2017/05/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 夜市」にティエンファさんが現れました。
ティエンファ > 夜も更けて、普段であれば人気も少なくなる平民地区の大通り。
しかし、その夜は人通りも多くて賑やかだ。 理由は、大通りに軒を並べる露店の売り物。
色取り取りのガラスや、凝った装飾、風情のある紙の張り子…古今東西の明かりが、夜の街に明るく浮かぶ。

「夜だからこその市ってわけだ」

少年はのんびりとした足取りで幻灯市を歩く。
買いたい物がある訳でもない、冷やかしの見物だけれど、
こうして来て見れば、意外と楽しめるもので。
蝋燭の明かりをふわりと包む篭飾り、モザイク模様のガラスに包まれた、宝石の様なランタン。
趣向を凝らした飾りが光を透かし、壁に影絵を浮かべていたり。
眺めているだけでも、十分に楽しめる。

ティエンファ > 今日は完璧に休日モードで、朝から少し酒を飲んで街をぶらついていて、
この夜の市を見て回ったら、のんびりと宿に戻ろうかと考えていた。
しかし、眺めて回るうちに、意外と時間をそこで過ごしてしまって、ぼちぼち露店も店を閉め始める頃。

「…何も買わずに帰るってのも、なんかもったいない気がするな
 別に無理に買うこたないんだけども」

そこで、ふと足を止める。 なんとなく視線が向いた露店は、木彫り細工の露店。
明りにかぶせる形の、様々な彫り物、透かし細工を刻んだ木彫りの燭台。
その一つを手に取って眺める。

ご案内:「王都マグメール 夜市」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
ティエンファ > それは、猫の飾りがついたランタン。
座ったり、歩いたり、寝転がったり、くっきりとした灯りを足元に落としている。
それを眺めれば、ちょっと首を傾げて笑い。

「おっちゃん、これ頂戴」

銀貨を一枚手渡せば、くるりとその灯り飾りを手の中で回す。

チェシャ=ベルベット > 露天に並ぶ店の数々と光に誘われて仕事の帰り道、ふいに足を向けた。
普段はそんなもの見もしないのだが、なんとなく気が向いたので
道を一本外れて歩いてきたのだ。

様々なデザイン、色形のランタンを覗き込みながらふと、木彫り細工の店の方に
見知った背中を見つけた。
喜び勇んでその背に声をかける。

「ティエ、どうしたの?それ買ったの?」

ティエンファの手の中で灯る灯りを目を細めて見つめる。
猫の飾りがついたランタン、意外にファンシーな品を選ぶ彼を見て少し驚いたような表情を見せた。

ティエンファ > 「うぉっ!? え、あ、チェシャっ!?」

チェシャが声をかければ、気付いていなかったようで、珍しく驚いた様子を見せる。
そして、手の中の木彫り細工とチェシャを眺めれば、慌てて後ろ手に隠す。
それから、何故か恥ずかしそうに視線を泳がせて声を漏らしてから、

「気のせいだ」

無茶を言った。
そわそわしつつ、なんでか決まり悪そうにチェシャに視線を戻せば、

「チェシャも見物か? 見たところひとりみたいだけど」

チェシャ=ベルベット > 「ふぅん、気のせいねぇ」

何故か後ろ手に隠したランタンを覗き込むように見ながら
ティエンファの顔とランタンを交互に見比べる。
どうにも怪しい、まさかこの品を買ったことが恥ずかしいのだろうか?
ティエンファにしては可愛いと思うが別に恥ずかしがることもないのにと笑う。

「うん、仕事の帰り道。たまたま通りがかっただけなんだけどね。
 こんな市がやってるなんて知らなかった。
 ティエはよく来るの?」

ティエンファ > 「そうだよ、気のせいだってば …覗くなし!」

ひょいひょいと二人とも身軽に、その場でくるくるじゃれるように覗き、隠しを繰り返して。
探るような楽しそうなチェシャの視線に、まるで、悪戯の準備中に暴かれた悪ガキのような顔で唇を尖らせる。

「そっか、偶然だな …うん、結構こういう市を見て回るのが好きでさ
 結構珍しい物とか、普段自分から買いに行かないようなのもあるから、面白いもんだぜ」

幻灯市だから、と言うよりも、市を回ること自体が趣味なようだ。
チェシャが知らない少年の趣味の一つ。 ウィンドーショッピング。
しかし、普段の少年なら、自分が気に入って買ったものなら堂々と見せるだろうけれど、
既にチェシャに見られたのに、木彫りの覆いを隠したまま。

チェシャ=ベルベット > 「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃん。
 誰かにプレゼントするもの?それとも自分で使うもの?」

くすくすと笑いながらティエンファが後ろ手に隠した品に興味を示す。
が、あんまりジロジロ眺めても相手は困るだろうと
視線を切り上げてティエンファの表情に目を移した。

