2023/07/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にハンスさんが現れました。
ハンス > 平民地区の冒険者ギルド。
時間問わずに混雑しているギルドに足を踏み入れれば向かうのはカウンター。
愛想のいい受付に依頼書の写しとそれに記載されている採取品を渡して依頼の達成を告げる。
そして採取品の確認が終われば報酬を手渡され、偶には採取以外を受けてはと言われるのをそのうちにと流して次の依頼を探しに掲示板に向かい。

「何かいい採取は残ってるかなっと…。
なんだかんだでこれが一番儲けがいいんだよな」

討伐や荷運び、護衛などもあるがそちらは一人で大変なものが多いのであまり気が進まず。
共に受ける相手でもいれば別ではあるが一人なら採取が気が楽。
勿論チャンスがあればそういう物も受けるのだが、そればかりは時の運。
そう考えては採取の依頼をメインに次に受ける依頼を探して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にサウロさんが現れました。
サウロ > (混雑している冒険者ギルドに足を踏み入れて、向かった先はカウンターの端の方にある手配書討伐報告カウンター。
 白銀鎧と剣盾という風体であればタンク職の冒険者と見られるのでそう珍しくもないが、
 ジャケットに自由騎士団の印章が刻まれていることに気付いた者からは珍しそうな視線は向くだろうか。
 その視線をかいくぐり、冒険者たちに軽く会釈をして、カウンターでしばし話をして──。)

「────そうですか、戻られるのはいつ頃に? ……わかりました、では少しだけ待たせていただきます」

(そんな声がこの雑多の中で聞こえたかどうか。
 どちらにせよ、少しばかり時間が出来たので、サウロが赴くのは依頼書が張り出される掲示板の隣にある、
 強敵や危険種の魔物、人物など指名手配されている手配書の掲示板だ。
 必然、掲示板に立つ彼に軽く声をかけることになるだろうか。)

「失礼、後ろの方を通らせて貰いますね」

ハンス > 依頼を眺めていれば微かなざわめきがあるが気にせずに依頼を探す。
しかし採取を除けばどの依頼も自分には荷が重いものばかり。
直ぐに依頼を受けなくとも懐具合は問題ないが稼げるときにと考え。
どうしようかと思っていればかけられた声に考えを中断し。

「後ろ?どうぞどうぞ。気にしないでいいよ」

そう言って声の方に振り返ると鎧に剣と盾の青年。
その姿に騎士もギルドに来るのだと少しだけ驚き。
そして通りやすいように一歩前に出るのだが、それで視界が広がりジャケットの印章に気が付き。
何処の騎士団だろうと、見覚えがなかったのでつい見つめて。

サウロ > 「ありがとう」

(声を掛けたのはサウロより少しばかり背の小さな少年。
 黒髪に金の目という特徴はサウロの仲間と通ずるものがあり親近感に似たものを覚えて、礼を言って微笑を返す。
 後ろを通ってからもついてくる視線に気付けたのは、サウロも少年を見ていたからだろう。
 年若く、まだ駆け出しと言った印象の少年の金目とサウロの碧眼の視線が交わって数秒、軽く首を傾げて見せて。)

「どうかしたかい?」

(視線が合えば今更逸らすのも失礼なもので、サウロより年下に見える彼に温和に声を掛けて。)

ハンス > 冒険者ならこの程度で礼を言う物が少なく、ちょっとしたことで礼を口にする姿にこの国の騎士とは違うように見てまい。
こんな騎士が多くいればとつい眺めてしまえば視線が合ってしまう。
やってしまったかと思うが今更に視線を逸らすもの不自然、そして何より妙な文句をつけられては困ると考え。
しかし文句ではなく首をかしげる姿にほっと息を吐き。

「どこの騎士団かって思っただけだよ。
見た事はあるけど思い出せなくて」

温和な言葉に聞いても大丈夫そうと思えば、思い切って印象を指さし何処のと聞き返して。

サウロ > 「ああ、なるほど。僕は自由騎士団の者だよ。サウロと言う。
 特定の国や主人を持たず、人々の盾となり剣となるべく活動している組織だ」

(どこかホッとしたような様子ながら、印象を指さしてくることに少年の視線がそこにあったことを知って、
 印象に拳を寄せる自由騎士団の敬礼をする。
 国が擁する騎士団とは異なり、種族や出自を問わずに騎士道を志し、国の腐敗に染まらぬように集まった集団だ。
 国の騎士団全てが腐敗しきっているわけでもないが、少なくとも自由騎士団の活動は静かに広がっている。
 それを少年が知っているかはわからない。何せ普通の騎士団と混ぜて捉えられることも多いので。
 そのように名乗った後、サウロは少年と視線を合わせる。)

