2016/12/31 のログ
■ホウセン > 夜も更けた。今宵、これ以上の応募はなかろうと、馴染まぬ椅子から床に降り立ち――
ご案内:「王都平民地区」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 混浴露天風呂」にユークリッドさんが現れました。
■ユークリッド > 今夜の少年は、平民地区有数の老舗旅館、九頭竜の水浴び場にいた。
酒場で数日間たっぷり働いたご褒美に、と店主から頂いた年内限りの招待券。
せっかくあるなら使わなきゃ、とやってきたのが夜の事。
一等客室に通されて、部屋の凄さに感動し、料理も鱈腹食べた後。
お風呂にでも入ろうかと、やってきたのは露天風呂だった。
利用するのが初めて故、混浴だなどと知らずに服を脱ぎ、丁寧に畳んで脱衣籠へ。
タオル片手に寒空の下、さっと体を清めてしまって。
その後は、大きな岩風呂に体を沈め、一年の疲れをいやそうとしていた。
「ん、ぅ……気持ちいいなぁ、うん」
ちゃぽ、ちゃぽ、と色白の足をばたつかせながら、空を眺める。
冷え切った空気は澄んでおり、遠くの星すら見えるほど。
ちらちらとした瞬きを楽しみながら、寛ぎの一時を楽しんでいた
ご案内:「九頭竜の水浴び場 混浴露天風呂」にヴァルファルニフルさんが現れました。
■ヴァルファルニフル > 本日も訓練が終わった。規律のとれた部隊の運動と個々の行動が合わされば、厳しい訓練というものはないのではないか。
最近。わたしはそう思ってきた。一年前と比べれば、わが部隊の動きは格段の進歩をとげているように見える。誇らしくもあるけれど、実践に投入される回数の少ない舞台であるからこそ、慢心に陥ってはいけないことはいつも、自分に言い聞かせている。
野営の当番からも外れて、数日の休みが与えられているあたしたちは、それぞれに宿舎をでていった。貴族の出身が多いため。自分たちのお屋敷に戻るものが多いけれど、この数か月、あたしもちょっと、遊びを覚えている。
平民地区の水浴び場に浸かれば、疲れが癒される。平民たちの場所なので、ちょうどいい空気というのだろうか。うらぶれていたり、危険でもなく。身分でなにかと自分を誇示するようなものもいない。これが世界の真の姿なんだといつも思う。
■ヴァルファルニフル > 宿舎をでると、夕風にあたりながら、ゆっくりと目的の水浴び場へと向かう。。夕暮れ時は寒々したこういう季節であっても、いいものだと思う。
ちょっとした見慣れないもの。いや、見慣れたというのか。怪しい影をみて、それを追跡していると知らない間に闇が深くなって、こんな時間になってしまった。魔族を見失ってしまったのは気分がよくないが、それでも、目的の水浴び場に戻ってきた。
支払いを済ませて、お気に入りの場所。奥にある露天風呂に向かう。着ているものを脱いで棚に収めると。あたしは生まれたままの姿。でゆっくりとあるいていく。女としては大柄で、普通の男性とおなじ、並んでみればあたしのほうが高かったりする。だけどたいてい男たちはあたしよりも足が短くて、なんだか不格好な形に筋肉の鎧を纏っているというのだろうか。バランスが悪く感じる。
それでいても、男のもつパワーというものには憧れたりする。女騎士として、どうしても抗えない羨ましさであるから。もっと筋肉がつけば、隊長ではなく。団長クラスになれると自分では思っているんだけど。
体にお湯をかけて、一通り駆け回った汗を落とすと、湯船へと浸かる。岩陰の人気のないところ。ここで夜の空を眺めるのがわたしは好き)
■ユークリッド > 年が変わる寸前だからか、宿は静けさに満ちている。
少し離れて祭りの喧騒も聞こえてくるが、旅館の前で騒ぐわけにはいかなかったのだろう。
祭りの終わりを感じさせるような、どこか寂し気な雰囲気。
去り行く年を思うなら、雰囲気としてはちょうどよい。
空を見上げ、感傷に浸っていた刹那、ざぶり、とお湯につかる誰かの音。
挨拶でもしようか、と視線を下げると、そこには女性が一人居た。
体つきは女性的で、しかし無駄のない均整の取れた雰囲気。
戦士か、騎士か、あるいは冒険者か。
そこまで考えたところで、ふと女性を見つめていることに気が付いて。
慌てて視線を逸らすと、頬を朱に染めながら。
「こ、こんばんは。良い夜ですね?」
ここ混浴だったのか、などと今更ながらに思いつつ、無難な挨拶を投げかけた
■ヴァルファルニフル > 「こんばんは、おじょうさん」
