ったところで購入するかもしれないが。
つまりはそういう、下心をがっつりとぶつけていく。

フトコロ・ニーレル > 食いついてきたのでほっと一安心である。
このままぐいぐい行けば買ってくれるだろうと高をくくっていたのだが……

「えっ私ですか!?」

もちろん想定の範囲内の事ではあるのだが、本当にその要望が来るとは思わなかった。
少し考える。この薬を使われた女性の必死さというかすごかったのだ。
自分もあれになるのだと思うと少し怖かったが同時に興味もあった。

「んーわかりました。いいですよ。ただし、注意点がふたつ。
ひとつめ。先ほども言ったように体液。血を求める場合もあります。一応武装解除はしておきますが、けがをした場合は自己責任でお願いしますね。
ふたつめ。薬の効果が切れるまで責任とって……体の中にいれてくださいね。効果が切れるのは今から飲めば次の日の朝には切れると思います」

そう言いながら、マントを取り出し素早く着替えを行って真新しいシャツとズボン姿になる。
武装解除完了らしい。

イグナス > 「そう、お前。」

こくんと頷いた。上手くいけばラッキー、くらいのつもりでもあったんだけど。
へえ、と了解の言葉に嬉しそうに笑みが。
注意事項にもちろん、と諸手を広げて歓迎をば。

「何、モノがモノなンだろ。ちっとのこたあ構わんかまわん。
 ――おぅ、任せろ、任せろ。」

こちらも立ち上がる。ちょうどよく食事も全部、食べ終わったとこだ。
さあ行こうかと彼女を連れ立って、向かう先は2F。
宿にもなってる、そっちへとだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフトコロ・ニーレルさんが去りました。