2016/11/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にココットさんが現れました。
■ココット > 娼館の入り口から子供のような甲高い、抗議の声が響いている。
「ぬああ!?何をするか!金ならちゃんと……」
抗議が言い終わらない内に、店員に文字通りつまみ出され外に放り捨てられたビキニ姿の少女。
まだ何か言いたそうにしているが、暫く扉を睨みつけた後不機嫌そうにその場を後にした。
「ええいせっかく楽しみにしていたというのに、完全に興が削がれたではないか……!」
肩を怒らせて大股に歩みながら、不満をぶつぶつと呟いている。
サービスの質が高い娼館があるという評判を耳にしてわざわざ出向いてきたのであるが、あっさりと門前払いされてしまった。
今夜は奮発して豪勢に遊ぶつもりだったのに予定が狂ってしまい大変ご立腹である。
やけ酒かやけ食いか。もしくはその両方にするか別の娼館を探すかと、もやもやと考えながら特にあてもなく周囲の店を眺めて歩く。
■ココット > 「こうしておっても仕方がない。まずは呑むか!」
イライラしたまま無駄に時間を浪費しているのも勿体無い。
こういう時は酒の力を借りてしまおう。
予定とは違うが飲んで騒げばそれはそれで楽しいではないか。
幸い資金には余裕があるし選り好みしなければ酒場はいくらでもある。
高級すぎず安すぎず、適度な店を探して今度は意気揚々と足取りも軽く歩き出した。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリンさんが現れました。
■リン > どこかで食べようと思っていたのだけど、なんとなくどこにも入る気分にもなれず
安い酒を外でちびちびと舐めていた。
店を探していると、そんなふうに、酒瓶と提琴のケースを抱えて
営業していない店舗の軒先に座り込んでいる少年と、目が合ってしまうかもしれない。
「きみどこの人?
すごいかっこだね。主戦場はハテグ? それとも夜のほう?」
そんな風に冷やかし気味に声をかけてみる。
商売女なのか職業戦士なのかわからない扇情的な格好、の子供。
片方なら繁華街でだってよく見かけるが、両方を満たしているのはなかなかいない。
自分だって背丈はたいして変わらないのだが。
■ココット > 「なんじゃおぬしは藪から棒に。…ふむ。夜の相手をしてほしいというのなら、考えんでもないが」
娼館で門前払いを受けて少し気分がささくれていたせいで思わず辛辣な言葉が出たが、話しかけてきた少年はなかなか悪くない器量。
ジロジロと品定めした後、現金にも即態度を軟化させ。
「ここの出身ではないが、今の住まいはマグメールじゃな。あまり土地勘がなくて良さげな酒場がないか探しておる最中じゃ。お主は?」
■リン > 「こっちからしちゃ、そんな派手なかっこでうろうろされるほうが
よっぽど藪から棒なんだけど……」
あまり見た目には似つかわしくない老いた口調にまばたきして、
酒瓶片手によいしょと立ち上がる。今ひとつ足取りがおぼつかない。酔っ払いであった。
「ふうん。ぼくも似たような感じ。
このあたりの店、どーも質が悪くてね……。
……夜の相手って言うけど、まず男なの女なのきみ? そしてそれは使い物になるの?」
近づいてじろじろと相手を観察し返す。
相手の体の輪郭や雰囲気は女性のものだが、股間には見せつけるような盛り上がりが見える。
もしかしたら両方というのもあるか。
■ココット > 「ほほう興味津々といったところかの?そうじゃなあ、説明するのも無粋じゃろうし、確かめてみるか?」
露骨に観察されても動じる事はない。
酒場を探す予定ではあったが、中々悪くない印象だし相手がその気ならまた予定を変更してお持ち帰りしてしまってもいいかもしれない。
そうでなくても様子からして十分いける口のようだし、酒の相手になるのならそれはそれでいいだろう。
■リン > 「興味津々っていうか……
そんなに見せつけてたら気になるでしょ! いやらしい……」
動じること無くからかうような口調に、むっと鼻白む。
酒気で顔が紅い。
「……で、確かめるって、どこで?」
しかし拒みはしなかった。ちら、と繁華街の人通りを横目に。
どこかに連れていくというのなら、それに従うだろう。
■ココット > 「うむうむ、気を引けたのならこの格好でいた甲斐もあるというものかの。
さてそうじゃのう、流石にここで確かめるという訳にはいかぬが……」
相手も満更でもなさそうだしどうすべきか少々思案。
拠点にしている部屋に連れ帰るというのも少々距離があるし、せっかくだからこの辺りで宿でも借りるかと結論を出し。
「まあ特にアテはないが、幸い宿も色々あるようじゃからな。なるべく音の漏れない壁の厚い部屋を選んでやろう」
腰に手を当て、にこやかにそう告げる。
もうすっかりやる気になってしまっていた。
■リン > 「え、そんな音や声が出るぐらいに激しくやる気なの」
妙に張り切っている相手とは対照に露骨にたじろいでしまう。
握った拳に汗が浮くががここでやっぱやめておきますとも言えない。
ため息。
賑わった繁華街だし、泊まる宿にこまることはないだろう。
「……で、きみ、名前は? ぼくはリン。
……あと、実は淫魔かなんかで見た目の十倍ぐらい歳取ってたりしない?」
そんな会話をしながら、お眼鏡にかなった宿が見つかればそこへ
二人で入っていくだろう。
■ココット > 「バカタレ!レディーに歳の話をするものではない!
だがまあ酔っぱらいの戯言という事で今回は大目に見てやるがの。
それとわしの名はココットという。ココット様でもココちゃんでも好きに呼ぶといいぞ」
ちょっと気分が乗りすぎてリンの方が引きそうになっていたが、ここまで来た以上逃さぬとばかりにがっしりと腕を組む。
そして宿の受け付けでまた一悶着起こりそうだったのだが、少し多目に代金を渡せばそれ以上は特に追求もされず部屋を借りて。
「うむ。なかなか悪くない部屋じゃの。造りもしっかりしておる」
特筆すべき点はないものの値段分の価値はありそうな部屋でとりあえずは満足。