2017/08/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にロズワールさんが現れました。
■ロズワール > 平民地区の雑貨屋にてお買い物。
特に何か目的があるわけでもなく、ふらりと立ち寄った。
最近、というより王都に来てからまともにお洒落もしていない。
たまには服なんかも変えて、気分転換も...と思っていたが、どうやら気に入ったものが見つからなかったらしい。
その代りに、マグカップを見つけた。
イニシャルの入ったよくあるペアカップらしい。
「I」と「R」のカップを手に取り、籠へ入れる。
自分のと、自分の店で働くバイトの魔女に...。
会計を終わらせ、ふと目線を向けた先には
一言で言えば巨人。
普通の人間ではありえない身長の男が、今まさに机の上からマグカップを落としそうになっている。
「おっと...」
瞬時に指を一本付きたて、円を描くように空中を掻く。
すると、地面へ落下寸前のマグカップは一瞬空中で止まり、何事もなかったかのように机へと戻っていく。
まるで、逆再生のように...。
■イグナス > 落ちる。買いもしない、使いもしないマグカップがひゅうーっと下に落ちて、ぱきん、と。
「………お、う?」
ぱちくり。まばたきひとつ。
落ちる壊れると思っていたマグカップがまるで、時間を逆行するように戻っていった。
通常ではありえないその光景に、ぽかんと驚いて口を開いて―すぐに視線を彷徨わせた。
自然に起こるようなことでは、ない。
「………あんた、か?」
指を付きたてた、こちらに視線を向ける女性がいた。
なにかをしたならば、彼女くらいしか見当たらない。半ば確信気味に問う。
■ロズワール > 「内緒、ね?...それより、お兄さん大きいねーっ」
クスリ、と悪戯に微笑みながら、人差し指を口元に当てる。
自分が魔女だということを、少なくとも平民地区の人間にばれたくはなかった。
ほんの少し、距離を保ちつつも、自分よりはるかにでかい男へ近寄り見上げる。
こんなに背の高い人間は見たこともない。
男、ということに警戒はしつつも、興味津々に彼を見つめる。
「お兄さん、巨人族とかだったりするのかな?」
この世界に巨人族なるものがいるのかはいささか不明だが、彼もきっとその類に入るだろう。
普通に生活していて、ここまで背がでかくなるとは考えずらい。
■イグナス > 今の現象について言及しようと口を開くけれど――、救ってもらった上に内緒とまで言われたならば。
それ以上口も出せず苦笑い、わかった、とばかりに肩を竦めて。
「ん、そう、でかいだろ。――おかげさんで今みたいなことがあるンだけどな。」
視線をマグカップへ。ただでさえサイズ違いなのに、壊しでもしたら大ごとだ。
何が起こったかについては聞かぬものの、助かった、とだけ付け加えて。
問いかけに、ほう、と少し目を見開いた。たいていの人間は、ただの異様にでかい人間、と思って済ますのに。
「よくわかったな、――…正確にはハーフジャイアント、半巨人、ってヤツだな。」
それについては隠すつもりもないのか、己の胸をぽんと叩いて宣言を。
まっとうな人間種族ではないみたいだ。
■ロズワール > 「なるほど...。私は身長低くて困ることもあるけど、大きすぎるのも大変なんだねっ」
先程の「魔法」について何も言及をしない彼に、礼の意味も込め、ウインクを返す。
少々頬を緩めながら、彼の顔を見上げ苦笑を浮かべた。
確かに、ここまで大きければ、日常生活には支障きたすかもしれない...。
自分はある程度、魔法を使って対処することも可能だが...
「半巨人...かぁ。でも、戦場ではさぞ、強いんだろうねぇ」
つまり、彼よりも大きい人型の種族もいるということだ。
少しばかり、いや、俄然イリヤの興味を惹くものではあった。
日常生活では大変かもしれないが、これほど強靭な体を持っていれば、魔族や敵対国の兵など、敵ではないのでは?と。
■イグナス > 「便利なこともあるンだけどな、まあ、大変なことのが多いなァ。
もうちょっとみんな大きけりゃいいんだが。」
それは半分あきらめ気味にだけど、ぼやく。
お互い大変だなあって苦笑いも。今に始まったことではないんだけども。
でもそれが活かせる分野とあらば、にんまりと、自慢げに笑みを。
おう、と頷いた後にぐいと腕を曲げて、軽く力こぶを作るような動作。
「もちろん、…まあ、半巨人なんてそうそういないし。
だからってだけで強いわけじゃ、ないんだけどな。
最強だ最強、俺より強いヤツなんてのはまあ、そうはいねえよ、うん。」
なんて自信たっぷり――しかも本気で断言してる様子。
実際にこの強靭な肉体の前には、少々のものなど相手ではないのだ、と。
■ロズワール > 「わははっ...、そりゃ確かに、皆お兄さんみたいに大きかったらねぇ...」
想像してみる。
たとえば自分が彼と同じくらいの身長だったら...
