2018/02/06 のログ
シェリス > 「まぁ、男ってのは種を残すもんだからねぇ」

生死に直結する場所で生きていればそちらの欲求も強いのは頷ける。
口の中がひりひりと灼けるような辛さのチョリソーを美味しそうに食べきると、こちらも店員にワインを要求した。

「洒落たもん飲むねぇ。
あたしはエールかワインくらいさね」

ワインを愛飲するのは船に乗っていた頃の名残だ。
水は腐るけれど、アルコールは腐らない。

「んー……そういう気分になることはあるけど、買う買わない以前に誰かしら見つかっちまうからねぇ」

気分さえ向かせられれば抱ける、恐らく傭兵界隈でそのフレーズを知らない者はいないのではないだろうか。
逆に言えば、気分次第という曖昧すぎる条件をクリアする必要があるわけである意味簡単なようで難しい。

エズラ > 「昔の仲間から教わったーーはじめは騙られて消毒液を飲まされてるのかと思ったぜ」

そう言う男は笑いながらまたグラスを傾ける。
しかし、続く女の台詞には、その笑みもふと消え、瞳に情熱の炎がともる。
カウンターに肘をつき、じいっと相手の瞳を見つめて…

「ほおーお、そいつぁ豪気だなぁ…ところで今日は、「そういう気分」にゃ、なってねぇのか?」

お互いに仕事終わりーー時刻もまだ宵の口。
折しも酒精も帯びて、男の舌が回り始める。

シェリス > 「あっははは!
きつい酒はほんとにきついからねぇ」

けらけら笑いながらワインを傾けて。
男の目つきが変わったのを見れば、一度は見返したのだが…

「今日はまだ少し後処理があってね。
また時間と…あたしの気分が合ったら、かね」

に、と口の端に笑みを浮かべると立ち上がり。
カウンターの上に代金を置くと、じゃあねと一言残しながら手をひらりと振って。
悠々と店の外へと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシェリスさんが去りました。
エズラ > 「んおっ……――」

呼び止める暇もなく。
店の外へ消えた女の方へ暫し腕を伸ばしていたが――
すぐに、口の端に笑みを戻し、再び酒をあおる。
店員の男がなにごとか呟こうとしていたが、それを制し。

「おい!何も……何も言うなよ、ったく」

暫し、二人で見つめ合い――
そして、どちらからともなく、くっくっ、と喉を鳴らして――
それが大きな笑い声に変わるのに、それほど時間は必要なかった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエズラさんが去りました。
ご案内:「」にエズラさんが現れました。