「君は冒険者だね、依頼を探してるのかな?」

(そう言って彼が見ていたと思しき掲示板を見る。
 依頼の紙が貼りつけられているそれを見ながら、これから依頼に行くのだろうかとまた彼に視線を戻して。)

ハンス > 「自由騎士団……あ、聞いた事あるよ。
よく街で見る騎士とは違うように見えたからね」

もし国の騎士ならば相手が温和とはいえ面倒ごとになる前に逃げなければいけない。
しかし自由騎士団と聞き、あまり見ない敬礼を見れば嘘ではないとみてとる。
この国の騎士は大抵は碌ではないいのでかかわろうと思えない。
しかし自由騎士団なら大丈夫だろうと思えるぐらいには活動は知っていて。

「まだ新人だけどね。そんなところかな」

もう一度終えてもう一つ探していることは口にせず。
簡単な依頼があればという感じで採取系の依頼に目を向ける。

サウロ > 「そうかい? 良い印象を持ってもらえているのならいいのだけど」

(富裕地区や王城付近ならわかるが、憲兵のように街を巡回する騎士というのは中々見ないので、
 きっと騎士の恰好をしたまま街へ繰り出しているか、あるいはどこかの貴族の私兵か。
 彼がよく見る、と称する騎士がどこの所属かはわからないので深く追求はせずに話題を変えて。
 新人だと言って掲示板の方を見る彼に、依頼を探す邪魔はしないでおこうと頷き。)

「そうか、なら邪魔をしてはいけないね。頑張ってくれ」

(駆け出し冒険者が最初にやるのは雑用や採集系と話には聞いた事がある。
 吟遊詩人が謳うような輝かしい冒険譚は、掲示板を見る限りは繋がらない。
 冒険者ギルドに寄せられる依頼をまじまじと見たことはなかったので、サウロも気付けば彼に並んで依頼書を興味深そうに眺めていく。)

ハンス > 「安心して話せる騎士だって俺は思ってるよ」

迂闊に声をかける事どころか機嫌が悪ければ冤罪をかけてくる騎士すらいる。
それが本当の騎士か私兵かなど判らず、そのせいもあり騎士と聞けば厄介と思ってしまう。
ただ自由騎士団の人ならばそれもなくこうして話せて。

「別に大丈夫だよ。あればいいなってだし。
でもありがと」

雑用や採取は人気はあまりない分、受けるのは容易で自分としては助かり。
頑張れと言われると、ありがとうと笑って返して採取の依頼を見繕い。
そしてこれが良いかなと一つを手にし、相手の方を見れば興味深そうに見ているのに気が付き。

「もしかして興味あったりする?」

サウロ > 「それなら良かった。何かあれば、是非頼ってくれ」

(少なくとも彼にとって悪い評価を受けている様子ではないようで、安堵した表情で嬉しそうに双眸を細めて笑う。
 彼にとって騎士はあまり良い印象ではないのだろうと言葉の端々で感じつつ、礼を言って依頼を探す姿に頷き、掲示板をしばし眺めて。
 護衛やダンジョンの探索、調査に魔物素材の納品、街中でも雑用と思しきものなどがあるようだ。
 珍しいものでデート先の下見なんてものもあるのだから、冒険者とは、と思ってしまう。)

「ん。ああ、色んな依頼があるなと思ってね。
 中々ギルドで依頼書を見る機会なんてないから、興味と言えば興味だ。
 これとか、面白いよね」

(と指さしたのは、"来月彼女と遠乗りをすることになった、〇〇の丘に咲き誇る花畑の下見をしてきて欲しい。
 危険な魔物がいれば排除を願う。"という依頼書。
 こういうものは自由騎士団には来ないタイプなので、冒険者ギルドが人々の生活に根付いているのだと実感する。)

