2016/10/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地」にアダンさんが現れました。
アダン > 「なるほど、城下でも結構な話題となっているらしい」

アダンは王都の路地を歩いていた。
彼の背後には軽装の衛兵たちが続くように歩いていた。
アダンは貴族でありながら、街の警備隊の一つを率いる役職についている。
勿論名誉職のようなもので実際の職務は部下が行うのだが、
彼はその立場を利用して、王族や一般の市民問わずに罪などを着せて弄び、餌食にする。
そのためにこの役職についたようなものであった。

現在、王都は第七師団長が行方不明になった、ということが話題になっていた。
平民の間でもそれなりに名の知れていた悪名高い部隊であったからだろう。
対魔族に特化した部隊の壊滅と聞いて、不安がる者がいてもおかしくない。

しかし、アダンに取っては好都合だった。
彼の師団がいてもいなくても、どちらにせよ利用は可能である。
今は王都も混乱気味であり、こういうときにこそアダンのような男が動き回りやすい。

「怪しい者がいれば注視しておけ。今は民たちも報を聞いて動揺しているだろうからな」

衛兵たちにそんなことを命令しつつ、道を歩く。
道の端、店の中を覗き込み、獲物になるものはいないかと探していく。
衛兵とは少し距離を置いて歩いているため、一見すればアダンと衛兵との関係はわからないだろう。
ただし、アダンを知っていれば別であるが。

アダン > そのまま巡回を続け、一人の女性冒険者を無理やり罪に問い、公開で陵辱した後に邸へと帰っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地」からアダンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリンジーさんが現れました。
リンジー > こぢんまりとした店舗が並ぶ通りの一軒。
レストランと銘打っているが、夜は酒場に近い形態で、客層も相応のようだ。
十数分前に最後の客が帰って以降、まだOPENと看板は謳っているものの
独りとなった女店主はカウンターでカクテルを作り、暇を潰している。
閉店時間は店主の気紛れなところがあり、――――つまりは、まだもう少し
誰かと話したい時だけこうして営業時間を延長している。
暖かな色合いの明かりを受けてまばたきする度に睫毛の影が目許に落ち、
憂愁の雰囲気を持つが本人は至って元気らしい。
しなやかな挙措でカクテルをかき混ぜ終え、マドラーの先を口に含む。

ん、と頷いた。
本格的な酒飲みには退屈だろうが、甘くて飲みやすい味だ。
ちゅぴ、と微かに音を立ててマドラーを唇から引き抜き、
開けたままのドアの向こう、時折通行人の姿がある道を眺める。
――――今日はもう、店仕舞いにした方がいいのだろうか。

「―――残念ね。今夜は少し人恋しいのに。」

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアルマーレさんが現れました。
アルマーレ > 雑多な喧騒に満ちた店店が集まる一角。
毎夜、上へ下への乱痴気騒ぎを繰り広げる酒場の前に捨て置かれた大きな酒樽に腰掛けて楽器を奏でる男が一人。
謳うのは郷愁の歌で、情感たっぷりに歌い上げるも酒精に爪先から髪の毛の先まで浸ったような酔客には野次の対象でしかなく、絡んできた客を殴り飛ばして放り投げたのが三人目になるところで嫌気がさしたか胡乱げに男を睨む店主に場所代を叩きつけて店を出よう。
たまには喧騒から離れるのも良いかと鼻歌と口笛混じりに退屈そうに路地を征けば、「OPEN」と掲げられた酒場を見つけて

「ーーーーーーオヤジ、まだ空いてるかい?お客様のお越しだぜ、持て成しな」

自然と吸い寄せられるように店の扉を開ければ、荒くれな雰囲気を冗談めかして出しながら
店へと入り………店内に一人の彼女に気づけば、しばし呆気にとられて

「ーーーーーおおっと、コイツは失礼。酒樽みてーなオヤジじゃなくて、レディーのような麗しのご婦人の御出迎えとは思ってなかったぜ」

出迎えが美人のご婦人と解れば、退屈そうな顔から、人好きのする快活な笑みに瞬時に変わり。軟派な文句を並び立てながら、カウンターに軽やかに掛けたりもするはずで

リンジー > 酔っ払いの扱いは慣れている。
(今訪れた客が実際に酒に酔っているのか否かは別として――。)
己の姿を見るなりその態度を豹変させた男に、くす、と口許だけで収まる笑み零し
カクテルを一旦下げて新たなグラスを用意する。

「いらっしゃいませ。
 ……ふふ、その饒舌さはもうかなり飲んでいらっしゃるのですか?
 水と、お酒と。お好きな方をご用意します。」

おもてなしさせて頂きますとも。
そんな言葉を言外に絡めた台詞は若干の揶揄を込めている。
こういう店では雰囲気に任せて甘言が行き交うことが多く、それが楽しかったりする。
行き過ぎてしまう男女もままいるが、それもご愛敬だろう。
柔らかな眼差しを向けながら、手繰り寄せるのは酒瓶。

アルマーレ > 軟派な文句にも、酔客然とした態度にも憮然とせずに、小さな笑みを零す女。
それだけで男は舞い上がる愚かな生き物なのだ。
良い店を引き当てたと、普段は祈らない神に感謝を内心で告げたらば

