2022/12/13 のログ
ムツキ > 「って言われてもな、昔の事思い出したら、その思い出に引っ張られるくらいあるだろ?
いや、遁󠄀行法とかの制度とか早さも上がってるぞ、その他も昔よりは、な」

半眼で見上げる表情、昔は横並びでその視線を受けていた気がする。
確かに、体は大きくなったのは事実で、それ以外に遁行法を告げたのは。
嘗て逃げる時に、まだまだ未熟で、直ぐに追いつかれてた事を思い出したから。

その他は、戦闘技術や、呪術関係…呪術関係は見せた事は無かったが、一種の覗きで使う訳もなく。
戦闘技術は、捕まり、一方的に負けた事から、その時点では弱かったのは確か。

「あいあい、んじゃ、それで呼んでくれ。
色欲と負の感情…んで、イチョウやギンナンか。
…ギンナン自体に滋養強壮とか、強精効果があったっけな」

名前に関しては、軽く頷く。
そうして告げられた神の話に、少し考えて。

「木の素材だと、お守りなんかにも出来るしな…お守りの場合中見ると、やばいのもあるし。
んで、ギンナンに関しては、元々ある薬効的部分を強めてるのは、合った気がする、探してるのはそういうのか?

とりあえず、あたりかどうかは自分で見てくれ、俺だと今じゃ他の呪物と見分け付かないし」

木材に関しては、少し調べないと正確には判らないと告げる。
そうして、ギンナンに関しては、強精効果が高いが、飲むと性的欲求を我慢できなくなる、そんな物を回収していると告げて。
その神の事をきちんと知らないので、今は判らないと…一度でもその神が作った呪物を見れば、次からは判るかなと少し考えて。
少女の言葉に、探してるなら対抗手段はるのだろうと、頷いて。

「まぁ、俺も一緒にいけば、平気だろう、探してるならその手の対抗手段はあるんだろ?
んで、追加料金だけど、んー…まぁ、金でも良いけど、ある物払いも受けつけてるぞ」

こういった仕事をしているので、其処まで金に困っている訳でも無く。
珍しい物や、体払いでもな、と冗談ぽく告げる。
追いかけられて、追いつかれ、それでも何度も巫女候補見学に行ったのは、巫女を見るだけでなく。
その世話役も見に行ってたのだと、ふと昔の事を考えて、だからこそ体払いでも、と告げていて。

そう言いながら、こっちだと少女を呼んで、奥の扉を開ける、近くの床を開ければ、その奥には螺旋階段。
回りながら降りて行けば、地下にある扉を開けて、中へ。
呪いを感じられるなら、部屋の中から強い呪いを感じるだろう、部屋自体に結界を張り、個別にも封じてもこの状況。
昔馴馴染みであり、神の作った呪物を探すという事になった少女、その事情は今は深く聞いていないが、これ位は手伝ってもいいか、と。
部屋に入る前に、自分と少女に結界を掛けて、先ほどいったギンナンのある場所へ案内して。

レキ・キドー > 「……こっちでやっていくってのは、良い選択だったかもね。一家で来てるの?」

 一家というか一族というか、皆で越して来たのかなと思い、
戦時ではあるけれど、この国は過ごしやすいんじゃなかろうかと。
 捕まえたら容赦なく叩きそうだが、実際に捕まえた事はどれくらいあっただろう。
 ムツキが進歩したと聞けば、私だって今はスゴイぞと言いたくなるが、そのスゴさが全て宿敵の加護によるもので、
かつて歩法に神々の助力を得てムツキに迫っていた頃とは全くの別物になっていると、張り合うどころか避けたい話題。

 心当たりを挙げてくれると、脈ありと期待しながらも慎重に首を横に振った。

「分からない。
 かなりソレっぽいけど、消費される形は珍しいかな。
 そこに置いてあるだけで素質のあるヤツを引き寄せたり、
飲んだ人が強壮どころかもてあまして人を襲い始めるくらいの事にはなりそうだ。アイツのだったら。」

 ただの良く効く精力剤程度の在り方はすまいと言って、
その点補足して案内してくれると、特に緊張するでもなく期待を高めながらついていく。

「ああ、私は影響を受けない。特にアイツのには。
 …ある物払いって、金になるようなの持ってないよ。
 足りなかったら、待ってくれる? 一応冒険者ってやつとしては、結構やれるんだ。」

