2016/09/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に砕華さんが現れました。
■砕華 > (マグ・メールの週末は、とてもにぎやかなものだった。
買い物客、観光客、金持ち、さらには、無骨な冒険者まで幅広く、石畳を踏みしめて歩く姿がある。
気立てのいい露天商の、活きのいい声から、真っ赤な帽子をかぶった吟遊詩人の、華麗な歌声まで幅広く聞こえ、活気に溢れていた。
しかし、その一方で、襤褸を纏った子供が、空きビンの底を差し出し、物乞いをする姿も。
世界の光と闇、その二つが混同した世界というべき姿が、マグ・メールの一角に広がっていた。
そんな世界の一角の、更に一角。
露天商に紛れて、砕華は大きなカサで日よけを造り、目の前に大小様々な布袋を並べ、鎮座していた。
布袋の前には、内包されている薬の種類と金額を表記した板を置き、その奥で擂鉢を回しながら、来客を待っていた。)
(砕華は考えた、ただ薬を売るだけで、本当に客は来るのだろうか、と。
1日何もせず、街を探索して、その答えをはじき出した。答えは、「来るはずがない」と砕華の頭は導き出した。
目新しいものがないのに、客が来るのかと言われれば、当然そんなことは絶対にありえない。
珍しいもの、珍しいことをしなければ、客は興味を持ってくれないと、老師からも散々教えられてきた。
シェンヤンからやってきた、と言うのは十分珍しいかもしれない。しかし、それだけだ。
目新しいことをしなければ、客足は遠のき、せっかく立ち上げた薬剤店「紅一朝」は、すぐに閉店してしまう。
砕華は考えた。じゃあ、どうすれば客足が向いてくれるのか、と。
そこで始めたのが、薬の製造公開である。
普段は見ることの出来ない薬の製造を、砕華はあえて見せることで、客の興味を引き、信頼を勝ち取ろうと考えた。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカリギラさんが現れました。
■カリギラ > 「失敗しました、真蛸のローブは暑いですね」
水稲の水を飲み干し裾へしまう
最近涼しくなってきたと思って出したローブ
折角の保温性もこの日差しの中では邪魔でしかない
汗を拭い露店を眺めていく
「やっぱり面白い物おおいですよね。流石露店」
正式に店舗を出している訳ではない彼等の商品はどれも目線を誘われるものが多い
中にはただのゴミにしか見えないものも多いがそれはそれで面白い
その中で特に今日気になった店の前で歩を止める
薬屋だろうか?何かを擂鉢で回している
他の者も気になって店主の手元と店主を見つめていた
「紅一朝…それにその風貌、シェンヤンの薬師さんですかね。」
そう呟きながら自分もギャラリーの一員に
シェンヤンの薬師がこんな所で露店を開くなんて…そう思いつつ並んだ薬を見回していく
■砕華 > (結果は、大成功を収めていた。昼下がりも過ぎ、夕方に近い時間になっても、客足が途切れない。
風邪薬に始まり、胃腸薬や気付けの丸薬。果ては、何に使うんだろうかと聴きたくなる、増強剤。
飛ぶように、とはいかずとも、興味を持ってくれた客は、布袋を手に取り、代金を支払っていった。
ただ、思ったよりも増強剤の売れ行きがよく、客の一人にさりげなく、何に使うのか、と問いただしていた。
すると、客の青年は「自分の彼女が、自分では満足してくれなくて…。」と、切なげに答えた。
それを言われてしまうと、砕華も何も言えずに、苦笑して代金を受け取り、そして見送るしかなかった。
その記憶が、まだうっすらと残っているのか、時折少しだけ、擂鉢を回す手が止まり、苦笑がもれる。)
「………何か、お探しでしょうか?」
(砕華は、開いているのかいないのか分からないほどの細目で、集まっている客人たちに問いかけた。
昼過ぎあたりから、客足は途絶えることがなかった。
