2017/04/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 緑地公園」にノエル・ベネトーさんが現れました。
■ノエル・ベネトー > 「ま…、待ってください~!」
夕方。エルフが慌てて走っている。
飼い始めたばかりのペットを散歩させていたのだが、うっかりリードを手放してしまった。
子猫程度の大きさのそれは、目的地でもあるかのようにまっすぐ走り―――
どこかへ続く柵の壊れた隙間に入ってしまった。
ちょうど人が1人入れそうな隙間。
「ああ…もう…困った子なんですからあ…。」
しぶしぶ、匍匐前進の要領で自らもそこへ入る。
肩というより胸が邪魔で入りにくかったが、とりあえず胸下まで身体を捻じ込ませ、
さてあと一息、―――と進もうとしたところでお腹がつっかえる。
「…あっ。これすごく無理っぽい気がします。」
抜けるのは無理だと判断し、今度はせっかく通った半身を引き抜くべく後ずさるのだが―――
がちっと肩が柵にぶつかるわ、乳房の下が地面を擦るわで、痛い。
にっちもさっちも行かないというのはこういうことを言うのだろうか。
こうして隙間にハマるエルフという間抜けな光景ができあがったのである。
「うう…、これはもう…どなたかに引っ張って頂くしか…。」
基本、他力本願なところがある。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 緑地公園」にガリアさんが現れました。
■ガリア > (別に仕事、と言う訳じゃない。 寧ろ仕事中に態々こんな場所へ来ていれば
サボっているか、休憩中かのどちらかにしか思われないだろう。
本日中、為すべき事を為しての帰り道、公園へと寄ったのは唯の気まぐれでしかなく
普段寄らぬ所を眺めて、平穏なのを確かめたら其の儘戻る程度の心算だったのだが。)
――――――………あ゛…?
(――ふと、何気なく茂みの方へと投げた瞳が捉えた、何か。
何か動く物がと二度見して、少しだけ茂みの奥を覗き込んだならば、其処に在ったのは
―――……尻。
一寸目を疑ったが、間違い無く何度見ても、其れは尻だった
何してるんだ、と思わず声掛ける事も忘れて様子を見ていたが
なにやら、柵に嵌ってもがいている様子に気付けば
言葉を失ったまま、兎も角とそちらへ近づいて行き。)
………大丈夫かー?
(――一言、一応背後から問い掛けてみよう
若しかしたら、何か探しているだけかも知れないし
そうで無くても、今も尻は揺れているから、せめて返事位は在る筈だ、と)
■ノエル・ベネトー > 待ちに待った助っ人(予定)の声が聞こえ、尻は慌てて答えた。
「あっ、あ…あの、全然大丈夫じゃありません!」
真っ昼間ならともかく、時間が悪いのだろう。
背後から声を掛けてくれた人以外に誰も自分を発見しなかったようだ。
もちろん見て見ぬふりされた可能性も否定はできないけれど、人通りの多いほうは尻である。
残念ながらそこに目がないので確認しようがない。
「差し支えなければ引っ張って頂けませんか!
あの、でも今、肩と胸が痛いのでできれば優しく…!」
助けてもらう立場なのに注文が多い。
しかし本人、とても真剣なので声も切羽詰まっている。
■ガリア > (大丈夫じゃないらしい――まぁ、其れはそうか。
要するに見た目通り引っ掛かっているという事なのだろう
前にも後ろにも進めない状態なら、さて如何したものかと一寸考えた
取り敢えず、尻に近づいて両掌を延ばせば、其の腰元辺りを軽く掴んで。)
あー、ちょいまち、とりあえずちょっと引っ張って見っけど…。 痛かったら言えよォ?
(――優しく、と言われても難しい。 こんな状況での手加減なんてした事も無い。
ともあれ、あくまで軽く、ぐ、と引っ張ってみるだろうけれど
そもそも其の位の力で抜けるなら、多分自力脱出できるんじゃないかとも思う
彼女が嵌っているらしき柵の方へと視線送るけれど、流石に此処は公園
公共物なのか私物なのか判らない物をおいそれと壊す訳にも行かないし
……うーむ、と唸りながら、兎にも角にも、反応と様子見。
痛がったり制止の声が掛かれば、直ぐに一度止めるだろう。)
……つーか、何で又こんなトコにつっかえてんだアンタ…?
