2023/06/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロスさんが現れました。
■ロス > 平民地区の大通りの一角。
店舗と店舗の間にある路地付近に敷物を引いての商売。
普段は仕入れた商品は付き合いのある店に下ろすのだが、こうして時折に余剰品を置いて商いを行う事もある。
「よかったら見ていってください、変わったものもありますよ」
そう言っては通行人に声を掛けては袖にさらり足を止めたりと反応は様々。
ただ扱う商品の値が高いものが多いので買う事のない冷やかしが多く、時折に冒険者と思われる人がかっていく程度であり。
普段ならば店に下ろすような商品が多いので売れ行きは予想通りに良くないのだが気にした様子もなく。
「こうやって売るなら安い回復薬の方がよさそうですね」
売れ行きを思い返してはそんなことを口にし、もう少し売れればいいと通行人に声を掛けていって。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイトさんが現れました。
■ルイト > 「………はいはい。買ってやるから表に出ろ酔っぱらいが」
買うとはつまり、売られた喧嘩のこと。
平民地区によくある、少しばかり古びた酒場。出入口から威勢よく、しかし千鳥足で出てくる酔客の後から、
溜息交じりで外に出てくる酒場の即席用心棒。
鍛えられた体躯と、それに比べて中性的で綺麗めの顔立ちは、どこかアンバランスさを保っていた。
酔客がわけのわからぬことを叫びながら拳を握り、殴りかかってくる。
その姿を冷めた眼差しで眺めながら、すっ、と音もなく横に動く。
慣れた様子で軽く足を引っ掛け、もんどりうって地面に倒れこむ客。
それを見届けてからルイトは、酒場を出てきた時から片手に持っていた水入りのグラスをさっと振る。
ピシャッ、と冷水が頭にかかり、酔客は蛙の潰れたような悲鳴を上げた。
「少しは頭冷やしな。それまでこの店は出禁だとよ」
店主からの言伝を告げ、くるりと踵を返し酒場の中へと戻っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > ぶらぶらと、夜の街を歩く中。客でも取るか歌でも歌うか…それとも少し呑んで遊ぶか…そんな事を考えながら歩く視界に、地面に倒れ込んだずぶ濡れの酔客を見つけて近寄ってみれば…酒場が一つ。
さて、はしゃぎすぎて店員にでも追い出されたのだろうか、なぞと考えながらも、まだ何をするか決めていないにしろ、酒場は都合が良い。
遊ぶにしろ、働くにしろ…人が集まらねばどうにもならない職種だ。
「…どうもー、邪魔するぜーっと……空いてる席は…。」
良く響くテノールで店内に呼び掛けながら入るのは、はしばみ色の目や髪より、片方しかない腕が目立つコート姿の男。空いた席を探してゆるりと少し眠たげに見えるはしばみ色の瞳を巡らせた。
■ルイト > 『いらっしゃい』と強面ながら物腰柔らかな中年の店主が迎えてくれる酒場。
当の用心棒を務める少年はカウンターの端に座り、ちら、と出入口の方を一瞥する。
新たな客の風貌を確かめているのもあるが、先程の酔客が懲りずにやってきていないか見定める意味もあり。
敢えて見えるようにしているのか、長めの木刀は腰にぶら下げている。
「さて……」
いきなり暴れ出すとか、酒に酔って調子に乗るタイプではなさそうだ。
一瞬、隻腕という事実に意識が向いたものの。
よくいる客の一人だと思い、そのまま視線はぐるりと店内を見渡す風。
店内は広々としているものの、数人テーブルで酒を飲みかわす男性客がいる程度。
先程のような、暴れる酔客はむしろこの店では珍しい部類のようだ。
どちらかといえば空きは目立つ。今のところは。
■ヴェルソート > ちらりと見回せば空席は問題ない様子。適当にグループで飲み交わしてにぎやかにしている人からは少し距離を取るように席を選べば、自然と周囲を見渡せるように位置取りしている少年に近い席に腰かけることになる。
