2023/07/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエイリさんが現れました。
エイリ > 女は冒険者ギルドの壁にもたれて腕を組み、真剣な顔を浮かべて物色をしていた。
その眼光の鋭さは一攫千金の依頼が張り出されるのを待っているようにも、共に死地へ赴く命知らずの実力者を求めているようにも見えたかもしれないが、どちらもハズレだ。
物色しているのは、ありていに言えば男だった。

「うーん、どうもピンとくるのがいないねぇ……」

奇抜なクノイチ衣装を野暮ったいローブに見せる、いつもの隠匿のニンジツは強めにかけてある。
今日に限っていえば、野性的な勘の優れた相手に見破られるか、あるいはこちらから声をかける気になった相手以外には煩わされたくなかったからだ。
術の効き目はしっかりと表れており、一見すると地味なローブに身を包んだ目つきのよくない女に声をかけるような物好きは、今のところ1人もおらず。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエリビオさんが現れました。
エリビオ > 学校が急遽休講となり着のみ着ままに学生服の上からマントを羽織ってギルドへとやってきた。
黒く艶ある上質なマントの裳裾を揺らし、その中から覗くのは魔法学院の制服。
身長は高いがその面構えはどこか楽しげにギルドを見渡しながら奥へ進む。
いつも立ち寄る夕暮れや夜とも違う顔ぶれに珍しかったから……やがては掲示板の前に夥しく貼られた依頼書の前にいくまでに目元細めて軽く挨拶を交わしていくことに。
どれにしようかとめぐらす長い指は、しかし、他のものに依頼書を破り取られ続け、長らく掲示板の前に立ち往生することに。
次々と依頼を手に出口から消える冒険者達、自然と中にいる顔ぶれも少なくなって。
ふと、黒瞳が流した先はローブで体を覆った得体もしれない者……性別さえわからない。
フードから覗く鋭い眼光と視線が絡むと。

「こんにちは。アナタも碌な依頼がなくて立ちんぼしてるのかな?」

気後れすることなく衒いない笑みを浮かべて社交辞令の挨拶を。

エイリ > 声をかけられたほうへ顔を向けるのではなく、視線だけをちらりとやる。
かなり歳は若そうだ。
なにかと血の気の多い冒険者という人種は、トラブルを避けるために、顔見知りでも仲間でもない相手に気安く挨拶をすることは珍しい。
社交辞令とは無縁の界隈だからだ。

「――ええ、まぁ、そんなとこね。
 見たところまだ若そうだけど、ボクも?」

とはいえ、害のなさそうな相手に社交辞令を返さないほど無粋でもない。
彼の姿を下から上まで視線を動かしながら。

エリビオ > 返答までに時間が掛かるのに不思議そうに首を傾げ。

「あー、こういう風に声を掛けるのってルール違反だったりする?
 ごめんね。アルバイトとして冒険者をやってるからそういうのに疎いんだ」

照れ臭そうに小さく紅い舌を出して視線を掲示板に戻す。
が、遅れて返答がくるのなら切れ長の瞳を横に流して相手に絡め。

「俺も一応は冒険者だよ。ちっちゃな依頼ばかりしかしてないけど。
 綺麗な声してるね。背も高いし男の人かと思った。
 それにしてもボク、なんて言われるのは初めてだ。」

わざとらしく肩を竦めて屈託なく笑う。
まるで品定めするような視線は擽ったい。
だからふざけ半分で学生服の前を開けてシャツから割れた腹筋を相手に見せる。

「冒険者を舐めてるように見えるかな?一応は鍛えてるよ。」

エイリ > 「そうねぇ……気の荒い猛獣のような人だと、声をかけただけで噛み付いてくるから、気をつけたほうがいいわね。
 ボクだってお尻に噛み付かれる趣味はないでしょ?」

まさにその猛獣のような毛むくじゃらの大男が、冒険者ギルドの窓口で大声で因縁をつけているところだった。
建物のなかは賑やかだというのに、その声がここにまで届いてくる。
呆れた様子で薄く笑いを浮かべ、彼に視線を戻して肩を竦めてみせた。

「ボクはボク、よ。名前、聞いてないもの。
 妾《アタシ》だって大した仕事は請け負ってないわ。
 普通の人だと遠かったり危なかったりで、なかなか足を伸ばせないところの薬草を採ってきたりとかね」