「へぇ、意外。ティエってもっと実用一辺倒ていうか、
 買い物とか興味ないかと思ってた。余計なお金は全部お酒に回るのかなぁって」

なんてちょっと失礼なことを言いつつ、他の品物を見て回る。
どれも精巧な細工が彫られた覆いばかりで目が楽しい。
自分に相変わらず品物を隠したままのティエンファが気になると言えば気になるが
人には見られたくないものもあるのだろうと自然と視線をそちらから外した。
店先に飾ってある商品を一つ手を取って先程ティエンファがしていたようにためつすがめつ眺めてみる。

ティエンファ > 「いや、そのー…」

歯切れ悪く、普段の少年とは違う様子を見せる。
チェシャが気を使って視線を外せば、ほっとしたように息を吐いた。
それから、楽しそうに売り物を眺めるチェシャをちょっと後ろから眺めて…。
不意に、その手を握って歩き出す。 そして引き込むのは、夜市の淡い輝きから外れた路地裏。

明るい市との反転するように暗い場所で、少年は振り返って、チェシャの手を放す。
そして、代わりのようにその手に握らせるのは、さっき買ったばかりの木彫り細工。
…暗い闇でも、ミレー族の目でなら分かる赤らんだ頬。

「誰かに、じゃないぜ …渡したい相手にバレたら、めっちゃ恥ずかしいんだよ
 なんか、チェシャを思い出してさ」

ちょっと笑い、首を傾げた。

チェシャ=ベルベット > 店先を眺めていればふいに握られた手、そして裏路地に引き込まれるように歩かされる。
なぁに?と笑いながらティエンファのあとをついていくと、
離された手に握らされたのは先程の木彫りの覆いだ。
ティエンファの頬が赤い。手の中の品と彼の表情を見て、今度はチェシャがびっくりする番だった。

「え?うそ、僕にくれるの?他の誰かじゃなくて?」

きょときょとと落ち着かなさそうにティエンファを見つめる。
確かに猫の飾りがついた木彫りのそれは自分に似ていると言われればその通りだが。
ちょっとファンシー過ぎやしないかと思いつつなんだか胸が一杯になって言葉をつまらせる。

「……あの、あ、ありがと……嬉しい……」

今尻尾が見えていたのなら喜びにくねくねと振っているのがまるわかりであろう態度。
今度はチェシャが顔を赤らめる番であった。
ティエンファの笑みにきゅんと胸が疼いて、そっとその頬に唇を寄せた。

ティエンファ > 乱暴に裏路地に引き込まれた経験が、チェシャには何度かあるだろう。
しかし、その手は優しく、振り返った表情は年相応の表情。
驚いたチェシャの顔を見れば、へへ、と嬉しそうに笑って頷く。

「そうさ! まあ、チェシャが要らないなら俺が自分で使うけどさ
 …うん、でも、喜んでくれたなら俺も嬉しいや
 高価な宝石とかじゃあないんだけどさ、なんか、チェシャにぴったりだと思ってさ」

礼の言葉に、うん、と嬉しそうに笑う。 そして、頬に口付けるチェシャの身体を自然と抱きしめる。
そして、こちらから口付けを返して、軽く額を寄せて笑う。

「似合わない買い物だってのは分かってるさ、
 でも、チェシャを思い出して買っちゃったんだから仕方ないだろ?」

チェシャ=ベルベット > 「要らないなんて!いるいる!僕が使う!
 っていうかティエから貰ったものなんだから要らないなんてないよ。
 それに宝石なんかよりもこっちのほうがずっと嬉しい……。」

改めて手の中の品をよくよく見てみる。
ぴったりかどうかは自分では分からないがティエンファがそういうのならそうなのだろう。
何より彼がくれたものを自分が無造作に断ることなど出来ないのだ。

ちゅう、と相手の頬を唇で吸えば、相手の腕の中に自然と抱きしめられてすっぽり収まる。
ティエンファからのキスをくすぐったそうに受けて笑う。

「うん、でもティエでも可愛い買い物するんだなとか思ったらそれもいいなって思ったよ。
 ティエなら何してても可愛いし好きだよ。僕のこと思い出してくれてありがとう。
 こんな風に何かもらうってあまりしたことがないから嬉しいな」

そう言って両腕を相手の首に回すとぎゅうと抱きしめた。
僕もティエに何か、あげたいなと耳元で囁く。
何が欲しいか、相手に尋ねないとわからないのがちょっと気恥ずかしいが。

ティエンファ > 「そっか、なら良かった! へへ、チェシャは綺麗な飾りとかの方が似合うかな、とも思ったんだけどな
 でも、なんか、この猫の形見てたらチェシャにあげたくなって
 …そっか、へへ、そんな喜んでもらえると逆に照れ臭いな」

初めて会った時の冷たい雰囲気はなく、ふにゃふにゃと笑う少年の顔を眺め、
腕の中に抱きすくめたチェシャの髪に頬を寄せ、口付ける。

「可愛い判定なのか、俺って!? …何言ってんだ、そんな事で礼を言うなよ
 大事なら、ちょっとした時に思い出すもんだろ …そうなのか? へえ、なんか意外だ」

抱き着き返す少年の腰に腕を回し、軽く笑って少し考えて、
それから、チェシャが隠している耳元に息を吹きかけ、軽く口づけ。

「俺が何で喜ぶか考えてくれよ、…そうしてる間は、俺の事だけを考えてくれるだろ?
 なんてな」

それは、二人で見に行った劇のセリフ。
試しにそれを言って格好つけてから、
似合わないなと自分で思って照れ臭そうに笑った。

照れを誤魔化すためにチェシャの唇を奪って、余計な事を言わせないようにする。
舌を絡め、たっぷりと時間をかけてからゆっくりと唇を離せば、
何をくれるのか楽しみだな、と、甘い声で笑って囁いた。