 いわゆる冒険者として活動する事はあまり無いけれど、日銭を稼ごうとしたら一番いいのがそれで、
やるとなったら多少荒っぽい仕事もそつなくこなせるので、稼ぎ口には困らないという口振り。
 予算とかではなくもう自腹。そして、ある物払いなんて言葉でイメージするのは物々交換。
 まさかムツキが『無い』とからかう暴力巫女をそんな目で見ているとは夢にも思わず、鈍くしれっと螺旋階段。
 そうして対象物の前に案内されれば、アタリだ、と獰猛に微笑んだ。

「すごいな、よく消費される前に確保したね。アイツのだ、壊そう。」

 それを売り物とする商人としては最もつまらない使い道ではなかろうか。
 売ってくれ、お値段そんなにしないでしょって、当然のように。

ムツキ > 「こっちに来てるのは俺だけだな、王都で何人か雇ったりはしてるけど」

風に親しい種族なので、風遁は特に得意で、風に寄るがその風が届く場所なら移動できる程には遁行法に習熟して。
雑多な状況のこの国は、人ではない者もある意味で暮らしやすく。
昔は、巫女候補を見に行っては鬼ごっこの様に追い駆けられ、追いつかれればしっかり制裁を受けていたのも懐かしく。
少女の思いは判らぬまま、今の状況までは尋ねずに、苦笑して。

「消費型だけど、結構強力だぞ。
此処にあるのは一個だけど、見つけた時は何個かあったみたいで。
使った人間は、全員が人を襲って襲って、最後は討伐されるか、しすぎで死んだみたいだし」

死に至るレベルの呪物は人が作るなら、作った方もそれなりの代償を払う事になる。
単純に考えても割に合わないので、そのレベルの物は生贄を使う様な呪法を使う等で作るはずで。

「それなら安心だな、此処の中のはやばい効果しかないからな。
…あいあい、待つのは構わないよ、その位は信用してるしな。
ちなみに、俺も冒険者稼業してるぞ、斥候メインで遺跡の情報とかも扱ってる」

無名遺跡などの探索時のパーティーの斥候や、自分で見つけた情報自体を売ったり、と告げ。
今度から遺跡とかでイチョウとかギンナンのシンボルないかも気を付けとくよと、更に少女にいって。
此方の言葉をそのまま受け取った相手に、相変わらず鈍感なのは変わらないなと苦笑し。
とはいえ、女性に『無い』とからかっていた自分にも問題は有りそうだと、自分にも呆れて。
隣の少女の視線が、鋭く変化し、アタリと言われれば、そうか、と呟いて。

「うん、レキはそれの影響受けないんだよな…それなら問題ないか。
使ったら死ぬような品だし…一個でも減ると結界の許容量も助かるしな」

手に結界を強く張ると、そのギンナンを取って少女へ渡す。
呪いを解くにはその作りて以上の技量か、魔力、神聖力なりが必要で此処にあるのは何かしら準備をしないと無理と判断した物。
その準備に掛ける手間と金を考えると、封じているしかなく、売れる品でもなかったのだ。
預かる時にそれなりの金を受け取っているが、定期的に結界を張る労力とを考えると壊せるなら壊して貰った方が楽と判断して。

「そういう訳で、ガツンとやってくれ、呪がもれても、此処なら平気だしな」

螺旋階段を降りた感じから、10m以上はおりているはずで、結界も強め。
影響を受けないのであれば壊した後の処理も可能だろうと、破壊に同意して、ガツンとやってくれと告げる。

レキ・キドー > 「……そうか。そうだよね。」

 来ているのは彼だけと言われれば、慣れ親しんだ土地を安易に離れたりはしないかと頷いて、
根無し草になっている自分を自覚すると、やっぱり昔を思い出す状況というのは辛かった。

「ここはムツキの店でしょ?
 手広いな… というか、忙し過ぎやしないかって… まあ、器用なのか。」

 冒険者兼業と聞くと、仕入れとか兼ねてるのかもしれないけど、一国一城の主がする事じゃないのではと意外そう。
 自分で体感した情報が一番確かというのは間違いないが、多少なりと危ないには違いなく、
そこで失敗するのは私に鉄拳制裁されるより深刻な事態を招くのではないかとか。
 かと言って別に止めやしないし、何かの時のために覚えておこうとも思う。