いきなりシャツを捲り始めた彼の行動には少し驚いたが、若者らしくて思わず笑いをこぼす。
もたれかかっていた壁から背を離して、彼のほうに手を差し出し。

「エイリよ。名前は?」

エリビオ > 会話に割り込むように土色のがなり声が聞こえてきても、まるで犬の遠吠えのように視線だけ流して。

「女じゃないんだし、ケツを噛まれようが撫でられようが減るもんじゃないから気にしない。
 そういう悪絡みする奴に限って喧嘩を売るリスクが高いと黙るもんさ。」

清掃行き届かず足元に転がった酒瓶を拾い上げる。
掌に幻視の光が浮かび上がると同時、それは時計の針の如く廻り廻り。
やがて原型を留めぬほどに回転するそれを大男に向けて投げつける。
孤を描く軌道は大男の頭にぶつかり、小気味よい硝子が割れる音と一緒に悲鳴をあげてギルドから出ていった。
それには目もくれずに鋭い眼差しの女性と向かい合い。

「へぇ、そうなんだ。なんかすっごい出来るヒトって感じだよ。
 その風体で富裕地区の私財を守る傭兵の申し出してみなよ。きっと高い値段で雇ってくれるから。
 ……でも、アナタちょっと訛があるね。妾<<アタシ>>?」

捲り上げたシャツは既にスラックスの中にいれて居住まいを直し。
首に巻いたネクタイを無造作に引き離して一息つく。

「エリビオ。よろしくね。
 こうして名乗りあった後も握手とかするのはルール違反かな?」

そっと手を差し出してウィンクする。

エイリ > 「……ボク、顔がいいんだから、男でももう少しお尻は大事にしたほうがいいわよ」

あまりに余計なお節介だろうが、そんな言葉が口をついて出ていた。
何をするつもりなのかと彼の所作を見守っていると、がなり声を上げていた大男は慌てふためいた様子でギルドから飛び出していった。
誰にされたか分からない行為のために、ギルドにいる大勢の冒険者を敵に回す度胸はなかったということか。
若さゆえの、と言えないわけではないが、彼の勇気ある行動に感心したよう片眉を上げて。

「それは買い被りよ、妾は危険の少ない仕事を請けて安穏と暮らしたいんだから。
 こちらが手を出しているのに、握手を断るのは冒険者以前に男として格好悪くない?
 よろしくね、ボク――改め、エリビオ」

からかうように笑いながら、彼と握手を交わす。
目的に集中していたので気づかなかったが、もう陽は空の天辺に昇っていた。
道理で少し空腹を感じるはずだと、腹の辺りに手をやり。

「妾はそのあたりでご飯を食べてから、出直すことにするわ。
 あんまり無茶なことをしちゃ駄目よ。
 それからお尻も大事にすること」

握手を終えると彼の横を通り抜け、すり抜ける最中に彼があまり大事にしていないらしい尻を擦ってから、からからと愉しそうな笑い声を残して歩き去っていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエイリさんが去りました。
エリビオ > 触られた尻を撫でて笑いながら暫くは掲示板を眺めて過ごすのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエリビオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクフィナさんが現れました。
クフィナ > 平民地区の一軒の酒場
日も暮れた時間となれば人で混雑する中、カウンター席でのんびりと酒を楽しむ。
店内では酔っ払いが騒いだりしてとても賑やかではあるが、今のところは酔っ払い同士の喧嘩もなく。

「偶にはこんなのも悪くはないですね」

大抵は酔っ払いの中に交じって飲むことが多いのだが今日はそうではなく。
混ざらなければ案外外から酔っ払いを見るのは楽しくもあり。
時折に巻き込まれる客も居はするのだが他から見れば面白く。

もし可愛い子がいたり顔見知りがいれば声をかけるのだが、そうでなければ酔っ払いの騒ぎを眺めようと決めて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクフィナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/深夜の冒険者ギルド」にメレンさんが現れました。
メレン > 大量の書類整理や承認作業、来訪者の窓口対応など多岐にわたる業務を終えた日の夜。
人の気配もないので、冒険者たちが待ち合わせや相談に用いる簡易なテーブルで遅すぎる夜食をとる眼鏡娘。

「紙以外の方法で登録者の情報を管理出来れば楽なのに……はぁ」

冒険者ギルドの運営ノウハウこそ確立されつつあるが、一方で情報管理においては紙面による原始的な方法。
既に廃棄していいのかどうか、誰も分からないちょっとカビ始めたような古い書類まで山積みとなって裏方へ保存している有様。

個人情報でもあるギルド登録した冒険者の名簿や実績管理票の扱いを巡り、新人たちと奮闘して何とか収拾をつけた頃。
疲労困憊の眼鏡娘はテーブルに豊満な乳房をどたぷん と乗せてげんなり。