と、考える途中で笑いが込み上げ、それを堪えるので必死だ。
確かに、自分が目の前の半巨人と同じ大きさだったら、周りの人間も彼と同じ大きさだったなら、もう少し便利な世の中になっているかもしれない。
「だよねー。魔法や、武器なんて必要なかったり?」
やけに自信満々な彼に少し意地悪な質問を投げる。
流石に、魔族相手に素手、なんてことはあり得ないだろう。
それでも、彼の体格は十分、この王都では先陣を切れる値ではないだろうか。
■イグナス > 「まー、みんな同じはつまんないのかも。
…そうじゃあないにしたって、せめて俺にもうちょい合わせたモノがありゃ文句ないんだが。」
身長も個性と、強みの一つだ。ついでに言えば、女を抱くときも身長差があるのはいい。――そこは伏せておくけど。
なんにしても、サイズで困ることがわりかし多い。
オーダーメイドはお金がかかるんだとまたひとつぼやいた。
「武器はあるほうがもっと強いぞ?……魔法はダメだな、素養がない。
そもそも魔術にアクセスする回路がないンだよ。
俺だけなのか、他のお仲間もそうかは、わかンねけど。」
ハーフジャイアントなんて己以外みたことないから、少しあいまいに。
魔法についてはそのように。こと魔法――魔力を使うことについては、一切の才覚がない。
身体的にそう出来上がってすらいる
■ロズワール > 「皆違って皆いい、なんて言葉もあるくらいだしね。
それでも、やっぱりお兄さんにはお兄さんにしかできないことがあるって、私は思うけどね」
魔法の扱いと、魔力の量しか取り柄のないイリヤにだって、イリヤにしかできないことがある。
それは、誰にだってある特質した何かだと、口する。
神様なんて信じてはいないが、やはり、そういった生まれ持って授けられたものは必ずあるのでは?と頭上の彼に呟く。
「ふむふむ...。まあ、魔法は向き不向きがあるからねっ。人間でも、魔族でも、使える人もいれば全く使えない人もいるし」
それも、生まれ持った何かの一部に過ぎないのだろう。
たまたまイリヤは魔導士の一族に産まれ、仲間よりもはるかに大量の魔力を扱えるように育った。
それに比べ、武芸の類は点で駄目だ。
武器の類は扱ったためしがない。
才能とはそういうものなのだろう。
■イグナス > 「そうだといいがね。……お前は、さっきみたいなのが、得意?」
あまり深くは知られたくなさそうだったから、ぼかし気味に問いかけを。
先ほどのマグカップの動き、見ていたのは当事者のふたりだけだろう。
咄嗟にでもできるのは、習熟を感じさせる。
「俺の場合は、水源がなければ、水路も蛇口もないって状態らしいしな。
その分、こっちに偏っちゃいるんだが。」
ぽんと己の腕を叩く。彼女のとそれと真逆に、肉体の頑強さだとか、武具・技の扱いに特別優れている。
それこそ、それぞれにしかできないこともあるんだろう。
■ロズワール > 「きっとそうだよっ...、
うん。そうだね。私にはあれくらいしか取り柄がないからねー」
先程のマグカップを空中で拾う魔法。
あれは、魔法使いや魔導士、魔女ならだれでも行えるであろう、対象の物体を自由自在に操る基礎魔法。
一際簡単で、魔力を持っていれば人間でも扱える魔法だが、熟練度によって質は異なる。
イリヤは、もちろん得意だ。
彼の問いかけには答えるものの、ブツが悪そうに先程のマグカップへ目を落とす。
この力で傷つけた人もたくさんいるんだ...