最初のころこそ、気になった視線も、それだけ長い間見つめられたら慣れてくる。
皆、ものめずらしさだけで見ているだけなのか、薬を買う客は少なかった。
金額は、通常よりも少々だが、高めに設定してあるというのも原因だろう。
客足は確かに、途切れていない。けれども、肝心の薬を買ってくれる客が、ほとんどいない。
勿論、売れている薬はいくらもある。その証拠に、布袋は少し数を減らしていた。
しかし、準備していた布袋は、全部で30少々。手作りでは、多くを作れない。
そして、いま余っている布袋の数は15。つまり、売れている数は知れていた。
大抵の客は、こうして薬を作っている肯定を見ているのか、はたまた砕華を見ているのか。
新米店主は、どちらだろうと判断しかねて、客足が多いときに同じように、何を探しているのかと、問いただすしかなかった。)
「いろいろ、取り揃えてありますよ。よければお手にとって、お買い上げていってくださいな。」
(特有の、間延びした柔らかい口調。少しだけ、首を横に倒して、砕華は続けた。)
■カリギラ > 売れ行きは良い調子の様子
にしても…増強剤が一番売れているのは露店らしいのだろう
薬の飲み過ぎや頼りすぎは身体に悪いのだが、彼女との関係が上手くいくことを切に願う
「薬…そう言えばあれが足りないですかね」
何か探しているのかと言われればそうでもなかった
他の者と同じように自分も物珍しさで眺めていただけ
けれど改めて考えてみると一つ足りていないものがあった
「睡眠薬はありますか?」
そう、可愛らしい店主に尋ねる
できるだけ強いものが望ましいが…もう少し聞いてみようか
「良ければ他にも色々な薬を見せて欲しいんですが、後でお話を伺っても?」
■砕華 > (探しているものがあるか、と問うても、客は布袋を手に取ってくれるわけではなかった。
むしろ、砕華のことを物珍しそうに見ているだけで、肝心の薬を買ってくれない。
薬師としては、買ってくれるほうが何倍も嬉しいのだが、勿論見ていってくれるだけでも十分だった。
こういう薬屋がある、と言う噂が広まれば、もっと客足が此方に向く。そうすれば、早いうちにもっとちゃんとした店を構えることが出来る。
出だしがいいだけに、跡で躓くのが怖いが、そんなことはいまは頭の隅にでも、おいておけばいいだろう。
擂鉢を回し終え、緑色の粉末になったものを、備え付けておいた囲炉裏の中に落とす。
囲炉裏といっても、小さな穴の開いた三脚台に、種火をおいて、その上に金網を置く。
更に、その上に小さな鍋のようなものを備え付けて、粉末を煎るための、簡易的なものでしかない。
小さな鋳物の端で、粉末を煎り乾燥させながら、徐々に興味を無くし、離れていく客から目を逸らした。)
「睡眠薬……ですか。夜中に、よく眠れないなどの悩みでも?」
(その中の一人、日差しが強い今日の日に、厚手の服など着込んでいる青年の方を見ることなく、言葉を返した。
先ほどまで、集まっていた客人たちの中に、彼の姿を確認していた。ゆえに砕華は、その青年を特別な眼で見ることはなかった。
「客人の一人」。良くも悪くも、その程度の印象しかない。いや、なかったというべきか。
その客人が、睡眠薬を所望している。あいにく、それは今並んでいる店頭にはそろえていなかった。
元々、睡眠薬は注文を受けてから、作るようにしている。悪用される可能性が高いからだ。
もし、悪用されて、それが砕華の造ったものだ、と知られてしまうと、店の信用はがた落ちになる。
最悪の場合、マグ・メールではもう商売が出来なくなる。そうなれば、砕華には行くところがない。
祖国に帰ろうにも、路銀がなければそれも出来ない。いくつも山を越えるだけの、準備をするお金があるなら、普通に陸路を選択したほうがいい。
だから、そういう薬を処方するときには、慎重に相手を見なければならない。
老師からの教えは、いつも砕華の道しるべになってくれていた。)
