2018/03/19 のログ
カーレル > 「おっ…お姐さん判る?俺にはぜんっぜん判らねえけど」

装身具なんかはともかく、貴族の使うような刀装具や何かは単純に無駄だと思えてしまう
こんな所に金を掛けるくらいであれば、より良い武器を持ったほうが良いのではないだろうか、と思わずにはいられない
店主とのやり取りの最中、彼女は横目ながら真剣な眼差しを自分の持ち込んだ商品に向けているから
悪い気がしないでもないけれどこの場に居残ってはお互い面倒に巻き込まれそうな気がした

…と、考えれば男の行動は早く
彼女の手をつかめば楽しげに笑い声を零しながらすたこらさっさと店の外に飛び出し、
店主の声にならぬ声を遠くに聞きながら雑踏の中に紛れ込む。自慢ではないが逃げることは得意であった

「いや、悪かった…戻りたいなら戻っても良いが勧めはしないぞ?
 あのおっさん、儲けようってガメついから…戻ればまた、値切りの事をグチグチと聞かされるぜ?」

彼女の手を離せば、ふう、と息を吐きだして
彼女の歩調に合わせるようにして、とりあえず、少し乱れた呼吸を整えることにする
先程の店主の顔を思い出すと堪えても笑いが収まらないのか、小さく噛み殺し損ねた笑い声が
妙な吐息になって唇から溢れてくるから、奇妙な笑い方をしているようにも見える

「っと…悪い巻き込んじまったな
 ……というか、お姐さんは亜人か。身形を見ると冒険者のようにも見えるが…鎚とは珍しい獲物だね」

今更、彼女の頭の上の耳や尻尾に気がついた様子
尻尾が2本あることに気がつくと、眼を丸くして、2本ついてるのは初めて見るな…と、
マジマジと尻の辺りに視線を向ける。卑しい気持ちがあったわけではけしてない。しかし、内心、
尻の形もなかなか良い、と思っていたりいなかったり

リズィ > 「一応同業者だからねえ、アタシは面倒くさがりだから基本的にシンプルな拵えばかり作ってるけど。」
「細かい作業も嫌いじゃないけど、こういう細かい仕事はなかなか手間が掛かるからねぇ。」

他人の仕事を見るのは楽しく、偶には装飾品でも作るかと思える程度にはインスピレーションが刺激された様だ。
もう少し眺めていたかったが、男に連れられて店の外へと出て行ったのでそれはかなわない。
店に戻ってもよかったが、聞こえてくる店主の声を聞けば、その選択肢はすぐに頭の中から消え去っていた。

「んー、もうちょっと見てたかったてのは本音だけど、あの様子じゃあねえ……」
「まあ丁度欲しい材料が手に入ったから良いんだけどね。」

手が離れるとケラケラと嬉しそうに笑って見せる。
職業柄か種族柄か女はあまり呼吸も乱れていないようで、軽く息を吐きつつゆったり目の歩調へと変え。
乱れた吐息と笑いが混じって楽しげな事になっている男の様子を見ればつられるようにもう一度微笑を浮かべ。

「あー、うん。亜人と言えば亜人かな?」
「鍛冶屋兼冒険者でね、槌は色々使えるから持ち歩いてるよ。」

男の視線が頭の上や尻の先へと移るのを感じ、そして男の言葉には詳しく説明するかどうかと一瞬考えるが、いつも通りに適当に答える。
なんだかお尻の辺りに視線が集中している気がして尻尾がくすぐったそうにゆらゆら揺れていたりして。

カーレル > 彼女の言葉になるほど、と頷く
同業者であれば自分が運んできた商品に何か自分ではわからないものを見出していても不思議ではない
あっさりと頷いたが、よくよく考えれば女性の鍛冶職人というのはあまり見かけないようにも思える

「素材って…さっきの骨か何かで出来た燭台?
 俺は素人だからよく判らないんだが、普通、鉱物かなんかだと思っていたが…」

首を傾げながら大通りを彼女と歩調を合わせて進む
思い返すに自分の知っている鍛冶職人は素人目には石にしか見えないようなものを扱っている気がする
よく見ればそれ以外の素材もあるのかも知れないが、なんせ金属の元となるような石塊が多い

