2016/04/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にスヴェンさんが現れました。
■スヴェン > 平民地区にある馬装具の店を後にすると手に持っていた財布の中身を確認する
傷んだものを取り替えたり、修理に出したりすれば思いの外、出費があったらしく、軽くなってしまった革袋の中に
向けられた視線は少しばかりの驚きと、浮いた金で何か旨いものでも食べようと思っていた計画が台無しになった
悲しみが入り混じっていた
「馬が走らにゃ仕事にゃならん…仕方ないか…」
革袋を懐に戻し歩き出す
時間は遅かったが平民地区は活気に溢れ、酒場や宿からは威勢のよい声が聞こえる
鼻を頼りにどこか安く美味いものが食えそうな店はないか、と探しながら歩けば串に刺した肉を売る屋台から
香ばしい匂いがただよい、それに釣られるようにして歩が進んでしまった
二本ほど、串焼きを注文し旨いものが露店の串焼きか…と自分に呆れつつ、屋台の周りに並んだ幾つかあるテーブルの
1つに腰を落ち着ければ、焼き上がるのを待ちながら
街をゆく人々をぼんやりと眺める
■スヴェン > 王都を少し離れればそこでは諸王国や魔族との戦が繰り広げられている
…とは、とても思えぬ平和な光景。少しだけ居た堪れない気分になっていれば、店主の呼ぶ声にハッと立ち上がった
飲み過ぎかい?と笑う店主から串焼きを受け取り、焼き上がった串焼きを見れば居た堪れない気分などは忘れ、
串焼きを頬張る
口の中いっぱいに旨味が広がり、酒でもあれば、と思わぬではないが、財布の中身を思えば自重することにした
武器に鎧に兜…弓に矢、それに戦場での糧食
戦場に行けば幾らでも死体から取り放題なのだが、無論それらをそのまま使うわけには行かず、傷んだ部分を修理し、
鎧兜は自分の身の丈に合わせて調整する…と装備一式、揃えるだけでも金が掛かるというのに、更には方々に
「よろしく取り計らってもらう」為の貴族、正規軍への袖の下…等など考えだしたら結局自分の懐に残るのは
微々たるもので命の危険が少ない分、土いじりでもしてたほうがよっぽど儲かるんじゃなかろう…と思う事もある
「儲からねえ商売だよなあ…」
次か次の次辺りは、敵の貴族の長男あたりを捕虜にして身代金をふんだくらないと…
串焼きを食しながら、考えることは金の事ばかり…串焼きを食べ終える頃には頭を抱えてしまった
とはいえ、他に技術があるわけでもなく、読み書き計算が得意なわけでもなく…一生懸命、殺されぬよう殺して
稼ぐほか無いわけで
「―――おっちゃん、酒。一番安いエールをくれ」
考えるのも面倒になれば結局、酒を注文する
ぬるいエールをちまちまとやりながら、現実逃避に良い女でもいないだろうか、と視線を人通りに向ける
■スヴェン > ジョッキのエールを飲み干せば立ち上がる
串焼きに比べて酷い味だったというのもあるが、隊の財政を取り仕切る金庫番の男に隊員や備品の補充について
話がある、と言われていたことを思い出した。金庫番の男は財布の紐が堅いのはもちろんだが、時間に五月蝿い
「話っていわれても、なあ…」
事後報告を聞くだけみたいなもんだし…と思いつつ、ごちそうさん、と屋台の店主に一声かければ隊の宿舎へ向かう―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からスヴェンさんが去りました。