2023/04/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシアンさんが現れました。
■シアン >
冒険者ギルド。
依頼受注・請負のカウンター、併設されている酒場、
昼夜問わず冒険者に依頼人にと足繁く行き来するそこも深夜帯ともなれば人気は疎ら。
明日が出発日なのに飲んだくれて他人事だが心配になる男や、
明日は休みだからと深酒している他人事だが心配になる男や、
相手が見つからなかったか休業日なのかのんびりとしている娼婦に昼間には何がしかの用事で来れなかった依頼人など人気もないではないが……
「ふー……」
そんな一角の隅っこの席で、そんな情景にたまに視線を遣ってはのんびり杯を揺らしている男。
とある依頼のせいで昼夜逆転気味だが深夜にさしかかるとやる事もとんとなく、飲酒中。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ――夜が少しずつ更けようとしていく頃。平民地区の片隅に建つとある小さな教会では、ごーしごしごし、と信徒席の並ぶ聖堂にモップが行き来する音が響く。
「………わたしはティアフェル、何故かこんな時間に教会の床を磨いている――」
そして、端から端までモップ掛けをしながらシリアスな声でセルフナレーションをカマす変な女が一人。
ちなみに奉仕活動の類ではない。完全に罰掃除という奴。
表情も無駄にシリアスをキめており勝手に独自の世界観を構築していたのだが。
不意にその表情はしかつめらしく崩れ去り。
「っぁー! 腰いたぁ……一向に終わんないなぁ……一人じゃ広すぎるよ……」
ごっしごしごし、と腰を入れて床の汚れを落としながらボヤいた。
誰もいない、薄明かりのみが頼りな等間隔に長椅子の並ぶ聖堂の床をすべてピカピカに磨き上げるというのは一人きりではなかなかホネだ。
まだ半分も終わっていない。うえー、とうんざりした顔をしてモップの柄の先に顎を預けるようにしながら唸って。
「終わんの? これ」
途方に暮れ、聖堂の真ん中辺りで思わず真顔。
■ティアフェル > ごし…ごしごし…ごし
「ちょっと休憩しようかな……いや、んなことしてたらますます終わんないし……」
床を擦る音が徐々にトーンダウンしてくる。伴って声も。最初はなんとかなるなる、とお気楽に構えていたが、やってみると思ったより汚れが頑固で、自宅の掃除よりもずっと労力が要る。
「これがまさしくやってられないという奴か……結構やったと思ったらまだこんだけ……一人で掃除できる範囲じゃない」
終わらせた範囲は三分の一程度だろうか。愚痴も零れる。黙ってやっていたらどうかしそうだとぶつぶつぼやきがちに。
ごしごしとモップの往復する音も乱れがち。不安定な気分を表すかのようにリズムは外れ。
びっくりするほど終わりが見えない……。
顔に『めんどい ギブ』と表示し愚痴を零しながらまだ何とかがんばっていた。
「かみさまーたすけてー……せめてお茶ー……」
とうとう力なく神に救いを求め始め…というか喉の渇きから具体的に茶を要求し出した。完全に末期だ。
「冷えたジュースが理想だけど……最終水でも我慢するぅー……」
どの立場からの物云いなのか。とかく喉が渇いたことしか判明しない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクロスさんが現れました。
■クロス > (日が落ちていき、夜が近づいては町が漆黒色に染まる頃、街を歩く男がいた。
服装に長く伸びた後ろ髪が溶けるように黒く染まっているその巨体は広い歩幅で歩いていた。)
「ハァ…めんどくせぇな…。」
(煙草を吸いながら、唯一の明かりを口元で照らしながら聖堂に向かう男は独り言を呟く。
手元には丸めてある依頼書、その紙に書かれているのは「聖堂でのお掃除のお手伝い。」っと書かれていた。
いわゆる、ちょっとしたバイトだ)
「軽く晩酌するために稼がなきゃならねぇが、でかすぎると面倒だし…まぁ、この程度で済ませるか。」
(討伐や採取などの依頼はかなり時間がかかる分達成金もあるがその分時間がかかる。
ただ酒場で一夜過ごすだけならばこう言った簡単なもので済ませようと考えていたのだ。
そう思い、呟くながら歩けば目的地へ到着する。)
「…ちわぁ、依頼で来たクロスって者だ…。」
(ドアを開き、くぐるように中に入り声をかける。
誰か居るだろうと思い、一先ず名乗りを上げて入るのだ。
室内が明かりでともされているのであるならば、暗闇に染まっていた素顔が明らかになる。
