2023/07/08 のログ
■イグナス > 「あぶ、……ッは、あー……。」
すんでのところで、気が付いた。なんとか皿を割る真似は避けれたよう。
でも今日はちょっと間が悪いらしい、改めて、とぼとぼと帰路について――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルース・コールフィールドさんが現れました。
■ルース・コールフィールド > 平民地区の冒険者ギルド。
依頼を終えたりこれから依頼に向かう冒険者を片目に眺めてはカウンターで受付に話しかけ。
「なあ、最近面白い依頼はないか?こう……儲けがよさそうなのとか」
完全に顔見知りな受付に軽い声でそう問いかけては呆れられ。
逆に「実力に見合った依頼をうけてください」「暇なら新人の面倒でもみては?」と嫌味を言われては降参と言うように苦笑を見せ。
それに分かったと返せば流れのまま無茶な事を言われても困るとカウンターから逃げるように退散して。
「あの子も言うようになったな。間違ってないから困るんだよな…」
そう口にして困ったと肩を竦めるが、本業も大事ではあるが冒険者として活動しなければ依頼を受けれなくなる。
それはそれで困るとランクに似合う依頼か、もしくは困ってそうな新人が居れば手伝うかと考えてギルド内を見回して。
■ルース・コールフィールド > ギルド内を見回すが何かを進んでやろうとすれば案外できないもの。
こういう時に限り自分で受けるには楽な依頼がほとんどか一人での達成が面倒なもの、そして新人の姿も今は見えない。
「さて……どうするか」
引き上げて他の店に行くのもありではあるかもしれないがそれも面倒に思え。
もう少しだけ粘ってみるかと決めれば依頼掲示板の傍にまで移動をしていき。
「……いくつか問題のある依頼がないか…」
一見すれば普通に思える者が多いが依頼主が同じで違う採取の依頼などもあり。
それぞれを混ぜればやばい薬品になったようなと思い出しながら依頼を眺めて。
■ルース・コールフィールド > しばらくそうしていたが、やがて諦めギルドを去っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルース・コールフィールドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール にわか雨の平民地区」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 「あー……」
急に降り出した雨雲が覆う夏空を仰いで悲観極まりない声を洩らす女がひとり。軒下に。
様々な商店が立ち並ぶ平民地区の大通り。今日は定休日で閉まっている雑貨店の軒先で雨宿りをする、ドレスにハイヒールと妙にめかしこんだ女の足元は。
「ヒールって……こんな簡単に折れるの……?」
普段はまず履かない赤いピンヒール。覗いた飾り窓で輝いて見えたそれをつい衝動買いして。
さらにそれに合うドレスを『宜しければちょっとお召しになってみませんか?』と店員に勧められるままに。
紅いバラのようなマーメイドドレスを試着したが最後。
初めて身に着けた華やかなドレスとピンヒールにすっかり持っていかれてしまい、『よくお似合いで』なんてセールストークでしかない店員の言葉を愚かしくも真に受けて。
たまたま懐が温かいこともあり纏めて購入していい気分になって、着て帰ります、と意気揚々。
嬉しくて浮かれて街を歩いていたその時。悲劇は起きた。
急に泣き出した初夏の空模様。
新しいドレスや靴を濡らしたくなくて慌てて手近な軒先に飛び込んだところ、石畳の舗装に細いピンヒールの先が嵌まり込んでそのまま転倒しかけて――転ぶのは免れたが、ぽき、とヒールが石畳の隙間に持っていかれ、果敢なくもあっさりと折れてしまった。
今はそうやって、半泣きにくしゃと崩れた表情と無駄におめかしした紅いドレスに折れたヒールで片足立ち。
なんとも物悲しくもちぐはぐな姿で天を仰いで悲嘆に暮れていた。