「まさか!寧ろ醒めちまったぜ、あの騒ぎじゃ酔えるもんも酔えねぇしな」

肩を竦めて悪酔いの空気に醒めてしまったと愚痴りつつも、唇の端を釣り上げて笑ったら

「ーーーなら断然酒だ。俺を酔わせてくれ、ミス………えぇとお名前は?麗しの人」

双眸を悪戯っぽく、子供のように楽しげに煌めかせながら酒を注文しよう。
酒の種類は任せると告げつつ

「そういえば名乗ってなかったな……それとも一晩で20人くらいに名乗られそうなミスは、酔っ払いの名前なんざイチイチ覚えてられないかい?」

「ともあれ………俺はアルマーレ。しがない旅人さ。」

冗談めかしつつ簡単に名乗ったらば、相手にも名乗るように促してみたり

リンジー > 舌の上をさらりと滑るような甘い言葉は挨拶だけでなく、
こう続くのだからこれは彼の性格なのだろう。
ふ―――…と吹き出す笑いを堪えて、けれども堪えきれずに肩が揺れて微笑う。

「ふふ…っ…、リンジーです。
 ここは地元のお客様ばかりで、貴方様のような方はあまりいらっしゃらないのですよ。
 それと、そんなに私を褒めそやして下さる方も。お国柄ですか?」

どおりで、甘やかな旅人の衣装は物珍しい装飾が目立つものだと感心混じり。
軽く問いながら、注文を受けて酒を注ぎ始めよう。
グラスに注いだのは無色透明の酒。
つんと尖ったアルコールの匂いからして、明らかに強め。
それに飲み口を切ったレモンで濡らして客に出せば、下から舐めるように視線を送る。
挑発と悪戯が混じった色が微かに瞳に含まれている。

「少し強いお酒です。
 飲むと喉が焼けるように一瞬熱くなる……程度の。
 薄めることも可能ですよ。」

アルマーレ > 彼女の笑みに釣られたように小さく笑みを零せば、名前を聞いて頷いて

「リンジー……リンジーね……覚えたぜ。ーーーへぇ、それは退屈だろう。俺のような良い男は
そもそも滅多に居ないが、地元の馴染みばかりじゃ飢えるときもあるだろうに」

「ハハッ、まさか!俺の故郷は男が痩せた土地に鍬を振り下ろし、女が荒屋の中で縄を縒るような所さ。ーーーーそんな寂れた国で生まれ育った俺がこんなに饒舌になるのは、リンジーの麗しさゆえにってな」

軽薄な笑みと冗句を紡ぐ。穏やかな面貌に色香を感じさせる泣き黒子。彼女の纏う雰囲気に早速男は酔っていることを隠そうともせずに笑って告げる。
そうして、サーブされたグラスを指先でつまんで引き寄せれば、薫る強烈な酒精の匂いに、不敵な笑みを浮かべて

「酒場の主人なんてやってるのに、意外とリンジーは怖いもの知らずだな……男を酔わすとどうなるか知らないぜ?」

グラスの端に唇をつければ、一息に酒を呷れば、固く瞳を閉じて何かを堪える風に。呼吸は止まって、貌が真っ赤になり、頭が小さく左右に揺れ始めてーーー

「ーーーーーーなんてなっ。まだ足らない。刺激も快楽も、全然足らないな。醒めたまま眠るのは退屈なんだ……俺を酔わせてくれるかい、リンジー?」

酔いつぶれたように俯いた貌を勢い良くあげれば呵々と大笑する。その貌に赤みは少しもなく、素面のままで酔いを望む台詞を吐こう。
そのままカウンターに乗せられた彼女の手を握ることが叶うなら、挑発的な視線を受け止め、返すように双眸を見つめて甘い紫煙のように囁いたり

リンジー > 「そうですね、こんなに美辞麗句をたっぷり注いで下さる方が異国にはいるのなら
 たまには何処かへ旅をしてみるのも良いのかもしれません。
 …そのためには店を任せてもいいくらい人を雇える…稼ぎを作らなくては、ですね。」

冗談めかして、言葉を濁す。
動乱の最中、己の人生経験はたかが知れている。
地理の話なら尚更―――この国から出た経験が殆ど無い店主にとって、
客のちらりと零した故郷の話は興味深いものだった。
細めた瞳にまた睫毛の影が揺れる。

しかし表情の些細な変化はそれだけが起因ではなく、酒を呷る男の様子を見ていたからだ。
アルコール度数からいって、グラスでは量が少々多過ぎた。という反省はもう遅い。

「―――――……あ…。」

一瞬、酒に強そうに見えた男が酔い潰れたのを認めて口唇を開いてしまった。
しかしそれが演技だったのだと知る時には、握られた手からじんわりと互いの体温が
広がって、視線が交錯すると同時となる。
確かに彼の言葉は甘くて、世慣れた雰囲気があって、
―――でもこまっしゃくれた駄々っ子の部分もある。

「――――悪酔いしますよ。」

固く握られていないのなら、するりとその手を引き抜くはず。
それは拒否の証ではなく、カウンターに出した商売道具の数々を片付ける所作に移り変わる。
先程彼に出したものと比べればジュースも同然のカクテルだけは未だ空になっていないため
置いておくこととなり、他が片付けば視線はプライベート空間となる店の奥に続く。
来ますか?と問う仕草はあくまで気軽なもの。