夜空の星の輝きにふさわしいような声が私に向かってきた。わたしの部下はおんなであってももっと野太い声を出す。男子の部隊などはあまり思い出して気持ちのいいような声ではない。訓練のときは違和感がないのだけれど、このような澄んだ空気の夜はこのお嬢さんのような声が一番心地いい。
あたしは立ち上がる。ざっと音を立てて、あたしの肩のあたりからお湯がしたたり落ちながら、湯気を揺らしながらあたしは湯船の中を歩いていく。体が十分に温もっているいまは夜気の冷たさはここちいい。
声をかけてくれたおじょうさんは声の持ち主にふさわしい華奢で美しい少女。あたしがこのくらいのころでも、美少女とは呼ばれたことはない。男女だとか、頑丈だとか、元気がよろしいとか。女のくせにだとか。こんなふうになれば、父も、母も喜んでくれたのだろう。そう思うと、羨ましい気もする。
「となりに座ってもいい」 「かわいいこ」
そういうと、彼女の許可もとらないであたしは傍に座り込む。すこし胸を突き出すような格好で堂々として彼女を見下ろす。ほんとうに、華奢。こういうのを男子は好むのよね。薄ら笑いを浮かべてしまう。ときどき、憎々し気な目で男子どもに見られていることをおもいだしている
■ユークリッド > 「お、お嬢さん?」
あ、これは勘違いされてるな、という思いがよぎる。
髪の長さも、色の白さも、線の細さも、声の高さも。
その全てが少女然としているのに、しかし下腹には確かに、垂れ下がるものがある。
少年に相応の、小さ目な陰茎――しかしそれは、湯の中にあれば揺らぎや屈折で見えないのかもしれない。
女性がこちらに近づいてくる。どうしたものかと考えるが、特段止める理由もない。
やがて肉薄、隣にやってきた彼女は、こちらの言葉よりも前に、湯の中へと座していた。
「え、えっと、その、あの……隣はかまいませんが……」
訂正すべきだろうな、と考えて、少年は意を決する。
息を吸い、吐いて、もう一度吸って。
「ボク、その、男、なんです、けど……」
何度経験しても、この訂正になれることはない。
羞恥で頬を真っ赤にしながら、少女めいた少年は、おのれの性別を打ち明けた。
■ヴァルファルニフル > 「ぇっ、そうなの」
私のそばで彼女は男だという。私の半分もないぐらいの背丈。肩幅は大人と子供、実際、子供なんだろう。彼は。美少年なんだろう。あまりびっくりするとこの子を委縮させてしまうかもしれない。
そっと、視線を股間に向ける。確かになにかある。おとこのものを見るときはあまり恥ずかしがるとダメなのは知っている。顔を赤らめたりすると男子どもは図に乗ってくる。じっと無表情で彼のものを見つめて、顔に視線を戻す。じっと目を見つめて、まじめな声で
「男で、こんなにきれいだなんて、奇跡のようね。どこかの貴族の子弟なのかしら。名前を聞いてもいいかしら。あたしはヴァルファルニフル。言いにくいと思うからヴァルでいいわ。大抵ヴァルって言われるから」
さらさらの銀髪。くぐもった瞳。あたしがこんな容姿に生まれたならば、こんな性格にならなかっただろうと思う。神の与えた美術品のようなもの。だけど、あたしは観賞用の生き方などしたくない。やはり、このような美しい存在は端から眺めているのがいいのかもしれない。
じっときめの細かい肌やつややかな髪をぶしつけにみている。そっと肩に手をあてて、ほんとに白磁のような感触にあたしはちょっと嫉妬してしまいそう。だけど、その感覚はぎゅっと心のなかで押さえつけていく。
■ユークリッド > 「そう、なんです。はい」
もじもじ、恥ずかしそうに身じろぎしながら、少年は彼女を見上げる。
恥辱で潤んだ瞳は、少女の泣き顔に告示するほどの繊細さを持ち合わせていて。
無表情で見つめられる陰茎。視線にはむしろ顔を背けて、羞恥の時が終わるのを待っていた。
「ん、それは、その、ありがとうございます。
ボクはユークリッド。長いので、ユゥと呼んで頂けると嬉しいです。
……そうですね、元ではありますが、貴族の子弟です。
――ヴァルさんですね、よろしくお願いします」
微笑みを浮かべ、軽く頭を下げる。
少年の美貌はたまたま天から授かったもので、少年自身も特に気にかけていない。
正確には"可愛い服も着られるからうれしいな"程度のもの。
女装癖もあるし、などと思いつつ、肩に伸びた手を受け入れる。
滑々とした肌は、年若い少女のものと相違ないもの。
くすぐったい刺激にふるり、と震えながら、彼女の検分をただ、受け入れていた