2023/06/16 のログ
レムニン > ふにふにとした感触。
ん、と幼く薄い唇を撫でられる。少し心地よさそうに。
ちゅ、と淡く吸い付き返す。そんなじゃれるような仕草でも精気は少し奪われる。
とはいえ、些細な量にすぎない。
こうして指から奪える量はたかがしれている。

相手の自由意志を一気に奪うようなことはしないし、無理がある。
ただ、別にいいんじゃないか、こうしたほうがいいんじゃないか、
そんなふうに、意識をほころばせ、少しずつ許容できる領域を広げていく。
それがこの魔法使いの捕食のスタイルだった。

「きみもお食べ」

フォークで皿の上のソーセージやポテトを突き刺して、相手の口元へと運び、食べさせる。
優しく、慎重な手付き。餌を与えるような。

「これ以上は、ひと目の付かないところで食べさせてもらおうかな」

──いい場所があったら案内してくれない? と。

ユーゴ > 指の腹に触れる柔い感触が心地良い。
唇の形を確かめるように、すり、と撫でた後は、その薄く柔い弾力を確かめるよう、軽く圧し触れる。
再び軽く吸い付かれるても、今のこの身には心地良さばかり運んでくるのだろう。
意識の――心の奥底に残る、拭いきれぬ違和感だって、徐々に削られつつある。

「――ありがとう。」

僅かに開かれた眼が瞬いて、刹那の内に嬉そうに綻んだ。
相手の唇から手を離す事に名残惜しさを覚えつつも、
食事を運ばれる事へは忌避感も拒絶感も抱かず――それこそ、雛鳥が親鳥から餌を貰うように、
開いた口へと招き入れ、機嫌良さげに咀嚼をするのだろう。

「……うん? ――――……うん、そうか。そう、だよね……?」

鼓膜を揺らす言葉には、不思議そうな表情になる。
けれど、食事をするのに何故、なんて言葉は瞬く間に消えてしまった。

――何故も何も、目の前の少年に、食事をさせるのに必要なのだから。

浮かんだ疑問は早々に、己の知る幾つかの店を思い出すのに打ち消される。
暫しの沈黙を挟み、

「確か――……一つ向こうの通りに、食堂が併設された宿屋があった、……はず。」

そこはどうだろう、とは言外の問い掛けだ。

レムニン > 「ああ。そうだよ」

唇に触れてくる手を取り、甲を擦る。
侵食が進んだ今、それだけでも、幸福感が湧き上がってくるだろう。
それはご褒美であり、行動を誘導する餌だ。

相手の提案に、そうしよう、と頷き。
皿の上をすっかり空にしたら、会計を済ませ、
恋人のように腕を絡めて、店を後にする。
そして向かうのは、提案された宿だ。

「名前を教えて」

手続きを済ませ入った部屋のベッドの上、二人腰掛ける。

「脱いでくれるかい?」

耳元でささやく声は淡々としたもの。
そうであることが当然であるように。

ユーゴ > 相手に触れられるだけで沸き起こる仄かな喜悦。
そうなってしまえば、最早、違和感などあって無いような物なのだろう。
食事の所為だけでなく、内側から満たされたよな心地を覚えながら、
店を後にすれば、先程提案した宿へと辿り着く。

手続きを済ませた後は、促される儘部屋へと入り、得物をサイドテーブルへと立てかける。
ベッドの上へと腰を降ろせば、二人分の荷重にベッドの軋む音が室内に響いた。

「名前、は――……そう、……ユベール、だよ。」

名前を問う声に、根柢の抗いか、逡巡の間が数拍。
然し、結局口にしたのは冒険者として普段名乗っている名ではなく、己本来の名前だった。
相手の声音に変化の色が無くとも、浮かべる穏やかな笑みは変わらぬ儘だ。
食事なのだから、当然――そんな風に、囁きに応じてマントを留める紐を解けば、
その儘ベッドの上へと落とし、続いてシャツのボタンも外していく。

「ね、君の名前も教えて?」

レムニン > 「いい子だね。
 ユベール。ユベール。ユベール」

音の響きを楽しむように、舌の上で名前を転がす。
傍で、相手が服を緩めていくのを眺める。
手伝ったりはしないし、自分も脱いだりはしない。
三角帽子と靴だけ脱いで、白いタイツに包まれた足を気ままに伸ばす。

「僕はレムニン。呼んでごらん」

あっさりと自分の名前を口にする。
表情は変わらないが、どこかいたわるような声色。
青年の長い髪の先をつまみあげて、くるくると巻いて弄ぶ。

ユーゴ > 相手の年齢への認識は、相変わらずその見目に引っ張られているものだから、
褒める声には困ったような笑み顔になってしまった。
それでも、何処か嬉し気な色を滲ませているのは、傍から見ても明らかだろう。
幾度も紡がれる名前に擽ったさを覚えながら、寛げきったシャツもマントの上へと落とした。
露になる上肢は、人間の血が混じっているとは言え、種族柄か焼けぬ淡色。
治癒魔法のお陰で目立つ傷も残らぬ、薄く筋肉の乗った撓やかな体躯だ。

