2023/04/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > 平民地区の露店立ち並ぶ通りを一人で歩いている。
同じ服装の人が居ても同じくない地味な服装を選び着用し、その上にフードの付いたボロボロの外套を着込む。
運び屋として目立たず、憶えられず、地味に地味にがコンセプトである。
ただ今日は暖かな陽気過ぎて少し暑い。
暑さのあまり歩きながら外套の袖から腕を抜いてスルスルと脱ぎ始め、あっと言う間に脱ぎ終えると、荷物になるのに苦笑いを浮かべ、仕方なくクルクルと丸めて小脇に抱える。
何故今日は昼間から平民地区の露店の並ぶ通りを歩いているかというと、数日後に神聖都市に行く仕事が有り、その為の準備をする為である。
必要なのは保存食と荷物にならない賄賂になりそうな品。
後はこの陽気が続くと考えると簡素な服をもう一着、ナップザックみたいな荷物を軽く運べるようなものも新調したい。
あと……あとは……ニードル以外の見せ武器だろうか、神聖都市もあまり治安が良くないと聞いているので、見せて相手が怯むような武器が欲しい。
仕事用の武器ならば、ギルドを通じて購入するとか出来るけども、今欲しいのは『どこにでも売っている武器』だ。
武器をちらつかせて結果その武器から足取り追われると……ね。
「…………どこも高いなぁ。
ギルドで支払ってくんないかな。」
結果、用件を満たす武器は見当たらない。
軽くて丈夫そうなナップザックもない。
正しい物言いをするなら有るけど高い、高いうえに個性を表にだしてくるお店が多くて使い物にならない。
「ハァ………。」とため息を大きくつきながら、準備を手を抜けるはずもないくて、まだ黄昏に早いことも有り、のんびりとした足取りで通りを歩き続けるのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からオウルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセリカさんが現れました。
■セリカ > 雨上がりの濡れた石畳を、銀色の月明かりが淡く煌めかせている。
夜も更けて、人通りもめっきり減った裏通り。
濃灰色のマントの裾を引き摺るように、小柄な人影がひとつ。
粗末なサンダルの柔らかな足音を道連れにして、家路を辿ろうとしていた。
目深に被ったフードのために、至近距離で覗き込まれでもしない限り、
俯いた顔の美醜を悟られることはあるまい。
けれど背格好から少なくとも、成人男性ではないこと位は気づかれそうで、
時間帯から言っても、界隈の治安から言っても、一刻も早く通り抜けるべきなのは間違いなく。
マントの前を両手で掻き合わせ、出張先から娼館へ戻る、
女の歩調はその呼吸が、鼓動が弾み乱れるほどに速くなっていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にファルスィークさんが現れました。
■ファルスィーク > 王都へと足を延ばしたのは定期的な情勢を知る為でもあるが、大きくは飲む、打つ、買うの三拍子が主な目的。
多少のほろ酔い具合で切り上げたのは、意識も思考も鈍らない程度の酔いが一番心地いいからではある。
が……どこかで道を間違えたらしく、大通りから1本外れれば入り組んだ裏通りという事もあり、さて、現在地は何処であるのか。
いつの間にか上がっていた雨は、その独特な香りを鼻に運んでくる。
歩みを止め静かに深呼吸をして、ほろ酔いである酔いを幾分が抜けさせ……耳に届くのは微かな足音。
目線を向けてみれば小柄な人影が移動しているのが見えた。
体格からして子供か、女性か―。
「そこの人。ここはどの辺りだろうか。少々に迷ってしまってね。よろしければ、道を尋ねたいのだが」
雨が上がっているのであればと、被っていたフードを上げて顔を晒しながら声をかけてみる。
■セリカ > この時刻、裏通りを往く人影の半分以上が、大なり小なり、酒の香りを漂わせている。
高確率で理性を相当に鈍らせた、酔漢、と称されるべき種類の人物であろうから、
女にとってはどうしたって、関わり合いになりたい手合いではないのだが。
「―――――――――、」
声を掛けられて、しかも、道に迷っているとまで告げられて。
聞こえぬ振りで通り過ぎられるほど、冷血ではないつもりだ。
つ、と足を止め、声のした方へ振り返る。
こちらはフードを、しっかりと被って俯いたまま。
「……どちらへ行かれる途中です、旅の御方。
宿の名なり何なり、……それともただ、大通りへ出られれば宜しいのでしたら」
そこで、女は右腕を伸ばす。
指を揃えた掌を上に、闇に溶けいる寸前の、曲がり角を指し示し。
「あちらの角を入って、道なりに行かれれば出られますが」
彼我の距離は声の届く距離、腕を伸ばしても触れられぬ距離。