鋭い目つきに高身長、犬のような耳と尻尾を生やしている大柄のミレーであった。)
■ティアフェル > 何でこんな時間に床なんか磨いてないといけないんだ。神の慈悲を感じられない瞬間を聖堂を磨くという敬虔じみた作業をしながら真顔で悩んでいたその時。
「………ん?」
不意に燭台の灯りに照らされた聖堂の扉を開ける音。響く声。
やたらに大柄な――犬耳尻尾をくっつけたシルエット。
くり、とモップ片手に振り返ったところ。目に入った犬の特徴に。
「―――!!」
犬恐怖症はびく!と反射的に肩を跳ねさせたが。
辛うじて声は上げずに、代わりに鋭く息を呑み。そして、揺らめくろうそくの炎に浮かび上がるそれは基本人で、犬の特色と云えば耳と尻尾程度で済んでいることを確認すると胸に手を当てて、ほおぉ~と息を吐き出し。
そして、こほん、と気を取り直すように咳ばらいをすると。
「こんばんは……、依頼って……もしかして、掃除?」
と一歩二歩。会話に問題ない程度まで近づいてモップを手に小首を傾げて、自然見上げるように首を上向かせて尋ね。
■クロス > 「…ん?」
(こちらを見てはびくっと肩を跳ねさせる少女を発見する。
自分の姿を見て驚く様子に遠い自分の知人か何かの依頼での同業者かと考えていた。
過去の依頼でまれに同行する冒険者も居るが、指で数えるほどなのに大抵の場合は名前も顔も覚えることはなかった。)
「あぁ…。…そうだな、ここの清掃依頼に参加した…ってところだ。」
(対面するように何歩か距離をとって近づく。
自分と比べて約50cmぐらい身長が離れており、首を曲げて少女の顔を伺うように目線を合わせる。
少し香る煙草の匂いを纏わせながら依頼書を再確認して返答する。)
「一応、ここのトップにはそういう風に連絡してもらっているはずだが…見たところ居なさそうだな。」
(初対面ではあるが、目の前の少女がこの聖堂を取り締まるお偉いさんには見えなかったためにそんなことを呟く。
しかし、本人が本当に取締役である場合、それでも罪悪感は浮かばないだろう。)
■ティアフェル > 犬=コワイ。犬=苦手。
それだけの図式で一瞬ビビるが。
別に耳や尻尾だけで恐怖に竦むということもない。そこまでじゃないけど、ちょっとビクつく。
万一その様相で吠え掛かられると泣きながら逃げるが。
そんなこともないので、取り敢えず初対面の人に失礼はならぬと気を取り直しては、概ね予想通りの彼の返答に瞬発的によっしゃあ!と低い位置でこぶしを握ったガッツポーズを決め。
「助かった! 今日はもう誰も来ないかと! 一人でひたすら呪詛を唱えながら床を磨き続ける妖怪と化すかと危惧していたところよ!」
仲間が増えた。作業効率は倍になるという事だ。何の根拠もないが、これだけ手足が長い人だと床を往復する速度も速いだろうから掃除も早く終わるのではないかと妙な期待感を抱き。
「先に清掃依頼を受注してたティアフェルよ! 運が良ければ後から誰か来るから協力して終わらせるように聴いてるわ。
―――よく来た、あなた本当によく来た! ウェルカム!磨いて!」
と手にしていたモップをはい!ときらきらした眼差しで差し出し。
自分はもう一つ取りに行こうと掃除用具入れに向かおうか。
■クロス > 「…あー、要するに呪術師としてスキルを発動しそうになって、その反動で妖怪になっちまうってことで良いのか?」
(ギルドでの依頼募集にて参加する冒険者の中にも時折呪術師は居た。
実際に組んだことはなかったが、代替の予想で呪いを唱えて何かする系の職業だと考えており、この少女もその類かと思っていた。)
「ティアフェル、か…まぁ、よろしく頼む。
依頼は依頼だからな、それ相応に終わらせるさ…。」
(とてつもないハイテンションで歓迎され、モップを渡され、きらきらの眼差しを送られる。
そのあと用具入れに向かう背中を見ながら一人ぽつりと置いてかれる。)
「…なんだぁ?あの依頼者…。」
(あまりのテンションの高低差に追いつけず置いてけぼりに、だが、そんな様子を見るのも初めてでもあったためか、居なくなった聖堂内で思わずプッと笑ってしまう。
とりあえず、仕事道具を渡されたのならば作業である。
端っこから掃き掃除を始めるが、仕事人の性かかなり真面目な表情になりながら隅っこまで綺麗に掃き掃除を始める。)
■ティアフェル > 「何故そうなる?! 天然か!」
怨念を滲ませて床磨き終わらない掃除もうヤダ、と唱えまくって闇堕ちしそうだっただけな、ちょっぴり活発で極普通の女子と自認する当人は、曲解した独特な意見にくわと目を剥いた。
「うん、よろしく! あ~、良かったぁぁ~。これで今夜中に終わるわ!