同じように視線を巡らせていた彼に気付くが、己とは目的が違うらしいその仕草、見せるように武器らしき木刀をぶらさげているのを見ると、用心棒だろうか。
「お隣失礼、っと…親父さん、蜂蜜酒おくれ。」
一応、席が近い少年に断りを一つ入れてから、注文を店主に投げて。
しかし…木刀か…鞘に入った剣やダガーなどをチラつかせるのは良く見るが、木刀というのはなかなか珍しいので、つい…マジマジとみてしまい。
そしてすぐにやってきた蜂蜜酒をグイ…とまずは一杯、呷るように飲み干した。
■ルイト > 新たな客は、テーブルではなくカウンターを選んだようだ。
まぁ一人客ならば珍しくもない。店主に声をかけやすいのもあって、自身も好んで利用するスペースでもある。
蜂蜜酒を注文する姿を傍目に、頬杖をついて干し肉をぼんやりと齧っていた。
すると、何やら視線を感じる。
再度一瞥すると、腰の木刀をマジマジと見つめる様子。
木刀が物珍しいのはわからなくもないが…と。彼の方へ少し体の向きを変える。
「随分ジロジロ見てくるなァ。もしかして触ってみたかったりする?」
触らせねぇけど、とすぐに打ち消して、少年は少し笑った。
■ヴェルソート > 好奇心に駆られて眺めていた男の視線が、一瞥する少年の視線とバチリと合って、つい視線が揺れてしまった、少し気恥ずかしくなり、ポリポリと隻腕が頬を掻く。
向こうから声がかかってくると余計に子供じみた動作をしてしまったことに頬を朱に染めながら。
「いやぁ、ははは…木剣ならともかく、木刀なんてこっちじゃめったに見ないからねぃ、ついつい……お、って少し期待したじゃねぇかよ意地悪さんめ。」
少年より背が低いが、柔らかそうな体躯の中年は頬を掻いた手で店主にお代わりを求めてから、少年に向き直るように体を向け直し、ひっかけるように言葉を翻す彼にケラケラ笑いながら軽口を返した。彼の木刀に対抗するわけではないが、男の腰にも、光の反射で虹色に艶めいて見える二の腕程の長さの指揮棒(タクト)が揺れていた。
「見たところ用心棒ってとこかい?ってことは…表で濡れ鼠で転がってたのはお前さんの仕業か。」
思い出したように紡ぎ出した言葉。艶のある、甘い低音が楽し気に揺れて…いやはや大したもんだ、なぞとクスクス笑う。
■ルイト > 特別、子供じみた動作等とは思ってもいなかったが。
気恥ずかしそうな仕草をする様子を見ていると、まぁ人によっては不躾と咎められることではあったか…と首を傾ぐ。
「王都には色々な種族がいるけどな。まぁ、武器についちゃ木刀みたいなのはこっちでは売ってねぇか」
言葉を返しながら、視線はその腰に揺れる指揮棒へ。
光の加減で虹色に輝く様もまた珍しく、ふぅん、と小さく鼻を鳴らした。
「そんなところ。……あぁ、あの酔っぱらいか。店の中で暴れやがったから、叩き出してやっただけの話だ」
当たり前だよな、と店主に目配せして笑う。
次いで、どうやら腕前を褒められたようならば瞬く。
「別に、あんなんちょっと喧嘩慣れしてりゃ余裕だろ。足元も覚束ねぇってんで。よく喧嘩売れたもんだ」
■ヴェルソート > 不躾に初対面の持ち物をしげしげ眺めるなど、流石にはしたなかったと勝手に気恥ずかしくなっているだけではあるが、首を傾げられるとつい、と視線が横に逸れて。
「種族ってよりは、国の問題じゃねぇか?カタナ、なんてそれこそ東の国の奴だし。…あぁ、これは単なる指揮棒だけどな。」
だからこそ、それを木で模した木刀は自然と珍しい、こちらではあったとしても木剣がほとんどなわけだから。
そして指揮棒に向かった視線に気付けば軽く振れて言葉を付け足す。一応魔法の品ではあるけどな、と。
「あー…暴れちゃったかぁ…そりゃしかたねぇな。まぁ足元とかは、酔っ払いはね、その辺の判断できねぇからなぁ。」
べろべろに寄ってる奴が酔ってねぇ!って主張するのと一緒だよ一緒、とケラケラ笑い…喧嘩を売った酔客に呆れている少年に擁護ではないが一言添えて。
会話している内に目に入るしっかりと鍛えられた体躯に…じく、と下腹部が疼くのを感じた男は、慌ててお代わりがやってきた蜂蜜酒をクイ、と口に含んでそっちに少し意識を逃がす。
■ルイト > 「まぁ、俺も山脈の方の出だからな。種族というよりは国か」
