2017/08/03 のログ
ご案内:「王都マグメール/衛兵詰所地下」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (うっかり深夜の外歩きをしていて、衛兵に捕獲されたのは、ともかく。
身分を証明しようと印章つきの指輪を出したのは、さすがにまずかったと思う。
おかげで「公爵家の御曹司から指輪を盗んだ泥棒娘」と決めつけられ、
牢屋行きとなってしまったのだから。
今が昼なのか、それとも夜なのか。
床も天井も壁も分厚い石煉瓦で覆われている部屋に囚われていては、
時間の感覚すら曖昧になってくる。
ペンダントにしていた指輪は引きちぎられて奪い去られ、着崩れた浴衣一枚の軽装で、
両腕は頑丈そうな鎖でひとまとめに、ほとんど爪先立ちにならなければならない高さへ、
ぶらりと吊りあげられた格好。
体調不良なのか、それともなにか別の要因があるのか、
頭も身体も熱っぽくて――――連れてこられた当初は必死に冤罪を訴えていたけれど、
なんだかもう、どうでも良くなってきていた。)
窃盗……って、どのくらいの、罪になるの、かなぁ……。
禁固、……それとも、鞭打ち、とか……まさか、命まで取られない、よね……。
(暗い通路に面した鉄格子の向こうを、ぼんやりと眺めながら。
死刑にさえならないのなら、もう、盗人でもなんでも良いか、とさえ思い始めており)
ご案内:「王都マグメール/衛兵詰所地下」にベアトリスさんが現れました。
■リュシー > (爪先立ちでいないといけない、というのがまず、地味に辛い。
けれど、腕やら肩やらの関節がどうにかなった気配はないから、
たぶん、まだそれほど時間は経っていない、のだと思う。
それとも、己の感覚がすっかり麻痺してしまっているだけなのだろうか。)
―――あれ、……そ、いえば……下駄、どう、したっけ……。
(ここへ放り込まれた時には、もう裸足だった気がする。
借り物だったんだけどなぁ、あれ、なんてのんきなことを考えていること自体、
現実逃避以外の何ものでもなかったが)
あの、指輪……家に、返された、のかなぁ……。
いざとなったら、あれ、売っぱらっ…て、……食い繋ぐ、つもりだったのに……。
(失敗したなぁ、と洩らす溜め息さえ、どこか他人ごとめいて)
■ベアトリス > 変な娘が講釈家の指輪を持っていたので捕まえた。
と聞いて可愛いいかどうかを確かめるために貴族の権限で地下に入っていく。
「で、この娘がそうか、ご苦労だった、下がってよいぞ」
衛兵を下がらせて娘を見る。
確かに美少女ではある、バーゼル公爵家の指輪を盗んだとはどういう経緯か分からないがまあそれはどうでもいい。
「娘、名前は何と言う?」
牢屋の前で名前を聞いた。
■リュシー > (はじめに聞こえたのは靴音。それから、鮮やかな紅に身を包んだ女性が視界に映りこむ。
もう数年早くお目にかかりたかったなぁ、などと考えてしまうのは、
やはり現実逃避の産物かもしれない。
互いの間には、立場の違いを示す鉄格子が厳然とたたずんでいる。
衛兵は彼女に牢の鍵も渡したのだろうか、それとも。)
……なま、え……
(ぼう、と霞のかかる頭で、しばし思案する間をあけた。
この姿になってから使っている、通り名を伝えるのが正解だろうか。
いや、しかし―――もう、どうにでもなれ、という気持ちで口を開き)
リュシオン、……バーゼル公爵家の、正真正銘の後継者だ。
――――ま、もしかするともう、廃嫡されてるかもしれないけどねぇ。
(男の名前、そして、肩書。
へらへらと薄笑みを浮かべながらの名乗りを、彼女が本気にするかどうか。)