「買って30分……まだ買って30分なのに……」
短い付き合いだった、紅いハイヒール。
愁いしか帯びていない眼差しで見下ろす己の脚元は……よく見れば靴擦れまで出来ていた。
■ティアフェル > たった30分で散々な有様。
30分前の店を出て鼻歌交じりに浮かれていたあの頃の自分に戻りたい。
戻って、寄り道しないでまっすぐ帰れ雨だぞ、と云いたいし、ヒールで石畳は危険なんだぞ気をつけろとも云いたいし、なんなら無駄遣いするな一旦落ち着け、と衝動買いを諫めたい。
そんなことは――もちろんどれもこれも叶うはずもないことだが。
時の流れに30分逆行したい、と悲し気に憂えた眼差しで雨の街角に佇む女は……一見衝動買いを心底悔やんでいるようには見えないかも知れない。
この世の全ての嘆きを背負っているような悲哀を帯びた表情で俯いているから。
靴擦れした踵が痛い。
やみそうにない雨が恨めしい。
ヒールが折れて台無しになった靴が悲しい。
惨憺たる気分での雨宿り。
雨の降る路上を行き過ぎる街の人々を見るともなしに眺めていた。
きちんと雨具を準備して雨降りも何のその。悠然と歩く者。
突然の雨に右往左往逃げ場を探す者。
雨にも負けずノーガードでずぶぬれ覚悟。髪の先から雨粒を滴らせながら目的地を目指す者。
人々の雨に対するありようも多種多様である。
ご案内:「王都マグメール にわか雨の平民地区」にクロナさんが現れました。
■クロナ > そんな凹みに凹んだ美少女の背に掛けられたのは
「―――――……エロい」
舌っ足らずの風情を残すちびっこの端的なコメントだった。
がっくりと肩を落として世の不条理に浸る彼女が振り返るなら、そこに佇むのは濡れネズミ。
ぐっちょんぐっちょんのべっちょべちょである。
ただでさえ防御力など皆無だろうキャミドレスにはノーブラペタ胸の乳首の尖りもはっきりと確認出来る程に肌に張り付き、普段は風にさらりと靡かせているのだろう黒曜石めいた輝きを見せる黒の長髪も小さな頭部にぺたりとしてフードみたいになっている。
なればこそ、その側頭から生え伸びる捻じれ角やら小尻の後ろで揺れる悪魔尾、そして濡れた前髪の隙間からじぃぃっと彼女を見つめる紅色の魔眼の異様が際立とうか。
つい先程、足元の水たまりからぬるりと顕現したと言われたとて納得してしまいそうな超常存在――――みたいな雰囲気を出すただのチビは、ヒールの細足を見事に操り彼女に近寄り―――――すっころんだ。
眼前の美少女の不幸のきっかけとなった憎き穴ぼこに、このチビも見事にハマったのである。
■ティアフェル > 「………は……?」
背後からしとしとと降り注ぐ雨音に交じってなにか短い単語が聞こえた気がして。
何事か確かめるために目を瞬きながら振り返ると。
「………た、確かにエロいのおる……」
ぺったりと肌に張り付いた見慣れぬ異形な少女の薄着。まるでひと泳ぎしてきた後のように、ただ雨で濡れただけとは思えないズブ濡れモード。
小柄で幼くあどけなさを遺す癖に妙に艶めかしい小さな女の子。
あらあらかわいいのが台無しねえ、なんていう前に眼力半端ない彼女の紅眸にたじろぎ、そして二の句を継ぐ前に――、
「へあっ!? お、おおっ……、だ、大丈夫……? そこ、ヒールホイホイだからなあ……あなたそんな小さいのにヒールとか危ないって……実際こけたし……いやそれはわたしもだが。
とにかく、平気、立てる? おちびさん」
ただでさえ濡れて滑る石畳である。彼女が足を取られたのもさもありなん。
ともかくそちらへ慌てて、不安定な足元でおっかなびっくり近づいてそっと手を差し出して、気づかわしそうにアホ毛を揺らしつつ。
■クロナ > 万歳の態で顔からいったチビは、しばし肉付きの薄い尻を張り付くキャミドレスの黒に浮かせたまま石畳の上に突っ伏していた。
『………死んだ?』なんて不穏な考えが浮かぶ頃、ようやくぴくりと反応をみせたちびっこは、親切にも差し出された手に縋って身を起こす。