刀自体、この王都で然程見かけないとは思う。
勿論、あるところにはあるのだろうが──その辺はやはりお国柄か。
そして腰に下げたそれが正しく指揮棒だと知れば、ふぅん、と口元綻ばせて。
「武器じゃないにしても、そっちだって珍しいものぶら下げてんじゃん。音楽でもやってんの?」
魔法の品。とはいえ、それを使う機会があるとすればステージのような場所しか想像できず、
頬杖をつきながらゆるく問いかける。
「まぁ。一応用心棒として雇われてっから、節度を守って飲んでくれりゃ文句はないんだけどよ」
一つ溜息。店主に手を上げ、水ちょうだい、と声を投げる。
■ヴェルソート > 「なんか、城の有名な将軍さん?が持ってるって話は聞いたことあるな。」
誰かまではあんまり覚えないけど、国軍の誰か有名どころの武器に刀があるとか、なんとか…それ以上にバーサーカーちっくな話題に事欠かない御仁ではあるが。
指揮棒だと伝えれば口元を綻ばせる彼に緩く問いかけられると、今度はこちらがニヤリと笑って。
「おう、売ってるぜぇ?歌と花を少々な。……良かったら買うかい?」
そういって、男娼兼歌唄いは愉しげににんまり笑みを浮かべるも…くい、と飲んだ蜂蜜酒を見かねられたらしい、水を頼まれるとグラスから唇を離し。
「っはは、飲みやすいからついなぁ…普段は酒で喉が焼けちゃいけねぇからあんま飲まねぇんだけどぉ…。」
そう告げる言葉尻が、柔らかみを増す程度には、酒精が回ってきているようだ、頬も恥ずかしがっていなくても、ほんのり赤い。
そしてとろりと…湿度を増した声音に自然とにじみ出るのは…歌を磨いた声に宿る、酔いで制御から漏れた魅了の魔力。
■ルイト > 「ふーん。まぁ、俺は城に立ち入ることもあまり無いからなァ」
目にするとすれば、その将軍さんが王都内を練り歩く時くらいか。
というより、そもそも刀にあまり興味がある風ではない。使いやすいから使っているだけ、という雰囲気滲む。
さておき、売っているものを聞かされれば"花"の意味を敏感に察する。
この界隈で普段仕事しているだけに、そういった理解は深い。
「歌を売りたいならそこの店主に言ってくれ。花は……いつもなら兎も角、今は仕事中だからな」
遠慮しとく、と笑って片手を揺らす。店主が持ってきた水入りグラスを、相手の傍に置いて。
「あまり飲みすぎんなよ。我を失くして俺につまみ出されたくないだろ」
等と冗談めかしていると、その声に滲み出てくる魔力に一瞬くらりと意識が揺れる。
が──ガシャン!と後方で響く、グラスの割れる音にパッと意識は其方へ吸い寄せられて。
……どうやら、常連の一人が酔っ払ってグラスを落っことしたようだ。
「人騒がせだな」とひとりごち、溜息をつく。
■ヴェルソート > 「まぁ、俺もあんまりねぇけど、あぁいうとこに呼ばれるのは大抵楽団だし。」
どちらかというと、戦場鼓舞とかそのあたりで呼ばれることは、ままある。これでも指折りの歌唄いである、という自負は少しはあるのだが。
「ははっ、ざぁんねん……っと。」
花の意味をきちんと理解したらしい彼に淫蕩な微笑みを覗かせるも、すげなく断られれば残念そうに笑みを引っ込めてため息を吐き、手を振った彼の意識が揺れかけた時、ガシャン!と割れるグラスの音にハッとしたのは男も同じ。
少年が頼んでくれた水をグイッと飲み干し、喉を整え、魔力を抑える。
「っはぁ…おやじさーん、水もいっぱいちょーだい、あと食べるもん。」
サンドイッチとかでいいやー、と地味に面倒な注文投げつつ、酔い覚ましの水を追加で注文しよう、体の火照りが、無視できなくなってきたのか、僅かに息を乱して。
■ルイト > 「王族な方々の耳を癒しに楽団が呼ばれるわけか」
ただでさえ普段から近寄りがたいというのに、今は王城周りがきな臭い。
時に富裕地区の酒場へ用心棒で呼ばれることもあるが、貴族が顔を突き合わせて深刻な顔で話している様を何度も目にしてきた。
振れなければ巻き込まれることもなし。そう決意しているせいか、その話も程々に。
「……ずいぶん酔ってんな。大丈夫?」
ここの店の蜂蜜酒はそこまで強いものだったか。
