2016/10/28 のログ
リス > 少女は周囲を眺めた、人は疎らにしか居ない模様。

「さて、それはそれとして。
 今日はどこに行こうかしら。」

 広場でぼうっとしていても仕方ない。
 大通りに近いのだから、どこか移動してもいいだろう。
 酒場のある方向でもいいし、この間行った温泉宿も良い。
 家に戻るというのもありだし、ほかの店の外装を見てみたい気もする。
 やりたいことがたくさんあるわね。
 そう考えながら、とりあえず近くに設置されている休憩用のベンチにそっと腰掛けた。

 「ん~。」

 両手を膝に当てて夜空を見上げ、星を眺めながら考える。

リス > 「くちっ」

 秋も本番だ、夜になればそろそろ寒くなってくる。
 ワンピースだけでは風邪をひいてしまいそうだ。
 そろそろ、カーディガンとか、何かしらを出さなければいけないわねと口の中でこぼす。
 こう、どこか行こうという気も、起きなくて。
 どうしようかしら、と再度つぶやく。

「ぅーん」

 小さく呟いてみるものの状況は変わることはなく。
 ただただ、月を見上げているだけという状況になっていた。
 あ、どこか美味しいものを出してくれる店も、いいかもとか。
 ああしたい、こうしたい。
 いろいろな案が少女の中に生まれるが、決定的なきっかけとならずに立ち上がらなかった。

リス > 「決めた」

 やっぱり、あそこに行こう。
 長々と考えていて、体がすっかり冷えてしまった。
 そう思ってしまえばあとは早いものである。
 少女は立ち上がり、護衛を引き連れて歩き始める。

 そして、その場所から去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリスさんが去りました。