「ええ、構いませんよ。」
(だからといって、せっかくの客を無碍に扱ったりすることなど、もってのほかだ。
お客様は神様、どんなときでも、商売人として誠意を持って対応するべきなのは、砕華も百も承知だった。)
■カリギラ > どうにも今は睡眠薬がない様だ
惜しい…今あれば嬉しかったのだがそれも仕方ないか
「まぁそんな感じです。寝ようと思っても目が覚めてしまって」
嘘でもそれらしいことを言っておく
昨日もぐっすり眠れたので自分が使う分には必要ではない
ただ、仕事では必要…しかし今はそれを言えない
人の眼もあるのだから仕方ないだろう。仕事で睡眠薬を使うなんて怪しすぎる
「そうですか。では待たせてもらいますね」
そう言ってまた客の中に紛れる
少なくなってきたせいか紛れるとは言いにくいが
一人、また一人と客が去っていくのを眺めながら最後の一人が去っていくのを待つ
■砕華 > 「そうですか、それはさぞ辛いでしょうね…。」
(感情らしい感情を、その言葉には込めなかった。
あくまでも、今話しかけてきた青年は客の一人、その程度の相手に、特別な感情など、持つことは決してない。
誠意がない、と言われると、「そうですね」と答えるけれど、それ以上の問答は、投げかけられることはなかった。
変わりに、周りの客にまぎれるように、青年は着かず離れず、店の前に陣取っていた。
邪魔にならないように配慮しているのだろう、その気配はほとんど感じる事は、出来なかった。
その後も、紅一朝の前から、人だかりが消えることはなかった。
シェンヤンからやってきた、一人の薬師の女。此れだけでも、十分客引きになっていた。
砕華も、そんな客の好奇な瞳を、一身に受けながらも、変わらず薬を処方し続けた。
相変わらず、増強剤だけはそこそこの売れ行きを示していた。金額も、ほかのものより少しだけ高い。
夕方も過ぎると、客足こそ途切れ始め、見物人の姿もまばらになっていく。
紅一朝の周りで、客を採っていた露天商たちも、ぞろぞろと店じまいを始めていた。
そろそろ、頃合だろう。砕華は、三脚台の下で灯っていた火を吹き消した。
ずっと、粉末をすり続けていた擂鉢は、随分と薬草の汁で、汚れてしまっている。
それを、砕華の後ろで隠していた水瓶につけると、手もみで洗い始める。
水が跳ねるバチャバチャという音と、陶器で作られている擂鉢や、製造道具一式がぶつかる、カツンカツンという音が響いた。)
擂鉢を手もみで洗い終え、汚くなった水瓶の中身を、そのまま用水路に流す。
売れ残った薬と、三脚台、擂鉢、乳鉢、そして残してしまった薬草。
それらを一纏めにして、並べていた布で包み、一つの塊にして、最後に日よけの傘を閉じた。)
「……お待たせしました、店仕舞いです。」
(店じまいを待っていた、と言うのは少しだけ違和感を感じた。
店が開くのを待っている、というのであれば、すとんと納得できる。だが、店仕舞いを待たれるというのは、なんだかおかしな気分だ。
それでも、待たせてしまっていたのは、謝罪するべきだろう。長い間待たせてしまっていた青年に、砕華は軽く頭を下げた。)
■カリギラ > 「睡眠不足は辛いですから…分かっていただけて嬉しいです」
その後は平和に時間が過ぎていく
人が離れまた増え、大人しそうな顔をして買う薬は増強剤など
面白い場面もあってそれほど退屈はしなかった
そしてほかの露店と同じ頃に彼女も店じまいを始める
器具を洗い整頓し荷物の整理
手慣れているのかその準備もすぐに済んでしまい
「そうみたいですね。いえいえ、こちらの都合ですし面白いものが見れたの良かったです」
薬の実演販売なんてそうそうミルい機会がないのも事実
頭を上げた彼女…よく見ればきれいな顔をしているが顔立ちはシェンヤンらしさが見て取れる
そして背中の長刀がとても存在感を主張している
「立ち話もなんですし場所を移しましょうか?
