2022/12/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 年の暮れ、市場に続く水路に架けられた橋の上に柵が設けられて人々の通行を妨げていた。
その橋に立ち、馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは王都の兵士達である。
曰く、此処最近、市場にて御禁制の密輸品が横行しているために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は商うを行なう商人達から通行税をせしめ、通行人の中に見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
傍らに設けられた天幕でしっぽりお楽しみという不良兵士達の私腹を肥やすための手段に他ならなかった。

無論、市場に向かうのに、必ずしも、この橋を渡らなければ辿り着けないかと言えばそうではない。
だが、この場所から他の橋を経由するのには小一時間程の時間を掛けねばならない上に、
遠回りした先の橋の上でも同様の通行止めが行なわれている可能性も捨て切れない。
結果、市場を利用する王都の民は自身に白羽の矢が当たらぬ事を祈りながら橋を通っていた。

「――――通って良し。ぐずぐずするなよ。次の奴、こっちに来い。」

でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる荷馬車を柵の向こう側へと通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて検問の場へと来るように告げたのは一人の兵士。
衛兵の制服に身を包んだ彼等は紛れもない王国兵士であり、市井の民が逆らったならば年末年始は昏い牢獄で過ごす事になるだろう。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。