そんなチビの右足、グラディエイターのヒールもまたぽっきり折れていた。お揃いである。
それを一瞥し赤くなった小鼻から、とろりと垂れる鼻血をずずっと啜り上げ
「なんという卓越したトラップ……さぞかし名のある罠師の仕事……」
しかしてチビは折れたヒールなど気にもせず、数多の乙女を泣かせてきただろう穴ぼこに称賛の声音を投げた。
改め立ち上がり、片足の踵が折れているからこそのアンバランスを
「―――――ていっ」
もう一方もへし折る事で安定させて
「ていせい。エロいのはクロナじゃなくてお姉さん。さっきのお姉さんにはたいはいの美があった。れいぷしてもいい?」
彼女も小柄な方だろうが、それより更に20cm近く低いチビが、何を考えているのかさっぱり分からぬ紅玉のジト目で問う。
■ティアフェル > なんかこう、命の灯を自力の全力で消しかねない勢いのいいコケ芸であった。
思わず見とれてしまう……前に助けようじゃないか、だって相手は小さな女の子。基本的に庇護の対象である。
例え頭と臀部に何か手強そうというか不穏当というか、少々美少女にはごっついものが生えていたとしても。
「あ~あぁ……あなたもやっちゃったねえ、ヒール……って、鼻っ、鼻っ、だめだめ、鼻血も鼻水も啜っちゃっ。蓄膿症になっちゃうよ、ほら。こっち向いてこっち……あーかわいいのに勿体ない。ちょっと待ってね……」
同じくヒールを石畳でへし折ってさらに鼻血まで滴らせるのだから助け起こして慌てる。
確かに石畳トラップは秀逸極まりない出来であったが、取り敢えず今はそれよりもこの真白くて整った顔立ちに滴った鼻血を留めなきゃ、とハイヒールの方でなく、回復魔法の方のヒールを唱えようか。
その小さな鼻先に掌を翳して……たとこで。
豪快に少女がもう一方のヒールを折り取ってさらに口走った言葉に一瞬総ての動きを停めて。
「………駄目だ、もう手遅れかも知れない……きっと頭でも打ったのね。かなりの勢いで血迷ってらっしゃる……。
まあ、返事を律儀にさせてもらうと、駄目です。ノーレイプで頼む」
きちんと真っ向からご返答申し上げ。意思の不透明さを感じる紅い双眸にマジレスというやつを。
■クロナ > 「ちくのぉ……なに? じゅるる…」
聞き覚えのない単語に捻じれ角の頭部を傾げ、再び鼻をすするチビ。
つい先程まで世を儚み、その勢いで橋上からダイブとか決めてしまいそうな程の悲愴を漂わせていたというのに、生来人が良いのだろう。
彼女は己も雨に降られっぱなしのまま、正体不明のチビの世話を焼き始めた。
「しっけいな。クロナはいたってせいじょう。へいじょーうんてん。たんじゅんにお姉さんがエロかったのが悪い。 ――――でも、そっか。ざんねん」
対して残念とも思っていなさそうな、というか何も考えていなさそうな抑揚に欠けた声音が言葉を返す。
もしもついうっかりと『あはは、いいよー』などと返していたなら、泣く子も更にぎゃん泣きするガチレイプルート突入だったのだが、彼女の聡明さは見事にその罠を回避してのけた。
そんな彼女であっても引っかかった穴ぼこ罠。クロナが引っかかったのも無理はあるまい。
マジレスにも何ら変化の見られない曇りなき紅色のまなこはじぃ…っと彼女を見上げたまま。その小鼻なら再びつぅぅ…っと鼻血が垂れる。
思わず啜りそうになるものの、先程駄目と言われたのを思い出したのが我慢。
そのままぽたりと落ちた雫はキャミの黒布が濡れて張り付くペタ胸に滴った。
■ティアフェル > 「正確には慢性副鼻腔炎……鼻が炎症をずっと起こしてるって状態……あーまた啜るっ、だめだめ、鼻水ずっとずるずるになったら美少女の面目が…っ」
一旦自己憐憫の念よりもかわいい女の子の小さなお鼻の状態に神経が持ってかれた。
もおぉー、と唸りながらも気を取り直して彼女の鼻の上に翳した掌。短く紡がれる詠唱。
避けられなければ、もしくは彼女の体質などで弾かれなければ掌から生じた淡い橙の光がほんのり暖かくその鼻孔の破損を癒していこうか。
「そうか。わたしはエロかったのか……ほんとに? これぞと思った人引っかかってくれるレベル? 誘ったら百発百中? うはぁ、照れるぅ~」
