2017/01/02 のログ
ご案内:「王都平民地区」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 完全休業を決め込んでいた新年初日は過ぎ、当人としては聊か不本意ながらに王都にある自前の商館に顔を出した。とはいえ、取引先の全てが活発な活動を開始している訳でもなく、妖仙が処理しなければならない案件数は多くない。故に、日が高くなる頃までには片付いてしまうのだけれど。夜半からは、縁のある有力貴族の新年パーティーとやらにご機嫌伺いに赴かねばならず、王都から離れる訳にもいかない。

「いや、宴だけならば特段構いはせんのじゃが。」

昼食時が近づき、俄かに活気を増した商業地区の目抜き通りを歩きながら、口の中で小さくぼやく。宴に顔を出すだけならば良い。商売上必要な事だし、時には有益な情報が転がり込んでも来よう。然し。だが然し。この小さな身体つきと、凡その審美眼に耐えられる顔立ちのせいで、ご婦人方から必要以上に愛でられ、揉みくちゃにされ、へとへとになってしまうのは如何なものか。見目麗しい妙齢の女になら、それもありだ。寧ろ推奨だ。だが、百歩譲って四半世紀前には妙齢でしたという御仁が多いのは理不尽に思う。袂に手を突っ込んで腕組みをし、ペタペタと雪駄を鳴らしながら歩み進む。目的地は妖仙自身でも今一つ決めかねており、昼餉を摂りに食堂に入るか、年末から冒険者の斡旋を依頼しているギルドに顔を出すか、まだ分からぬという風情。

ホウセン > 通りを眺める。人ならざる範疇に到達する良好な視力を用いて周囲を観察し、今後の行動方針を組み立てる土台に――早い話が、妖仙の舌を満足させる馴染みの飯屋が年始の休業をしていないか確認するだけである。結果は、元よりなで肩気味の肩が、ストンっと更に流線型になったところから推して知るべし。飯屋の候補は他にも幾つかあるが、出鼻を挫かれた格好になったことで昼食よりも他の用事を優先する事にしたらしい。目的地が決まれば、足取りにも幾許かの活力。

「年越しの祭りで散財してしもうた戯けがおれば、儂の依頼に喰いついてくると思うのじゃがな。」

この妖仙が求人を出しているのは、大きく分けて二つ。正規ルートながらに国境越えをする隊商の護衛と、九頭竜山脈付近に自生する薬草を採集するというもの。どちらもある程度の人手を要する事から、複数の冒険者ギルドを通じて募集をかけているのだ。拘束時間はやや長くなってしまうけれど、それ以外の条件は決して悪くないし、給金については相場の一割り増し。特に後者は薬草を見分ける知識を有していれば、能力給を上乗せとしている。

「冒険者というと、宵越しの金は持たぬという剛毅な輩もおるじゃろうし…強ち的外れでも無いと思うのがのぅ。」

そして、現在位置から最寄の冒険者ギルドへと到着する。コホンと軽く咳払いをし、扉を押し開ける。

「頼もう。」

冒険者は兎も角、ギルドの店員ならば、仕事の斡旋元が姿を現したと知れる筈だけれど。

ホウセン > 日差しが温かいとはいえ冬の外気は相応に冷たく、室内に足を踏み入れると同時に身体に纏わり付く、暖炉由来と思しき暖気に頬を緩ませる。ザックリと室内を見回すと、年越し前後以外の期間に比べて多少人影は疎ら。情報交換の為の酒や軽食を提供するスペースも内包しているようだが、活発に動くシルエットは見受けられない。というより、年越しの祭りで痛飲し、寝床に引き上げる余力さえも失って、二日酔いなり三日酔いなりと目下戦闘中の駄目人間が、何人か、何組か、テーブルに突っ伏しているのが見える。

「うむ、邪魔しておるぞ。今年も変わらぬ友誼を願いたいものじゃな。」

妖仙の姿を認めたギルドの店員に声をかけられ、一通りの新年の挨拶を交わす。ギルドの長にも一言告げていくのが礼儀なのだろうが、生憎と留守にしているらしい。約束を取り付けての訪問ではない故、致し方の無い話ではある。

「して、儂の求人じゃが、年明け早々に仕事探しをしておるような者はおるかのぅ?」

短期的な食い詰め冒険者はいるだろうかと、少しばかり揶揄の響きを込めて問う。答えは聊か曖昧で、予備軍なら居るとのこと。もって回った表現に、説明を求めるよう視線で先を促すと、件の死屍累々な冒険者達を指差した。何でも、己の体力と財布の中身を弁えずに呑んで喰って騒いでいたとのことだ。

「……冒険者としての技量とか、仕事に対する職人意識とかは期待してよいのかのぅ?」

告げるべき言葉を探す為、数秒の沈黙が垂れ込める。黒い瞳を半目にし、そこはかとなく生温かい表情。

ホウセン > その後、暫しの談笑をし、次なる冒険者ギルドを訪問する為に建物を辞し――
ご案内:「王都平民地区」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシンシアさんが現れました。
シンシア > 三日月の綺麗な夜の帰り道
まっすぐ家に帰る…のも勿体ないような月夜

昼間は暖かい日があっても夜は冷え込んでくる、マフラーを巻き直して
通りをあるく足取りは家とは違う方向へ進んでいく

目に付いたのは、もう使われてない見張り台のような建物
建物にして4・5階くらいの高さ
出入りを禁止するようなチェーンらしいものはかかっていなくて
螺旋階段が外についてたから、寄り道とばかりに階段を登ってみる

シンシア > 軽い足取りで一番上までテンポよく上がっていくと
周囲の建物の夜景が見えるほど

白い息を吐いて寒さに頬を赤くしながらも
眼下の明かりが広がる景色に表情は綻んで今あがってきた階段のとこに座る

少し冷たいから体を丸めながら壁で片側の夜風を避けるように座って
ただぼんやり、静かな場所で夜景を眺めてる

シンシア > 高い昔使われてたような見張り台の上には誰もいなくて
風のぬける音しかしない
マフラーから抜けた金色の髪が風に揺れると
ブルっと身震いして寒く感じる

眼下の明かり膝に腕を抱えるようにして顎をつける
1人になると考えてしまうことは無意識にも浮かびでてくる
幸せの恐怖症のようなもの、紙一重で簡単に壊れるだろうこと
風の音を聞きながらの、頭の中の自問自答
思わずマイナスにハマりそうだったので、顔をあげて頬を自分の両手で挟むように潰してそのまま

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシンシアさんが去りました。