ポツリと呟くその言葉は重みを孕んでおり、どこか寂し気な表情を浮かべた。
「んー...、まあ魔法なんて使えなくても生活には困らないよっ」
にっこりと彼へ笑顔を。
彼の凄みはきっと、その大きな体なのだろう。
そんな彼に、こんな子供だましは必要ない。
魔法は便利で、時に自分を守る武器になるが、同時に人を傷つける狂気に、兵器にもなり得るのだ。
そのことを嫌というほど理解しているイリヤだからこそ、魔法に頼らずとも最強の半巨人に憧れの目向ける。
■イグナス > 「あれくらい、ね。大したもんだと思うけどな、実際は俺は、それで助けられたのだし。」
マグカップを、やっぱりサイズの少し小さなそれに触れるながら。
重みをもって紡がれる言葉は、理解こそできるものの、それこそ力で生きる男にとって共感しやすくはない。
あんまり深刻に考えるなよ、とそれだけ告げて。
「そりゃあそうだ。
ま、身体が小さくたって生活にゃそこまで困らんだろう、…でかくて困ることはあるが。
なんでも善し悪しだな、おい。」
落ち着く結論は、実に平凡なもの。そんなもんかと苦笑い。
もちろんそうあっさりと結論できるのも、この男の自信ゆえかもしれないが。
と、気づいたように顔を上げて。
「っと、悪い。話し込んじまったな。そろそろいかないとだ。
――今日は助かった、あー…俺はイグナスという。名前を聞いても?」
■ロズワール > 「助けることができたならよかったよ」
自分はただ、マグカップが割れるのを防いだだけ。
ただそれだけのことで、彼から礼を言われるなら、マグカップが割れるのを防いで良かったのだろう。
人を傷つける力も、使い方によって人を助けることもできる。
頭では理解していても、やっぱりイリヤは胸を張って魔法を使うことなどできなかった。
「ほどほど、が一番かもねっ」
平々凡々、そんな言葉が通じる世の中でもないが、普通に暮らしている民たちもいる。
そういう人たちの中に紛れ、生活をしているのだからこその責任感。
それを抱えながらも、笑って生きていけてるだけまだ幸せなのかもしれない。
そんな風に、結論付けた。
「おっと、そうだねっ。私もお店の準備があるんだっ。
いえいえ、こちらこそ貴重な意見をありがとう。
イグナスお兄さん、ね。私はロズワール。
またどこかで会ったら、話そうねっ」
気づけば1時間以上はこの場で話し込んでいた。
そろそろ帰って引き継ぎの準備をしなければ。
今日、短い間だったが話し相手になってくれた半巨人へ満面の笑顔を浮かべ軽く自己紹介。
もし次に彼と再会したときは、もっと深い議論を繰り広げたいと、望むか。
小走りで、ペアカップが入れられた袋を揺らしながら一足先に雑貨屋を後にした___
■イグナス > 「ロズワール。…ああ、またどこかで。」
名前も聞いて、ちゃんと礼も言えたならば満足そうに。
彼女なりに抱えることはあるようだけども、最後に笑顔が浮かんでいるならばそれはいいことなんだろう。
ゆる、とこちらも口元に笑みを。
そのまま彼女とは別の方向へと足を進める。
買い物について色々と問題は残ったままだけど、ひとまず今日は、弁償しなくてよかったということで手を打とう――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロズワールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都平民地区 裏路地」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > とっぷりと日が暮れてからが、本来の活動時間。
そう公言するかのような活発ぶりを示す小さなシルエットが、平民地区の裏通りにあった。
今日はどこぞの芝居小屋で、王国風の演劇とやらを鑑賞し、程よく空いた腹を大衆食堂で満たす。
簡単な娯楽を享受し、胃袋も満たされて人心地ついた妖仙が向かう先といえば、おおよそ見当がつきそうなもので。
そんな界隈に顔を出す為に、こうして近道になる裏通りを歩いているのである。
「然し、アレじゃな。
演劇というものは、下地となる知識がなくては面白みが半減してしまうものじゃなぁ。」
幸い、昨日今日に活動範囲をこの国にまで広げた訳でもなく、蔵書での学習なら帝国にいた頃にもしている故に、王国の伝承等への造詣がないでもない。
だが、ふらりと立ち寄っただけの異邦人が、演目の全てを味わい尽くせるものだろうかと、緊急性の乏しい思考で暇つぶし。
平民地区といえども、裏に回れば貧民地区のそれと天と地程の差があるでもなく、じっとりと淀んだ空気が肌にまとわりつく。
寧ろ、貧民地区でも逞しく生き抜いているというような住民の活気が乏しい分、うらぶれた気配は強いぐらいかもしれない。
■ホウセン > 貧民地区の裏路地と大きく変わらないというのであれば、治安の具合も似たり寄ったりなのだろう。
建物と建物の間に存在する隙間と、そこに横たわる闇。
逆光となって見通せぬ其処では、何が起きているのか分かったものではない。
即物的な暴行、強姦、略奪に、誘拐に拉致に後ろ暗い取引であるとか、おおよそ想像の及ぶ範囲の悪行が跋扈しているやも知れぬ。
当然、子供が一人で出歩くような場所ではないのだけれど、異国の装束で身を固めた存在には怯懦の欠片もない。
「ふむ、平民地区で事を済ませてしまおうか。
それとも、富裕地区まで足を伸ばそうか。」
それどころか、頭の中は桃色の思考で埋め尽くされている始末。
ここいらの界隈の気風の良い娘を買うのも良いし、少し離れているが娼婦の質に定評のある富裕地区の娼館に顔を出すのも良いだろう。
どちらも好ましい上に、それぞれ異なった味わいがあるものだから甲乙がつけられぬのだと嘯く。
財布の中身に心配がないからこそ、斯様な贅沢な悩みを抱え、整った顔立ちに苦悩めいた眉間の皺を浮かべるのだけれど。
■ホウセン > そうこうしているいる内に、娼館の建ち並ぶ界隈が近づいているのだろう。
所謂、街娼の姿がちらほらと。
その内の誰かを買うか、それとも初志貫徹と馴染みの店の敷居を跨ぐか。
どちらにしろ、一人寝をすることはないのだろう。
ご案内:「王都平民地区 裏路地」からホウセンさんが去りました。