2017/03/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/公園」にティエンファさんが現れました。
■ティエンファ > ひゅるり、と風が鳴いた。 人気のない公園に一人、武芸者の姿。
自身の身の丈よりも長い木の棒を、重さが無いかのようにくるくると振るう姿。
両端を補強する黒金が月影を反射して夜闇に光の尾を引く。
「ふ…ぅっ」
気合が唇から洩れる。 しなる棒を地面に打ち付け、その反動で天に突き上げ、逆端を振り下ろす。
身を捻り更に打ち下ろし、踏み込み、突く。 踏み出した足が、だすん、と土地面を重く鳴らす
ご案内:「王都マグメール 平民地区/公園」にエルティさんが現れました。
■ティエンファ > 昼間は子供達が駆け回るこの公園も、夜半も近くなれば静まり返る。 広く、障害物の無いこの場所は、良い鍛錬場だった。
この日は、春先であるのに真冬の寒さ。 しかし少年は、さらしの他に羽織る物は無く。
鍛錬で盛り上がった身体の筋肉に刻まれた刺青を流れる汗。 それを拭う事も無く、棒を振るう。
片手を地面に着き、深く沈み込んでの足払い。 そこから、勢いをつけて伸びあがり、棒と蹴りの二連撃。
片脚で地面に降り立てば、揺るがぬ構え。 そこから、3歩分の距離を一足で飛び、ぐるりと周囲を薙ぎ払った。
一瞬遅れ、砂ぼこりが舞う暴風。 納まる。
■エルティ > 貯めている報酬を食いつぶさないように時折に仕事を行いながら暮らす日々。
本日は何も仕事は引き受けないつもりであったが緊急という事で駆り出されて街中の巡回へと。
聞いた話によれば公園に怪しい影があると聞き、まさかと思い引き受け現場へと向かう。
「やっぱりね。そんな気がしていたのよ」
その公園が見えてくれば遠目にも人影が激しく動く、恐らくは鍛錬の類をしているのが見れる。
もう少し近づいていけば飛び上がった人影が降り立ち回転すれば巻き上がる砂埃。
それには思わずせき込んでしまって口元を抑え。
「ティエンファ、貧民地区からこっちに場所を移したの?」
その人影を近くで見ればやはり知った顔の少年であって。
舞う砂を手で払うようにして声をかけていく
■ティエンファ > 棒を引き、小脇に納めれば、ゆっくりと息を吐く。 そこで、咳を聞いて目を瞬かせた。
「エルティ姉さんじゃん、今晩はだ! うん、ほら、こないだエルティ姉さんが忠告してくれたじゃん?」
腕に覚えがあるのだろうけど、親身の指摘であれば素直に聞くようで。
何日かうろついて、結局、夜のこの場所なら迷惑もかからんだろうと思った、というような経緯を簡単に話す。
春の寒空の下、鍛えた身体から湯気を立ち昇らせた異国の少年。 一般市民が見たら、少々かなり結構異様だけれど。
だからこそ巡回依頼がかかってしまったのだけれど。
本人は特に何も気づいていないようで、明るく笑っていた。
「姐さんは、こんな時間に何でここに? 散歩?」
■エルティ > 「こんばんわ、ティエンファ。このまえの……?あれでこっちに移動したの?」
まさかあの忠告で本当に場所を移したという少年の言葉に驚きに目を丸くして。
確かにここならば危険は少ないだろうが…と周辺を思わず見回してして。
迷惑は掛からないだろうが…おそらく暗闇で動く影が不気味に見えたのだろうと経緯を聞きながらに感じる。
この寒空に身体から湯気を上げた異国の少年、知り合いか仕事でもなければ自分でも怪しんで目を背けたと思い。
「私は仕事ね。見回りの、そこでティエンファを見つけた訳よ」
自分の注意で移動した少年にまさか怪しまれて巡回依頼が出たなど流石に言えず。
少し誤魔化すような笑みを浮かべれば湯気を上げる少年の肌を冷えた手で軽く叩いて。
■ティエンファ > 「おう、心配してくれたろ? 流石に、それ無視してあそこを使う訳にもなあって思ってさ」
あっさり頷いて、何驚いてるのさ、と不思議そうに目を瞬かせる。
少し話せば、エルティが聞いた依頼の内容と合致する。 数日前から、この場所で、暴れる影がある…。
「ふぅん、夜警って大変だなあ姐さん 変な奴が出てきたら危ないぜ?」
心から心配した顔をエルティに向ける不審者Aは、エルティの手がひんやりとすればくすぐったそうに声をあげる。
