2017/05/08 のログ
■リン > 「ははは。そんな大役を任されてくれるなんて光栄だよ。
今からきみが逝くのが待ち遠しくなってきた」
際どい内容の冗談を笑って口にする。
むっと膨れるチェシャとなだめるティエンファのやりとりは素直に可愛らしい。
自分が当事者でないというのは気楽なものだ。
「あ、おい、待てよ……」
ついにへそを曲げて席を立つチェシャを止めようとするが、結局彼は出ていってしまった。
よく考えれば後からジャマに入ってきたのは向こうなんだから、別に止める義理もないなと気づく。
「はぁ、なんなんだよあいつは……。
ごめんね、何か」
お手あげだ、とでも言いたげに肩をすくめる。
何とも言えない気まずさが胸の底に降りていって、それは顔にも出ただろう。
大人の態度を取ればチェシャは余計に腹を立てるだろう、という打算がなかったわけでもないだけに。
「いやまあ、まるっきりでたらめじゃないんだよね。
説明しづらいんだけど」
そんなに小さくないよな、という言葉には、そう返す。
■ティエンファ > 「まあ、その予定はまだまだしばらくないんで、いつ頼むのかはわからないからー…
その時まで、元気に楽師をやっててくれよ、リン?」
ぎりぎりの冗談ににやりと笑って返す。
しかし、チェシャが席を立てば目を瞬かせる。
慌てて声をかけるが、お金を払っていく様子を見て、
額に手を当ててちょっと息を吐く。
「いや、こっちこそすまん チェシャの事だから、自分が一番ってして欲しかったんだろうけど
…最初に言っておかないと、ズルズルと許しちまうことになるからさ、ああいう言葉は
そうすると、お互い気兼ねなくって関係のままじゃいらんなくなるから… … あー、しかし、駄目だな」
考えた上で、チェシャを嗜めたのだけれど、ここで立ち上がってしまうのが自分の甘い所だと思う、
「すまん、リン ちょっとチェシャを見て来るよ
俺の方から席に座ったのにドタバタしてごめんな
そのデタラメじゃないって話、良かったら今度教えてくれよ
チェシャが心配してるような仲にならないとしても、友達の事は知っていきたいからな」
そう言えば、酒瓶を一本持って、追加に一枚銀貨を置いていく。
「『大役』の予約金として、今日は受け取っといてくれよ
ほんじゃ、またなリン!」
その肩を軽く叩けば、酒場を出ていく少年の後ろ姿だった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティエンファさんが去りました。
■リン > 「ちゃんとぼくより先に逝ってくれよ?
もっとも、今は胸を張って楽師とは名乗れないけどね……」
去っていってしまったチェシャのことでうんうんと唸ったかと思うと、
ティエンファはおもむろに立ち上がる。
まったく甘やかしだな、とはリンですら思った。
とんだ痴話喧嘩に巻き込まれてしまったらしい。
「ああ。きみの言うことは正しいよ。
また落ち着いて話そうね、色々と」
薄く笑って見送る。
どうせ世間にはろくでもない奴ばかりなんだから、自分のことを明かさないままのことに罪悪感など覚えない。
ただまあ、こいつ相手にはいろいろ教えてもいいかな、ぐらいには思えてはいた。
「……まったく、あのどら猫にはもったいない男だよ」
表情をなくして、ぬるい口当たりの酒に口を付ける。