誰も一切そんなことは云っていないが。普段云われない評価に浮かれてエロいをクローズアップして都合のいい様に解釈捏造して勝手に照れて己の頬を両手で包んで悶えていた。
しかし。彼女の瞳よりもなお濃く紅い鮮血がかわいいお鼻から滴り落ちて黒いドレスの胸元を汚してしまうと、あー、とまた苦悩気味に唸って。
「シミ~……あー……落ちるかなー……ちょい待ち……」
余所の子だろうが目の前の可愛い女の子の服のシミは気になるらしく、ハンカチを取り出してその薄い胸元を拭い始めようか。
THE お節介。というか小さな女の子は須らく庇護すべしとの精神からであるが。子どもにはとことん甘い性分。
■クロナ > 「まんせいーふくび……??」
ますますの聞き覚え無さに、右に傾いていた小顔が今度は左にこてんと傾いた。
重ねて啜ることを禁止されたチビの小鼻に治癒魔法特有の優しい光が染み込んで、その赤らみが引いていく。
紅眼を瞑ってそれを受け入れていたちびっこが、垂れていた鮮血をぐいと拭えば後は濡れネズミが一匹残るのみ。
「なおった。ありがとうエロいお姉さん。お礼にクロナをれいぷしてもいい」
ぺこりと素直に頭を下げて、再び見上げる紅瞳が今度は攻守逆転レイプを狙う。本気なのか冗談なのか、感情の色の伺えない真顔からは判別も難しかろう。
頬に手を当てくねくねする今の彼女はともかくも、先の彼女に独特のエロスがあったのは確かな事。
いま少しチビの登場が遅れたならば、案外ステキな王子様が現れて辻斬りレイプしていたかも知れない。
キャミの黒布に染み込んだ鼻血を取り出したハンカチで甲斐甲斐しく拭う彼女の薄茶のつむじを見るともなく見つめつつ―――――なでなでなで。
おもむろに持ち上げた細腕が彼女の頭を撫でた。
未だにわずかばかり消え残る落ち込みの気配を払拭すべく行う純粋にして無垢な子供ならではの行為。与えられた親切へのお返し。
「ヒールが折れてもせかいが終わるわけじゃない。だいじょうぶ。エッチなお姉さんにはこの先もステキなれいぷが待ってる」
とことんまでレイプ推し。
■ティアフェル > 「鼻水ズルズル」
ってことだ、と至って短く大分乱暴に省略して伝えた。
鼻血位なので至って初歩の回復魔法で処置すると、ほーぅ…と思わず肩で息をついて。
しかし、鼻血はともかく。見事なずぶぬれだ。風邪ひかないかしらと眉を顰めて。
「あ、うん、どういたしまして。
ありがとう、大丈夫。間に合ってる」
いくらこの都でも、こんだけ一回の会話にれいぷが盛り込まれることがあっただろうか。なくもないが機会は少ない。
どうしてもれいぷがしたりされたりしたいらしい。ふむ、確かに見た目からしてエロいもんな、この子、としみじみ感じながら。
残念ながら強姦NGなガード硬い系女子は。あんまり深く彼女の言を気にかけてはいなかったが、控えめなその胸元を拭うと、白いハンカチに紅いシミが移った。拭き取れるところまで拭き取ると、ふと、髪に感じる小さな手。
妙に擽ったいその小さな手の感触にっふ、と和やかな笑気が漏れ。
「ふふ、その通りだね。ヒールの生命は潰えたが、まだわたしは終わらない。エッチなお姉さんじゃなくて、ティアフェル……ティアだよ。
れいぷマニアのお嬢さん、あなたはなんてお名前なの?」
こんなあどけないお子さんがれいぷを連発していると却ってなんだかその単語、全くエロくないようなものに思えるから不思議である。
■クロナ > 「ぬぅ……手ごわい」
押して駄目なら引いても駄目。
それでもクロナの無表情は相変わらずで、何を考えているかはさっぱり読めない。
大人しくされるがままの薄胸がハンカチ越しに返すのは、ふにゅりと柔らかなロリ肌の奥の余りに華奢な胸骨の感触。揉めるだけの膨らみなど潔いまでに皆無。
「ティアフェル……ティア。ん、覚えた」
ようやく笑みを見せてくれた美少女に、こちらもにっこり無表情。
そうして名前を問われたならば、一歩、ニ歩と後退り――――ばっさぁ!