冷えた汗の下、肌の奥の熱がエルティの手に伝わる。
「随分冷えてるな 冬じゃないけど、まだ手袋は必要かもな
ここらで変な奴は見てないし、巡回から戻った方が良いんじゃないか?」
■エルティ > 「折角知り合った子が死体になってたって聞くのが嫌だっただけよ。本当に素直ね、そういうところは……」
不思議そうにする少年に何でもないという様に首を振って見せて。
話を聞いていれば確実にこの少年が依頼内容にあった不審者だろうと確信を得てしまえば思わず額に手を当てて溜息を吐く。
「こういうのは慣れよ。ティエンファもやってみれば判るわよ。その辺なのを見つけるための巡回だから出てきたら目的達成になって終わりになるのよ」
まさか捕まえて突き出す訳にもいかないと不審者こと少年を見上げ。
触れればくすぐったそうに声を開ける事にも構わずに良く鍛えていると撫でまわし、手に感じる熱に思わず触れている個所に目を向ける。
「そんな姿でいれば冷えるのは当たり前でしょ?それに私が冷えているのもあるから。
大丈夫よ、もう仕事は終わったから。
ティエンファ、これから一杯飲みに行こうと思うけど…付き合わない?」
後は身体を温めて宿に帰り明日に報告すればいいと考え。
このまま酒場に向かおうと考えて…ふと約束を思い出して誘いを口にする。
■ティエンファ > 「そう言ってくれるエルティ姉さんの言葉だからさ」
目元の力を柔らかく緩め、子供っぽく笑った。
しかし、呆れたような複雑な表情を見れば、訳も分からず首を傾げているばかりで。
「ふぅん? よく分かんないけど、もう依頼は終わってたのかね
って、くすぐったいよ姐さん …わ、ホント冷たいな」
自分の心臓のあたり、分厚い胸板でエルティの手を押さえ、目を丸くする。 大きな手だった。
「あはは、まあ確かに そっか、仕事終わったなら、俺も稽古終わったし、一緒にー…」
帰ろうか、と誘う前に、エルティからの誘い。 目を瞬かせてから、嬉しそうに笑って頷く。
「ああ、喜んで! 明日は依頼受けない予定だったし、二杯でも三杯でも、だぜ!
なんか、どっかお勧めの酒場でもあるのかい?」
言いながら手を離し、長衣を羽織る。
■エルティ > 「本当にティエンファは弟みたいね。大きいのに子供っぽいって言うのかな…」
子供っぽ笑う姿にふと国の弟を思い浮かべてしまい。
首をかしげる姿にこういうと声は鈍いのかと見て取る。
「そう、もう終わったから大丈夫よ。
ティエンファはこの寒い中で凄く熱いわね」
エルフではここまで鍛えれないだろうと触れていれば胸板の上で手を抑えられて。
少年の大きな手と分厚い胸板に僅かに頬を赤らめて手を引き抜き。
少年が口にする前に誘いをかけ、瞳を輝かせる姿に今日は先手をとれたと満足げにして。
「それなら丁度よかったわ。酔いつぶれない程度に飲みましょうか。
そこそこいい店があるからそこでいいわね?」
上着を羽織る少年にそこそこの行きつけの店、最悪潰れても宿とセットな店を告げればそこで良いと聞き返す。
■ティエンファ > 「えー、そりゃまあエルティ姉さんよりは年下だけど、一応ちゃんと16歳で成人はしたんだぜ?
そっか、無事終わったなら良かった お疲れさん、姐さん
…って、はは、そりゃあたった今まで動いてたからな! いつもなら、此処から更に上げていくんだけどね」
慌てて手を引かれれば、赤くなるエルティに、自分も遅れてちょっと赤くなる。
それから、満足げな笑顔を見れば、エルティが自分と同じ年頃の少女のように見えて。
「酔いつぶれないように、ね はは、まあ、程々にってことで
うん? ああ、勿論そこで良いとも! 俺もこの間から、色々飲んで回ってるけど、そこはまだ行ってないな」
楽しみだ、と笑って一緒に歩き出すのだ。
■エルティ > 「人間は15歳で成人っだったわね…うっかりしてた。
ありがとう、ティエンファ。
動いたって…どれだけの間やってたの?っていうかまだ続けるつもりだったのね?」
かなりの年下の少年を相手にまるで同い年のように赤くなってしまった事に目を泳がせて。
「そこそこに飲むだけね。身体が温まる程度よ。
行ってないなら丁度よかったわ。それじゃ行きましょう」
笑う少年の準備が整えば歩幅的にやや速足で一緒に酒場へと向かって。