2016/04/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 とある酒場」にアヤメさんが現れました。
■アヤメ > 夜の酒場通り。その片隅の店に少女はいた。
今日はお店の定休日。美味しいものが食べたいなぁと近くの酒場に入店。
とりあえずエールとおつまみを注文して、のんびりと待っていた。
店は週の始めということもあり、客の入りもそこそこといった所。
週末にもなればまた賑わうのだろう、などと考えながら、料理を運んでくる給仕に微笑みかける。
「あ、ありがとー。後でまた追加するかもだからよろしくねー?」
会釈をする給仕を見送ると、串焼き肉にかぶりつく。
強烈な塩味と胡椒の刺激が舌の上で爆発するのを感じながら、エールを流し込む。
その旨さたるやまさに格別の領域だった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 とある酒場」にレオンさんが現れました。
■レオン > 毎日の仕事である巡回を終え、戻る前に軽く食事でもして帰ろうと途中にある店の入り口を潜る。
日が良かったか時間が良かったか混雑しているとも言えないそこそこな人の入りを見ればここにしようと給仕に案内を頼む。
その途中、一つの席でこの間に知り合った少女を見つければ給仕に声をかけて足を止める。
「こんばんわ、アヤメさん。相席宜しいですか?」
エールを飲む少女がグラスを置くタイミングを見計らい声をかけて。
■アヤメ > はぐ、はぐ、と丁寧な手つきで串焼き肉を咀嚼する。
強めの味が乾きを呼び、冷たいエールがそれを満たす。
満たされればついであっさりした口の中は肉の旨味を欲する。
いつまでも食べ続けられそうな循環を味わいながら、少女はみるみる上機嫌になっていく。
その中でふと声をかけられると、聞き覚えのある音程に振り向いて。
「ん、レオン、でよかったっけ?どうぞどうぞ、折角だし話し相手にもなってくれると嬉しいよ?」
にこやかに微笑むと、席を勧める。
ついでに、近くに居た給仕には適当に色々追加注文をしておくことにする。
■レオン > 「それであっています。覚えていてもらえて安心しました。話し相手ですか?僕でよければ喜んで」
間違っていないと頷けば席を進める少女に軽く頭を下げ席にと腰を下ろす。
少女が追加で注文をした給仕に軽い食事とエールを注文すれば一息吐き。
「たまたま覗いた店だったんですが知り合いがいて安心しましたよ。どうにも初めての店は緊張しまして」
助かりましたともう一度頭を下げればついテーブルにある皿を見てしまう。
■アヤメ > 「ん、接客業の必須スキルだからね。それでもたまに忘れちゃうけど、レオンとは最近あったばかりだから忘れないよー……」
対面の席につく彼を見守りながら、串焼き肉を食べ終える。
エールも飲み終わっているものだから、現状は追加注文した料理待ちだ。
「ん、分かる気がするね。初めてのお店はワクワクするけどちょっぴり緊張しちゃうよね。何頼んだら良いかなとか、どんなお客さんが居るかなとかつい考えちゃうし――ん、どしたの?」
皿を見る彼の目の前で、つんつんと肉の付け合せであるキャベツの酢漬けを突付く。
口に運べば、酸味強めのさっぱりした味わいが広がった。
歯切れよい食感に舌鼓をうつ間にやってくるのは煮込み肉と赤の葡萄酒。
少女としては夕食ついでの敵情視察。故にこれは必要経費で落とす気満々なのだった。
■レオン > 「接客はどういうのが大変そうですね。僕にはとてもできそうにないですよ。そういえばそうですね。あの時は美味しい食事をありがとうございました」
体面に座れば串焼き肉を食べ終える少女に目を向け、あの時のお礼を口にする。
どれぐらいで注文が来るのかとそんな事をつい頭の隅で考えたりして。
「そうなのですよ。新しい味の開拓はいいのですが場違いな店だったどうしようとか考えたりしてしまって。料理の内容も解りませんしね。僕は仕事が仕事なのでそのせいで迷惑がられないかと心配もありますし」
客層によっては騎士が来れば嫌そうにするのをいるとも告げ、料理を突くのを見る。
少女の前に追加の料理が来、そして同じように魚の串焼きとエールが運ばれてくれば受ける。