雨の中でも見事に靡く想像のマントをはためかせる所作。
無論、そのマントはクロナにしか見えていないので、その動きは単なる奇行として認識される事だろう。
「わが名はクロナ。しんえんのしはいしゃにして魔槍ゲーリュケイオンの操手なり。あ、今日はおるすばん。雨にぬれてサビたら困るから」
堂々たる名乗りで返す。
愛槍のイントネーションばかりは完璧なれど、後は舌っ足らずなロリ声が雨音も何のその彼女の記憶にその名を刻む。いきなりすっ転んで鼻血を垂らした挙げ句、レイプ未遂を仕掛けてきた訳の分からないなにかとして。
「―――――へくちっ」
片手を腰に片手を虚空に向けてペタ胸を反り返らせた名乗りのポーズが、不意に奇声を発した。いくら夏といえどもこれだけ盛大に濡れてはくしゃみの一つも溢れよう。
■ティアフェル > 「まだまだよのう……世の中こころよく「いいわよっ」ってれいぷさせてくれるお姉さまばかりではないのだ。特にわたしはなっ」
ふふん、となにも誇らしくはないが無駄に胸を這って堂々とのたまい。
まだささやかでかわいらしいほどの胸元は初々しい限りだが、それにしても中身。
纏う衣服こそ扇情的ではあるが黙って立っていれば大人し気でどこか神秘的な美少女なのに、口を開けばれいぷの話しかしない。ここまでくると面白くなってきて自然表情は楽し気になり。
自己紹介すると覚えたとの科白にこくりと肯きそして名乗りを待っていれば。
あ、なるほど理解した。ちゅうに……もとい現在進行形で黒歴史を歩む民だ。
エアーでマントを翻す様子に瞬時にお察ししたし、続けて流麗に名乗る痛々し気な自称を、とてもおいしそう(ネタ的に)なものを眺めるように見守った。
「わっはー。やっばああぁ何この子ぉ~っ、超かわいいぃぃ~っ! そうだねえ、げーりゅけいお…なんだっけなんとかかんとかの操手だねえぇ、すごいんだもんねええ、あっはっはっは、やべえ、腹筋、わたしの腹筋んん~!」
ツボって悶えた。もうあかん。負けたし、わたしの腹筋が辛い。
暗黒歴史の民は基本好物である。間近で非常においしくいただいておく。その場で腹を抱えて爆笑しながらたまんねえ、と悶えた。
「そ、それで普通に寒いんかいっ、くしゃみとかかわいいんかいっ、やあばぁっ、よしよし寒いね~おいでおいで、抱っこしたげるねー」
基本ちびっこには甘々である。かわいい上におもちろい女の子は余計に。
だから彼女がズブ濡れなのも構わず両腕を広げて招き、抱っこ、と示して。
■クロナ > 「そんなお姉さんがれいぷで気持ちよくなっちゃうの好き♥」
変わらぬジト目がうっとりと、獲物を見る目で優しいお姉さんに告げ、ついでとばかりに張られた胸をつつくべく人差し指が伸ばされる。
これほど怒涛のレイプ攻勢にも屈しない彼女はおそらくクロナの様なちびっこがシュミで無いのか被虐の倒錯とは無縁のタイプ。
だと言うのに優しげな美貌はにっこりと麗しの笑顔を向けてくれるのだから、相当に人の良い娘なのだろう。
「むふーっ♥ ゲーリュケイオン。しんわに名高きかの邪竜、オルデンクロッツァをほふりし魔槍」
超可愛いとの褒め言葉に、いくら張っても膨らみの見当たらぬまな板を反り返らせて鼻血の消えた小鼻を膨らませる。
現役で黒歴史を爆走中のチビは、とうにその時期を終えてオトナとなった美少女の大笑いには怪訝な無表情を向けるばかり。
「――――お、おぉぉ…♥ ふかふかおっぱい♥ よき♥」