「れむにん?」

相手の名前が聞こえれば、確かめるような、少しばかり拙い音で繰り返す。
合ってる? だなんて聞くかのように。
それから、ブーツも脱いで片脚を折り曲げ相手の方へと体の正面を向け直し、
改めて浮かべる表情は、穏やかながらも真面目そうな物。

「レムニン。 答え辛かったら、答えなくても良いんだが――……。
……君、吸血鬼……とかだったり、する……?」

レムニン > 「レムニン」

自分でももう一度繰り返して、合っていることを伝える。

「吸血鬼。そんなに卑しい生き物に見えるか、僕が?
 まあ、そう思いたければ思えばいい。
 君にとってはそう変わりのないものかもしれない」

身体を傾けて添わせる。身体の重みで、レースがたわむ音がする。顔を近づける。
丸いなめらかな指が、調度品を愛でるように、相手の胸をさする。
吐息が肌をくすぐる。顎の下を撫でる。
あちこちさまよう指が、やがて脇腹をつつく。
催促している。下も脱いで晒せと。

ユーゴ > 見えないから聞いているのだ、なんて言うのは野暮な台詞だろうか。
否定とも肯定ともつかぬ答えを重ねられ、穏やかに笑む面の上、困ったように眉根を寄せた。

「変わらないって――――……、」

寄せられる体に、染み付いた反射で身体が後方へと逸れるも、
すぐに枕とヘッドボードに遮られてしまう。
軽い衝撃を背中に受けたと思った矢先、膚の上を伝う子供特有のまろい指先。
ぴく、と身体が小さく震えたのも、触れるその指先から伝わるだろうか。
相手の指腹が、吐息が、肌を撫で滑る度に、擽ったさと、それとは異なる感覚が仄かに走り、

「――――……、」

息を呑む。
脇腹をつつかれ、その意図する所を読み取れば、困り顔が深まって、
青銀の合間から飛び出る耳の先が、じわ、と朱に染まる。
食事だと、食事に必要なのだと、そう思って――思わされていても、
他人に下肢を晒す恥ずかしさが失せきる訳ではない。
然し、相手に食事をさせねば、と思う意識の強さにも抗えずにいる。
やがて、スラックスに手が伸びた。
鈍い動きで前を寛げ、腰を浮かせて下着ごと脱ぎ去り、
思わず零れた詰めた吐息と一緒に顔を相手から背け。

レムニン > 「そんなに僕のことが気になるのか?
 ただの食べ物のくせに」

背けられる顔に回り込むように、瞳を覗き込む。
衣服からはみ出る白いタイツに包まれた温かい脚が、相手の脚に絡みつく。
若草色の髪の毛が、間近で揺れる。
ふわりと、乳香のようなにおい。

「そんなふうにしていたら、満足に役目を果たせないだろう。
 ほら。自分で。気持ちよくなって、大きくなるんだ。
 僕によく見えるように。ほら。早く」

たしなめるような声色。赤く染まった耳の先をちゅ、と唇で挟んで、舌先でつつく。湿った吐息。
水平になった手のひらが、犬を愛でるように、腹や胸を淡くくすぐる。
あちこち触れて、肝心な場所には触れようとしない。

「それとも、僕に手を煩わせるつもりか、ユベール?
 そうしてほしいのだと、素直にそう言うのなら、考えてあげなくもないけれど」

全部やらせる必要などはない。
これは、単にレムニンの趣味だ。

ユーゴ > ただの食べ物、等と言われても、それに反論する気は起きなかった。
相手の言う通り、これは食事でしかないし、今の己は彼の糧なのだから――――そのはず、だ。
触れる布越しの体温は、すぐに馴染んでどちらの温度ともつかなくなって、また思考が霧散する。

触覚に、視覚に、嗅覚に、聴覚に。
五感のほとんどを満たす相手の存在感に、じりじりと灼けつくよな、
焦燥感にも似た感覚を抱いてしまえば、窘める声にも追い立てられるような心地しか覚えられないのだろう。

「っ、ごめ、 ん……ッ、」

過敏な耳を食まれ、言葉も身体も震え跳ねてしまった。
促されている内容は、普段の己であれば断るだけに留まらず、
呆れと説教を重ねるような事に違いない。
然し、今の己には、羞恥心が煽られようともせねばならぬ事、だと思ってしまっている。

詰めた息が、一度上擦った音で吐き出されてしまえば、
掠めるように触れてくる掌にすら擦れた吐息が零れ落ち、焦れったさまで覚える始末だ。
次いだ言葉に、耳同様、目元にまで朱色を昇らせながら、ゆる、と頭を左右に振り。

「――――ッ、……自分で、する、から……。」

途切れがちに告げれば、相手から顔を、自身を隠すように立てた両膝の合間へと手を伸ばす。
未だ兆す様子のない、芯を持たぬ柔い感触が指先に触れた。
幾度か滑らせては緩い動きで擦り始め。

