2022/12/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 王都マグメール、平民地区の大通り。
商店や露店が並ぶ、商店街の一角に少女は居た。
とは言っても、その姿は死角になっているような、物陰の中。
適当な露店で買った、串焼きの入った紙袋と、コップに注がれたジュースを手に、行き交う人通りを眺めている。
まぁ、何か面白そうなもの、それを探しているのはいつもの事だが。
今回は、別に隠れて不意打ちとか、そうするつもりはない。
手にした飲食物を買い、それをすぐ食べようと思うも、都合の良い場所が見付からず。
偶然見つけた、のんびりと飲んで食べて出来るような、このスペースで寛いでいる訳だ。
「ふむ…これも、思いのほか美味じゃのぅ」
あむ、もぐもぐもぐ、と串焼きの肉を、美味しそうに頬張り。
ずずず、とジュースを啜り、物陰にあった木箱か何かに腰掛けている。
先も言ったように、ここは少々死角になっている。
が、周囲に注意を払っていたり、串焼きの匂いに釣られたりすれば、すぐに見付かるような場所だ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシルヴァさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシルヴァさんが去りました。
■タマモ > 何か見付かるか、見付からないか、それは運次第。
その日、少女に面白い出会い等があったのか。
それは、少女のみぞ知る。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
■ドラゴン・ジーン > 空は雲が殆ど無く、快晴の青色の面積が多く広がっている。太陽の陽射しは明るく地上を照らして暖めているが、それに勝って年末年始に向けて冬を運んで来る風の冷たさが、それに遥かに勝っていた。日中の平民地区で経済活動を続ける民草達の装いも、秋口に踏み込んだ頃に比較しても大分厚手の衣服に袖を通している様相だ。しかしながら織り成す雑踏は減るどころか、尚も増える一方のようにも窺える。
そんな多くの『目』が在る中でも、怪物は当たり前のように紛れ込む事が出来ていた。
「………」
それも通り道に接している家宅の一つの上に身を置いていたからだ。色褪せている瓦屋根の敷かれた屋根の端に鎮座したまま殆ど動かない竜の体は、あたかも魔除けのガーゴイル像のように見えるのかも知れない。規模を縮めている現在の体型もあってか皆々は単なる変わったオブジェクトであると認識して通り過ぎて行くばかり。
そんな忙しなくしている多くの人々を、その高所から睥睨するように見下ろして様子を窺っているのだった。犬のお座りのような四肢を着けている格好を最初は維持していたが、今では吹き付ける凍えるような冷たい風をやり過ごすかのようにべったりと這い蹲った体勢だ。その僅かな違いに気付く者は一期一会に過ぎ去る人々の中には居らず、何度も行き来している一部は察知するかも知れないが、それもまた気のせいだろう、という結論に至っているのか騒ぐ様子も無い。
■ドラゴン・ジーン > ただ、そこに居るばかりではない。この現在我が身を置いている場所は視野を広く確保出来るばかりではなく、家々の狭間に続く路地に接続されているポイントでも在った。
人気の多い往来から少しでも外れてしまえば平民地区とは言え、その瞬間に危険度は跳ね上がる。それでも油断しているのか、あるいは急ぎをもって近道を採択しているのか時折にその路地に外れて行く人々の姿を観察の中に見出し、此処に『張り込む』事に決めたという次第になる。
いざともなればこの屋根から飛び降りて、路地の静かな暗がりに逸れた所に頭の上から急襲も出来てしまうという訳だ。
しかし、そう成功率の高い狩りだとは到底に言えない。自然界における群から逸れる子供を狙うかのようなものだ。時折、という前述の表現通りに頻繁にそこに出入りする者が居るというわけではなく、基本的にはヒットはせずに空振りが続く。
寧ろ人間よりも、陽射しの当たる寝床を取られた野良猫などが、陣取っている得体の知れない余所者を相手に威嚇して来る程度だ。好奇心の旺盛なカラスが舞い降りてつついて来る都度に追い払うのは中々に鬱陶しい。
■ドラゴン・ジーン > 「…………」
多忙そうなのは老若男女変わりないが。中には奔放に労働従事から外れた子供などが構って来る時も在る。普段見慣れない変な置物が在ったからちょっかいをかけてみよう、という遊びな訳だ。
当たり前のように路上に落ちている小石や、瓦礫の欠片、腐りかけた林檎などを礫代わりに雨あられと放り投げて来る。既にルールが何時の間にか形成されているらしく、当てたら高得点だと定められた頭部を目掛けて矢鱈に投擲物が飛来して来た。
大抵は外れるが中にはコントロールの良さに命中する奴もある。ぐんにゃりと柔軟なゼラチンの質の体は石像のように跳ね返すのではなく、ずぶずぶに放り込まれた異物がめりこんだ。特に致命的な損傷という訳では全く無いが余りにも気が散るので場所を移そうと、のっそりと動くと。動いた!!生きてんのか!みたいな驚いた叫び声が聞こえて来た、恐れというよりも好奇心に衝き動かされた言動と共にこわいもの知らずについて来ている。
■ドラゴン・ジーン > 「………」
でも、やたらめったらに物を投げまくっていれば、どうなるかは自明の理とも言えるだろう。自分が手を下すまでもなく、屋根を間借りしている家宅の主…もしくは外れた何かがぶつかった被害者だろう。
烈火のごとくに怒声を飛ばす大人が場に出て来て、あっという間に子供達は蜘蛛の子を散らすようにして追い払われていった。子供のだって、に、怒れる大人は余り耳を貸す事は無い。間も無く平穏になる。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からドラゴン・ジーンさんが去りました。