2017/08/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」にアンナマリアさんが現れました。
アンナマリア > 平民地区、昼過ぎの大通り。
人とモノが行き交うそこに一人の少女が仁王立ちしていた。
豪奢なドレスを思わせる純白の鎧、柄に両手を置き石畳へと突き刺すよう置いた剣もまた綺羅びやかな装飾が施されている。
行き交う人々を見つめる碧眼は鋭く、一見にして只者ではない印象を与える。

少女は三つの意味で有名だった。
一つは、帝国有数の貴族であったグランハイム家の令嬢。
二つは、魔王を討伐せし勇者の仲間。
そして、三つは……巷に出回っているセックスを売りとした映像を鑑賞することが出来る魔法石、それの出演女優であるということ。

しかし、すべてに置いて彼女は真剣だった。
今日もまた、仕事に役立てる為に道行く人々を観察し、あわよくば男優をスカウトしよう、そんな腹積りなのだから。

ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」にピングさんが現れました。
ピング > 適当に昼飯を食べた帰り道。
今日も適当に店番をこなすべく、己が店へと戻る道すがらであった、のだが。
道中、妙に真剣な目をしていかにも騎士然とした様相で大通りを睥睨している女性が目に留まる。

何やら見覚えがある様な、と立ち止まり、少し離れた場所から相手を見やり。
ふぅむ、と顎先を撫でながら考えること暫し。

ぽん、と手を叩くと、非常にお世話になっている商品の主演者であることに気付くのだった。
その内容は非常に濃く、男の股間を悦ばせることにかけては群を抜いた作品であるが故。
無論、このスケベオヤジも大ファンだった。


「もし、済みませぬ……っ…もしや、もしやあのくっ殺シリーズの…!」

興奮冷めやらぬと言った具合で近寄り、知らぬ人が聞いたらそりゃあ何だと眉を顰められそうな単語を口に。
憧れのアイドルにでも出会う、そんな緊張感の元にそわそわしつつ声をかける次第。

アンナマリア > 真剣な面持ちで通りを眺めていると不意に声を掛けられ、そちらへと首を向ける。
見れば太った中年男性の姿。
そして、その問いかけに一つ頷く。

「如何にも。私がアンナマリア・グランハイムです。ファンの方ですか?」

大きな碧眼でじっと男の瞳を見つめ、毅然とした態度で答える。
その姿だけを見れば歴戦の騎士と、それに憧れる男の図。
もっとも、実際はエロ映像の視聴者と、それの出演者の図なのだが。

ピング > 「おお!やはりそうでしたかっ…!
 いやぁ、へっへ、大ファンでしてな。大変お世話になっとりますとも」

でれりと鼻の下を伸ばしそうな勢いで、不思議と謙ったような態度になるのは相手の態度故か、それとも色んな意味でお世話になっているからか。
ともあれ、見目には騎士様にお目通り叶って光栄の極み、と言わんばかりの平民の図。
その実は、見る人が見ればそうじゃないと気づくこともあるかもしれないが。

「実は商品を取り扱わせて頂いておりましてな。
 いやはや、実際に敢えて光栄の極み。あぁ、品が手元にあればサインの一つでもお願いできたものを…!
 時に、今日は何を?もしや、次回作の…」

実に惜しい、とばかりに歯がみして、それでも出会えた機会を有効に活用しようと、握手を!と願う始末。
そしてはたとこの場に居る事に対する疑問を浮かべては、はっとして周囲を見渡した。まさかの撮影を妄想して。

アンナマリア > 「そうですか。お役に立てているなら何よりです。」

男の言葉に微笑みを浮かべ、答える。
ほんのりと頬が染まってしまうのはどういう風に世話をしているか理解しているからだろう。

「それはありがたい。取り扱って下さる店がなければいくら撮っても世に出すことも出来ません。心からお礼申し上げます。」

小売店の方だと知れば騎士としての面目など気にせず深々と頭を下げる。
そして、頭を上げると篭手を外し、柔らかな手で握手に応じる。

「はい、次回作に向けて何かヒントがないかとこうして道行く人々を観察していました。いつまでもカントクに任せっきりというのも色々不安なもので。そうだ、こうして知り合えたのも何かの縁。今までの作品を見てくださっているのなら、今までの至らぬ点や今後の演技に向けて何か助言頂ければ……。」