瓶一本程度で、この不可解な胸のわだかまりがなくなるかは、今のところわからない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 「にゃんにゃん♪はい、順番!」
平民地区の小さな公園、そのベンチに群がるのは近所の野良猫一同。合計で10匹近くいるだろうか。にゃぁにゃぁとこの時期らしく活発にウロウロするものもいれば、ベンチに向かって静かにおすわりするものもいる。
その中心には小さな天使が一人。青い瞳をした小柄な少年。手には小さな紙袋一つ。その中から干し肉を引っ張ってはちぎって、野良猫たちにあげていく。
「めっ、順番!ちゃんといっぱいあるから、ね?」
我先にと猫が群がるのをたしなめつつ、少年は嬉しそうに干し肉をあげていく
■シャルティア > 「…あ、切れた」
どうやら干し肉が亡くなった様子、でも、猫達は「もっとくれ」とせがむようににゃぁにゃぁと鳴く。仕方なく少年は街へ干し肉を買いに飛び立って
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にティエンファさんが現れました。
■チェシャ=ベルベット > ティエンファとリンがいた酒場から去った後、屋敷に戻ることもせずぶらぶらと平民地区の通りを歩く。
その足取りは重く、あまり元気のないものだった。
ティエンファがいくら言ってくれても、彼が他の相手と仲良くしていることに耐えられない自分が悪いのだとはわかっていた。
嫉妬に駆られた男ほど無様な生き物はいない。
「……ティエのばか……」
つま先で小石を蹴飛ばし、なんの罪もないティエンファを罵倒する。
もっと素直になれたら良かったが、あいにくと素直さはとうに捨ててしまった。
歩きながらうつむいてしまう。涙が出そうだったが、敢えてこらえた。
■ティエンファ > 「居た!」
罵倒された相手の声。 置いてきたはずの少年の声。
人気のない夜の通りに、足音が近づけば、チェシャの名前を呼んだ。
慌てて追いかけてきたのだろう、僅かに上がった息、しかし、安心したような息。
「良かった、追いついた! …チェシャ、どうしたんだよ急に飛び出して
リンもびっくりしてたぜ? むしろなんでか謝られたんだが」
しかし、チェシャの心中も知らずに、無遠慮に友人の名前を出すのだ。
ゆっくりと近づく足音。
■チェシャ=ベルベット > 背にかけられた声。聞き覚えのある、しかし今は素直に受け取りにくい声。
首だけ後ろに巡らせて、ちょっと眉をしかめた。
「……なんできちゃったのさ。
あいつとよろしくやってればいいのに」
ツン、と突き放すような言葉がつい出てきてしまう。
本当は、来てくれて嬉しかった、とかそういう言葉が言いたかったのに出なかった。
そのまま振り返って、目線を合わせず拗ねた表情を見せる。
「僕、あいつ嫌い。
だけどティエに怒られちゃったからそれで拗ねたの。
分かれよ、バカティエ」
リンのことは相変わらずあいつ、とよそよそしい言い方をする。
近づく足音に立ち止まって、相手がこちらへ来るのを待つ。
■ティエンファ > 「よろしくって…チェシャ、お前なあ…
何で出ていったのかと思えば、なんだ、チェシャ妬いてんのか」
声にちょっと笑みが混じる。 足音が近づく。
振り返ったけれど顔を向けないチェシャを見れば、ちょっと困ったように笑って。
俯いたチェシャの視界に、少年の靴。 そして、両手でチェシャの手を取る少年の腕。
「嘘つけ、チェシャが、嫌いな相手にあんな風に話さないだろ?