ハンス > 「本当に?その時は遠慮なく頼らせてもらうよ」

何かあればと聞けば遠慮なくと嬉しそうに返す。
それほどまでに面倒ごとがあれば頼れる騎士が知り合いがいるだけでも助かったと思えて。
騎士というのは冒険者という依頼に縁がないのか眺めている姿を眺めて。

「本当に色々とあるね。
見てみると笑えるのもあったりするね、これとか。
あー、それも面白いね。
そういうのって報酬は安いけど凄く感謝されるよ」

冒険者としてそれらしい依頼もあれば冒険者をやろう必要があるのか。
そんな依頼も混じっており、幾つかの依頼の下に、夫婦喧嘩の仲裁。などもあり。

相手が見つけた花畑の下見を見れば、面白いけどまだいい依頼だと。
そんな依頼を面白いという姿に全力で同意を見せて。

サウロ > (嬉しそうにする様子は年相応に若く、どこか幼くも見えて微笑ましい。
 孤児院育ちであるが故に血のつながりがない弟妹を思い出しながら、思わず撫でようと伸びかけた手に、ハッとして降ろした。
 それから一緒に依頼書を眺めながら、これもあれもと指をさす先を見ては依頼書の中身を見て小さく笑う。
 冒険者を雇う必要はあまりなさそうな。しかし夫婦喧嘩の仲裁とはまた珍しい。
 一体どんな冒険者が請けて解決するのだろうと興味が湧く。)

「人から感謝される依頼というのは、いいね。報酬とはまた違った、繋がりのようなものを感じるよ。 
 もし上手くいけば、また別の依頼を名指しで貰える可能性もありそうだ」

(そんな風に感想を呟き、別の冒険者が掲示板から依頼を取っていく様子も眺め、改めて周囲を見渡して。
 冒険者ギルドの、騎士団とはまた違うその雰囲気をしみじみと実感する。縁遠いからこそ、興味が尽きない。)

ハンス > 初対面ではあるが話しやすい雰囲気につい舌は滑らかになり。
しかし手が伸びそうになれば一歩下がってその手から逃げようとする。
幻術で隠しているが頭に触れられるとミレー特有の耳があり、それを守る様にして。
それは別として依頼所を受ける訳でもなく眺めているだけでも面白いもの。
冒険者に無縁と言える依頼もいくつか混ざっている事に本当に何でも依頼を受けるという事が分かるはずで。

「偉そうな依頼人もいるけど大体は感謝してくれるかな。
それにきっちりこなしてれば指名も貰えるし稼ぐに困らなくなるね」

聞こえた呟きにそれがおいしいと、出来るだけ同じ依頼人を探すのが良いと受けるならのアドバイス。
そうして先ほど手にした依頼書を見れば何度か受けた事のある依頼人。
これは後で受けようとキープとして手にしたままにして。

サウロ > (伸ばしかけた手を見て身を引く様子には、何か触れられたくないことがあるのかと双眸を僅かに瞬かせた。
 幻術で隠している耳には流石に気付けていない。看破するほどの特殊な目を持っているわけでもないので、
 何か嫌な思い出があるのかもしれないと思い、手を引いて「すまない」と告げて。
 新人だからなのか、或いは彼だからか、なんでも依頼を受けてこなしている器用さは天賦のものかもしれないと感心して。)

「それは良いね。騎士も冒険者も商人も、信用が第一だ」

(信用が得られれば次へと繋がる。それはきっと冒険者にとっても大事なことなのだろうと頷いて。
 とは言え冒険者ではないサウロが依頼を請ける日はきっと来ないのだろうけれど。
 小さく笑っていれば、カウンターの方から二人の下へやってきたスタッフに声を掛けられた。)

「ああ、お待ちしてました。……それじゃあ、僕はこれで。君も引き続き、頑張って」

(依頼書を手に持ったままの様子から、この後依頼を受けに行くのだろう。
 彼に柔和に微笑んで手を振った後、仕事の表情へと切り替えてスタッフと共にカウンターへと向かい。
 その後は別の部屋に案内され、姿を消して──。)

