2016/11/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場「無貌亭」」にリコシェさんが現れました。
■リコシェ > 平民地区の一角、大通りに面した酒場の中から歓声が聞こえる。
いつも決して静かとはいいがたい場所だけれど今日は一段と騒がしい。
店内では仮装や顔がわからないような恰好をした客が幾人か酒を傾けながら場内の一角を眺めていた。
そこには似たような恰好をした人だかりができており、
その中心には丸テーブルと男性と思しき大柄の男が二人対面で座っている。
その前には大量の空になったボトルが並べられておりどうやらどちらがより強いか飲み比べているようだ。
両名が一杯グラスを空けるたびに歓声が沸き起こり野次や足を踏み鳴らす音が店内に響く。
その間でやたらそれを煽っている人影があった。
「いやぁ、おにーさんいい飲みっぷりだねぇ?
相手は先月の伸び比べ大会優勝者だよ?
あれ?あれは別の人だっけ?まぁいいや!
え?まぁいいじゃん!ほら、おにーさんのもっといいとこみてみたい♪
あ、オッズは1:1.5だよー。賭ける人は番号札と掛け金この箱の中に置いてってね!」
くるくると他の客の間をすり抜けながら笑顔でゴルドを回収して回っている。
手に持つグラスに酒が少なくなっているほかの客を見つければさりげなくついで回り
その合間に勝負をしている男たちを大声で煽る。
さながらウェイトレスのように売り上げに貢献しているけれど…
「すまんねお嬢ちゃん。客なのにこんないろいろ手伝ってもらって」
その娘は実際は従業員ですらなかった。
唐突に店にやってきて店長と謎の筋肉談義で盛り上がり意気投合した後
周辺の客を巻き込んで飲み比べ大会を始めた完全にただの客である。
「いーのいーの。楽しいから勝手にやってるだけだし
場所借りて騒がしくしてごめんねぇ」
ひらひらと手を振り掛け金の箱をカウンターに置いた後
またその騒がしい一角へと戻っていく。
■リコシェ > その時ひときわ大きな歓声があがる。
どうやら片方がギブアップ宣言をしたようだ。
賭けに勝ち足を踏み鳴らしながら狂喜するもの、悔しそうに地団駄を踏むもの。
そんなある意味平和な光景の中、次の我こそはと思う物が敗者の座っていた椅子に座り盃を空け始める。
もともと突発で始まった謎の宴会である。
賭けに参加しているものも含めてルールを正確に把握している者など殆どいない。
要は騒げる口実であれば参加者も観客も十分なのだ。
次なる挑戦者に再び場は沸き、新たな勝負と賭けが始まった。
飛び交うコールと野次、歓声と怒声。
その熱は収まる様を見せず、異常なまでに盛り上がっていた。
「いやぁ盛り上がってるねぇ…」
当の仕掛人はさっさと集金役を他の客に押し付け自身はフードをかぶり直し
のんびりカウンターで見学していたりする。さながら無関係な客その1。
あそこまで盛り上がれば後は全員酔いつぶれるか挑戦者がいなくなるまで勝手に誰かが続いてくれる。
酔いつぶれた客を従業員が運んで行ったりと仕事自体は増えてしまっているものの
売り上げにはだいぶ貢献したのだから許してくれると思う。多分。仕事は無いよりはあったほうが良い。
「さぁてこれから何してあそぼっかなぁ…」
お祭り騒ぎというのは伝染していくものだから盛り上げるだけ盛り上げてしまえばあとは放っておく。
実に無責任だけれどそういう性格をしているのだから仕方がない。
そもそもの動機がばか騒ぎを起こしたいだけなのだから。
彼女はグラスの中の液体をゆっくりとかき混ぜながら店内をのんびりと眺めている。
何か面白そうなことは始まらないかと。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場「無貌亭」」にアデリータさんが現れました。
■アデリータ > 盛況な酒場は人の出入りが多い。
担ぎ出されるものもいれば、騒ぎに誘われて入ってくるヤツもいる。
だから箒を携えている子供が来店しても気にとめるやつは、そういない。
何しろ、飲み比べが注目の的なのだし。
「おう、店主。
賑わってるじゃあないかい。ひゃひゃひゃ……今夜はいい稼ぎになってそうだねェ?」
カウンターまでやってきて、ちょこんと腰掛ける。
「なんだい、アタシの顔をお忘れかい?
ここ数年はこっちにやってきてなかったからねェ。
まァ、いいさね。
折角だから何か酒を貰えるかい? とりあえず酔えそうなモノがありゃいいんだがねェ?」
■リコシェ > のんびりと眺めていると酒場には少し若すぎるように見える人影を一つ見つけた。
「いやあの年はさすがにあうとでしょ…」
と一人で突っ込みつつ店主と喋っている内容に耳を傾けてみる。
店主も何やら腰が低いし…なるほどあれは…
「めっちゃ仮装に気分が入っちゃったいいとこの子だ!」
ひどい結論にたどり着く。考えているようで全く何も考えていない。
ならやることは一つ…
「マスター…あちらのお嬢さんにソルティライム…アルコール抜きで」
無駄に雰囲気を出しつつ注文をしてみる。
■アデリータ > 横から何やらソルティライムが。
軽くグラスを掲げて、感謝を示し一口。
とても味のある顔になりました。
「……口直しにソルティライムを濃い目でおくれ」
店主にそう告げてから、リコシュの傍に歩いていく。
「どうもありがとうねェ、お嬢ちゃん。
アルコール抜きだったのは、気遣いかい?それとも嫌がらせかい?」
ひゃひゃひゃ と笑いながら、断り無く横に腰掛ける。
不躾にジロジロと見る。
「お嬢ちゃんは仮装してないんだねェ?
アタシもそうだけどねェ……ひゃひゃひゃ」
■リコシェ > 「こんばんは。駆けつけ一杯がエールっていうのも風情がないかなーなんて?」
のんびりとグラスを傾けながらにこりと微笑む。
ちなみに雰囲気満点で飲んでいるこれはばっちりノンアルコール。
彼女自身はあまりお酒に強くなかったりする。
「口に合わなかったかな?魔女さん
一応気遣いのつもりだったんだけど」
すでに脳内では完全に役に入り切ってしまっている良いところのお嬢さんという認識なので
胸中生暖かい笑みを浮かべながら付き合うつもり。
私にもそういう時期があったなぁ…なんて。
「仮装してもにじみ出る魅力で誰かばれちゃって無意味だからぁ」
ケラケラと笑いながら心にも思っていない適当な返事をするのは彼女生来の気質。
■アデリータ > 「まぁ、そりゃ確かに味気ないねェ」
肩を竦めてカウンターに肘をついて体を預ける。
「酒場に酔いに来てノンアルコールは悲しくなるねェ」
しかも久しぶりだっていうのに と言葉を繋げて店主がもってきたソルティライム(がっつりアルコール)に口をつける。
「ああ、そりゃあ大変だ。
そんなに魅力的なら、お相手にも困らないだろうにねェ。
若いのがうらやましいねェ。
お嬢ちゃん、誰かいい人とかいるのかい?」