…怒っちゃいないよ、でも、ちょっと驚いたんだ チェシャは、俺にあんな顔見せた事なかったから」
両手を両手で握って、子供のように軽く揺する。
バカ、と言われれば、ごめん、と謝る声は優しく。
■チェシャ=ベルベット > 両手を取られ、妬いているのかと尋ねられれば
黙ってこっくり頷いた。
なんとなくバツの悪い気分で、まだ顔は上げられなかった。
「だって……なんかあいつと仲良さそうだったし……
そんなんじゃないってティエが言っても信じられなくて……」
ぽつぽつと子供のように語りだす。
相手の体温が手に伝わって、それがチェシャの頑なな態度を溶かしていくようだった。
「嘘じゃないってば……。話すと面倒くさいけど友達とかじゃない……。
なんか成り行きで、寝たこととかあったけど気に食わない相手っていうか……。
そりゃ、ティエのほうがずっといい男だし……」
素直に謝るティエンファの声に、謝るなバカと理不尽な声が重なった。
■ティエンファ > 頷くチェシャを見て、それでも顔を上げられない様子に、ちょっとだけ笑う声。
両手を握ったまま、チェシャの言葉の一言ずつに小さな声で相槌を打つ。
そんな様子は、まるで子供の言葉を聞く父親のような穏やかさで。
「気に食わない、ね …でも、危ない相手じゃないって分かってるんだろ
じゃなきゃあ、チェシャがあんなに近づくもんか …うん、うん、…へへ、照れるぜ
… …うん、ごめんな」
理不尽に、もう一度だけ謝って返し、それから、俯いたチェシャの頭にそっと唇を寄せて、
それから、両手を握ったまま軽く額を押しあてた。 チェシャ、と名前を呼ぶ声。
「…リンにだけじゃないだろ」
ふと、そんな事言って、押し当てた額を滑らせ、軽く頬と頬を寄せるようにして。
「チェシャは、俺にも妬いてたんだ きっと、リンにも、俺にも妬いてたんだ
だから、あそこに居られなくなったんだろ …どっちかに妬いて、どっちかが要らないなら、
チェシャなら蹴っ飛ばしてでも追い払うだろうしさ」
どう?と頬を寄せ合ったまま、優しい声で尋ねる。
■チェシャ=ベルベット > 自分の髪に触れるティエンファの唇。優しい声。
その全てが自分とは正反対のもので、その優しさが痛かった。
「……違うし……。全然、妬いてないし……。
正直、あいつのこと追い払おうとしてたけど、ティエはそういうこと望まないって思ったら
出来なくて……だから僕が立ち去っただけだよ」
頬と頬が寄せられる中、ぽろぽろと涙が溢れてきた。
なんとなく自分の気持ちを吐露していく内に自分が惨めなような気がしてきたのだ。
「……ティエぇ……ごめん。僕、めんどくさくってごめんね……。
お願いだから嫌わないで……ティエに嫌われたら、僕、……ぼく……」
ず、っと鼻をすすり上げ肩を震わせてようやく顔を上げた。
涙と鼻水で汚れた、みっともない顔だった。
■ティエンファ > 「そっかそっか、まあ、それならそれで良いんだ …いや、よくは無いけど、まあ、うん、良いんだ
…チェシャは、俺の事を考えてくれたんだな」
面倒な自分を嫌わないで、と泣くチェシャに、そう言う少年。
チェシャが顔を上げれば、酷い顔、と笑う声も柔らかく、涙で濡れたその頬にそっと口付けて。
「有難うな」
怖がるチェシャに、礼の言葉を伝える。
チェシャが何かを言う前に、その額に、鼻に、軽く口づけを落として甘やかし、
それから、ちょっと照れ臭そうに笑った。
「泣いちまうほどに妬いてんのに、俺が嫌がると思って我慢して、出てきたんだな
…俺の気持ちを優先してくれて、有難うな …我慢してくれて、ありがとう、チェシャ」
ぐしゃぐしゃになったチェシャの顔を、それでも真っ直ぐに見つめて微笑む少年。
両手を繋いだまま、その唇に唇をそっと重ねて、ゆっくりと離し。
「そんなだけ頑張ってるチェシャを、なんで嫌う事があるんだよ
…嫌いやしないさ …俺が、嫌いになったやつに自分からキスできる、器用な男だと思うか?」
ん?と、ちょっとからかうように笑って。
■チェシャ=ベルベット > 「ティえぇ……」
頬に、額に、鼻に、口付けられてびっくりしながらも
続く言葉にほっと安堵したような表情でまた涙をこぼす。
「ううん……僕こそ邪魔してごめん……
別にティエが誰と仲良くしててもそれって、僕に関係ないのに妬いて、
ごめんね……面倒くさくってごめん……」
まっすぐに見つめられるとその瞳の力強さに気圧される。
つながれた両手、唇に触れられる熱い口づけ。
それが魔法のように心を頑なにしていたものを溶かしてゆく。
「ううん、ティエは不器用で正直で、お人好しで、ちょっとばかだ。
だからティエのこと、信じる。 信じられる」
そこまで言い切って、相手の首に腕を回して抱きついた。
頬をすり寄せ、ぐりぐりと頭を擦り付ける。
とうとう耳と尻尾を隠すことも忘れて、喜びに尻尾をくねくねと振る始末。
■ティエンファ > 「邪魔じゃあないさ …でも、今度リンに会ったら、ちゃんと謝るんだぞ?