ずっと露店を開いていたんですしお腹も空いていると思いますし。」
■砕華 > (キモノ、愛用している民族衣装が、水に濡れてしまうのはいつものことだった。
気にした素振りもなく、濡れた擂鉢や、乳鉢を布で包み、最後には一つの塊にして、持ち上げる。
ほとんどの器材は、さしたる重さもなく、一纏めにしても、砕華の腕で簡単に持ち上げられる。
周りの見せは、既に店仕舞いを終えて、平民地区の一角、酒場などが並んでいる場所へと、繰り出そうとしていた。
勿論、砕華も誘われた。一緒に露店を開いていたのだから、付き合いで食事でも、と。
半ば口説き文句のように、甘い言葉を投げかける露天商もいた。しかし砕華は、それを一礼するだけで断った。
客を一人待たせている、私は大勢で食事をすることが苦手、そもそも私はお酒を飲めない。
いろいろな文句で、するりするりと、口説き文句を避けて、その青年の下へと辿り着いた。
前髪が少しだけ、青年の顔を隠している。しかし、悪い顔立ちではなかった。
祖国では見たことのない、真紅と朱色の間のような、跳ね返っている、癖のある髪も、特徴の一つだろう。
夜の帳が折り始め、更に涼しくなってきた。此れを見越して、厚手の上着をもっていたなら、なかなかの策士だ。
偶然か、それとも予期していたかで、砕華のなかで、青年の評価は変動する。)
「面白いと思っていただけたならば、私としても幸いです。
ぜひとも、お知り合いの方に広めていただけると、私も商売がしやすくなるのですが。」
(宣伝、というものを試みるのも、商売人として立派な仕事だ。青年の言葉一つで、客足が変動する可能性だって、ないわけじゃない。
軽く頭を下げ、流れた黒髪を指でかきあげ、開いているのかいないのか、よく解らない瞳で微笑んだ。
微笑んだといっても、ほとんど顔が変わっていない。あくまで、砕華は微笑んだ「つもり」でいるだけだ。)
「私は、立ち話でも構わないのですが…、其方がそうだと仰るならば、私は逸れに従いましょう。」
(実を言えば、露店を開いている間は、ほとんど水以外口に出来なかった。
実演販売などしていると、どうしても休む時間が、ほとんどなくなってしまう。
砕華自身、率直なところを言えば、一刻も早く宿に戻り、疲れた体を休めたい。
労働力と対価が見合わなければ、この実演販売は辞めようかと思っていた。だが、成果は上々だった。
しばらくは、疲れが溜まる日々が続くだろう。青年に見られないところで、砕華はこっそりと、肩を落とした。)
■カリギラ > おぉ…と声が漏れる
確かに彼女は魅力的だ、暫く見ていたのだからそれはよく分かる
それでも実際にお誘いを仕掛ける男たちを見れば尊敬してしまう
長刀を持った女性を口説くなんて一歩下手を打てば切り捨てられるかもしれないのに
こちらへ来た彼女をみて男達に睨まれてしまった
何もしていないのに…と泣きたくなってきたが仕方ない事なので耐える
「知り合いにですか。えぇ、そういう事ならここで薬師が居ると言っておきますよ」
交友関係は薄く広い
宣伝の代わりをこなすぐらいは別に構わないだろう
あたりは少し寒くなってきてやっとローブに有難みを感じられる
彼女の衣服も暖かいのだろうか?
