2016/01/31 のログ
■タマモ > 「ふむ…矮小な人間如きに遅れは取らぬじゃろうに、面倒な事じゃのぅ?
ミレー族とやらは…そうか、そうじゃな。身を隠しておるミレー族とやらを見た事はないが、気を付けるのじゃ」
人間の国で動くには、程度のものだろう。
人間と魔族の関係を考えれば、なるほど、そんなものかもしれないと考えた。
ミレー族に関しては、ある場所であった者と、別件で出会った少女を思い出す。
どちらも、そのミレー族である存在を隠している様子はなかったが…まぁ、そういうのもいるのだろう。
うん、なかなか難しい事である。と少女は思う。
「うん?誰かに譲るんじゃろう?
それならば、逆に労せず益を得る何かを手に入れたとなると思うのじゃが…?」
どういった経緯でこれを始末するのか。
食べ物だと考えれば、誰かに与えて、それによって利益を得る事が出来ると考えた上で問うたみたいだ。
まぁ、それとは違う方法であるならば、確かに相手の言い分は正しいので納得するだろう。
「なるほど、その真っ直ぐな物言い、嫌いではない。
そういった事ならば付き合うてやらん事もないぞ?
ただ…血か…血を好物とするとなると、こう…噛み付いて吸い付くんじゃろう?
妾は痛いのは苦手じゃ、そちらは勘弁して貰いたいものじゃな?」
対価としての支払いとは考えては居ないものの、別にその誘い自体はそう無碍にするつもりはないらしい。
もっとも血については、こう、どこか勘違いのありそうな意見が向けられている訳だが。
この手の持った物の始末を任せる代わりに付き合う。
まぁ、そう考えた方が気も使う必要もなく事が進むのだと思えば…良いじゃろう、と頷くのであった。
■ロレンス > 「勿論、争えば勝つだろう。だが、勝つと知って要らぬ争いをするのは力を持つものがすることじゃない。力で制す君主より、器で制す君主の方が導ける」
力があるこそ、それを理解し必要な時にのみ使う。
おおよそ魔族らしからぬ答えを、微笑みながら語る。
気をつけると聞けば、ありがとう と感謝の言葉も添えた。
「そうだね。ただ譲ったものが必ずしも、益になるわけではないだろう? 誰も食べないものを、どうにか食す。そのどうにか…というところに、労力が有ると思うよ」
事実、誰も食べようとしないものなのだから、食べること自体が苦労となってしまう。
与えるものが益になっていないと、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「それは嬉しいね。そうだね、抱きしめたまま温もりを感じながらいただくのは最高だけど…痛いのが嫌なら痛くはしない」
ある程度は彼女の想像に当てはまっているだろうけれど、怪物とされる吸血鬼ほど、痛みを伴って血を奪うことはしたくない。
微笑みのままに語れば、肯定の言葉が返れば早速とその蜥蜴を受け取り、硝子のように透き通った柘榴色の魔法陣を小さく掌だけに生み出す。
ストンとそこへ串焼きを沈めると、一言二言、聞き慣れぬ魔族の言葉を語り…直ぐに串だけが掌から飛び出した。
「ここから歩けば一日はかかるところにいる部下に食してもらった、これは証拠だね」
蜥蜴の影も形もない、串だけのそれをみせる。
これでいいかなと、少女の答えを待った。
■タマモ > 「ふむ、どこかで聞いた言葉に近からず遠からずといったものじゃな。
まったく、人間も魔族も枠外の者というのは居るものじゃのぅ」
もっとも、どちらの言い分が互いの種族にとって正しいものなのか…
これが絶対というものは存在しないのだろう。
とりあえず、あれだ…郷に入りては郷に従え、とか何とか、そんな言葉を思い出していた。
「………あぁ、結局はやっぱり好む者は居らんという事なんじゃのぅ…」
安くて美味しいとか聞いたが、その者の味覚がずれていたんだろう、そう思うしかない。
それを食べる事になった相手には、腹を壊さぬ事を祈っておこう。
「さてはて、喜ぶような相手かどうか、まだ分かっておらんじゃろう?
ふふ…一緒に居たら、実は…なんて事があるやもしれぬぞ?
というか、血ならばどんな相手でも良いものなのか?