 そうして立つ呪物の前。
 代金が要らないと言うのならお言葉に甘えるけれど、昔のよしみで、とかなら請求してくれた方が気楽だぞとチラチラ。
 入場料?みたいな話もあったし、結局いくらかは支払いを求められるのかもしれないが、
とにかく破壊するという点は譲れず、支払いが生じて足りなくても待ってくれると言うのなら、遠慮なく壊しにかかった。

「…そうか、こういう形だと、すり潰しても飲みやすくなるだけなんだ。」

 ちょっと間抜けで不安を煽るような事を言ってしまうけど、問題は無い。

 この場所でそれをしても平気かだけを気にかけながら、
魔人としての隠ぺいを解けば行われるのは浄化などでなく、圧搾や同化吸収みたいに捉えた方が正解か。
 レキに張られた結界の中、そこに居るのはただ一人のはずなのに、
気配というか霊的な密度、その場に居合わせる魂の量といったものが、数十数百といった単位でデタラメに膨れ上がる。

 指の間でぐしゃりと潰れるギンナンは、人に食されてはじめて効果を発揮するもの。
 その犠牲者の色欲に付け込んで本人や周囲の負の感情を巻き起こし、
死人が出れば魂を収蔵して使用者の力とするか、あるいはイチョウの邪神本体への捧げものとされるか。
 いずれにせよ今、能動的に抵抗するような機能は無く。

 呪術界隈においてはこれ以上ないくらいの力技で、いやらしい術式を圧倒的な情報量で上書きするように、
 粉に変わったギンナンは、床に零れる頃には霧散するかのように見える痕跡を残さなかった。

「……帳尻は合わせるよ。」

 ギンナンを呪物として在らせる力は、一部がその発生源に引っ込んで、
あるいはここからどこにも逃げ場が無いようであれば、その全てがレキ『達』と同化する。
 霊力だの魔力だのと呼ばれる力の総量が変わらない、
またギンナンとレキが性質的に似通っている事はムツキにも見て取れそうで、
詮無い事をするようだけど、最後には、人類にとって悪いようにはしないつもりだと呟いた。

ムツキ > 「…ま、出稼ぎに近いからな」

出稼ぎ半分、修行半分と言った感じか。
遠距離の移動も可能な遁行法の使い手だけに、外で情報や物を集めるにも便利で。

「ん、店の店主は俺だな。
手を広げすぎてる感はあるけどな、手伝いに人は雇ってるし、遺跡に潜るのは公私半々だな」

遺跡内で手に入る魔道具や、呪物、素材等を集めて店で売ったり。
情報は自分で行った確度の高い物と、他の冒険者等から買った確度の落ちる物。
他に書物などを調べて貰い、暗号に近い情報を纏めて、場所だけ特定した今もあるか判らない遺跡などの情報。
それらと、情報屋同士の取引で、互いが得意な分野の情報を交換して等。手を抜ける場所は抜いて。
逆に、今回の様に呪物関係は、自分でないと判断も処理もできないので一番忙しいのはそこだと苦笑し。

一応、破壊に同意はしたが料金はきちんと請求する旨を伝える。
売り物ではないが、目的の物であれば売るという理由を付けるのは、情報屋としては当然で。
ただ、今回は安めにするつもりではある、これから先これと同じ種類の呪物を見つけた時に、少女に買い取ってもらうための。
信頼の、信用の先買いに近い感覚で。

「まぁ、ギンナンだからな、潰すと飲みやすくなるだけだな」

小女の呟きに、苦笑し。

その後で起こる状況には流石に驚きを見せる。
影響を受けないと聞いたが、力技でおしつぶすとは予想外で。
目の前にいる少女が、何処か異質な気配を漂わせているのも気に掛かる。

呪物を作った神と少女の関係、影響を受けないなら何らかの因果はあるはずであり。
そして呪術を修め、いくつもの呪物を見ていたからこそ。
そのギンナンと少女の気配に似通ったものを感じて。

「あんま聞く気はなかったけど…礫、異常な状態になってるみたいだな、お前さん。
これから、その神についてと呪物については定期的に報告するから、ある程度教えられる部分は聞いていいか?」

半分とはいえ覚の血を引く身、強い感情は探らなくてもある程度は伝わって。
まるで目の前の少女を核に、何人も感じられる気がするのは、気のせいなのか。
そう考えつつ、それでも少女の自我がしっかりいているなら平気なのかと、頭を振って。