表情がほとんど動かないので暑い寒いは読み取れなかったが
「あ、あはは…ではお付き合いください。軽い食事位は奢らせてもらいますよ」
そう言って先導する
荷物の一つでも自分が運んだ方が良いのかもしれないが相手の仕事道具に触るのは礼儀知らずだろう
食事はとっていなかったはずなのだが…何分彼女は表情の動きが少ない
なので一先ず大衆食堂に足を運び席に着く
万人受けする味ならば間違いは無いだろう
「では改めて、私はカリギラ。皆からは便利な掃除屋なんて呼ばれてます」
どんなに汚い場所でも綺麗に掃除する街の便利屋と自己紹介
食堂の中でも端の席に着いたので少し離れた所は客達の声や音が聞こえているがここは静かなもの
自分にとってはとても居心地がいい
「私の要件は睡眠薬ですね。いつも眠りが薄くまともに眠れない事も多くて辛いんですよ。
強めの物を処方してくれれば嬉しいですね」
そうニコリと微笑む
目元は相手からはあまり見えないかもしれないが口元にはしっかりと笑みが浮かんでいる
■砕華 > (睨んだ男たちは、面白くなさげに、どこか別の場所へと、そそくさと退散していった。
シェンヤンから来た女など、話の種にはもってこいだろうし、あわよくば襲ってやろう、と言う算段もあったのだろう。
男達は見ていた、売れ残っている中に、増強剤がいくつかあったこと。
露天商などをしていると、女との出会いはあれど、それ以上の関係になる、というのは難しい。
だからこそ、砕華を口説き、普段晴らせないものを晴らしてやろう、と言うくらい欲望も、合ったのかもしれない。
それを邪魔されたのだから、睨んで当然といえば、当然だった。
しかし、そんなことは砕華には、何の関係も無いし、興味もないことだった)
(宣伝を請け負ってくれる、と言う言葉は嬉しい。しかしその言葉には、些かの不満を覚えていた。
薬師がいるという話だけでは、きっとその知り合いは、どの店のどんな人物なのか、までを把握できない。
それ以上を望むのは、些か失礼だとは知りつつも、微笑んでいるような形の瞳の下、口元は少し尖った。
気を利かせてくれるのはありがたいけど、もう一押しがほしい。砕華の中で、青年の評価は一段階下がった。)
「あら、嬉しいですね…。では、その分薬の代金から、差し引かせていただきますね。」
(食事の代金を肩代わりしてくれる、その申し出は、素直に例を言うに値した。
先ほど下げた、青年の評価を一段階引き上げ、砕華は首を、少し横へと傾ける。
かくん、と言う擬音が、当てはまりそうな仕草を織り交ぜながら、砕華は先導されるまま、青年のあとを音もなく付き添う。
街に到着した際こそ、靴が地面を叩くたびに音がなる、という斬新な発見をしたが、2日もすれば飽きる。
いまは、少しすり足気味に、足音を消すように歩いていた。
先導された先は、酒場ではないにしろ、一般人が犇いている大衆食堂だった。
味に変化も無いし、万人受けする食堂に案内され、砕華はまた、青年の評価を一段階下げた。)
「はい、カリギラ様。私は砕華(ソイファ)、しがない薬屋をしております。
出身はシェンヤンの片田舎、薬の知識ばかりが豊富で、つまらない女ですが…以後、お見知りおきを。」
(彼の職業になど、さして興味がある様子は見受けなれない。
街を清掃すると聴いても、ピンと来るものがなくて、砕華は当たり障りのない自己紹介を返すにとどめた。
しかし、青年―――カリギラの評価は、再び一段階上昇する。騒がしいことを好まない砕華にとって、静かな場所というのは同じく、居心地がいいのだ。)
「睡眠薬、ですか…。製薬するのは、私もやぶさかではありません。
しかしながら…カリギア様が悪用されない、と言う保障がありません故に…まず、顔をよく見せていただけませんか?」
(簡単な食事を頼みながら、砕華は彼の要求する、強い作用の睡眠薬を作るのを渋った。
強いものも造れなくはない、しかしカリギラが本当に、自分のために使うのか、疑問を持ったからだ。
そこで砕華が考えた一手は、「彼の顔を見る」だった。)