お主、妾がどんな存在か分かっておる訳でもないと思うのじゃが…」
嬉しい、の言葉に、こう…悪戯っぽく小さく笑い、冗談めいた風に言ってみた。まぁ、半分は本気なのだが。
と、痛くないやり方もあるらしい。それを聞けば、その点は安心するのだが…
ふと思った疑問を口にした。自分は今こうして人としての形を取っているが…れっきとした妖怪である。
その血は果たして相手にとってどんな味がするのやら、といった感じだ。
目の前で、蜥蜴の姿が消えていき…串だけとなった。
とりあえず、あれだ…それを見て、会う事もないだろうその部下とやらに心の中で合掌していた。
「やれやれ、何はともあれ物好きな男子じゃ。
で、妾はお主とデートとやらをすれば良い訳じゃな?」
部下を放置したままでデートとは酷い主じゃのぅ?とか、そんな事をのたまう。
そんな事を言ってはいるも、その身はするりと相手の横へと着けた。
■ロレンス > 今更ながらに、この串焼きを好んで食うものがいると思っていたのだろうかと、彼女の言葉に内心絶句していた。
そもそも…これを売っていた輩も、少々感覚がおかしいのだろうと思えば、苦笑いをするばかり。
「いや? こうして一言二言、言葉を交わせば大体のイメージは掴めるものだ。ふふっ、期待して構わないなら…今宵は本気で口説きにかからないといけない」
いたずらっぽく微笑む少女に、くすっと微笑みながらもその言葉に乗って行く。
本気でと語る時は、よく聞こえるように、耳に残るようにゆっくりと静かな音で語る。
紺色の瞳が、魔族らしい愉悦を僅かに宿し、その駆け引きすらも楽しんでいた。
「美のある者ならね? 人ではない…とは見ていたが、血に何か問題でも…?」
魔族や魔物とは違う、妖怪という別種。
そこまでは気付かないものの、何となく感じるものから自分達に親しい何かとは気づいていた。
確かめる言葉に、心配する理由を問いかけ返す。
「よく言われる。あぁ、そうだね…じゃあ食事の途中だったようだし、何か食べたいものでもあるかな? 今宵は私がすべて持つ」
横に並ぶ少女へ白い手を伸ばせば、その小さな手を握ろっていく。
さも当たり前のように、指同士を絡め合う恋人繋ぎをすればゆっくりと歩き出す。
彼女の歩幅に合わせながら。
■タマモ > 「お主と同じように、妾もなにやら隠しておるやもしれぬ。
果たして、今見ておる妾が、本当の妾であるじゃろうか?
…さて、そんな冗談はさておき、そろそろお主の名を聞きたいところじゃのぅ?
ずっとお主のままでは、あれじゃろう?
妾はタマモ、覚えておいて得も損もない、覚えるも忘れるもお主次第じゃ」
言葉に乗ってくる相手に、もう少しばかり調子に乗って遊んでみようか。
そんな事を続けながら、まだ名前を聞いてない事を思い出す。
これから一緒に行動をするというのに、さすがに名も知らないでは…といったものだろう。
名を問い、問うからには己から名を名乗る。いつも通りの言葉を並べて。
「妾は妖怪の中でも妖狐という類のものでな?…まぁ、それも人間が名付けた呼び名ではあるのじゃが…
その名の通り、狐の妖じゃ。お主等からいえば、人間や魔族よりも、動物に近い存在じゃろうな?
さて、そんな相手の血が果たしてお主にとって美味であるかどうか…のぅ?」
説明して理解し切れるかどうかは疑問ではある。
血を吸われるものと想定して考え、果たして大丈夫なのだろうか?
いや、まぁ、本当に吸われるに到るかは謎ではあるが。
「その言葉に二言は無いな?
実は妾はこんななりではあるが、底無しの胃袋と言われておる。後悔するでないぞ…?
………まぁ、冗談じゃが」
今宵は相手がすべてを持つ、その言葉に少女はにんまりと笑う。
紡ぐ言葉は聞いた瞬間、少々の焦りを与えるものかもしれない。
最後にぽつりと冗談だと付け足すが。…本当のところ、少女はどちらかと言えば小食だ。
絡める指、そのまま歩き出せば、まずは目に付いていた果物の盛り合わせを頼む事だろう。
■ロレンス > 「確かに…女性は謎が多いものだ。けれど、そこにいる君は確かなものだろう? 謎は深くなってから、1つずつ解いていくよ」
隠しているものがあると言われても、それも楽しみだと微笑みで答える。
口説き言葉を冗談にされてしまうと、本気なんだけどねと苦笑いで添えていく。
「失礼、遅くなった。タマモだね、大丈夫…ちゃんと覚えた。私はロレンス・ベルクバイン、月夜の闇に生まれた真紅を求める者達の祖だ」
彼女の名前をしっかりと記憶に焼き付ければ、こちらも名を名乗る。
種族の説明を耳にすれば、なるほどと納得したように小さくうなづきながらも、血の味を問われれば困った様に微笑む。
「血の味は私が美を感じるかどうかで、味が変わるみたいでね? タマモは子供のような、大人のような…そんな不思議な感じがして、とても惹かれる。私が君に感じるのは、魅力という美だよ」
相手をどう思うかで味が変わってしまう。
だから彼女がいいと強請ったのだと、少々くさい言葉を交えて語る。
それが本心であり、その顔には変わらぬ温和な笑みが浮かんでいた。
「勿論……それはまた予想外だね、懐が寂しくならないことを祈るよ」
彼女の意味深な微笑みに、少々驚いた顔こそしたが、焦ることもなく楽しそうに笑っている。
嘘といわれれば、安心したと微笑むもおびえたのやらどうやら。
果物の盛り合わせを頼まれれば、その露店へ。
彼女の望むそれを早速購入すれば、どうぞと彼女へ手渡す。
他にも望むものがあれば、望むだけ言葉通り買い与える筈。
そして、一旦ひと気の捌けた大通りの外れへと彼女をエスコートし、ベンチへ。
軽く座面を払って綺麗にすれば、どうぞと促し、自分も園となりへ腰を下ろすだろう。
「食べながらでいいんだけど…今夜は寝床は決めたのかな?」
夜も深けて、風もいっそう冷たくなってきた。
今宵の宿について問いかけながら、彼女を見やる。
■タマモ > 「ふむ…まぁ、そう言われてしまうとそうじゃろう。
謎と言うものが本当にあるのならば、ゆっくりと解いてゆくば良いぞ」
自分で言っておきながら、相手の言葉に笑みを浮かべたままでそう答える。
おや、本気じゃったか。常に本気で口説いておっては疲れてしまわぬか?
