2015/12/16 のログ
ご案内:「酒場 『跳ねる黄金の羊亭』」にリーシャさんが現れました。
■リーシャ > 「マスター、お肉のお代わりー!」
今日の少女はご満悦だ。お給料がたくさん入ったのだ。
主は何やら戦争に出撃して楽しく過ごしている様子、ならばと少女は羽根を伸ばして馴染みの店へ。
肉の煮込みを食らいながら、エールを飲むだけの晩餐を満喫していた。
クリスマス用の煮込みの試作品をがぶがぶと食らいながら、あおるのはブラッドワイン。
芳醇で濃厚な果汁の風味が、酒精と混ざって喉を灼く。それは幸せの味だった
ご案内:「酒場 『跳ねる黄金の羊亭』」にマルティナさんが現れました。
■マルティナ > 軽く一仕事終えた後も部屋に帰りあぐねていて、結局いい時間になってしまった。
帰りたがらない理由は部屋に鎮座する意図と正体不明の人形のせいである。
特にあてもなくぶらついていると辺りからはいい匂いが漂ってくる。
ふと目をやった酒場では、随分と美味しそうに食事をする女の子の姿が。
見ていると余計お腹が空いてくる。
どうせ何をするでもないし、せっかくだし今日はここで食事にしていこう。
店に入るとまずはワインと適当な料理を注文し、美味しそうに豪快な食事を続ける少女の隣の席について笑顔で軽く会釈。
食前酒のように軽くワインを飲みながら、料理が出来上がるのを待つ。
■リーシャ > 「ん、この煮込みはもうちょっとトマトがほしいなー」
などとのんきに会話していた所、隣にやってくる人の気配。
ふと見やれば可愛らしい娘が近づいてきて、こちらに会釈するのが見えた。
可愛いなぁ、と月並みな感想を抱きつつ、視線をおろして目を丸くする。
――ちょっと露出多め?な雰囲気。滑らかな白い肌が多く見えている気がする。
とは言え突っ込むのは少々下世話かとも思ったので、店主に向かって。
「あ、あの子に一杯。お近づきの印って感じでよろしくぅ」
そっと示すと店主がグラスに真っ赤なワインを注いで、娘の方へ持っていく。
『あちらのお客からです』という、ナンパの常套句だった。
■マルティナ > (やっぱり堂々としているのが一番のようですね。)
さすがに周囲からも視線は感じるが、堂々と振る舞っていればこんな格好でも必要以上に騒がれる事は少ないようであった。
隣の少女も気にはしているようだがどうこう言ってくる様子もない。
初めてのお店だが雰囲気は悪くなさそうだし自室からもそう遠くはない。
料理の味次第では常連になってもいいかな、などと考えながら飲んでいるとあっさりと一杯空けてしまった。
料理が出来るまで手持ち無沙汰だなあ、と思っていると注文もしていないのに追加のワインが。
覚えがないので断ろうと腰を浮かせかけたところ、どうやら例のあの子からのサービスらしい。
「あら、そういうことでしたら、頂きます。」
ワインを受け取ると隣の少女に微笑みかけながら、乾杯の仕草。
■リーシャ > 「――いえいえ、君の美貌に乾杯、なんてね?」
微笑みながら同じ仕草を返す。ついでに席を少し近づける。
露出度は激しいが、それに忌避など感じないのだ。むしろ少しばかり親近感すら覚える。
故に少女は仲良くなるべく近づいていくのだ。せっかくの出会いだというのを口実に。
――ちなみに料理は、若干味が濃い目で酒によく合うが、そのままで食べるにはしょっぱいかもしれない。
「っと、ボクはリーシャだよ、よろしく。ここのおすすめは煮込み肉だよー」
すでに常連な少女はにこやかに微笑みながら、おすすめのメニューを告げるのである。
■マルティナ > 「それは残念ですね…。もう他のお料理を注文してしまいました。」
以前首飾りを処分した時の余りが蓄えとしていくらか残っているとはいえ、普段は黒字になるかどうかという微妙なラインでの生活である。
自然と食事に使える金額も限られてくるもので、それほど多くかけていられないのである。
「では、それはまたの機会に試してみますね。ふふっ、ありがとうございました。」
話してみると気さくでなかなか好感のもてる相手。
まるでナンパのような台詞もユーモアがあって面白いと好感触。
せっかくだからお友達になりたいと思い、自分も自己紹介。
「私はマルティナ・ラーゲルフェルトといいます。一応冒険者ですけど、まだまだ駆け出しといったところですねえ。」