「いえ、どういう料理があるのかと思いまして。もしよろしければお勧めを教えていただければと思いまして」
魚の串焼きに口をつけ思っていたよりも薄味に舌包みを打ちながらそんな事をお願いする。
■アヤメ > 「あぁ、いえいえ、あの時は素材が良かったから私の腕って訳じゃないけどねっ!」
にこやかに言いつつ、皿の上はさっくり片す。
酢漬けのキャベツも食べ終えてしまえば、皿の上は綺麗に空っぽだった。
「ん、ここらへんは高級店っていうのもないし、そこそこのやすさで満足できるところが多いから好きだなぁ。――ん、場違いなお店はこう、恥ずかしいもんね。富裕地区の高級料理店なんかはこう、入れないなぁって」
その点、この辺りの大衆酒場は寛容だ。
金とそれなりの清潔感さえあればどんな相手にも料理を出してくれる。
やってきた煮込みはこれまたしっかり味が染み込んでいるだろう色味が実に美味しそうだった。
フォークで解れる肉は、その様子だけでも垂涎を誘う。
ほぐしたものをパンに乗せると、そっと彼の皿の端に乗せ。
「それじゃ、おすすめってことでおすそ分け。煮込みはどの酒場でも基本外れないかなって思ってたり」
満面の笑みで述べると、次いでもう1枚のパンの上に煮込みを乗せ、がぶっと頬張る。
かりかりになるまで焼かれたパンと煮込みの濃密な味が、これまたなんとも玄妙だった。
■レオン > 「そんな事はありませんよ。アヤメさん以外の方にもおすそ分けを貰った事はありますがあそこまでは美味しくありませんでしたよ。素材が良くても腕が駄目ならそれまでですよ」
そんな事はと首を小さく振り。
いつまでも見ていると失礼だと皿から視線をそらせる。
「それは分かりますね。入りやすい店が多いのでいつも賑やかですよね。僕もここは初めてですが他の店は何度かありますね。一度だけそういう店に入って大恥をかいたことがありまして…)
実はそういう失敗がありますと照れたように笑って白状し、恥ずかしさを誤魔化す様にエールを半分ほど一気に飲む。
騎士などをしてはいるが高級な店に行く生活とは程遠く、こういう大衆酒場が本当にいいですと笑い。
届けられた少女の料理は見ただけでよく煮込まれているものだとわかり。
「ありがとうございます。煮込みはあまり頼んだことはないのですが外れがないですか」
皿の端に乗せられた煮込みの乗ったパンを口にし、味が良く染みたそれを食べればその通りだと頷き。
お礼にと魚の串焼きを一本少女の皿へと乗せる
■アヤメ > 「ん、それなら、うん、ありがたくその言葉をいただくよー」
ちょっとだけ恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうにニコニコ。
上機嫌がさらに上向きになる感じで、終始笑顔の状態である。
「ん、入りやすい上に安くて美味しいんだ。で、競争してるから名物料理もかぶらないし――ん、ちなみに高い所のキッチンも、何だが凄く緊張感があるんだよー」
時折手伝いとして裏方に入ることがある少女は、その度に緊張することしきりなのである。
故に、こうして気兼ねなく羽を伸ばせる大衆酒場のような気安さが、何よりも好みだった。
「ん、煮込みは料理方法が簡単で、手間を掛けるとおいしく仕上がるっていう料理だからね。時間と労力をしっかりかければ技術はそこまで高度なものを必要としないし、居酒屋は夜が本番だから、昼間の仕込みで煮込んでおけば、っていう寸法なんだよー♪」
焼く時は旨味をどういうふうに閉じ込めるかを考えなければいけないし、揚げる時は油の温度を正確に測らなければいけない。蒸す時も火の通り過ぎを注意しなきゃいけないが、煮込みは焦げないように火を調節できれば出来上がる。少女としては、時折様子を見ればいい煮込みが一番楽なのである。
そんな、個人的な感想をこぼしつつ、はぐ、と煮込みを頬張り、葡萄酒を飲む。
程よい酸味がまったりした口の中を洗い、爽やかさが戻るのを味わう。
その最中、差し出された魚の串焼きを見ると、ふむむ、と一頻り見た後で。
「ありがとっ!えへへ、お魚も美味しそうだったからちょっと興味あったんだよねっ……♪あ、給仕さん、シェンヤンのお酒あるかな?」
焼いた魚に合うとすれば、シェンヤンの米酒か白い葡萄酒か、というのが少女の予想。
知り合いの杜氏にもらった米酒と合わせた時は美味しかったけど、などと想起しながら、三杯目のお酒を楽しみに待っていた。