さあ、そうとなったら自分史上最速で床を磨いてちょうだい! 今こそ己に宿る全掃除力を総動員してこの終わりの見えない作業に終止符を速やかに打つのよ!」
とにかく水を得た魚のような勢いで。なんだか良く分からない表現を駆使して。要約すると『全力で掃除早よ終わらそう!』という意図を伝えよう。
モップを手渡すとたたた、と軽やかな速足で用具入れに向かってもう一つモップを取り出して、バケツはそこ、と聖堂に入口付近を示して。
時々モップを洗って搾りながら清掃すべしと。
「そこら辺は終わってるから、わたしそっちから行くね! お互い合流した地点で終了よッ」
と、出入り口付近から三分の一ほどを一応示して。その逆の端から掃除を始めている彼に伝え。
作業途中から再開し始め。
援軍の登場に思っていたよりも早く終わりそうだと鼻歌交じりに磨き。ついでに雑談交じりにやると退屈がまぎれるかも知れないと、まずは手を止めず当たり障りなく話しかけた。
「クロスさん、クロさんって呼んでもいー?
背ぇ高いよね。どのくらいあるの?」
■クロス > 「あ?なぜそうなる…。」
(言ったことが特殊な言語すぎて訳が分からなかったから自己流に解読して返しただけであった。
その後もまた出てきた謎言語、自分の中に掃除力なんて物はありはしないしがそこまで付き合ってしまえばおそらく、パンクするのが先のように思えたので、考えるのを放棄した。)
「おぅ…。
…好きに呼べ。」
(指示された場所から掃き掃除を始める。
参加者が増えたことで鼻歌を歌う上機嫌な依頼主を見れば、期限がいいならそれで良いかと思い、呼び名も好きに呼ばせるようにした。)
「身長…?そうだな…あんまし詳しくは測ったことはないが、確か2mはあった気がするな…。」
(貧民地区に住んでいれば病院なんてものはない。
しかし、ギルドで参加するために簡易的な装備を整える必要があり、その時に測ることがあるが、詳しい数字まで覚える必要がないと思い、ある程度の身長しか覚えていなかった。)
■ティアフェル > 「うん。天然だった」
真顔で可決。彼の返答に天然のレッテルを貼り付けてはひとつ得心気味に肯いて。
そしてふふふ~ん、と早めに終わりそうだと上機嫌でモップを動かしていたが、今一気のない返事に、むぅ、と眉根を寄せてアホ毛をぺしぺしと揺らし。
「もー。分かってるー? 一刻も早く床を磨き終わらねばこの地獄は続くのよー? 本気でやってよねー」
ちょっとサボんないでよ男子ぃ~。みたいなノリで。もっと掃除に情熱を燃やしてくれと無茶振り傾向。
取り敢えず呼び名に関しては了承を得たので満足。
「でけ。ニメート……めっちゃドア潜る時につっかえそう。頭とか打たない? それって耳を入れて? 抜いて?」
耳を抜いての測定だったら、頭はぶつけないにしても耳が引っかかりそうだと感じて、床を磨く手を止めずに対角線上で掃除をしているそちらを見やり。
■クロス > (『天然』というワードを初めて人に向けられて使われたために、またしても頭の中で?が浮かぶ。
本来なら自然にできるもののことを言うだろうと思っていたが、自分にどういう関係が…っと謎が深まるばかりであった。)
「別にただの掃き掃除だろ?ここを掃除するっていうんだった、別に地獄じゃねぇよ。
それに、報酬も出るんだ、真面目にはやるさ。」
(達成するための物が存在しているのであるなら、そこに向かって行動し続ければいいだけの話。
彼にとって、聖堂の掃除はただの掃除と思えるほどにメンタルは強めであった。
それに、金が出るのであるならばやることはやると決めていた。)
「あぁ、大抵の建物なら屈まねぇと入れねぇな…。
ヘルメットの都合もあるから…耳なしで、だな…。」
(投擲武器への対策としてメットの装備もあるため、耳が入らないように頭部で体格を計算される。
それでも時折看板に引っ掛かり、多少なり痛い思いをすることもちらほらである。)