「…そうか、この辺りじゃ色々大変だろうな
 冒険者にしても鍛冶屋にしても、亜人っていうか、ミレーに対する偏見は根が深いから…」

彼女の持つ鎚は彼女が鍛冶師だと聞けば合点がいく
あれで熱した鉄を打ったり何だりとするのだろう事は用意に想像がつく
尻尾が擽ったそうに揺れるのを見れば、笑いながらそこから視線を外して

「悪い悪い、尻尾2本は初めて見るし尻の形が良くてついつい、じっくり眺めちまった」

悪い、と言いながらそれ程悪いとも思っていないような様子であった
セクハラじみた冗談を口にしながら、歩いていれば屋台で焼かれる串焼きの香ばしい匂いが鼻先を掠め
足早に屋台の傍まで行けば、肉の合間に野菜の刺された串焼きを2本購入して
彼女に一本差し出し、尻の礼だわ、と笑いながら伝えて

リズィ > 「あれね、そのまま使うんじゃなくて、鋳溶かした鉄に一定量混ぜると良い感じの堅さと粘りを持った鋼材になるんだよ。」
「ただの魔物の骨なんだけど、この辺にはいない種だから入手が面倒だったんだよねぇ。」
「多分どっかの商船が積んできた土産物だと思うよ。」

ゆったりと歩きながら、そんな感じに聞かれた事に対して答える女。
饒舌に説明をするのは己の得意分野だからなのだろう、人は好きな事や得意な事であれば口も軽くなる物だ。

「あー、確かにこの辺すっごく面倒くさい。」
「個人的な意見としては種族がどうだろうがどうでもいいと思うんだけど、この辺の人の認識ってそうでもないみたいだしねえ。」

この国で店を持たないのもその辺が理由である。
店を持ったほうが商売はしやすいが、根無し草の方がフットワークが軽くなれる分逃げやすいという利点もあり。

「あぁ、それは珍しいだろうねえ。」

種族も違うしご同輩も余り見かけないのだが、勘違いさせたままちょっと悪戯っぽく笑って。

「ありがと。なんならもっと見る?」

串焼きを手渡されると、ニカッと良い笑顔でそれを受け取って一口齧り付き、もぐもぐと租借し始める。
そして軽く腰に手を当てて後ろを振り向けばふりふりと軽くお尻を振りながらそんな冗談を飛ばす。

カーレル > 「へえ…単純に金属同士合わせる事は聞きかじった事があったけど
 …金属でなくてもそういう技術ってあるんだな」

彼女が判りやすく素人の自分にも理解できるよう説明してくれるからついつい、門外漢だが聞き入ってしまう
『何でも屋』という職業柄、というわけではないが、専門意外の知識も広く浅く抑えておきたい所である
饒舌に語る彼女にとっては、先程と打って変わって割合真面目に耳を傾けるから良い聞き役ではなかろうか

「そういうお国柄だから仕方ないっちゃ仕方ないんだけどな…
 ただ、なんつうか国民全員がそういう認識ってんでもないから許してくれれば助かるな
 なんせ、ミレーにも亜人にも美人は多いしな」

美人に悪人なし、とまでは言い切らないが、目の保養にはなると思っているし、何より華やかだと思う
男もあまり人間だから亜人だからという偏見は無い方である。そんな事を気にしていたら、
何でも屋の商売上がったりである

「…それは尻の形のことがか?」

彼女が串焼きを受け取れば自分も串焼きに齧りつく
程よく焼かれてた肉は柔らかいとは言い難いけれど、タレがしっかりと染み渡り食べごたえがある
濃厚なタレの味わいがあって、これも程よく焼かれた野菜が良いアクセントであった
肉と野菜とを同時に口に頬張りつつ、彼女の冗談に乗っかって笑いながらそんなふうに返す

