2017/01/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 とある酒場」にユークリッドさんが現れました。
ユークリッド > 夜の酒場は今日も賑わい、ホールはてんてこ舞いだった。
寒いからか、火酒と飯のセットは瞬く間に売れて、皆の腹を満たしている。
酒気と熱気の満ちる中、少年は大勢の一人に交じって接客中だった。
右手には銀色の盆、左手には火酒の瓶と杯数を数えるためのカード。
そして、フリフリメイド服に猫耳尻尾という、あざとい出で立ちだ。
客の半数ほどは少年が男だと分かっており、もう半分は未だに少女だと思っている連中だ。
後者の者は大半が事実を知って項垂れて、しかし少数はむしろそれがいいと胸をときめかせる。
そんなことになっているとはつゆ知らず、今日も少年は営業スマイル満点で。

「いらっしゃいませっ!お客様、こちらにどうぞ!
 おすすめは、火酒とスープに肉料理のセットとなってますっ!」

元気な、高めのソプラノを響かせながら、今日も元気に働いていた。
お小遣い稼ぎのアルバイトは、なかなか順調なのである。

ユークリッド > 夕食の時間も過ぎ去れば、後は客がはけていくのみ。
人によっては上階の宿屋へ、あるいは店の外へと、三々五々移動して。
その中で少年は、というと、ようやくの夕食兼休憩時間を取っていた。
店主が出してくれるのは、こんがり焼いた豚肉のローストとピラフとサラダ、そして葡萄ジュースのセット。
店の隅っこ、目立たない席に腰掛けると、早速、目当ての一つでもある賄いにありついた。

「いっただっきまーすっ♪
 ふふ、これこれ……お腹空いてたんですよね!」

熱々の肉を、ふぅ、ふぅ、と冷まして齧り付く。
口の中に広がる肉の旨味は、なんとも言葉にし難い物で。
ピラフもぱらりと仕上げられており、口に入れれば野菜の旨味が効いている。
思わず夢中になってしまうような、素敵な食事を楽しみながら、少年はご機嫌だった。