両手で男の手をぐっと引き寄せ、顔を近付けると真剣な表情でじっと見つめる。

ピング > 「えぇ、えぇ、そりゃあもう。一日の最大回数を更新したもんでしてな!」

非常にデリカシーの無い言い様であるが、それは最大の賛辞でもあるのだから仕方がない。
ファンを大事にする相手の態度に感銘を受けたように目を輝かせ、その手を握り込んで上下に揺らし。
童心に返ったように喜色めいた表情を浮かべるのだ―――作品はアダルトだが。

「ほほぅ、そりゃあまた向上心に溢れたもんだ。カントクさんの作品構成は確かに素晴らしいですからなぁ。
 おお、オイラなんぞで良ければ幾らでも!より良くエロい作品が出来るというならば、是非…!
 お時間があるなら、どうですかな。お店にお越しいただいて、作品を見ながら打ち合わせ等…」

此方も真剣は真剣なのだが、おそらくお互いの真剣のベクトルがどこかずれている。
ぎゅっとやる気を見せるように相手の手を握り返し、ふんす、と鼻を鳴らして気合を入れる。

アンナマリア > 「そうですか。ちなみに何回ほど?」

真剣な表情で手を握り合う騎士と男。
どうしても人目を集めてしまうにも関わらず、語り合っている内容は人目をはばかるもの。

「正直に言えば望んで得た仕事ではありませんが、任されている以上は真摯に取り組まねばグランハイムの名折れ。これくらいはやらねば仲間達に顔向けも出来ません。」

握った手にぐっと力が篭もる。
真剣な表情のまま、ほんのりと頬が染まってしまうのは作品を鑑賞してとの言葉のせい。

「そうですね。ご迷惑でなければ是非お願いしたい。どうせなら、スタジオではどうでしょう?おそらくカントクもいると思いますし、色々意見を聞かせて頂ければ!」

きらりと瞳が光るのは、生まれ持った生真面目さから来るやる気のせい。
チンピラ等一睨みで退散させるような鋭い眼光を持って男を睨み…もとい、見つめる。

ピング > 「恥ずかしながら薬を使ってねぇ。少ないのも含めりゃ23回だったか。
 いやぁ、干乾びるかと思いましたがな!ふぁっはっは!」

魔法的なお薬を使ってまで1日中頑張った、という馬鹿なお話。
あの時は流石に痛みもあった、などとしみじみ語るが、実際その後寝込んだのは今では笑い話。

そして眼光鋭く睨みつけられるようなその視線も、作品を知っていれば其処から見事なアヘ顔に変化することを知っているので。
ふぉぉ!と生のそのご尊顔を見れて興奮するのだからどうしようもない。

「なんと…!それは、是非、是非……!
 いやはや、これは何とも僥倖だぁ…♪まさかあのアンナさんと語り返る日がこようとは…!」

さぁさ、行きましょう行きましょう、と上がるテンションはそのままに相手に案内をお願いする。
或いは欲情し、不貞を働いた平民がその女騎士に連行されている様にみられるかもしれないが。
本人たちは至って真面目なのだ。

アンナマリア > 「それは凄い。女と違って殿方は無い袖は振れないと聞きます。そこまでやれるとは大した才能の持ち主だ。」

おお、と感嘆の声が上がるのは規格外とも思える射精回数への賛辞故。
一度背中を向けると毅然とした仕草で数歩足を進め。

「では、こちらです。着いてきて下さい。」

一度振り向くと一見睨みつけているような視線を向け、足早に通りを進んでいった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」からアンナマリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」からピングさんが去りました。