「いやいや、穴が空くほど眺めれば目の毒だからなあ…
 姐さんが薄着なのも目に悪い。色仕掛けにはめっぽう弱いからな、俺は…」

冗談を重ねながら笑い声を漏らしつつあっという間に串焼きを食べてしまう
彼女が腰に手を添えて尻を軽く振るようにすれば、笑い声を深めて、サービス良いなあ、とか続けて

リズィ > 「魔物やら動物やらだと生息地やら何やらで地域差出ちゃうから、安定供給とか考えると他の地域に出づらいからねえ。」

地域地域によっていろいろな調合があるのだろうが、きっと門外不出だったり製品でしか出回らなかったりするのだろう。
そういうのを研究したりするのも密かな楽しみで有り、それらの話を真面目に聞いてくれる男の態度は好ましいので、口に対するいい潤滑油になっているようだ。

「んー、別にアタシも全部が全部そうだとは思ってないよ。」
「そういう輩は声が大きいものってのもあるしね。さすがに商売できないくらいに治安悪ければさっさと他のとこに逃げてるし。」
「あー、たしかに。そういう目的の奴隷の子も多いみたいだし。」

獣の要素が入ると体つきがしなやかになったりするのだろうかという素朴な疑問が少し沸いてきた。

「んー、褒め言葉と串焼きの両方かな?」

そういってもぐもぐと肉と野菜を一緒に囓って口の中で味を楽しむ。
この手の料理は気軽に食べらるし、ちょっとジャンク目な感じが好みに合う。

「別に見られて減る物でもないし、動きやすい格好が一番だよ。」
「ちなみに尻尾の付け根のとこの隙間からは地肌が……まあ、そんなに隙間空いてるわけでもないからそうそう見えないけどね。」

下着越しや直に見られるならともかくとして、ショートパンツ越しであれば服の上からだし気にしないという女は結構考えが緩い。
なおショートパンツには尻尾用の穴が開いており、そんな冗談を言ってみた。
もっとも言葉通りにそうそう見えるわけえもないし、そのちょっとの隙間も尻尾を垂らしておけば隠れるのであるが。

カーレル > 「武器に使われてる素材なんて考えた事無かったが、言われてみれば確かに地域で特色は出るだろうなあ…」

鉄などは比較的、流通経路に乗るほうだろう
しかし、それに合わせる物は彼女の言う通り、秘伝であったり口伝であるだろうから中々広まらないものだと納得がいく
地域によっては鉄が全く取れない土地なんかもあって、そういう地域では地域にあった素材を使うのだろう
彼女は鍛冶師と言うだけでなく、冒険者でもあるようだから、その様なものを各地を歩いて、
色々と見聞きしてきたのだろう、というのが何となく分かる

「奴隷の売買は王都でこそあまり見かけないが、港町のほうじゃ主要な産業の1つだからな
 王都の娼館にも結構、多いぜ…ミレーや亜人の娘。毛嫌いしている癖に美味しい所はちゃっかり頂くんだから
 節操ないよなあ、この国の人間は」

ミレー族もそれに準ずる亜人も割りと見目麗しい姿の者が多いように思えるのは、
それ以外の者たちが密かに処分されてしまっているからだろうか?深く考えるとこの国の闇に触れそうな気がして、
すぐさま考えるのをやめた。考えすぎて1人心を痛めていては世話がない

「酒のつまみだからちょっと濃い目の味付けだけどな
 口に合うなら献上した価値があったってもんだ…」

良い食べっぷりの彼女を見ているとお詫びとは言えご馳走して気分が良くなる
濃い味付けに抵抗がある者もいるから、取り敢えずは一安心である
食べ終えた串を適当な屑籠へ捨てて、口元に僅かに残ったタレを親指で拭い

「姐さんは冒険者だと言うから言い寄られても自衛できそうだから良いけどな…
 一応、気をつけたほうが良いぜ?平民地区はまだしも貧民地区辺りじゃ質の悪いゴロツキがウロウロしてるしな」

串焼き一本、って話にゃならんさ。と肩を竦めて一応、注意を促しておく
知り合ったのも何かの縁、できれば酷い目にあって欲しくはないし彼女は鍛冶の面白い話を聞かせてくれたから、
その御礼ではないけれど借りを返す、というつもりでいて