ハンス > 身を引いた事に謝られれば大丈夫だと慌てて首を振り。
こんなことで謝る姿に、この人はこの国では珍しい良い人なのだろうと見て。

「信用がないと依頼も受けれないんだよね。
あんたみたいな信用できそうな騎士が増えてくれるといいんだけど」

その通りだと頷くが、信用できる騎士が少ないと口にし。
そうして話していれば受付がやってきて声をかけられると何事かと見るが。

「人待ちしてたんだ。そっか、ありがとうね」

頑張ってと言ってどこかに案内されていく姿を見送れば依頼書を手にカウンターに向かい。
そしてその依頼を受ければギルドを後にして。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からハンスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグァ・ジャミルさんが現れました。
グァ・ジャミル > 「さぁーって、飲むぞー」

(夜勤任務は今日はなし。明日は非番。となれば飲んで娼館に行く以外の選択肢はない。
 今は不可視にしている黒い尻尾もご機嫌に揺れて、夜の繁華街へと向かう足取りも軽い。
 今日はどこで飲もうか。酒場も賑わいを見せる時間帯だ、腹も減ってるから飯も美味い所が良い。
 王都に来てから一年も経ってないジャミルとしては、なじみの酒場と娼館以外には店を知らない。
 どうせならこの機に発掘するか。いやでも腹減ってるからどこでもいいからさっさと決めて入りたい気もする。)

「どうすっかねぇ。こんな時間じゃ冒険者以外の女はあんま出歩いてねえだろうし、ナンパして、ってのは難しいよなァ」

(どうせなら相棒を引っ張ってくりゃよかった。
 堅物生真面目な相棒ではあるけれど飯のことにはうるさいが詳しい。
 何か用事があるようだったから誘わなかったが、一人でっていうのもなあ。
 誰か知り合いでもいりゃ割り込んでやるのにと視線を巡らせつつ、適当な酒場を一件ずつ覗いて歩いていく。)
 

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテレサさんが現れました。
テレサ > 本来はもっと早く終わるはずだった仕事が長引き遅くなり。
避けたかった酒場の賑わう時間帯になってしまった事に小さく息を吐く。
出来るだけ酔っ払いの少なく料理の美味しい店が良いのだが、そういう店程混雑をする。
なのでよく行く酒場を覗けば混雑しているのを見て溜息を吐き。

「この時間だと何処も混んでそう。ついてない……」

ただでさえ女一人では目を付けられるが酒場が混雑すればそんな相手は増える。
それを避けたいと酒場を覗いて歩くのだが、そちらに集中して周りに対する確認が疎かに。
その結果、同じように酒場を覗いていた青年とぶつかりそうになり。

「ごめんなさい、大丈夫?」

慌てて足を止めてぶつかっていないのだが驚かせたと思い。
小さな声で謝罪を口にして青年の様子をうかがう。

グァ・ジャミル > 「おっと」

(戦う者のカンのような反射か、あるいは自身のパーソナルスペースに入る者に敏感なだけか。
 ぶつかりそうな気配を咄嗟に感じれば振り向いて軽く後ろへ身を引く。
 同時に自身と同じくよそ見をしながらだったのか、ぶつかりそうになりつつも咄嗟に足を止めた人物と自然と視線が合う。
 小さな背。ジャミルも男としては平均値くらいだが、そのジャミルでさえも彼女の頭頂部が見える。
 街燈の色を淡く反射する銀の長い髪、花のヴァイオレットにもウィスタリアにも似た色合いの瞳。
 その造形は整っていて、華憐と称するにふさわしい、年端もいかない少女だ。
 美しいロングドレスを着ているが、その性能が戦闘に向いていることから、ただの少女ではないようだ。
 膂力も魔力も十分、人並みの少女を凌駕している。恐らくは十中八九、戦う側の者。
 こんなところに一人でいることから冒険者か何かかと。ぶつからないように脚を止めた体幹の良さも、それを後押しする。
 ──ジャミルの特殊な金の目が、彼女の頭から足先まで軽く見下ろして、そう判断した。)

「大丈夫大丈夫、俺としてはぶつかってから君とは運命の出会いだから今から一緒に美味い飯と酒でもどう?って誘いたかったけど!」

(観察していたのはほんの数秒、そこから彼女の目を見てからりと快活に笑い、ひらひらと手を振る。
 軽く茶化すように言いながらも片手を腰に当てながら覗いていた酒場を見て肩を竦ませた。)