「疲れた……。……ギルドの中で起こったトラブルだから残業しても特別な手当なんて出ないものね」

眼鏡を外し、きゅっきゅと拭きながらはぁ…とため息。
ドタバタ続きで汗をかいた。ベージュのジャケットを脱いで、中に着た白いシャツは汗びっしょりでインナーや下着までうっすら。
本当に激務だった。ぐったりして動く気が起こらない。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/深夜の冒険者ギルド」にケストレルさんが現れました。
ケストレル > 前日からの依頼をどうにか終え、その報告でギルドを訪れたのはもう夜もだいぶ更けた頃
意外と夜も蒸し暑く、報告の前に飲み物を一杯貰いたいと思いながらも扉を潜り、
随分と人気の無くなっているギルドを見回して思った以上に遅い時間である事を知るケストレル
ワイワイとしたコアタイムの喧騒もさることながら、この静かな施設内もこれはこれで趣があるなあなどと思っていたら

「―――あれ、メr……レンちゃんじゃないっすか。 今お仕事終わったとこで? お疲れ様~」

夜食中なのかテーブルでぐったりとしている姿に歩み寄ると、
軽く片手を上げ、へら~っと緩い笑みを浮かべながら声を掛ける
名前を呼ぶときに妙な間があったが、気にしてはいけない。 たぶん

メレン > スローペースで夜食……と言ってもソースをかけた肉をレタスとパンで挟んだ簡素なものだけを口にすれば、包み紙をくしゃくしゃ丸めて。
明日も明日で大変だし、後輩は遠慮なしにプライベートを優先するものだから参ったものだ。
流石に、トラブルのタネとなった者には責任を自覚させる為に休ませる事はしなかったが。

「……はっ!?」

扉に取り付けたベルの音から、来訪者の存在に気が付けばはっと起き上がり、慌てて眼鏡をかけて振り向く。
こんな時間に仕事を探しに来るものは少数だが珍しいという程でもない。
本当はもうすぐ切り上げて帰る時間なのだが。
相当この仕事が心身に沁みついてきたのか、爆速でジャケットを羽織って背筋を伸ばして振り向く。

「あら、トリーさんだったのね。ありがとう、まだ終わりじゃないけど今日のところは終わりにするつもり」

顔見知りの男に声を掛けられれば、普段の仕事の時と変わらぬきりっとした様子だったが少しだけ肩の力を抜いた様子で。
丸めた包み紙をゴミ箱へぽーいっ と投げてしっかりホールインすれば、よしっとガッツポーズしてジャケットのボタンを留めながら。

「依頼の完了手続きかしら?それとも、何か困りごと?対応は明日からになるけど、話だけなら聞いてあげられるかも」

首をかしげ、用件を確認する眼鏡娘。
仕事モードの表情はきりっとしているが、汗ばんでいるし胸元のボタンが留まってないままなのには気付いておらず。

依頼完了の手続き関連ならばカウンターへ案内し、そうでないなら動くのが面倒なのでテーブルの席を示してそこで話を聞こうと。

ケストレル > 「あら、それは申し訳ない。 じゃあ休憩の邪魔しちゃったすかね?
 ――おお、ナイスイン。 さすがはギルドの辣腕スナイパーっすね」

こちらに気付いて振り返った後、ゴミを華麗にゴミ箱へ放り込んだのを見てぱらぱらと拍手を送る
騎士には騎士の、冒険者には冒険者の、ギルド職員にはギルド職員の
それぞれにそれぞれの戦場があり、それらに優劣など付けようがないことを兼業冒険者のケストレルは知っている
だから一見少女に見えるけれどその実自分よりも年上である彼女をケストレルは少なくともギルドの建物内では他の職員と等しく扱う
――等しく気の抜ける崩れた敬語なのは、そこは御愛嬌だ

「いやね、報告のつもりで来たんすけど。 外が思ったより暑くってェ……先に何か飲んでこうかなって。
 良かったらメレンちゃんも一杯どうっす? まだお仕事上がってないってんなら、果実水で、とか」

奢るよー、と軽い調子で笑いながら、ゆるりとテーブルの席に腰を下ろす
困りごとと言うほどじゃないけど一日半郊外での採取依頼に専念してたから人と話したくって、と小首傾げ
へらへらと人畜無害な笑みを浮かべているが、さり気無く彼女の気の緩んだ服装を視界に自然に納められる位置を陣取る