完全なる子供扱いにも、母性溢れる抱擁がセットとなるなら不満は無い。
両腕を広げたウェルカムポーズにふらふらと歩み寄り、もっふぅっと子供であっても異性であれば平手の危険がつきまとう豊乳へのダイレクトダイブで小顔を柔肉に埋め込んでいく。
互いにぐしょ濡れ。
しかし、着衣越しに伝わるのは体温高めの子供の暖かさと、若干のミルク臭を残した甘匂。
ぐりぐりと双丘押し付けられる頭部は仔猫めいて可愛らしかろうが、天衝く捻じれ角がかなりヤバイ。下手すると鼻穴とか目とかにぶっ刺さりそうになるのでとってもデンジャーなのだ。
■ティアフェル > 「だからさせねえって。聴いてる?聴いて?ねえ?」
そもそもが成り立ちませんから、とふる、ふる、と小首を立てた手を横に振って否定の意。
しかし、何気に紅いドレスの胸元を突いてくる指先。ちなみに子供しかも少女相手ならば、基本ちょっと咎める程度の甘々仕様。つまり子供好きではあるのだ。性的対象からは外しているから、もーっ、とその人差し指に対して「こらっ」までで済ませるアバウトさ。ふにんと乳房が揺れてちょっとくすぐったくて肩が揺れたが。
「げしゅ、げりゅ、け……オデンうまい……なんだっけか、いやもう、なんでもいいわ面白ー、ツボーっ。ちょうだい、もっとちょうだい、そのネタっ!」
人様の真面目(?)な主張をネタ扱いして腹を抱えながら、おかわりを所望。まだまだこんなもんじゃないでしょ!と彼女に刻まれている黒歴史の豊富さを信じてやまない。
怪訝そうな表情に。ぐ、とサムズアップしてみせるが、そんな真似をしたらますます意味が解らないかも知れない。
「よぉーしよしよし~、まだおっぱいとか好きなのねー、甘えんぼだねー」
で、済ませるこの女の神経もちょっとどうかしている。
年下の女の子には異様に甘い説の19歳女子。実はゴリラ。案外母性の強いゴリラだったので、むきゅ、と胸元目がけて埋まって来るちみっこい女の子を快くハグった。
一気に乳付近濡れたけど。いや想定内だし気にしない。
それに暖かで柔らかな少女の体温や質感が抱きしめている立場にも心地よく優し気に両腕を回してはなでなで……しかけて、
「ふぐっ……つ、ツ、ツノ……」
角の存在を一時失念していた、というか、抱き締める少女のかわいい女の子力が高すぎて気にするのを忘れていた。
しかし実在する曲がった立派な角は横鼻辺りにくさ、と刺さって、うくぅ~と涙目で唸って一時ハグの手は解除されて鼻を抑えた。
■クロナ > 「―――んふ♥ おっぱいふにふに♥ 好き♥」
普通に回避されると思っていたが、伸ばした人差し指は見事たわわの柔らかさを堪能した。
それに対するお叱りの言葉も優しげで、チビはますますご満悦。
「むーっ。これだからオトナは……」
紅色のジト目を瞑り、はーやれやれとばかりにベチョ濡れの頭部を振るチビ。己の中2を棚上げした実にムカつく所作である。
ちなみに寝る前とかにせっせと考える設定はそれほどしっかり考えられているわけでもないのですぐネタ切れを起こすため、あまり深掘りされると大変に困る。
辞書みたいな分厚さの設定資料集など作る剛の者も存在する中2としては、最弱の部類と言えるだろう。
ともあれ、先程は人差し指の先っぽのみが味わった豊乳の柔らかさを今度は小顔全体で味わいつくし、ついでにくんくん匂いの色濃いだろう乳間の体臭まで吸い込もうとした所で