リンもチェシャが出ていってびっくりしてたんだからな」
まるで兄か父親かのように叱りつつも、しかし、零れる涙を拭う指は優しく。
謝る言葉一つずつに、大丈夫だよ、と返して、落ち着いた頃に、もう一度キスをした。
「最後だけ余計だよ、チェシャ!
自覚はあるんだけど、こればっかりはどうにもならんぜ」
ちょっとばか、と言われて眉を下げて笑ってから、抱き着いて来る身体をしっかりと抱きとめる。
普段隠しているその姿を現されれば、喜び過ぎだぜ、と笑いながらも、悪い気はしないで。
腰に回した腕でしっかりと抱きしめて、もう一度、今度は深いキスをする。
戸惑いながら受け入れる出会った頃の少年とは違う、どっしりと受け止めて返す力強さがあった。
「…チェシャは素直じゃない、けど、凄い素直だな
そう言う所が可愛いんだけど まさか、あんな風に妬かれるとは思わなかったぜ
冷たいふりして、情熱的なんだよなあ、チェシャは」
機嫌を直したチェシャにそう言って揶揄いながら、揺れる尻尾を根元から尾先まで撫でた。
■チェシャ=ベルベット > 「……分かった。ティエがそう言うならそうする。
正直あいつに頭下げるの癪だけど」
ちょっとだけムスッとしながらしかし、大好きな相手に抱きかえされて
機嫌はすぐに元通りになる。
もう一度だけキス、と言わずチェシャの方はティエンファの髪やら額やら頬やらに
チュッチュッと飽きるぐらいキスを落とすが。
「だって、ティエのおばかさ加減で僕は救われてるし
そこがティエのいいところだからいいんだよ。 可愛い」
喜びすぎ、と言われても気にした様子もなく耳を立て、尻尾を揺らす。
ティエンファからの深いキスは、嬉しそうにそれを受け止め舌を絡めて味わった。
すれ違いの後の口づけもいいもんだと思った。
「そう?僕素直?素直じゃないと思ったけどなぁ。
僕だって妬くけど、あんな風に妬いたのは初めてだよ。
あのね、ティエ、来てくれてありがとう。嬉しかったよ」
ようやく言いたかったことを言えた、とスッキリした顔で笑う。
さっき泣いてた奴がもう笑ったというような表情の変わりよう。
揺らす尻尾を優しく撫でられると、ひくんと身体が震える。
「ティエ、尻尾だめ……こんな所で撫でられたら、気持ちよくなっちゃう……」
■ティエンファ > 「喧嘩も良いけど、引きずるなよ? ほらまたムッとしてる」
すぐ顔に出るチェシャに笑い、眉間の皺を指で軽く押して解し。
触れる場所前部に口付けを落とすチェシャに、くすぐったそうに笑いながら、
可愛い、と言われれば、情けない顔をして。
「出来る事なら、格好良いって言われたい所なんだけどなあ
って、おばかおばか言うな、この甘えん坊猫!」
くしゃくしゃを頭を撫でてやってから、元気が出たらしいチェシャを見て、一度頷く。
甘いキスを交わして、離れた唇を一度チェシャの頬に落ちつけてから、改めて顔を合わせ。
「すっげぇ素直だと思うぞ? 怒ってる時も、嬉しい時も
…俺もいい加減わかりやすい性格だけど、チェシャも中々だな」
そんな事を言いながら、時計塔の時に見せた弱い場所は普段欠片も感じさせない少年なのだけれど。
お礼の言葉に、おうよ、と明るく返して嬉しそうに微笑んだ。
「チェシャは、普段の冷たい雰囲気も綺麗だけど、
こうやって笑ってる方が似合うぜ 俺は好きだ
…へへ、ここが弱いの知ってるんだ、俺は こっちもだろ?」
言いながら尾を撫でる手は、根元から尾の先までをしごくようにゆっくり撫で上げる。
はく、とケモノの耳を唇で挟めば、冷たくて柔らかいその感触を楽しんで。
獣耳への口付けの音は、殊更大きくチェシャの頭に響くだろう。
「…逃げた獲物を捕まえて、そのまま返すと思うか?