「ま、他の呪物は準備して調べて置くから、経過報告を待ってくれるか。
それとあれだ、この後時間あったら、飯でもいかないか、酒もつけるし…昔馴染みとの再開って事で」

今すぐに対処するものは対処した様子なので、そんな風に提案する。
昔の縁と、今の縁を繋げておくために誘いをかけて。
悪いようにしないと呟いた少女に、そか、と頷いてから、そこは疑ってないよと呟く。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 道具屋」からレキ・キドーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 道具屋」からムツキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にウィンさんが現れました。
ウィン > 平民地区のとある商店の前。
昼間の人が行き交う通りをどこか眠そうな目で見つめる。
しかし眠い訳ではなく、店の警護という依頼を受け店の前に立つようにと依頼主に言われたからで。

「ついてないかも…昼間から外なんて」

そもそもに昼間から怪しい人物など来るはずがないと気が付いたのは仕事についてから少し。
しかし立ちっぱなしでお給料が貰えるなら安いかと考え。
それに……報酬はそこそこ悪くなかったので文句を言うのも気が引けていて。

「時間まで何も起きないと…いいな」

そんなことをポツリと口にしては通りを眺め続ける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からウィンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
ドラゴン・ジーン > 王都マグメールの平民地区。冬の盛りの中で越冬に備える人々の姿は少なくは無い。狩り取られた獣の毛皮はなめされた外套として道行く人々によって袖を通され、伐採された木材の多くは暖炉や篝火の燃料として費やされているその証左に街中の暗がりの要所要所に炎光が灯っている。家々の煙突からは絶えず煙が吐き出されては夜の闇に霞むように消えていた。温かな屋内に籠る者達も増えたがそれでも人流豊かな街中には賑わいの声は今も絶えない。
…しかしながらにそれらの営みの中心から少し外れただけで、そこには触れてはならぬ危険を渦を描いている事も在る。衛兵達は神羅万象を見通す目を持たず、誰もが隅々に足を運んで睨みを利かせる勤勉性と勇敢さを持ち備えている訳ではない。しかし逆に言えばそういった目溢し在ってこそ生かされているような生き物もまた、王都の闇には潜んでいる。

「グルル……」

火の気も無く凍り付くような冷たさを孕んだ路地裏から聞こえるその唸り声を聞き取る者はそうそうに居ない。ぬばたまの暗がりの内においてその怪物は密やかに徘徊している。
一つ特筆すべき事だが、その腹は異様なまでに膨れ上がっていた。地竜を模している肉体の胸元から下腹にかけてまでの胴体前部は粘液皮質が張り裂けそうな程に膨満し。一歩一歩を歩む毎に柔軟性を明らかに、ゆさゆさとそれは水風船のように前後に揺さぶられている。

ドラゴン・ジーン > 「…フッ……ウウ…」

コールタールのような色味は半透明に透けてその中身を露わに曝け出していた。そこに蓄えているのは、無数の孕んだ怪物の幼体だ。拡張した胎のスペースを何十にも細分化し、其々の場所に子供を発育させる為の子宮の代替とも言える子袋を抱え込んでいる。その悉くは大抵において取り込んだ別生命の遺伝子汁である白濁の子種をみっちりと詰めて揺蕩わせ、あたかもそれが羊水であるかのように未熟な胎児達をそこに浮かべている。

ぼってりと張り詰めた胎は伸ばした四肢よりも或るいは腹囲が勝り、下手をすれば地面に擦れてしまいそうな程だ。暴飲した種の結実した子供等は僅かな圧力が加わるだけで高まる内圧によって追い出され、ぶりゅぶりゅと、イキむ必要すらもなくまるで排泄でもするかのようにその場に点々と産み落とされているのが窺える。そして噴き出した種の産湯に浸かった幼体たちはすぐさまに活動を開始し、鈍重な歩みを運んでいる母体である怪物の背中にへと這いずるよりに駆け寄り、直ぐ様にその背中におぶさっていた。

ドラゴン・ジーン > 不凍液同然の粘液は例え氷点下であっても凍結する事は足り得ない。悍ましき冒涜の生命のコロニーは、灯火の温もりより遠ざかり、更なる人が滅多に来ないような暗がりの向こうにへと消ゆる事となる。雑多であり致命的な歪な生命群の織り成す不浄の生態系を、見えざる水面下において育む為に。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からドラゴン・ジーンさんが去りました。