「……だからって何でもかんでも隠せってんじゃないからな?
 その可愛い尻を拝めないのは損だしな」

調子よく冗談を重ねて、マジマジと尻尾用の穴の辺りに視線を向ける
ミレーや亜人の衣服なんてマジマジと見る機会は多くなかったから良く出来てる、と感心してしまった

リズィ > 「嫌いなのに下は別っていうのは業が深いというか何というかだよねぇ。」
「まあ普通の人間の娼婦相手でも、することはするけど見下してるって人も多いし……」

水商売とはいえその道のプロなんだから敬意を払ってもいいんじゃないかと考えるのは、人によっては見下される対象に入る職人という職業柄なのか。
単純に料金分の仕事はきっちりこなすというプロ意識への敬意なのか。

「ああ道理で。アタシも酒飲みだから丁度良い味付けだなあとは思ったよ。」
「エールと一緒に食べると良さそうだよね。」

食べ終わればご馳走様と軽く手を合わせ、残った串をゴミ箱に投げ入れる。
どうやら味は気に入ったらしくにこにこと笑顔を浮かべながら、今度買いに来ようと店を記憶していた。

「あの辺は……うん、うろつく時には馬鹿でかい剣とか背負って威圧してるから今のところ被害はないけど、気をつけておくよ。」

犯罪をする訳ではないが、偶に買う側として面白い物がないかと盗品市を覗く程度には素行が良いというほどではないが、心配されたので気をつけようと心にとめる。

「ふ~ん、隠さない方がいいのかぁ。えっちだねえ。」

生尻派?などとケラケラと楽しそうに笑いながら冗談を返す程度には会話を楽しんでいるようで、尻尾が楽しげにゆらゆらと揺れていた。

カーレル > 「ま、下半身は正直って手合なら可愛げもあるけどな」

当然、この国には「人間至上主義者」もいるわけで
それに比べれば公然とミレー族や亜人を嫌いながらも『床では別』という方が幾らか可愛げがあるように思える
娼婦に関して彼女が口にすれば、花は愛でるものなのになあ、と笑ってみせて

「そうか、姐さんは飲める口か
 それだったら、平民地区、貧民地区問わず屋台街の味は口に合うかも知れないな
 財布に余裕がある時は酒瓶片手に色々と食べ歩きしてみるのも面白いと思うぜ?」

食べ終われば手を合わせる彼女を見ては、意外と育ちが良いのかな、なんて内心思ったりする
自分が作った串焼きではなかったけれど、どういたしまして、なんて返して

「バカでかい剣か…気安く話しかけてみたが意外と怖い姐さんだったかな?
 良かったよ、今夜はそのバカでかい剣を持っていなくて」

尻が云々、と散々セクハラじみた発言をしていたから彼女が帯刀していたのならどうなったことであろう?
彼女の様子ならば笑って流してくれたであろうが、大袈裟に肩を竦めさせて怖がってみせる

「見えそうで見えないってのは中々ソソるってだけの話さ
 姐さんはパッと見、スタイル良さそうだから色々と想像はしちまうけどな?」

尻も良いよな?と彼女の言葉に頷けば楽しげに笑い声を零して
という具合にセクハラじみた話やら貴重な鍛冶師としての話をしながら歩くうちに、
大通りのハズレの辺りまでやってきた

「…さて、俺はこっちだからそろそろ行くわ
 楽しかったぜ、姐さん…色々貴重な話も聞けたしな。俺はカーレル、この町で『何でも屋』をやってる
 なにか御用があれば訪ねてきてくれ…貧民地区辺りで名前を出せば家までの道を教えてもらえると思う」

おやすみ、良い夜を。なんて気取った挨拶を彼女にすればふりふり、と手を振りつつ
大通りから薄暗い路地の方へと姿を消した……――

姿が見えなく慣れば、
 「尻も好きだが胸も好きだぜ?」
なんて笑い声とともに彼女に伝えて…今度こそ本当に気配も姿も路地の闇に消えていく

リズィ > 「師匠がドワーフだったからねえ、酒飲みになったのもある意味必然ってものかな?」
「ふむふむ、それじゃあ今度屋台をはしごしてみるのも良さそうだ。」

その場合は酒瓶片手に行くべきか、その時々で屋台で飲み物を買うべきかと少し悩むことになりそうだ。
そしてそんな素敵な提案をしてくれた彼に、お礼代わりに軽くウィンクをして見せて。