■リーシャ > 「そっかー……あ、もし君が気にならないなら、ボクのちょっと食べてみる?」
気にする人もいるから、そこは前置きしておく。ちなみに少女は仕事を終えたばかりで金持ちだ。
彼女――マルティナが望むならぽんと二人分の金を出すくらいの気風はある。可愛い女の子には弱いのだ。
「んにゃ、まぁ、可愛い子にはサービスサービス、がボクのモットーだからね」
にこやかに返すと、添えられているパンをかじる。
バゲットというらしい細長いパンは、こんがり焼かれてカリカリだった。
どうやら相手の感触もなかなかいいようなので、このまま会話にのめり込むつもりで。
「ん、よろしくね、マルティナ。――あ、もうすぐ料理も来るみたいだね」
店主の方も準備万端。少し待てば彼女の頼んだ料理がやってくる事だろう。
■マルティナ > 「ありがとうございます。それでは、少しだけ……。」
お言葉に甘えて一口だけ分けてもらう。
肉切れを噛むと脂が口いっぱいに広がるようで、なるほど勧めるだけはあると納得の出来。
そうこうしている間に注文したサラダとスープが届けられる。
こちらの肉っけはスープに少し入っている程度のもの。
「実は今お肉屋さんでお世話になっていまして…。時々余りや賄いで頂くから、どちらかといえばお野菜に飢えてて…。」
リーシャのお勧めとは全く方向性の違うメニューに口をつけながら、そんな身の上を軽く切り出す。
■リーシャ > 「えへへー、どうよー♪ここは店主のおっちゃんがずっと煮込んでるからね!鍋にかじりつきなんだ」
どうやら美味しさが分かってもらえたようで何より。
彼女が頼んだのはサラダとスープ。あれにパンがつくとこの店で一番安価で満足なセットになる。
青々とした葉物にトマトが鎮座するサラダと、澄んだ黄色のコンソメ風味のスープ。
時々食べたくなる、あっさりとして素朴なセットだった。
「ん、お肉屋さんかー……ここはお野菜あまり気味だから安めなんだよね。ボクも含めて皆お肉頼むし」
店主も嬉しそうにその禿頭を掻いている。サラダが少し多めになってるのは店主のサービスかもしれない。
身の上話を聞きながら煮込みを頬張ると、ふむふむと頭の中に叩きこみつつ。
「ボクはここで働いてたりするんだよー。ウェイトレスと……まぁ、たまに娼婦だけど」
基本は冒険者だが、そんな仕事もやっていたり、と明け透けに言いながら、煮込みのスープにパンを浸していた
■マルティナ > 「しょっ…!?あ、い、いえ。そうですか…。すみません、そうは見えなかったので少し驚いてしまいました。」
愛想もいいし可愛らしい。
ウェイトレスと言われれば非常に納得がいくが、まさか娼婦までしているとは。
正直全く予想もしておらず驚いてしまった。
「ええっと…、ま、まあ食べていくのは大変ですものね。」
極力平常に振る舞おうとはしているが、不意打ちで驚かされたのが尾を引いて少し声が震えてしまっている。
そして改めてリーシャの姿を見てみるが、やはり娼婦らしいという感じがしないように見えた。
自分の見る目がないのだろうか、などとも思ってしまう。
■リーシャ > 「あぁ、勿論君みたいな可愛い子の相手も出来るよ?なんてね♪」
娼婦としてこの場に立つのは、突発的な発情に見舞われた時くらいだ。
普段はウェイトレス兼用心棒であることが多い。故に、そう見えなくても当然だ。
なにせ娼婦は稼ぐためにするのではなく、肉欲を鎮めるためにするのだから。
「ん、お金自体は冒険者稼業でどうにかなるけど、体が火照っちゃったりするのはどうしようもないからね。だから、なんだろう。娼婦は稼ぐためじゃないんだ」
むぐ、むぐ、とパンをゆっくり食いながら、彼女へと微笑みかける。
驚いているマルティナの表情は中々に趣深かった。可愛い方向で。
■マルティナ > 「へ、へぇ…。そうなんですか…。」
コメントに困り間抜けな相槌を打つのみ。
娼婦というと他に稼ぐあてがなくて仕方なくやっているというイメージでしかなかったが、世の中には色々な人がいるものである。
自分の境遇も人のことを言えた義理ではないのだが。
「と、とりあえず、そっちの方は間に合っていますので…。」
そしてまあ、冗談であろうがお誘いもやんわりと断っておく。
もっとも、間に合っているといっても自分で処理しているだけのことではあるが。