■レオン > 「またお店に伺いますので楽しみにしていますね」
嬉しそうに終始笑顔の少女を見返してまた食べたいので行きますと意気込みを見せ。
「入りやすくて美味しくて安い。これは外せませんからね。競争相手と名物がかぶるとやっぱり面倒だったりしますか?慣れない場所はやはり緊張するのですね」
社交界の警護はあの時が初めてであったが少女は何度も手伝いをしているような言葉に凄いと感心して見てしまい。
しかし、あの時よりも今の方がのびのびしていて楽しそうだと感じて。
「時間と労力をかければ美味しくですか。それなら僕も非番の時にやってみたくなりますね。それに酒場で煮物が美味しい理由を聞けましたし」
酒場で煮込みの美味しい理由を聞けば納得出来て頷き。
これからはもう少し色々と頼んで更に味を開拓していこうと考える。
そんな個人的な感想を聞きながらお裾分けに貰ったパンに乗った煮込みを食べてしまえばエールを飲み干しお代わりを頼む。
「肉の串焼きもいいのですが魚もさっぱりとして美味しいですよね。ぜひどうぞ。ここはシェンヤンのお酒もあるのですか?」
酒と言えばエールしか頼まないだけにシェンヤンの物と聞けば少し興味を持ったというように見てしまう
■アヤメ > 「ん、今日はお休みだけど、他の日は開いてるからどうぞだよっ!」
その時は色々作っちゃうんだから!などと意気揚々とした雰囲気を見せる。
「ん、大事だよね。――競争相手としては手強いけど、色々学べるから良いかなって。それに分野を変えればお互いに刺激を与えつつ協力できるから。……ま、なれないところはやっぱり疲れちゃうよ」
何度も手伝いをしているが、表に出たのはあの夜が初めてのこと。
ましてや楚々としたメイドさんに混ざっての作業は、正直またやりたくはない。
少女としても礼儀作法は程々にしか知らないものだから、緊張しない今のほうが望ましいのだ。
「ん、やってみると良いんじゃないかな?――あ、煮こむ時は野菜を一緒に入れるといいよ。その方が野菜の味が出て美味しいからねっ!」
匂い消しにもなるから、なんて煮込み料理の簡単な秘訣を数点、簡単にできるものを述べていく。
守ればきっと美味しい煮込みが出来るよ、なんて太鼓判も忘れない。
話を伺った所、シェンヤンのお酒は少量しか出せないらしい。
それでも、と小さな猪口と呼ばれるカップを2つに徳利瓶を1本分、冷で注文。
早速やってきたそれを、2つの猪口に注いで片方を差し出した。
「ん、興味ありそうだし、どう?お米の済んだお酒だから、ほんのり甘い感じなんだよー」
などと言いつつ、いつの間にか煮込みを平らげ終わった少女は、魚の焼き串にかぶりつき、塩味とほんのり香る柑橘系の風味を味わうのだった。
■レオン > 「それでここで食事をしていたわけですか。えぇ、伺いますね」
それでこの店にいたのかと納得して頷き。
意気揚々とした雰囲気に楽しみだと。
「どれか一つでも欠けていれば足が遠のきますしね。競争相手から学ぶですか。僕達はそういうのはあまりないので少し羨ましいですね。こう…決まった分野の仕事ですから。それはあの時に本当に実感しました」
迂闊な事が出来なかっただけに肩が凝って仕方なかったと困った表情を浮かべ。
もしあの時に少女に出会って無ければ緊張のあまりに倒れていたかもよ酒の話と口にする。
「野菜もですか?それはいいですね。やってみます」
殆ど初めてといっていい拘った料理。簡単に出来る秘訣を聞けば忘れないようにしないとと頭に刻み。
それをどこまで守れるか解らないがどこまで美味しくできるかと考える。
少女が給仕と話しているのを聞けばやはり貴重なのだと知り。
運ばれてきた徳利とお猪口。それに注がれて差し出されたのを見ればいいのですかと見返す
「エール以外は飲んだことがありませんので。お米のですか?それは楽しみです」
お米お酒。しかも甘い感じと聞けばそっと口をつけ一口飲み。
エールよりも美味しいのだが強いアルコールに少しだけ咽てしまう。
■アヤメ > 「ん、敵情視察も兼ねてってやつだね」
流石に聞かれるとまずいから、顔を寄せると声を潜めて、片目を瞑って囁いた。
わいわいがやがやとそれなりな人が騒いでいる様子を背景に飲む酒というのも風情がある。
