2016/12/12 のログ
ご案内:「王国共用医療施設」にディールさんが現れました。
ディール > 「なんという事は無い。疲れ過ぎの症状だろう。」

ある区画に設置されている、王国に届出のある医者であれば破格の安さで貸し出しもされ、時には王国の貴族からの依頼。断れぬ指名により医者が入る事もある設備。
外観はお世辞にも立派とはいえないが、内装はそれなりにしっかりとしている。きちんと受付部屋と診察部屋。治療部屋に別れ、薬剤の調合の為に魔法により清潔に保たれている小部屋までが用意されているのだから。

「注射――いや、腕に針跡残したくないのか?なら飲み薬を少し多目に出しておく。それと休養を併用しておけ。学業等休んでしまえば良い。ここで無理をするよりは、今のお前に必要なのは精神的な休養と肉体的な休息なのだからな。」

落ち着いた声音。外見年齢通りにやや低めのテノールボイス。そこにやや渋さの色合いが混ざり始める年齢の男は、目の前の少女へとそう告げる。
授業中に立ちくらみを起こしたらしい少女がたまたま運ばれたのは数十分も前の話だ。見た目も悪くは無い少女の目を覚まさせ、診察を終えたのはつい、今しがた。
少女は未だ学生の為、触診をする際には指先から若々しく、瑞々しい――張りのある弾力が伝わり、自信の黒い欲望に火を付け始めている。

「待っていろ、薬を準備する。……お子様舌だろうお前でも服用できるものにしてやる。」

ディール > 診察部屋の直ぐ隣にある小部屋――其処に入ると直ぐに館内の治安維持のためにある水晶球を用いたモニターを確認した。
他に目ぼしい獲物――女性が居ないならば。この少女に今日持ち込んでいる薬剤をたっぷりと与え、後日に楽しむ事が出来る下準備を整えるつもりだった。

「ふん、優秀な学生と言うが知識を詰め込むだけが勉学ではなかろうに。ただの強迫観念の鎖に縛られた、臆病な子羊にしか見えんがな。」

薬剤の調合が始まる。紫色の固形物を乳鉢に。緑色の藻を少量入れると、乳鉢の中で丹念に磨り潰し、見た目も毒々しい色合いの粉末が作られていく。
己の欲望に関わる薬剤は最後に混ぜれば良いのだ。水晶球より流れる、待合室――現在は無人の其処に新たな客や獲物が来るのか、それを見定めようとしている。
紫色の固形物は、東方で獲れるスライムを魔術で固めた品。生命活動は停止されているが、滋養強壮や――ある薬剤と混ぜる事で強烈な媚薬効果を生み出す物として珍重されている。
緑色の藻は、通常の薬草として使われる事の多い物。冒険者が洞窟に入り込んだ際に精神の安定を欲して食する事もある物だ。

ディール > 紫色の固形物が乳鉢の中で磨り潰され、粉になり行くと共に甘い甘い、焼き菓子をオーブンで焼き上げた直後のような香りが室内を満たしていく。その香りは隣室の少女にまでも届く事だろう。
強姦者であろうとも、あくまで医療行為自体は別。手を抜くつもりは無いのは、半分残された人間の理性なのか。
それとも人間ではないからこそ、奇妙なプライドが混ざる為なのだろうか。
少なくとも緑と紫の毒々しい色合い――知識が無ければこれが薬だといって、誰が信じるだろうか凄まじい色合いの粉末を作り上げていく。

「今日は――コイツで打ち止めか。」

最後に待合室の確認をした後。少女が飲みやすくなる一工夫。
ホットチョコレートを作り、そこに粉末を混ぜ合わせ―――ゆっくりと掻き混ぜていく。
甘い焼き菓子の香りはホットチョコレートの更に甘い香りに溶け込み、混ざりあい――そして己の往診バッグから最後に一粒の錠剤を取り出した。それもホットチョコレートに落とし込み――少女の元へと戻っていく。

ディール > その後、院内で行われた行為は己と。被害者となる翌日から笑顔に影を落とすようになった少女しか知らぬ話。
今宵もまた平穏の裏側にて、一人の少女が涙を零していた――。

ご案内:「王国共用医療施設」からディールさんが去りました。