心配させた罰だ、捕獲した獲物はこのまま連れて帰ろうかな」
低く、ちょっと芝居がかった甘い声。
似合わないその台詞は、この間二人で見に行った歌劇の一節だ。
エンディングでその二人は、全てを乗り越えて結ばれるのだと、チェシャは知っている。
…チェシャの腰を抱く腕は逞しく、強く、離さない。
■チェシャ=ベルベット > むぅ、と眉間のシワを解されて表情を整える。
確かにいつまでも引きずっていてはティエンファにも迷惑がかかるだろう。
可愛いと言われて情けない顔を見せる彼を、そこが可愛いんだけどなと言いながら
「うん、可愛くて、かっこいいよ。だから好きだよ、ティエ」
なんて目を細めながら耳に囁く。
くしゃくしゃと髪をかき回されて何度もしつこいくらいにキスをして、
ようやく機嫌も落ち着いて真正面からティエンファと向かい合った。
「そっかぁ、じゃあこれからは気をつけよう。
ティエはそのままのティエでいてね。素直な方が僕は好きだから。
……もう、ティエに好きって言われるとなんかこそばゆいな。」
柄にもなく照れて、もじもじと落ち着かなさそうに身体を揺するが
尾を撫であげられ、耳を食まれれば、んひゃんと声を上げる。
「ティエぇ……!駄目だったらぁ……!そんなに遊んだら、したくなっちゃう……!」
耳元でちゅう、と食まれる音が大きく響く。
芝居がかった甘い声が、脳髄に溶けて、とろとろと溶かしていくような……。
それがこの前の観劇した一節だと気づけば目を細めて嬉しそうにまた頭を擦り付けた。
「……いいよぉ、逃げた獲物に、お仕置き、いっぱいしてぇ……。
心配してくれて嬉しい、ありがとう……」
ティエンファに似合わない台詞にクスクス笑いながら、甘ったるい声で続きをねだる。
すでに意地っ張りで頑なな態度は崩れ、雌猫よろしく、ふにゃふにゃに蕩けたチェシャがそこに居た。
力強い相手の腕に、こちらも同じぐらい強く相手を抱きしめる。
■ティエンファ > 「…そんなにハッキリ言われると、こう、照れるな…」
囁き声が耳を犯せば、首筋に走る甘いくすぐったさ。
この数分だけで、数えるのも馬鹿らしくなる位沢山のキスをして、お互いに笑いあう。
照れる様子に目を細め、チェシャの顎の線をなぞるように指でくすぐって撫で。
「ん、チェシャは寂しん坊だからな このまま返したら、ベッドの中でまた泣いちゃいそうだし
…うん、お仕置きだな、たっぷりと、チェシャが安心して寝れるくらいにだ」
蕩けて水に溶けてしまいそうな位柔らかくなったチェシャを抱きとめれば、そのまま、ひょいと抱き上げる。
普段はやらないような、どこまでも甘やかす、お姫様にするような抱き上げ方をして。
ぎゅっと抱き着いて来るチェシャには優しい口付けを返して。
「心配するさ チェシャの事なんだから」
当然のこと過ぎて、言うのも馬鹿らしいと言うように笑って。
そして、そのまま自分の宿に連れていってしまうのだった。
…きっときっとその夜は、チェシャが満足して蕩けてしまって、
更にその上から塗りつぶすほどに、たっぷり睦みあったのだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティエンファさんが去りました。