これを自分の店でも出せたらなぁ、と内心で思いながら、魚の串焼き攻略中だ。
「ん、騎士様は騎士様で、ほら、私達が危ない時とか助けてくれるし、頼りになるから良いんじゃないかなぁ?競争相手として冒険者を研究してみるのもいいかも。騎士様たちよりもフットワークは軽いから、準備の仕方とかは参考になるかもしれないし」
見方を変えれば何でも参考になる、というのが少女のモットーだ。
冒険者の真似事をすれば、冒険の途中に食べやすい料理はなんだろうかと考えられるし、騎士の生活を聞けば、必要な栄養が取れる料理や短時間で満足できる料理を考えようと言う気になる。
それが少女の競争であり、料理では負けないという感情の発露だった。
「うん、是非やってみてね!――いやぁ、シェンヤンのお酒はまだまだ流通がしっかりしてないみたいでね。生魚とかに合うらしいのだけど、この周りの人達はあんまりシェンヤン料理に馴染みがないから飲む機会も少ないのかなぁって」
この前作る機会があった海鮮丼は楽しかった、などといろんな料理の話をしつつ、く、と猪口を煽る。
目の前の彼がむせる姿を見ると、くすりと笑いながらそっと水を差し出して。
和やかで楽しい宴席がゆるやかに過ぎていくのを、少女はのびのびと楽しんでいた
■レオン > 「敵情視察ですか?それはばれたら大変ですね」
顔を寄せられ少し赤くなり告げられた内容に思わず周囲を見てしまい。
それなりなお客がいる店内。そういう雰囲気で飲むお酒はよりおいしく頼んだお代わりもすぐにと飲んでしまう。
「そう言っていただけると嬉しいですね。中にはどうしても冒険者の方が頼りになるという人も多いんですよ。あ、それは大丈夫だと思います。これでも騎士になる前は冒険者もどきでしたので」
元々はそういう者でしたとさらりと告げるが少女の言うように一度見方を変えて冒険者を参考にするのはいい案だと何度も頷く。
すっかりと騎士的な考えに固まっていた頭を振り、原点に戻るつもりでもっと軽く動けるフットワークを編み出そうと。
全く分野は違うが少女の言葉は本当に為になると
「流通の少ないお酒を頂ける店は貴重ですね。生魚ですか?あれは昔に一度当たりましたのでどうにも……。美味しいと判れば一気に広まりそうですが」
馴染みのない料理はなかなか受け入れられにくいと口にし、少女が可たる色々な料理の話を聞き相打ちを打ち。
美味しくはあるが馴染みのない度数に噎せ、差し出された水を受け取れば頭を下げてから口を付ける。
適当に食べて帰るつもりであったが、予想外に楽しい食事となり。仕事の疲れもすっかり忘れるほどに楽しんで。
■アヤメ > 「ん、料理人としては味を盗むわけじゃないけど、どんな料理を出してるかくらいは知らないと、ね?」
ふにゃん、と笑う少女は、オフ故にかすかな香水の匂いを漂わせていた。
雰囲気がいい店は客も多くなるから、まずは店を広げることを考えようと思う少女だった。
「ん、どっちも頼りになるよ。やってもらうことは違うけどね。ほら、騎士様に料理の材料とってきてとはいえないけど、お店に泥棒が入ったりした時は騎士様に見張ってもらったりするし。おー、そうなんだ!」
彼の経歴を聞くと、素直に尊敬の眼差しを送る。
騎士も冒険者も少女からすれば頼りになるカッコ良い存在なのだ。
目をキラキラさせつつ、お酒と料理に舌鼓を打つ。
「ん、うちの店でも出す予定なんだ。お刺身っていうんだけど――ん、そこはちゃんと新鮮なお魚使うからね!」
そうして二人、楽しく話していればそろそろ余も更けてくる頃。
店はまだまだ盛況だが、少女はそろそろ帰って翌日の仕込みをする頃合いで。
懐から取り出した古びた懐中時計を見ると、むむむ、と難しそうな顔をしつつ。
「っと、そろそろ私は帰って仕込みの時間かぁ。――もうちょっと話していたかったけど、続きはまた今度だね。名残惜しいけども!」
などといいつつ、給仕を呼び、そっと金貨を支払って。
「それじゃ、レオン、またお話しようねっ!」
そう言って少女はにこやかに去っていく。
あるいは送ってもらえるならば共に帰り、店の場所など教えただろう。
こうして、夜はゆっくりと更け、明日へと近づいていくのだった――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 とある酒場」からアヤメさんが去りました。