2016/09/08 のログ
ご案内:「王都マグメール平民地区 とある路地」にメイリンさんが現れました。
メイリン > 主や他の使用人の目を盗み、仕事場を抜け出してきた平民地区の片隅。
連絡員として定められた同郷の男と会う為に、先日と同じ路地へと。

「――――どうしたのかしら。
 時間に遅れるなんて、あの人らしくない」

約束した時間はとうに過ぎて、はや、辺りは宵闇に沈みかけている。
そろそろ戻らなければ、抜け出したと気づかれてしまうかも知れない。
メイド服の上から羽織ったショールを胸の前で掻き合わせる手つきも、
幾分苛立たしげに―――然し。

己の懐には今、主の執務机から拝借してきた書簡が在る。
単なる私信かも知れないが、そうで無ければ―――
此れは如何しても、渡しておきたい、と思う。

連絡員の男は、己の幼馴染でもある。
慣れ親しんだ其の男の姿を求めて、薄闇に沈む通りの向こうを見つめた。