その距離を、こちらから詰めるつもりは無かった。
■ファルスィーク > 大通りから外れてから暫し歩き回った事もあり、方向感覚も多少狂い始めていたため、此処で逃してしまえば暫くは彷徨い続ける事になろう。
その為に距離は詰めずに保ったままでの声掛けとなった。
もっとも、夜更けとも言える時間帯であるので、身の危険を考えれば無言で構わずに逃げるなり立ち去るなりはされるのも覚悟の上ではあったが、幸いなことに足を止めてくれるのならば、安堵したような息が聞こえたやもしれず。
振り返りはしたがフードを被ったままであるのなら容貌迄は見えないものの、その声は若い女性であるようだ。
マントより伸ばされた白い細腕と帝国風の衣装は垣間見れ、指し示す方向を窺うように目線を向けて、言葉を聞きながら何度か頷きを見せた。
「礼を言うよ。土地に明るい方に遭遇できたことに感謝する。…大通りはあちらか。
ふむ…生憎とまだ宿は取っていなくてね。何処かいい娼館はあるだろうか」
己が顎に右手の人差し指を曲げて当てながら思案し乍ら、宿泊も兼ねて行くつもりであった場所を尋ねてみる。
男を相手にする娼婦であれば、客から色々なこぼれ話や噂なども耳にするだろう。
そんな話も情報としては役に立つ場合もある。
そして、柔肌も楽しめると己にとっては一石二鳥の場所でもあって。
■セリカ > フードをあげて晒された相手の顔を、こちらはフードの陰からそっと窺う。
若い男―――――他人に道を尋ねるのだから、王都の人間ではないのだろう。
薄汚れた風ではなく、かと言って悪趣味に着飾っているでもなく、
ただ、羽振りは悪くなさそうだ、というのが第一印象。
もちろん、その印象だけで警戒を解くほど初心ではないが。
指し示した方へ視線を転じ、しかしそちらへ歩むでもなく。
宿を決めてはいないと言う男の口から、娼館、という単語が飛び出せば、
マントに覆われた女の肩が、ほんの少し、ぴくりと震えた。
「――――泊まるだけの宿でしたら、そちらの、貴方の直ぐ後ろの建物も。
ですが、そう、………一夜の夢を、ご所望ですか?」
確認めいて問い返しながら、女はまだ迷っていた。
目の前の男を、客として伴うことが吉と出るか、凶と出るか。
頭の先から足の先まで、ひそかに値踏みする眼差しを走らせてから、
女は白い手指をフードの縁に掛け、ぱさりと肩へ滑り落とす。
闇夜に融ける黒髪と、ほのかに上気した白い顔を晒すと、
緩く左に小首を傾げて、上目に男を見つめ返し。
「良い、かどうか、……それをお決めになるのは、お客様でしょうけれど。
私がご案内出来ますのは、あいにく、一か所だけなのですが……」
如何なさいますか、旅の御方――――――――――
囁くように尋ねる声は、掠れて、甘い。
■ファルスィーク > 特に飾る事も無く己にとっては至って自然体のまま、危害を加えるつもりが無いという意志を示す様に、未だ距離は保っていた。
お互いに距離が縮まらない事。それは、女性の方にも己に対して害意が無いという証として見ていた。
言葉を交わす途中、微かに聞こえてくる喧噪は遠くではあるが、成程、女性が示した方角から耳に届く。
僅かにだが反応が見られたのは、娼館という単語に引っかかった様だった。
向けられる観察するような視線に対しても、警戒するでもなく表情を変える事も無いままに。
「折角、王都まで足を伸ばしてまで、普通の宿に泊まるのも野暮という物だろう?
一夜の夢か……綺麗な表現だね。
夢は夢であるから良いのだろうが…素敵な夢を見させてもらえるのであれば伺いたい。
場合によっては…二夜、三夜と見たくなるかもしれないが」
二夜、三夜という言葉に、金銭に不自由はしていないと羽振りの良さは匂わせる。
どうやら、女性には娼館に心当たりがあるようだ。
そして、その表現する言葉にはいたく感心した様に、何度か「一夜の夢」と楽しげに繰り返した。
白い手の動きは、闇の中ではよく映える。
自然と目を引き付け……フードを上げて現れる容貌に無言で暫し魅入る。
声色から予想していたよりも若いが、ほんのり上気させた顔が艶っぽくもあり仕草と上目遣いな目線が幼さを見せ、アンバランスな雰囲気に少々驚いたからではあったが……。
「袖すり合うも他生の縁…だったかな。君が知っている娼館をお願いするとしよう。
私個人の要望を言うのであれば、伽の相手は君を選びたいんだが……」
娼館を知っているというだけで、失礼を承知での誘いの言葉。
が、フードを外しての女性から漂ってくる誘うような甘い色気と言うものは、生業にしているのではという予想から。
そこでようやく足を踏み出し、ゆるりとした足取りで女性へと近付いて伸ばした右手の人差し指と中指の間には、硬貨が挟まれていた。
「少ないが道案内の礼としての手間賃を受け取って欲しい。
私は…ファルスという。よければ君の名も聞かせもらえないだろうか」