苦笑する相手に、くすくすと笑いを零す。
「うむ、タマモじゃ。ふむふむ………
えーっと、名前はロレンスで…良いのじゃよな?その長ったらしいのが全部名前ではないよな?」
最近、やっとフルネームで名乗る者の名前の覚え方を知った。
今まではフルネームで名乗られると、そのフルネームで覚えようとしてた。
そうなると勝手に付けた愛称となる。
確認するように、かくん、と首を傾け相手を見遣り、確認した。
「むむむ…見てくれで味が変わるとは、何とも不思議なものじゃのぅ…
なるほど、ならば何も言うまい。
そうであるならば、妾が何と言おうとロレンスがそう感じたから美味、となるんじゃろう」
目に映る美的感覚は各々違うものだ、それは理解している。
だから、血の味はそれで納得が出来たし、問題ないとも思った。
「ふふ…期待しておるぞ?」
量的には確かに少量だが、料理と一口に言っても色々とある。
味に重を置くならば、少量でも値が張るものもあるからだ。
とりあえず、まずは果物の盛り合わせだ。
それを受け取れば、手に取った器の中身を満面の笑みで見詰めるだろう。
他にも望むものはきっとあるだろうが…幾つも頼まぬうちに、その腹は満たされる事である。
視線の向けられぬ、外れ、そこにあるベンチ。
勧められるその場所へと腰を下ろす。
「あむ…もぐもぐ…ん?
………んぐっ…ぷあー…いや?もちろん、それもお主に任せるものなのじゃろう?」
幾つか口の中に、頬張り、飲み込む。期待通りに美味しいのか、ぱぁっと表情を輝かせている。
声をかけられれば、その顔を相手に向けた。
さも当然の様に言い放ち、もう一口、ぱくり。
あの話の流れから、そういったつもりで誘っているのだろう?と、そんな風だ。
そういった事に対し、別に初心な素振りをするつもりもない。
隣に座る相手に身を寄せながら、美味しそうに食べ続ける。
食べ終わり、その後…別に想像つかぬものでもない。
そういった意味も含めての、すべて持つ、だろう?と。
その想像通りになるのかどうか、それはこの後で分かる事である。
■ロレンス > 「じゃあ…謎があるかどうか、それから解くとしようかな」
女性に向き合うときは本気の全力投球、だから真面目ながらな答えになっていく。
彼女が楽しそうにしてくれるならば、それでいいとも思えて釣られるように微笑む。
「あぁ、ロレンスでいいよ。あれはちょっとした言葉遊びだよ、要は人の中で言う吸血鬼の始祖だ。そう言ってしまうと…周りに聞かれた時に、面倒になることもあるしね」
首を傾げられば、説明を重ねていく。
敢えて着飾った言葉にしていく理由にも多少なりとも意味があり、吸血鬼と言葉にするときは小さく声を抑えて、彼女にだけ聞こえるようにしていく。
血に関しては…少しだけずれがあったものの、大まかにはそんなところだ。
だから、頷いて肯定していく。
彼女の期待に答えながら、今日の夕食を準備し終えると、万の笑みの答えに、よかったと微笑みながらこちらも喜びを伝える。
「……おや、流石に夕食だけでそこまで求めるのは…と思っていたんだが」
夕食を対価にそこまでとは思っていなかったが、彼女の想定はそれ以上だったらしい。
少しだけ驚くも、眠るまでの夜までいただけるのであれば、遠慮なく頂くとしよう。
身を寄せる彼女の肩へ腕を回し、少しだけ引き寄せて体を重ねていく。
食事が終われば、彼女が赦すだけの時間をゆっくりと楽しみながら、夜は深けていくだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」からロレンスさんが去りました。