「短剣より長剣、長剣より大剣の方が威圧感は増すからハッタリには丁度良いんだよ。」
「あはは、物騒なところに行かないんだったら最低限のものがあれば十分だしね。」
「ほら、こんな場所で徒党を組んだ輩に襲われるなんてまず無いだろう?」

運悪く嵌められでもしたら話は別だが、大通りならばよほどの人数で囲まれない限りは逃げられるだろうと、多少楽天的に考える。
むしろこういうところでそんな威圧的な装備をして歩けば、警邏に職質されて面倒な事になりそうな気もした。

「チラリズムってやつ?いや、見えてないならチラリは無いか。」
「褒めても何も出ないけどね~?」

とはいいつつも何だか嬉しそうに笑って尻尾を揺らすのは褒められて満更でもない証拠である。
尻は腰回りからのラインが重要なのだとの持論なども飛び出しながら色々と話しをしつつ歩いて行く。

「そっか、アタシはこっちだからさよならだねぇ。」
「アタシはリズィ、あっちこっちふらふらしてるけど、冒険者ギルドに言えば連絡はつくと思うよ。」
「んじゃカーレル、今度暇が出来たら酒瓶片手にでも訪ねに行くよ。それじゃ、おやすみ~。」

大通りの外れの分かれ道でそんな別れの挨拶をして、宿へと足を向ける。
どうやら最後の言葉は大通りの喧騒に加え、互いの距離が開いたので女の耳には入らなかったようだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/大通り」からリズィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/大通り」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 曇り空の朝のうちに冒険者ギルドから、王都郊外の薬草採取の依頼を受けた。重そうな雲から雨粒がぱらぱら、気まぐれに落ちる頃に採取が終わり。網かごを抱えてギルドのある酒場まで急ぐが――

「――わ!降ってきた……!」

小雨が本降りにかわるまでそう時間はかからなかった。
雨に濡れたって自分は平気だけれど、納品する薬草までずぶ濡れにしてしまうのはまずい。慌てて駆け込む建物の軒先。

「雨の勢いが弱くなるまでしばらく雨宿り……だね」

呟けば、ひとまず足元に置く網カゴ。
前髪から首筋へ落ちる雨露を手先で拭うけれど、水を含んだ白い衣類は重いまま。ぺたりと半身に張り付いて褐色の地肌を半ば透かしている。
手持ちにタオルはなく、そのままぼんやりと
黒い雲からおりてくる雨音を見上げ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にセオドールさんが現れました。
セオドール > 「これは困りましたね」

少々余裕が出来たからと何軒か酒場や店を渡り歩く最中。
雨が降ってきたが小雨と気にしていなければあっという間に雨脚が強くなる。
振りが強くなれば流石にそのまま濡れるなど出来るはずもなく雨を避けれる場所がないかと駆け足となり。

「あそこなら雨も大丈夫そうですね」

しばらく走れば雨宿りをするには丁度良さそうな軒先を見つけそちらへと向かい。
先客がいるのが目についたがそれよりもと軒先に駆け込み。

「すまないが隣を失礼するよ」

軒先に駆け込み先客を見れば小柄な少女。
雨に濡れた服を軽く払い笑顔を浮かべて少女へと告げて。

タピオカ > 雨降りで潤った空気の匂い。濡れる地面や石畳の匂い。
すう、と小さく胸を膨らませて呼吸すれば気持ちよさそうに目を伏せる。
どこか近くの家屋の雨樋からこぼれた大粒の水が何かにあたってリズムを打っている。
とん、とん、とん、とん……。

心地よさそうに目を伏せてその音を聞いていると、駆け足の足音が近づいてくる。その方向を見れば、伸ばした髪で片目を隠した細身のエルフ。外見的に、年の頃としては自分と変わりないように見える。

