2017/03/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にティエンファさんが現れました。
■ティエンファ > 建物の裏口から洩れる光で薄暗い路地裏に、殴打音。
崩れ落ちる巨漢を片手で受け止め、そのまま壁に寄りかからせて座らせる。
「まったく、酔っぱらって鈍った腕で暴れるなよなあ そんなんで用心棒に適う訳ねえじゃん」
呆れたように声を漏らす人影は、少年だ。
滑らかな髪を結い上げ、艶やかな生地の帝国衣装、露な腕に躍る龍の入れ墨。
普段のボロい長衣ではなく、薄化粧も兼ねた姿だが、腕っぷしは相変わらず。
■ティエンファ > 平民街の中ではちょっと値の張る酒場の用心棒の依頼であった。
店の雰囲気を壊さぬように、荒事向きの護衛もこうして着飾るのだけれど…
「酔って暴れた上に、俺を商売男と勘違いして尻をまさぐるから、
思ったより殴る腕に力が入ったけど、まあ、是非もないよネ!」
何となく自分に言い訳する独り言。 本当は気絶させるつもりはなかったなんて秘密だ!
ぐうの音も上げずに昏倒してる大男の懐をまさぐり、財布を取り出す。
空きっぱなしの裏口から心配そうに覗いている店主にそれを放って、
「迷惑料だし、全部もらって置けば良いじゃん 皿も割れたろ?
ンじゃ、俺はコイツ表通りに捨てて来るんで」
大男の襟首をつかみ、引きずって歩き出す路地裏。
■ティエンファ > どこか幼い感じが残る顔には仄かな化粧と唇にさした紅、編み上げた髪は服と同じ黒ビロードの色合い。
女性的な色を感じさせるそれらに反して、大男を軽々と引きずる腕は逞しく、帝国衣装を盛り上げる胸板は分厚い。
アンバランスだけど一つにまとまった、不思議と甘く艶っぽい印象を与える少年の姿。
今は昏倒している大男が寄った目で見て、色を売る男娼と勘違いしたのも仕方がない。
「でも、いきなり尻をまさぐって『いくらだ?可愛がってやるぜゲへへ』は無いだろうに…
おっさん、聞こえてないだろうけど、モテないと思うぜ… いや、俺も別にモテないけどさ…」
気絶したままの大男に独り言のように話しかけ、大通りにひょいっと顔を出す。
そして、無造作にその大男を放り出す。 その内、自警団か騎士かまあ、誰か拾ってくれるだろう。
■ティエンファ > 「ついでに言っちゃえば、抱いた事はあっても抱かれた事はねえやな
…って、そういや最近ここらで通り魔があったんだったか…寝かしとくのも不人情か」
そんな事を言いながら、軽く大男の頬を張る。 2,3回音が鳴れば、流石に大男も目を覚ます。
頬を腫らした大男に、にっかりと笑って見せる少年。 大男には狼が牙をむいたように見えただろうか。・
「もう酒場で暴れるなよ、おっさん」
短く言い置き、路地裏に踵を返す。
その後ろで、慌てて逃げて良く大男の足音が遠のく。
■ティエンファ > 人気のない路地裏、暗く足元も見えにくい場所だが、鼻歌交じりの少年。
鼠が足元をかけていくが気にした様子もなく。
「そろそろ交代の時間だし、俺も帰りに酒でも買うかねえ…
ギルド報酬以外にも、撃退報酬がもらえるし…いや、報酬を酒でもらうってのもありだな」
足を止め、ふむ、と鼻を鳴らす。
酒場の棚に並んでいた酒の瓶を思い出す。
いくつか気になる銘柄もあったし、交渉の価値はあるな、とか思う。
■ティエンファ > 「なんか、酒場の用心棒依頼の楽しみの一つになってるな、これ…」
お目当ての酒を決めれば、仕事上がりにどういって報酬の代わりに貰うかを考えつつ、
路地裏を歩いて酒場に戻る少年だった。
尚、欲しかった酒は良いお酒過ぎて貰えなかった模様。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からティエンファさんが去りました。