レムニン > 「うん、偉い。偉いよ、ユベール。
 きみぐらい素直な子ばかりだと、僕も楽を出来ていい」

従順に、自涜を始める相手の頭に手を伸ばし、鷹揚な仕草で撫でる。
幼い自分相手に羞恥を感じながら言いなりにさせられて、どんな思いなのか、想像するだけでレムニンは楽しい。
身体を傍で沿わせて見守っていたが、やがて身体をずらして、
脚の間、それのすぐ前に、顔を寄せる。翠の瞳がきらきらと輝く。
すんすん、と淫靡な香りを確かめようとするように鼻を鳴らした。

「嬉しいよな。ユベール。
 僕のために、働けて」

ついでのように、温度のない声で、新しい価値観を相手の思考に差し込みながら。
小さな口を開いて、はあ、と吐息をそこに浴びせる。
ここに出せ、と言わんばかりに。

ユーゴ > 喜ばしい事ではない。のに、しなくてはならない。
そんな相反する状況に、複雑な思いを抱かない訳がない。
然し、頭を撫でられ、羞恥に混ざって仄かに喜色が滲んでしまう。
――褒められた内容はさておくにしても、だ。

緩々と滑り始めた掌と、次第、芯を持ち始めた自身の先端から滲み始める透明な雫。
零れ落ちる体液を纏った手指の動きが、徐々にと滑らかになっていき――
それが、身体をずらした相手の目の前で、となれば、流石に動きが鈍った。

「ぇ、あ――……?
 う、ん? んっ、うれし、ぃ、よ、…ん、ン…ッ」

あまり見ないでくれる? と、口にしかけて開いた唇が、中途半端にはくつく。
羞恥やら快楽やら、そんな思考と感覚の隙間に放たれた言葉は、容易に染み付いてしまうのだろう。
窘めようとしたのも忘れ、何処か浮つく声音が同意を示しては、
立てた脚の向こう、開かれた相手の唇と、覗く、肉色をした幼い口の中――吐息がかかる。

瞬間、ぞくぞくとしたものが背筋を駆け昇る。
零れそうになる熱を持った吐息を押し殺すよう、緩く握った空き手の甲を口許に宛がった。
儘、屹立した竿を擦り上げる手の動きを速める合間も、目を逸らせないでいる。
やがて、張り詰め、限界を迎えた熱塊。
開けられたその唇へと先端を添えれば、然程待たず、白濁とした体液が吐き出された。

「―――――ッ、」

レムニン > 【持ち越し両者退室】
ご案内:「王都マグメール 平民地区の酒場」からレムニンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の酒場」からユーゴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグァ・ジャミルさんが現れました。
グァ・ジャミル > (非番の日は大抵、ナンパをする。
 可愛い子を引っかけりゃお茶するだけで楽しいし、そのままそう言う雰囲気に持ってけりゃ、
 一晩気持ちよく楽しく過ごせると言うもので。
 グァ・ジャミルと言う青年は、黒髪を揺らしながら、臀部から生える尻尾を機嫌よく揺らす。
 勿論その尻尾も、頭部から生える猫型の耳も、常人には見えないものだが。
 少なくとも、ジャミルの不可視魔法を看破しようとしなければ、何処にでもいるような普通の青年だ。
 まともなミレー族なら我が身の安全の為に、そうするのは当然だと学んだのだ。)

「さぁ~て、可愛い子と酒がのめりゃ御の字、ヤれりゃ最高」

(金のツリ目が獲物を探すように忙しなくも静かに動きつつ、平民地区の大通りを歩いていく。
 今日は煩い生真面目な相棒もいないことだし、隊長殿から叱責されることもなかった。
 なので気分は最高にいい。見つからなければ馴染みの娼館に行くだけ。
 そんな調子で、頭の後ろで両手を組みながら口笛吹いている青年が見つけるのは果たして誰か。)

グァ・ジャミル > (いると言えばいるが、いないと言えばいない。
 日も暮れた大通りを一人で歩くような無防備な少女や女性というのはそう多くはないようだ。
 自衛がしっかりしてるようで何より、と自由騎士の身としては絶賛したいが、
 ジャミル個人としてはもうちょい無防備ならなー、と思わなくもない。
 とは言え、強引にグイグイと行くと頭に特大の拳骨が降ってくる。)

「仕方ねえや、飯でも食って娼館行くかぁ」

(ほぼ連日連夜、遠征やら鍛錬で潰れた日でもない限りは娼館通いをしている。
 性欲旺盛なのは隊の中でも自分と隊長ぐらいだろう。禁欲的な者が多いのだ。
 適当に立ち寄った酒場に入って、奥ばったカウンター席に座る。
 腹ごしらえの飯と酒、冷えエールと蒸かしたポテトにバターをたっぷり乗せたもの、
 パンとチーズ、ザワークラウトにブルストを数本、厚切りのハムも追加注文する。)