「うん、どうぞ!
……さっきまで弱い雨だったのに、ほんと急に降ってきちゃったね」

そんな彼も雨宿りの軒先を求めているらしい。
駆け込みながらも柔和な笑顔を向けてくる相手へ、にっこり笑って迎え入れ。足元の網カゴを軽く脇に寄せておき。

「キミは……えっと、冒険者の人、かな?」

雨宿りのうちに、ふと彼の装いが気になって。
もしかしたら同業者かなと小首を傾げて尋ねてみる。
拭いきれなかった水滴がその拍子に喉元へ落ち、濡れた衣服の襟の奥へと伝っていく。

セオドール > 「助かります。
小雨だったので油断しましたよ。本当に急で驚きましたね」

少女の言葉に助かったと礼を口にして軽く頭を下げ。
笑って迎えてくれる少女に本当に急で困りますねと肩を竦めてみせて。
視界の隅で寄せられたカゴに目を向ければ中には薬草が見えて。

「えぇ、そうですよ。もしかしてご同業ですか?」

少女の姿は冒険者というよりも町娘と思える格好。
その問いかけに頷きもしかしてと問いかえし、少女に目を向ければ肌に伝う水滴が見えて。

タピオカ > 「でもちょうどいいところに軒先があってよかったよ。
実は僕、この薬草を納めに行くとこだったんだ。
あやうくダメになっちゃうとこだった。
それに……。ふふっ!キミとこうして会えたし!」

律儀に頭を下げる様子に軽く微笑んで応じ。
相手の片目だけの視線が網カゴの中へ注がれたら簡単に状況説明。
偶然の幸運で、薬草は守られて相手とも会えた。
雨音をそんな恵みだとばかり、声音を明るくする。

「やっぱりそうなんだ!
なんだか強そうに見えたから、もしかしたらって思ったんだー。
……えへ。僕も、これでも冒険者ギルドの戦士なんだー!
僕はタピオカ。キミの名前は?
――あ、……っ」

網カゴもあっては、町娘とかわりない装い。
武器も置いてきたから、説得力が無いかもしれないけれども。
彼と同業者と知るとぱあっと顔色明るくして笑った。
名前を求めて相手を見上げると、その視線が自分の肌に向いている事に気づく。
そこでやっと、衣服の胸元が濡れている事に気づいて。
小さく声を上げては、頬が赤く色づく。

セオドール > 「本当に軒先があって助かりました。
ここがなければ宿まで走っていく羽目になりましたからね。
私は今日は街を見て回っていたのですが…薬草は濡れると駄目になるものが多いですからね。
会えたことがですか?」

カゴに入る薬草の量にどうするのかと気になり、問いかけようとするがその前に少女に説明を受けて納得し。
薬草が濡れなかったことによかったですねと笑みを返し、会えたことが良かったという姿に人懐っこい子なのだろうと微笑ましく見て。

「強そうと言われたのは初めてですが初見で冒険者と当てられたのは初めてですよ。
おや、あなたも戦士なのですか。私と同じですね。
私はセオドールと申します、よろしくお願いしますね、タピオカさん。
どうかしましたか?もしかして濡れて冷えましたか?」

少女の姿を見れば同業と聞いても普通なら首をかしげる所。
しかしよく見れば少女の冒険者らしい雰囲気に納得をして微笑み。
こうして同業と会っても名乗りあう事は稀なだけに名を名乗り返して見下ろし。
こちらの視線に気が付いたのか頬を赤くする姿に素知らぬ顔で寒いのですかと問いかけて身を寄せ肩を抱きに腕を伸ばして。

タピオカ > 「うん!ここに軒先が無かったらキミに会えなかった。
今日雨が振らなかったらキミに会えなかった。
キミがここじゃなくて他の通りを歩いてたら、会えなかったと思うよ。色々偶然が重なって会えるって、素敵!」

納品物の無事もだけれど、こうしてふとしたきっかけで人と出会えるのはシンプルに嬉しかった。にーっ、と子供の笑顔になる。

「セオドールだね!よろしくー!
エルフの人って魔法を使えるらしいから……セオドールは魔法戦士!……かな?あはっ!
――あ、……ぁ……っ。えっと……、うん……。
少し……、身体が冷えちゃった……、かも……」