(途中、其れくらいの事は聞いたって構わないだろうと、純粋に疑念を問う
この時間にこんな所で誰にも見付からなかったら、其れこそ一晩この状態だったかも知れない
偶には寄り道して正解だったと、小さく溜息を零して)。
■ノエル・ベネトー > 引っ張ってくれるのは本当にありがたかったけれど、彼が力を込めた途端、ざりっと肩が擦れた。
壊れた木製の柵の先が少々尖っているせいで、角度によっては非常に痛い。
「ぃ、痛い…。」
我慢しようとは思ったのだが思わず独り言のように呟いた。
もうここの住人になろうかと心折れるところである。
背後からの質問に我に返った。
「モイーズが……モイーズが勝手に逃げてここに入っちゃったのですよう!
早くここから脱出して探しに行かなくては…。」
モイーズが何者かという説明は抜けている。
柵にハマったことで本来の目的を忘れており、聞かれて思い出した。
とはいってもこのモイーズ、実はお化けネズミであり生き強いだろうし、
頭がよければ自宅に帰って来るくらいはするのかもしれない。
しかしながら飼い主としてはここで一晩過ごしているわけにはいかない。
「我慢しますから、もうちょっと強く…。」
ペット愛に尻が本気を出す。
―――温室育ちのよわよわエルフのこと、すぐに泣き言が入る可能性はあるのだけれども。
■ガリア > あ゛…悪ィ。
(痛い、と言う声が毀れた時点で引っ張るのを一度止めた。
隙間、では無くて壊れている柵の狭間に嵌り込んでいるからか
無理に引っ張って怪我でもすると厄介なのは間違い無い
強いて言うなら治療手段は在るのだが――治療できたって、痛いモンは痛いだろう
また、うーん、と悩ましげに唸っては、暫く尻を見つめて腕組みしていた事だろう。)
―――……良い尻だ…じゃねぇ、モイーズって誰だし…!?
逃げてったって言っても、先ず御前此れ何とかしないと無理だっての。
……取り敢えず、も少し強く引っ張るから、ダメそうなら言いなァ。
(――つまり、其の逃げたモイーズとやらを追いかけた末に嵌ったのか
思わず色々と言いたくなったが、今一番不憫なのは相手なので言わずに置いた
取り合えず、もう一寸確り引っ張る事宣言しては、再び腰元を、今度は腕で抱え込もう
其の関係で、尻が丁度下腹の辺りにくっつく事には為るけれど、不可抗力
先刻よりも、引っ張る力は強くなるから、彼女が痛いのを我慢するか
或いは力の抜け具合では、上手い事脱出出来るかも知れないが、果たして)
■ノエル・ベネトー > 謎のモイーズを追って尻となったエルフ。
何とも間抜けな話であり、色気も何もないシチュエーションではあるのだが、
もし通行人がいれば引っ張ってもらう一瞬だけ、うっかりそこで
性交している男女に見えるのかもしれない。―――実際は『大きなかぶ』状態なのだが。
「っ、っ~~~~~……。」
いたぁい、と半泣きになるのを抑えて―――肩と触れ合っていた柵の一部をばりっと
壊しながら、エルフの身体は引き抜かれる。
少々勢いがよく、ともすれば彼に仰向けのエルフが圧し掛かることになる――かも。
華奢な少女がふわり、だなんてものではない。
そこかしこにお肉のついたむっちりとした成人女性なので、それなりの重さである。
エルフの身がどこに着地したかはともかく、裾の乱れたワンピースもそこそこに
肩はほんの少し擦り傷で血が滲む程度。
腹部は土がつき、長い髪には木の葉が髪飾りのようにちらほらと。
一気にボロボロになったエルフの顔がようやく、恩人の前に現れる。
「い、…痛かったあ…。あっ、…ありがとうございましたあ…。」
立ち上がるより先に、頼りない口調でお礼をば。