飲まないからわからないが、ちら、と店主の方を一瞥する。
先程床に落として割れたグラスをささっと片付け、投げられた注文に応えて厨房へ消えていく背を見送る。
──確か、自分と同い年くらいの料理を作る男がいた筈だ。
注文を投げて店主も程なく戻ってくるだろう。
■ヴェルソート > 「そうそ、俺もたまーに、混ざったりしてるぜぇ?」
俺の歌で気分がアガった紳士淑女がうっふんあっはんだなぁ…とケラケラ笑いながら口が軽くなっている。クスクスと愉しげに赤らんだ顔で笑みを零し。
まぁ、話を切り上げたなら、それ以上突っ込んで話すだけの気もない、単なる世間話なわけだけども。
「んー?だいじょーぶ、ちょっと…たまに酒飲むと、体が火照ってなぁ、まぁ迷惑かける前に、店変えねぇと、だけど。」
酒を普段から嗜む程度にしか飲まないのもあるが、ほいほいと体が火照る原因の呪いの事を簡単に話すわけにもいくまい。
近寄ればふわりと甘く誘うような匂いがしてくれば、とりあえず追加でやってきた水をまたぐっと飲んで火照りをごまかし、とりあえずサンドイッチだけ食べてから、店を出るつもりらしい。
大丈夫とは口にするが、体勢はくてりとカウンターにもたれかかるような。
■ルイト > 「あれ、そうなのか。そういう…お堅い場所は縁がないかと思ってた」
まぁ、今や王都のみならず王城内もすっかり爛れていると聞く。
なら珍しくもないのかな…と。口軽くケラケラ笑っている姿を見ながら思うこと。
「酒弱いとかじゃねぇよな? ここで寝られると……俺よか店主が困るな」
な、と視線を向ける。強面なのに心は割と繊細な店主は、何も言わないが困り眉を作っていた。
一応、酔っ払って前後不覚になった客を寝かせるスペースが上にあるといえばあるのだが。
「まァ……無理すんなよ。もうすぐサンドイッチ出来上がるみたいだし」
■ヴェルソート > 「んー、まぁ場合によりけりよ。楽団雇いたいけど金がない貴族が見栄張りたい時とか、俺呼ばれるもの。」
これでも、俺が居れば一人楽団できるんだぜ?なんてへらりと笑って、まあどうやればできるのかは、いざやるときになるまでの秘密であるが。
「んん、普通だとは自分では思ってるけど……普段あんまのまねぇから。大丈夫、眠くは無ぇよ、暑いだけぇ…そぉ、熱いだけ。」
困り眉を作る店主に、ひらひらと手を振って一応大丈夫だとアピールはする。
奴隷にされた時に刻まれた呪いでジクジクと疼く下腹部と熱に、はふ…と熱と、甘い匂いの籠もった吐息が幾度も漏れる。
サンドイッチが出来上がる、と聞くと…お腹がクゥ、となったのは少し恥ずかしかったが…逆に気が紛れてよかったかもしれない。
■ルイト > 「お値打ち価格ってことか」
冗談めかす。歌声を聴いていないから何とも言えないが、金がない貴族といってもそれなりに支払っているのだろうと勝手に推測した。
一人楽団…という言葉には不思議そうに首を傾いでいたけれど。
「そう? ……っと。お待ちどう、お客さん。サンドイッチだと」
厨房からひょっこりと青年が顔を出した。出来上がったらしい。
店主が再び厨房に消え、出てくる。その手には平べったい皿。その上に乗っかった、綺麗に整った三角形。
それを受け取り、彼の傍らにそっと置く少年。
■ヴェルソート > 「まぁ、楽団雇うよりはなーぁ?」
俺だって結構高いんだぞー、別におひねりでいいけどー、と気だるさの抜けない声には、再び制御を外れた魅了のテノールがしっとりと響きだす。
「そーよ、そう…体がぁ、熱いだけ……ん、さんきゅ。」
くってりと突っ伏した柔い体躯からは甘い匂いが滲み、声に甘やかな響きが混じるそれ、滲む魔力は抑える努力を酔いが上回ったせいか…しかし、もぐ、と綺麗な三角形を隻腕がつまみ、口に放り込めば…柔らかなテノールはもぐもぐと咀嚼音に打ち消されるだろう。
ただ、傍らに寄った少年には、誘うような…いや、雄を誘っていると確信できるような、甘い匂いが鼻孔を掠めるか。
「……お前さんも、1個いる?」
そして縦と横、二きれ置かれたサンドイッチを片方咥えれば、残りの一切れが入った皿を、そっと彼に差し向けて。