「とは言えどこもかしこも混みあってんだよなァ。お嬢さんも飯食うトコ探してるんだろ?
 今の時間じゃ、何処入ってもアンタみたいな別嬪さんは酔っ払いどもの餌食になっちまうぜ?」

(この店も辞めといたほうがいい、と手を振る。
 よくしゃべるこの口は止まらず、同じように店を探していたことが伝わるだろうか。)

テレサ > ぶつかりはしなかったが青年もこちらに気が付いていたのか後ろに動いたことでぶつからず。
その身のこなしは軽やかに感じ、謝罪の後にどういう人かと確認しようと視線を上げれば視線が合う。
そしてあった視線を動かしてみれば自分よりも背の高い姿は自然と見上げるようになる。
服装は街中でよく見るような姿ではあるが体つきは鍛えられているように感じ。
もし自分が止まれない状態でも避けられるだけの動きはできると見て。

「そう、よかった。
……そういうナンパは古典的で嫌われると思うよ」

警戒に笑い運命の出会いという青年に少しだけ呆れたように視線を向け。
茶化すような言葉、視線が酒場に向けば自然とそれを追いかけて。

「本当なら混む前に来たかったの。
でも混んでるから店が見つかってない感じ。
そう……それが嫌だから困ってる、貴方も店を探してる?」

青年の言葉に、まさにそれが嫌で店を探していたと肩を少し落とし。
手を振っての仕草に、この店は止めると小さく首を振り。
その言葉に同じように探していたのかと察すれば、いい店を知ってるのかと問うように見つめて。

グァ・ジャミル > 「ははっ、手厳しいねェ、けど俺もこのナンパで成功した試しねーや!」

(古典的なものに浪漫がある、なんて言い出すわけでもないが成功率に至っては御察し。
 彼女の言う通りだと笑う様子は無邪気で年齢も彼女と同年代くらいに感じられるかもしれない。
 混む前に訪れるつもりであったが事情があったのだろう、ジャミルでも想像がつくのだから、
 この少女も当然身を守る為に念入りに店を探していたようだ。
 店を探してるのかと問われれば、素直に首肯する。)

「俺も探してるけど、いい店知ってるかって言うとそもそも王都にあんま詳しくねェんだよな。
 馴染みの店で女も入れるってなったら……酒は量がねえけど飯が美味いトコで、鶏肉料理ばっかの飯屋とか、
 南側の国の料理でスパイスカレーってのが食える店とか、あと魔物料理専門店とか、帝国料理とか海鮮料理……」

(指折り数えながら仲間と言ったことのある店を羅列していく。
 酒より飯派の相棒のせいで、そういう店ばっか詳しくなる。
 が、荒くれのいる酒場に入るよりは、彼女にはちょうどいいのかもしれない。
 彼女の琴線に触れるものはあるだろうかと視線を向けて。)

テレサ > 「ぶつかってだと不審がられると思わない?」

古典的ゆえに狙ってると思われると口にし、かえって警戒しそうと。
成功した試しと無邪気に言う青年は見た目よりも若く感じてしまい。
ナンパ避けに店を探していての遭遇ではあるが、青年はしつこい性格でもないようで内心安心し。
同じように店を探していたと判れば頬を綻ばせ。

「最近来たばかり?私も似たようなものだけど。
お酒は強くないから飲まないから、そこは別にいい。
……その海鮮料理って、ここから近い?」

青年の上げた店を聞いていけば海鮮と聞いて反応を見せ。
元々お酒はほとんど飲まないのでなくても問題はなく。
その店はどこかと少しだけ食いつき気味に問い返して。

グァ・ジャミル > 「………………普通に歩いててぶつかるなんてスリか恐喝かナンパが殆どだわ」

(遠い目をしながらナンパの成功率が0に近しい理由を理解してしまった。
 ぶつかってから運命というナンパの手口は二度と使うまい、としおしおと項垂れる様子に、
 彼女には見えていないだろうが頭部の耳もぺたんと倒れている。
 しかしすぐにぱっと表情を変える様子は、何処までが本心かもわかりにくくしている。
 時に愛想よく、時におしゃべりに、時にオーバーリアクション。飄々とした様子だ。)

