2017/04/27 のログ
リン > 「気を害したか、すまないね。
 じゃあ、いつかは聴かせてあげるよ。いつかは。
 その頃には、ぼくときみがこの国にいるかどうかはわからないがね」

どこか眩しそうに目を細める。
今は楽師の背にある提琴入れからは、息を潜めてはいるものの
何か不吉な気配が漂うのを感じられるかもしれない。

「そんなことを素面で言えるのはなかなか稀有な才能だよ。
 さてはモテるだろ? わかるんだよな」

喉を鳴らして笑い、胸元の刺青を指でなぞる悪戯を働く。

「いいね。竜というのもいい。一度目にしてみたかったんだ。
 実物じゃあ無いが、得した気分だよ」

ひょいと彼から離れると、背を向けて喧騒のほうへと歩きだす。

ティエンファ > 「別に怒っちゃいないさ 賢そうに見えないってのは自分で分かってるしな」

肩を竦めてから、少し首を傾げる。 リンの手の中に、楽器がうごめく無感覚の感覚。
目の前の少年も、不吉な雰囲気を感じ取っていないはずはないのだろう。
でも、そちらを見ない。 怪しい気配を感じさせる楽器なんかよりも、

「じゃあ、聴けるさ 俺がそう望んで、リンがそう答えてくれた
 この世の中ってのは、そう言う風に出来てるもんだから」

今結んだ約束の方が大事だったから、リンの目を見て笑った。

「モテるように見えるなら、男としては嬉しいな
 へへ、まだまだ磨きが足りねえって冒険者ギルドのおっさんらには揶揄われるけどさ」

リンがなぞった胸板は分厚く、逞しい。 くすぐったそうに息を漏らす少年。
すれ違って喧噪に向かうのを見れば、自分も夜市の喧騒に。

「へへ、俺の自慢で得したって思ってくれるなら嬉しいね
 俺も今日は、腕が良さそうな楽師と知り合えて得をしたぜ
 次会った時は、一杯酒でも飲もうや リン、またな!」

軽く手を振って、夜市の喧騒にゆっくりと紛れた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティエンファさんが去りました。
リン > 「自信満々に言うな、まったく」

何の根拠もないというのに、そうも臆面なく言われると
こっちも本当にそんな気がしてしまう。

「こっちこそ。面白いやつと話せてよかった。
 寂しく弓を弾くのも、案外悪くはないね」

背を向けたまま手を振り返し、互いに別れて何処かへと消えていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリンさんが去りました。