2018/02/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区娼館通り」にエンジェルさんが現れました。
■エンジェル > 今夜も人出で賑わう娼館通り。
その中の店のひとつ『天国への階段』。
その名の通り天国へと昇るような体験を出来ると謳うその店は、周りの店に比べると少々……いや、かなりお高い。
しかし、それでも今日も足を運ぶ客は後を絶たず繁盛していた。
そんな高級店の中、一晩好きにしたいなら30万、一発抜くだけでもプレイによっては両手の指に手が届きそうな特別な娼婦を指名した時にだけ通されるVIPルームがあった。
もっとも積極的に割引券や利用券を配っている為に運が良ければ格安で利用することも出来るだろう。
その店先、置かれた椅子にちょこんと座る少女の姿は少々この場にそぐわない印象を与えていた。
猫耳フード付きのもこもこパコートを羽織ったその少女は道行く人々にあどけない笑顔を向け、手を振られると嬉しそうに振り返す。
コートの裾から覗く投げ出された脚は素足、細い足が期限良さそうにぱたぱたと動いている。
「きょー、ゆきふるんだってー。」
あどけない表情で満面の笑顔を向けながら舌っ足らずな甘い声で挨拶するその少女もまたこの店の商品であった。
しかも、店で五指に入るほどの高値の商品。
予約がない日はこうやって店先であざとい笑顔を振りまき客を呼び込むのだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区娼館通り」にマイさんが現れました。
■マイ > この通りはいつの時間も人通りが多い。
娼館通りの名の通りその店が立ち並んでいて、ひっきりなしに人が出入りしている。
特にある高級店の前では、店の前をうろうろしている男たち…たまに女性もいるが、そういうのが目立つ。
遠目から眺めているだけだったり、財布の中を見て悩み苦しんでいる連中を見ていると、いかにも人の欲が凝縮された場所だなぁと感慨深い気分になったり…。
「こんばんは、いいかな?」
いろいろな欲望渦巻くその高級点の前に訪れるマイは、迷うことなく店のほうへ、正確には店先にいる同年代っぽい女の子に近づいていく。
初めて訪れたわけではないが出入りの激しい業界なので、嬢の顔や名前はあまり憶えてはいない。
雪が降るといって客呼びをするあざとい彼女に笑いつつ、声を掛けてみる。
■エンジェル > 店先であどけない笑顔を振りまいていると近づいてきたのは同年代ほどの少年。
一見冒険者と言った風情のその姿を椅子に座ったまま、口を半開きにじぃっと見上げる。
見たところ冒険者ではあるが、それなりに育ちが良さそうにも見える。
迷いなくこの店へと訪れたと言うことは、それなりにうちに来たことがあり、姐達が相手したことがある客だろう。
あどけない笑顔を浮かべたまま、そこまで推察すると満面の笑顔を浮かべ、椅子から跳ねるように立ち上がる。
「うん、どうぞー♪」
少年の手を引いて店の中へと招き入れる。
傍から見れば仲のいい友達……そういう風にも見えるだろう。
店の中へと案内するとカウンターには黒服の男が控えていて、彼に仕事を引き継ぐ。
『いらっしゃいませ、今日もセリナさんで?』
少年の顔を覚えていた黒服は前回相手した巨乳の娘の名を出しながら今空いている嬢のリストや料金表を少年の前へと示す。
その傍ら、少女がにこにこと笑顔を浮かべ、少年を眺めていた。
■マイ > 店内へ案内してくれた少女は度々見たことがあるが、こうして相対し会話をしたことはない。
年相応のあどけない振る舞いを見せてくれているが、本当にそういう性格とは思わなかった。
娼婦だからというのもあるが、彼女が自分を見たときの一瞬、品定めをされているような気になった。
「はいどうもー」
彼女の調子に合わせるような気の抜けた返事をして、相変わらず煌びやかな店内を眺める。
カウンターにいた黒服が嬢の名前を挙げる。
いろいろな嬢に手を出していたりするが、セリナという娼婦とはそれなりに付き合いの長い相手になる。
リストの名前を眺めるが料金表には目もくれず、ちらりと傍にいる少女に視線を向けて。
「キミは空いてる?」
セリナでもよかったが、なんとなく自分を案内してくれた子でもいいかなと、そのくらいの感覚で選んで。
営業スマイル感がすごいけれど、同年代っぽいから気にはなる。
赤い瞳を真っ直ぐ向けて、くすっと微笑みながら訪ねた。
■エンジェル > 黒服の応対する態度からそれなりに上客であることが見て取れる。
何故冒険者の格好をしているのかという疑問は残るがやはり良家の子息なのだろう。
その少年が少女へと視線を向けると満面のあどけない笑顔を返す。
「うん、えんじぇるきょーはひまなんだー♪」
上客ゲットだと内心ほくそ笑みつつ、少年の腕へとぎゅっとしがみつく。
少女は先日少年が相手した娼婦よりかなり高い。
が、黒服が値段について何も言わないが年端もいかない少年が持つ財力を暗に知らせる。
粗相は出来ない相手ではあるが、上客を捕まえるチャンスとも言えた。
腕を組んだまま、笑顔でじっと見上げる。
もちろん、組んだ腕を温かなコートの中へと招き入れネグリジェ越しに薄い胸元とぷっくりと膨らんだ乳輪を押し当てることも忘れない。
■マイ > 「エンジェル…?ぴったりな名前かもね」
天使とはなるほど、確かに彼女にはぴったりかもしれない。色々な意味で。
内心彼女のあどけない仕草に戸惑いつつも、つられるようにして笑顔になる。
ついでに言えば、笑顔の下でどんなことを考えてるんだろうなというのもあった。
「じゃあよろしくね、僕はマイって名前」
とりあえず名乗ったのは名前のみ、それでも娼婦間のコミュニティならどこの誰かあっという間に知られるところだろう。
腕にしがみつく彼女は可愛い顔で見上げてくるし、着ているコートを羽織らせてきわどいところを当ててくるかなりの積極性。
たぶん黒服の様子から上客だと判断したんだろうと冷静に分析。
その仕草に応えるように、彼女の腰に腕を回して案内に従っていく。
■エンジェル > 「えへへ、うれしいなー♪」
名前を褒められると頬を染めてはにかんで見せる。
勿論、本当に照れているわけではないが頬を染めて見せるくらいの技術は身につけている。
「えんじぇるはえんじぇるだよー♪
じゃーぁ、まいくん?まいおにーちゃん?ごしゅじんさまのほうがいーい?」
茶番のような自己紹介の後、少年の腕をコートの中に掴んだまま幅の広い二階への階段を上っていく。
その途中、名前の通り天使のような笑顔を少年へと向け続け、甘い匂いのする吐息がその耳を擽り続けた。