「んー、最近っちゃ最近なのかね。一年かそこらぐらい?
 俺は王都育ちじゃねえから広すぎて覚えんのも大変よ。
 お嬢さんもこういう夜は気を付けな、男だけじゃなく女相手でもな。
 ……お、海鮮に興味あり?
 繁華街にもあるけど行くならやっぱ港の方が新鮮だ。朝が特に良いけど今でも美味いもんは食え……」

(と、繁華街から少し外れて、背後に海を擁する王都の港の方を指さす。
 ダイラスやらバフートやら、セレネルの海を通じて船が出る場所だ。
 だがそこまで言ってから、あ、と言葉を詰まらせた。)

「食えるんだけど、今の時間は船乗りどもが晩酌してるかもしんねぇわ。
 そっちもそっちで危ねェかも。いやでも船乗りも朝早ェからもう解散してるか…?」

(情報が曖昧になるのはあまり行く機会がないからだ、勧めるには気が引けてしまう。)

テレサ > 「そういう事」

何を言いたいかを察したのか項垂れた様子の青年。
その姿を見れば悪い人ではないと思えてしまい。
落ち込んだかと思えば直ぐに表情を変える様子にはさっきまでのは演技なのか。
そう思うが真相は判らずで。

「私よりは長いよ。
ここ広いから本当に覚えるのは大変なのは同意するわ。
それは両親に重々言われてるから心配しないで。
山育ちなの、だから海鮮って滅多に食べれなかったから」

この辺りしか店を知らないので王都の港の方面に店があると知れば興味を持ち。
そこに行けば海鮮料理が食べれると期待をするのだが、言葉を詰まらせた様子に何か問題かと見返し。

「……それは問題ね、船乗りはしつこいっていうから。
ねえ、一緒に食事をしてあげるから用心棒にならない?」

気が引けている青年を見ては行かない方がいいように思えてしまい。
しかし海鮮料理の誘惑、気が付けばそんな提案をしていて。

グァ・ジャミル > (実際ころころ表情が変わるので年齢より低くみられることはよくある。
 それが演技か本心かまではわかりづらいものの、基本的には明るい性格なので、
 話題もころころ変えながら、少女との会話を楽しんでいる様子は本心だ。)

「一日二日じゃ到底回り切れないからなァ、ここ。
 お、山育ち? 俺と一緒じゃん。俺も山生まれ山育ち。
 魚なんて川にいるヤマメとかニジマスとか鮎とかそんなんだもんなァ。
 俺も肉に飽きた時はよく近所の奴らと乱獲しにいったわ」

(山育ちなら食事事情も似通るだろうか、懐かしい思い出を語りつつ彼女の方を見て笑い。
 港の船乗り事情についても理解が早い様子にすまなさそうにしながらも、
 しかし諦めきれないのか投げかけられた提案を聞けば数度金の目を瞬かせて。
 すぐにニッ、と快活に笑えば胸を軽く叩いてみせて。)

「はは、アンタみたいに可愛いお嬢さんからのお誘いなら断るわけにはいかねェな!
 ……ハッ、これこそ逆ナンってやつじゃね?」

(( ゚д゚)ハッ!という何かに気付いたような顔をするも、すぐに冗談と笑って軽く向きを変えて、
 進路方向を揃えよう。向かう先は港だ。
 行こうぜ、と促し、おしゃべりな黒猫の投げる話題は尽きぬまま、二人で繁華街を後にしただろう──。)

テレサ > 「隅々まで知るならひと月はかかるかも。
貴方も?最初は大きい街で驚いたの、貴方もそうじゃなかった?
……山で食べれる魚は父が捕まえて料理をしてたから何か判らないの。
近所と……?元気ね」

同じ生まれという事に驚きはしたが、自分よりも活動的に過ごしていた様子に元気だと感心と驚きの混じった顔になり。
折角の海の幸を食べる機会を逃したくなく、出会ったばかりなのにそんなことを提案してしまい。
直ぐに失敗したかと思うが総会に笑う姿。

「迷惑なら断っていい、でもそうじゃないならお願い。
ただのお願いだから」

逆ナンっと言われると違うと言い切り。
青年に合わせるように進路を変えて案内を頼むように見上げ。
促されると頷き、少年の尽きない話題に相槌を打って話し、繁華街を後にして。