「――――んぉ? あー……ティアはまだまだ。もっとじょうずに角をさけないと」
再びのやれやれ。
ちなみに捻じれ角の先端は研ぎ澄まされた切っ先というわけではなく、微妙に丸まった安全仕様。
まあ、それでも油断していた所でどすっとされると普通に痛いので、うずくまる彼女の反応も致し方の無い事だ。
そんな美少女を見つめていたジト目が不意についっと持ち上がり虚空を見上げる。
唐突に降り始めた雨が止み、雲間から光が差す。
雨上がりの街角に挿すエンジェルラダーの美しさは、買ったばかりのヒールを折られ、追い打ちの雨にドレスも濡らして凹んだ彼女にも幾ばくかの慰めとなろうか。
「――――へくちっ」
■ティアフェル > 「まったく……その内君も膨らむから、そうなったら飽きるよ」
自分についているのと同じものに然程興味は抱くまいと肩を竦めつつ、なんだか満足げなご様子には微苦笑を洩らすという程度の相変わらず甘い対応。
「や……ごめ……でも、わたし、個人的にそういうの超好き。大事にしてねその個性」
お姉さんは応援させていただきます、と悪い大人は黒の民の思想を鼓舞する構え。
ネタ切れが早いのが残念だが、結構堪能させていただいた、はー、素敵ー。と愉悦交じりに溜息をついて勝手に充実していた。
ぜひコツコツとその芽を育てて欲しいところだが無理はいうまい。
「ふくぅ……そのようで……角……むずい……」
ふにん、と紅いドレスの布地に包まれた胸が小さな貌をしかと受け止めて柔い反発と体温を齎すが、ゆっくりねぶねぶしてる場合じゃなく角が刺さった。
角娘を愛でるにはまだまだ初心者過ぎたので、刺さるほどのものでもないが硬さはしっかりある角からの押されるような軽い痛みに若干苦悶するも。
「――…あ、雨、やんだね……とと、大丈夫? やっぱり風邪ひいちゃうね、お家帰ろ。ほら、お家はどっちだろ」
重い雨雲がいつしかゆるりと散って雨粒を落とすのをやめていた。
天使の下ろした梯子のようにどこか柔らかに厳かに差し込む光に空を見上げていれば聞こえた再びのくしゃみに、すぐに気を引かれては、いつまでもずぶ濡れでは本当に具合を悪くすると、折れたヒールと折れていないヒールを見下ろして。
てい、と一思いに最初に彼女がしたように折れていない方のヒールも石畳に踵落としするように思い切って折ってしまうとすくっと立って角の生えた風変わりな美少女へ手を差し出しながら、帰路に就こうと送ってこうか、と促した。
■クロナ > 「それは持てるもののごーまん」
無表情が唇を尖らせて不服を表現。
しかし、気前よく与えられる豊乳の柔らかさに不満顔もすぐ幸せの無表情へと戻っていく。
「ん。ティアはオトナにしては分かってる」
素直に謝罪し中2感性への応援も向けてくれるお姉さんに、チビの機嫌はあっさり良くなる。
ちなみにクロナの角は実の母親x2の顔にも未だぶっ刺さる危険物なので、慣れた所で早々安心出来る物ではなかったり。
「ん、あっち。送ってくれるティアにはとくべつにうちの温泉に浸かるけんりをあげる。あと、クロナをれいぷするけんりもとくべつにつける」
クロナ同様、アンバランスなもう一本の踵も折って見せた彼女に、チビはにゅっとサムズアップならぬ指間に親指をぶっこむ卑猥なハンドアクションをプレゼント。
そうして差し出される手に小さく、温かな白手を重ね、二匹の濡れネズミは雨上がりの帰路につくのだった。