■ベアトリス > リュシオン。
確かバーゼル公爵家のドラ息子の名前だ。
最近噂は効かなくなったしとうとう追い出されたのか囁かれていたが。
「…そもそも性別が違うわ」
一笑に付す。
だがさすがに引っかかる、そう思って事前に受け取っていた鍵を使って牢屋を開ける。
「…お主、天獄と言うふたなり専用の娼館で幼女ばかり買っておったあのリュシオンか?そうなら一番お気に入りの子の名前は?」
本当に筋金入りのロリコンだから覚えていはいる。
かなり節操のないタイプだった、これに答えられれば…信じられんが本人だろう。
■リュシー > (はてさて、彼女とは以前、どこかで面識があっただろうか。
もし彼女が「リュシオン」を知っているのなら、彼女の記憶にあるのは、
金髪碧眼は変わらずとも、典型的な貴族のドラ息子、しかも30代半ば、である筈。
性別が違う、と指摘されれば、一瞬目を丸くしたのち、ぷは、と吹き出して)
あー、そぉ、だねーぇ。
うん…、確かに、この格好じゃ、男には見えないよなぁ。
(おかしくてならない、というように笑い出せば、頭上で戒めの鎖がジャラジャラと。
少しばかり毛色の変わった少女を求めて、幾度か訪れたことのある娼館の名を出されると、
かくん、と小首を傾げて一拍、記憶をたどる間を挟んでから)
あー、んー……そうだなぁ、どの子も可愛かったけどぉ……、
一番はやっぱり、あの子じゃないかなぁ。ほら、アリスちゃん。
おめめパッチリで、くちびるプックリでぇぇ、
手とか足とかほっそいのに、おっぱいがおっきくてふわふわでぇ…、
(放っておけばべらべらと、くだんの娼婦の閨でのふるまいまで明かしそうな勢い。
―――だったのだが、ふと、真顔で彼女の顔を見つめ返し)
………て、ゆーか、さぁ。おねーさん、誰。
(己にとっては、彼女はもう「お姉さん」と呼ぶべき年齢らしい。
まったく、呆れたロリコンぶりであった。)
■ベアトリス > 「信じがたいが本物じゃ…」
流石にため息が漏れる。
そもそもニッチ過ぎてそれほど客が多い訳ではない店の子の特徴をここまで流暢にペラペラしゃべることができるなら本物であると認めざるを得ない。
「ワシはベアトリス・エーフェンベルト…その天獄のオーナーじゃ」
息がかかる距離まで近づいてまじまじと見つめて。
「さて、美少女ならば体と引き換えに出してやろうかと思ったのじゃが…確かに美少女じゃ、だが経緯は分からんがあのロリコンドラ息子かと思うと…」
さすがに悩む、勃起はする、だがいくら美少女とはいえ素を知っているだけにどうしようか思案に暮れていた。
■リュシー > (―――溜め息をつかれてしまった。
無理もないことだとは思うが、ほんのすこしだけ傷ついた。
ゆえ、相手の名を聞いて、あああの娼館の、と思い至るも、素直にそうか、と
応じる気にはなれず―――ふぅん、と双眸をすがめて)
……ああ、あの、……趣味と実益兼ねまくっちゃってる、
実は相当おばさまだって噂の、ベアトリスさん?
へぇ、……近くで見ても、そんなにおばさまには見えないんだねぇ。
(鎖の限界まで近づいて、こちらも彼女の顔を、不躾に覗きこんでやろう。
おとなしくしていれば出られたかもしれない、と明かされたのに、
憎まれ口は留まるところを知らず)
えええ、そういう差別って良くないと思うなぁ、ぼく。
ねえ、ぼく、一応もとはお客さまだよ、お得意さまだよ?
そこはひとつ、日頃のご愛顧に感謝して、とか、
サービスしてくれるものじゃないのかなぁ。
(ねえねえ、とねだる顔はあざとさ全開であろうが、言っていることは下衆そのものであった。)