彼から名乗られたら、さっそく呼び捨てにするぐらい気安い遊牧民だった。彼の耳の形にそう当て推量を口にしながらも笑い声をたてて。
――そして、冒険者らしくしっかりと筋肉のついた腕に肩を抱かれるととたんにしおらしく身を縮めてしまう。透かした褐色の直肌からは胸元が薄く透けていて。それを気にするように視線を彷徨わせながらも。彼の熱で包まれると頬の色味を深くしながら。浅く早い呼吸をし始めて。

セオドール > 「そう言われるとそうかもしれませんね。
雨や私がこの道を使った偶然が重なり会えた訳ですから。
タピオカの言う通りですね」

もし雨が降らなければこの出会いはなかった筈。
同じ冒険者なだけにもしかすればギルドで会えたかもしれないがそれもわからないことだと思えば偶然が重なった出会い、少女の言葉に頷き。

「実は他の同族に比べれば魔法は少し得意ではないですがそれで合っていますよ。
それは大変ですね。今の時期に風邪を弾いては大事ですから。
良ければ雨が止むまでどこかで暖めましょうか?」

気軽く話せると言う事は同業では中々になく、つい普段は隠すようなことまで口にして。
肩に腕を回して少女を軽く抱けばしおらしく身を身を縮める事にさらに密着する様に身を寄せて見下ろし。
薄く透ける胸元を見下ろしながらそっと少女の耳元に囁いて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタピオカさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > ただ出会った、の一言で片付けてしまう人もいるけれど自分にとって出会いは大切なもの。
その小さな事を理解してくれたように頷く彼に嬉しくなって、ふにゃりと目尻を緩ませていた。

「わぁ、やっぱり!
きっとその分、セオドールには神様から剣の腕が与えられたんだと思うよー。
今度一緒に冒険の依頼、受けてみない?僕、セオドールと一緒に旅してみたい!」

自分はまったく魔法や魔術の詠唱に縁がなくて。自分に無いものを持ち合わせる彼へきらきらとした視線を送り。
さらに声音を明るくすれば、彼と組みたがる冒険者パーティ。

「……あ……ぅ……。
うん……。身体壊したら、冒険にも旅にも出られないし……。
あ、あ……!は……ぁ……。はぁ……。
……うん……。セオドール……。僕……、身体、あたためたい……。……あたためて……ほしい……の……」

さらに彼の身体が近づいてきて、思わず細い声を震わせてしまった。褐色の肌が、透け布ごしにかぁ、と紅潮して。風邪を引いたわけじゃないのに、ひどく熱を発しているのが相手に伝えられる。囁かれて胸元を見おろされたらぴくりと身体をすくませる。そこは薄い曲線にそって、淡い膨らみ。その膨らみを軽く震わせながら、こくんと頷いて。熱っぽく相手を見上げる。

セオドール > 長く生きるだけに色々な人に会うがこうして気軽く話せる相手との遭遇は本当に稀なもの。
そしてここまで気軽く話せる少女と出会うのは数年ぶりなだけにこんな出会いは大事にしたいと。

「それだといいのですが器用貧乏かもしれませんよ?
私とですか?えぇ、私でよければ構いませんよ」

もしかすれば少女が期待するような魔法は使えないかもしれない。
それでもこうして誘われれば笑顔で頷いて構いませんと返して。
少女とならば楽しく依頼を行えそうと思えば今からでも楽しみになって。

「そうですよ、冒険者は身体が第一ですからね。
お互いに風邪を引かないように暖めあいましょうか。こちらにいい宿があるんですよ」

更に身を寄せて見下ろすと住める布越しに見える褐色の肌に赤みが刺し、熱く熱を発しているのを感じとり。
肩に回した手でそっと淡い膨らみを撫でると見上げる少女に軽く唇を触れさせ。
足元のカゴを空き手で持ち上げ中が濡れないように布をかければ路地の先にある宿に向け少女を連れて歩いていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセオドールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に火棘さんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から火棘さんが去りました。