2018/01/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にガラッゾさんが現れました。
ガラッゾ > 平民地区の幾つも店の建ち並ぶ大通り。
今だ人々の活気が絶えぬ賑やかな通りの片隅で今宵も1匹が地面に座り込み、獣の皮をなめして作った敷物を敷いて、其処に刃物を並べて売っている。

小ぶりの投擲用の手斧のセット
鞘に収まった一見して量産品に見えるロングソード
刃先が皮袋で封されたハルバートらしき長物に盾に鎧に………諸々と。

店主であるフードを被ったローブ姿の人影が運んできたには不釣合いな数々の武具が並んでいるが、それが売れたyぷすはひとつも無い。
その武具の山の傍に『武具作成承ります。代金は要相談』とまるでミミズか何かが這った様なへたくそな字が書かれた看板?もあるが、それさえも大通りを歩く人々の眼にとまる事はないようだ。

「………売れネェ………。」

大欠伸を噛み締めながらすっぽりと被るフードの奥底で愚痴を零す。
酒代、武具を造るための素材用の金に女を買う為の予算に諸々諸々……必要だからと今夜は兄弟達と作品を売りに来たのだが、皆己に押し付けて巣に帰ってしまい、売れない作品と共に置いてかれて今に至る。

作品、と言うだけあって視線の先に無造作に並べた品々はそこ等の武器屋や防具屋と並べ物にならないくらいの逸品なのだが、どうにもこうにも自分らはあまり歓迎される存在ではなく、どいつもこいつも品物だけ安く買い叩いて追い払おうとする上に粘ろうものなら衛兵を呼ぶぞと脅されて散々な眼にあったのだ。
だから、もう店に持ち込むのではなく、こうやって露店で売ろうとしている。

――最初に戻るが、それでも売れない。
声を張り上げて客を集めるにもこの声では警戒もされるし、下手すれば、脅された時と同じく衛兵が絡んできて余計な出費が降って湧いてくるだろう……。

「………売れネェ………。」

……こうやって愚痴りながら衛兵ではなく、武具の価値がわかる客が来るのを何度めか判らない欠伸を噛み締めながら町防蹴るしかなかった。

ああ、出来ればオンナがいい、金の払いのいいオンナが……。
ガキよりも食いでのあるオンナがいい、約束を守れる奴でもいいが、守れないオンナも悪くない……。
等と妄想を巡らせて、フードの奥の濁った眼で大通りを歩く人々を眺める。

ガラッゾ > 今夜も自慢の逸品は一つも売れることはなく、客になりそうな人間も通りかからず、これなら召喚されて使役されていた方が幾分かマシか……と思ってしまうほどの空振りに大きな溜息を吐き出すと、無造作に並べていた商品を獣皮の袋にまとめて包み込み、壁に立てかけていた刃の部分を皮袋で包んだ自分の背丈よりも倍近く長いハルバートを肩に担ぐと、立ち上がり裏通りの方に向けて歩き始める。

こうなると露店だけではなく、紛いなりにも店の様なものを用意するか、別口に売り込みにいくか……それとも見た目の良いオンナを見繕って売らせるかしないと、考えながら歩き去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からガラッゾさんが去りました。