チェシャ=ベルベット > 「僕から見たらティエは可愛いんだよ。かっこよくもあるけど……。
 あーもう!好き好き!ティエ大好き!僕もティエ大事!ティエのこと好き!」

相手がキスをするのと同じぐらい自分も相手の額や鼻先に口づけを返す。
時たまふざけて首筋に吸い付き、跡が残るように強く吸い付いてみる。
彼の所有を今だけ主張するキスマークだ。

隠している耳元に息を吹きかけられるとぶるりと身体を震わせ頬を赤らめる。
盛るように身体が徐々に熱を帯びていく。
何で相手が喜ぶか……口づけの合間に考える。
照れくさそうに笑うティエンファの瞳をじっと見つめながら長い口づけを楽しみ、
舌と舌の熱を交換し終えて話してからそっと口を開いた。

「じゃあ、今日は僕自身をあげる。いつもあげているものだけど……。
 今度会うまでに別のあげるものを考えるよ。それでいいかな?」

などといい、ティエンファの逞しい胸元を人差し指ですすっと撫でる。
それから潤んだ瞳で相手を見つめ、そっと熱い吐息を吹きかけた。

ティエンファ > 「チェシャは可愛いな、格好良いー…じゃないな、可愛くて、甘えんぼだ
 はは、おうよ、俺もチェシャの事大好きだぜ! なんだよ突然」

唇が届く場所に、何度も口付ける少年の腰を支えるように抱いたまま、
首筋に吸い付くチェシャの頭を優しく撫でる。 くっきりと残ったキスマークに指を添えれば、
チェシャの名札を付けられたな、と冗談めかして笑い、
こちらもチェシャの首元に顔を埋めて、襟に隠れる場所に軽く吸いつく。
チェシャの首筋にわずかな痛み、血が集まる感覚、そして、くっきりと残すキスマーク。
お返し、と囁く声は優しく。 そして、甘い口付けを離し、ちょっと笑う。

「じゃあ、今日は貰っておこう …その後の事は、後日の楽しみに」

零れる吐息を吸うようにして、また自然と唇が重なる。
そして、腕を緩めて手と手をつなぐ。
路地裏から夜市に戻って、人目のある場所でも、その手は離さないで。

「俺の部屋で、良いよな? …一緒に寝ようぜ」

ひひ、とわざと意地悪そうな笑みを浮かべ、
しかしその目は、強い雄を感じさせる。 …ベッドの上での目だ。
チェシャの指に絡むように手を握る。 チェシャは、捕食者に捕まってしまったのだ。

チェシャ=ベルベット > 自分の首筋に吸い付くティエンファの頭を掻き抱いて
嬉しそうに皮膚につく痛みを受け入れる。
くっきりと紅色に色づいた首筋に指を滑らせ
僕もティエの名札がついたと笑ってまた唇に口付ける。

「うん、貰って。がっかりしないようにたっぷり楽しませてあげる」

絡めた手と手をギュッと握りしめ、人前だというのにティエンファに向けて淫靡に笑う。
こちらももうその気になっているのだ。
ティエンファの雄の視線を受ければひくんと身体の奥底が疼いてたまらなくなる。
目を伏せ、はぁっと熱い吐息が漏れた。
ピッタリと相手の肩にしなだれかかるように身体をくっつけ熱を伝えた。
捕食されるのはもはや慣れたもの、好き好んで自ら身を差し出すのだ。

「うん、ティエのいるところならどこでも。 好きだよ、ティエ」

そう相手の耳元に囁きかけ、胸元に大事に木彫りの覆いを持った。
ティエンファの部屋に行けば、その覆いに灯りをともして猫の影を楽しそうに見つめるのだろう。
その中で睦み合うのならきっとロマンチックなシーンになるに違いない、なんて考えながら夜市の通りを歩き出した。

ティエンファ > 隠しもせず、てらいもせず、したいようにする。 だからこうして、手を握るのだ。
甘く吐息を零すチェシャを見て、こちらも下半身が疼くのが分かる。
それと同時に、あげたものを幸せそうに抱く様子に、目を細める。
奪っているのか、与えられているのか、その両方か。 だからこそ、こうして身を寄せて。

「…ああ、俺もさチェシャ 好きだぜ」

照れ臭そうに、しかし誤魔化すことなくちゃんと伝える。
裏の無いその言葉こそが、チェシャに贈る一番のプレゼント。
…きっと、蕩けてしまう程に甘い時間の後、二人で同じベッドで、その灯りを眺めるのだろう…。

ご案内:「王都マグメール 夜市」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 夜市」からティエンファさんが去りました。