2016/10/14 のログ
■砕華 > 「………、はぁ、まったく…。
貴方はまず、女の扱いというものを、勉強したらどうですか?」
(人の言葉を深読みして、考えを当ててくるのは、やめてもらいたいものだ。
砕華の中で、カリギラの評価を一段階下げ、また更にため息をつく。
こうして、本心を隠しながらでも、親しげに話をしているのだから、空気を読むという事を、少しは学んでくれ、と。
笑うカリギラをよそに、砕華の顔は、明らかに不機嫌そうに歪んだ。
その、笑っているように見える、細い目はそのまま。
だが、諦めをはさむほど、この国の誰かに仕えるというのは、苦痛というわけではない。
しばらく、住んでみて理解したが、この国は腐りきっているのは、上だけらしい。
下のほうに、眼を向ければ、平和そのものだし、活気も、まだまだ健在。
その一員になるのも、悪くは無い判断だが、それでも砕華は、出来ればシェンヤンで、薬師として働くことを考えている。
この国にいる理由は――まだ、砕華しか知らない。)
「…足がつかないようにだけは、くれぐれもお願いしますね?
もし足がついたら…本当に、困るんです。」
(自分の席にも、食事を置いた。
対面する席へ座り、袖からとある布袋を取り出す。
濃い茶色をしているその袋を、カリギラの前に置くと、そっと囁く。
「尋問をするならば、それを使うといいでしょう。」
彼が最初に望んだ、痺れ薬と幻覚作用を引き起こす薬。
薬と銘打っても、効果は正に毒そのもの、それを作れというのだから、この男は砕華を共犯者にしたいらしい。
砕華も、金を出して薬を買うお客なのだから、それ相応には対応せざるを得ない。
痺れ薬は、身体を麻痺させる効能を持つ、アンバラの若木の茎液をそのまま、煮詰めて軟膏にしたもの。
普段は幹部に塗りつけ、麻酔のように痛みを感じずに、傷口を縫合するときに用いるものなのだが、水に溶かして飲むと、体を痺れさせ、重症になると、幻覚作用すら引き起こす。
普段、店頭に並べることの無い薬を、カリギラの前に置き、一つ目と二つ目の依頼を、同時に、即座に完遂させる)
「庶民の食事ですが…。嗚呼、スープは私の地元の郷土料理「ミソシル」といいます。
大豆を発酵させたものを、湯で溶かすものなんです。」
(庶民の味、お袋の味。いろいろな呼び方はあれど、砕華はこのミソシルが、好物だった。
母親のアジにはまだまだ、適わないところが多いが、それでも少しは、上達していると、自負している。
魚と白米、そしてミソシル。これが、砕華の一番食べる組み合わせだった。
さて、もうひとつの依頼のほうだが、ぜ切るだけ副作用がなく、依存性もない、心を落ち着ける薬。
なかなかに難題を突きつけられたが、出来ない話ではない。
食事を勧めながら、砕華は材料を、あれこれと考えていた。)
■カリギラ > 「女の扱いなんて私にはまだ無縁ですよ。」
カラカラと笑う
彼女の笑顔を見るのは中々に難しいが
不機嫌顔であればこれでもう何度目だろうか?
女性の扱いはあまり自信がないがそう言われてしまうと少しは勉強した方だ良いのかもしれない
これからはそういった事も必要になるのかもしれないし
「つきようがないのでご安心を。それに私は掃除をしているだけですよ」
スープを飲み干す
中のトーフとやらは初めて食べたが不思議な触感だった
目の前に置かれる袋を手に取り袖の中へ仕舞う
前金としてゴルドの入った袋を代わりに差し出し残りはすべて薬ができてから
毒と薬は表裏一体
自分はここで薬を買っているのだ
一応、これでも砕華の薬師としてのプライドを無暗に傷つけないようにはしているつもりだ
「庶民である私にとってはありがたい食事ですよ
ミソシル…大豆を発酵ですか。よくそんな事思いつきましたね、これを作った人」
発酵、つまりは腐らせてできる料理と聞いて興味が湧く
このミソシルも体が温まり量を飲んでもしつこくない
庶民の料理とは言うがそこに込められた知恵や工夫は並大抵のものではないのが伺える
「因みに、最後の薬を使うのはまだ16の子供です。女性でもあるのでそこを加味してあげて下さい」
食事をしながら使用者の情報を話す
薬づくりにおいて使用者の情報も重要なのは知っている
なので性別と年齢のみ、後は砕華に任せるのが一番だ
「ふぅ…ごちそうさまでした。実に美味しかったですよ」
米の一粒に至るまで綺麗に完食、ミソシルについてはお代わりまでした
いつもよりもしっかりとした食事に大きな満足感を得ながら砕華に礼を述べる
要件を全て済ませ食事までご馳走されたのだからと薬とは別にゴルドを渡し店を後にするか
■砕華 > 「あら、じゃあ現に、目の前にいる私は、女ではないと?」
(少しだけ意地悪そうに、砕華は、キモノの袖で口を隠した。
笑っているわけではないが、少なくとも不機嫌そうには、見えない。
女の扱いがまだまだ、と言うあたり、カリギラとの、個人的で良好な付き合いは、遠い話しになる。)
「そのあたりは、信用はしていますので…。
ただ、もし私が、憲兵に調査を受ける、などという事があったら、真っ先に疑うという事は、憶えていてください。」
(今の所、危ない仕事を依頼してくるのは、カリギラ以外にはいない。
貴族家も、危ない薬を所望することはあるが、その用途ははっきりと教えてくれた。
薬は、時に毒にもなる。だが、それはまた逆も然り。
ミソシルの独特な風味と、トーフの繊細な味は、程よくあう。
他にも、トーフを揚げて作る、ウスアゲや、キャベツなども、ミソシルの具には最適だった。
砕華は、差し出された、ゴルドの袋を代わりに袖へともどし、食事を完了させた。
手早く、そして簡素に。
これが、時間を作ることが難しい、薬師・砕華の食事スタイルだった。)
「うふふ、シェンヤンのもの、ですからね。
マグ・メールの方でも、調味料で、大豆が使われているものは、使用しているのでは?」
(ソイ・ソースが正にそれだ。
シェンヤンでは、「ショーユ」と言う名前だが、逸れに酷似している調味料が、マグ・メールでも出回っている。
だからこそ、わざわざミソシルの元を買い付け、それを貯蔵している。
故郷のものは、やはりどんなときでも、心を落ち着けてくれるものだ。
鎮魂の薬を使う、人物の詳細を、簡潔にでも聴く。
16の少女、それを聞けば、少しだけ興味が湧く。
愛着、とでも言うのだろうか、その人物の名前に興味が湧き――――。)
「名前だけ、聞いても?」
(そう、簡潔にカリギラへと尋ねた。
性別と年齢だけでも、勿論構わない。しかし、その言葉はただ単に、砕華が興味をもったから、尋ねた。
勿論、教えてもらわなくても構わない。)
(その後、食事は滞りなく進んだ。
ミソシルに至っては、彼が気に入ってくれたらしく、お変わりまで要求する始末。
作った本人としては、嬉しいかぎりだ。そのお返しにと、金銭まで渡されると――。
彼の評価を、2段階引き上げるしかなかった。
薬が出来る期日、それを伝えて、彼を見送ることには、既に夜の帳は落ちていた――。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からカリギラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から砕華さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシンシアさんが現れました。