2022/11/09 のログ
シャル > 夜、また変な時間に目がさめてしまい。
部屋着のまま出るのはちょっと、けどぱっと思いつく服がなくて結局はいつもの制服の上に、黒のロングケープをとりあえずで羽織って、外へ出てくる。
身体は眠たいような気がして、少し気持ち悪い感じを覚えるけれど、ずるずると重たいのを引きずるように、いつだったか見かけた公園を目当てにたどり着く。

「……あ、なんだか似たような気持ちで居る人たちも……?」

噴水を囲むように設えられた公園で、片隅に小さな移動型の出店のようなものがあって。
夜も更けていると言うのに、まばらではありつつも人の気配がちらほら見つかる。
近くへ寄れば、どうやら飲み物を売ってくれているらしく。温かいコーヒーをひとつ、ミルクを多めに受け取って。
少し離れたところに見つけた、古びた木製のベンチへそっと座って。

シャル > 何か色々と考えなきゃいけないことがあった気はするのだけれど、思い出せないような、頭が考えるのを拒否しているような。
ベンチの背もたれにくたりと身体を押し付けて、熱い飲み物のカップは落とさないように両手で支えているけれど。

そっと目を閉じていると、噴水の水音が染み込んでくる。
離れた場所で誰かが会話している気がするけれど、水音にかき消されてそれもただ何かの音の一部でしかない。
数口のコーヒーのおかげなのか、気持ち悪くさえ感じた眠気のようなものは薄れて来たと思う。
目を閉じてじっとしていても、幸いにもそのまま眠ってしまうようなことにはならなそうだ。

シャル > 「独りで居ると……なんだったかしら?寂しさ……悲しさ、だったかしら、ううん」

何かで聞いた誰かの台詞のようなものをふと思い出しかけたけれど、正確に出てこない。
悲しみが押し寄せてくるの、だったろうか。覚えているようで案外ちゃんと覚えていない。
後で、調べ直してみようかな、と。口元へ寄せるカップを、少し目を開けて見下ろしながら、飲みやすい熱さになってきたけれどまだ少し熱い、ゆっくりと啜りながら。

だらりともたれ掛かっていたから、そのまま視線を上げると夜空の星が目に入る。
なんとなく、幾つか掴んでみたいような気持ちになって手を伸ばし、光を指先で摘むような仕草を何度か。手が届くわけなどないのだけれど。

シャル > ゆったり休んでいて、だいぶ落ち着いた気がする。
とは言えちゃんと寝直さなきゃいけないだろうし、そろそろ帰った方がいいのだろう。
あてもなくただじっとしているのも嫌いじゃないけれど、それだと何も始まらない。

そろそろ今日の所はおしまいにするのかもしれない飲み物屋さんが、片付けを始めている。
ありがとうございました、と入れ物を返して。
なんだか少しお客さんの数が減っている気がするんだ、と言う飲み物屋さんに、あら……また増えるといいですね、と何だかとても深く頷く気持ち。
おやすみなさい、と挨拶ひとつして、公園を後にする。

ご案内:「平民地区/公園」からシャルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にアストラさんが現れました。
アストラ > 「んんぅ……」

久々の知り合い冒険者と依頼をこなし、食事や酒を楽しんで、気づけば一人になっていた不思議。
酒に弱かったので、そのまま置いて行かれたのだろうか。ひどい話だと思うが、酒癖も悪いので致し方ない。
宿屋へと戻る道中でほろ酔い状態のまま路地裏に入っていき、酒で火照った肌にあたる夜風が気持ち良くて頬が緩む。

「ふぁぁ……」

欠伸を一つ、特に警戒もなく歩いていく。
人気のない細い路地は入り組んでいて似ており、暗がりの中で数度瞬きをして。

「……あら、迷っちゃったかしら」

困ったわねえ、と頬に手を当てて、軽く首を傾げて周囲を見渡す。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 人気のない路地裏に、男はいた。
ここは売人が集う一角で、彼女の姿を見て声をかける。

「あれ、お姉さんも好きだね。ほらこっちにおいで」

手招きして、彼女と暗がりに消えていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からアストラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に種喰らいの獣さんが現れました。
種喰らいの獣 > 暗がりに紛れてしまうような黒ずくめの大型犬が、のしのしと路地裏を歩いていた。

久しく空腹を覚え、実績ある狩り場の路地裏を練り歩いているところ。
淫魔から頂いた力を用いて、取り込む価値ある雌をこそ誘う催淫の匂いを振り撒いて進む。
ただの町娘になど作用しない。一定以上の魔力だの、妙な能力だの。そんな因子に作用して、誘惑する。
そういった点では街とは上手く折り合いがついてると言えるのか。

狙われた雌にはたまったものではないだろうけれど。
獣はそんなこと気にかけるはずもなく。

すん、すん。
時折鼻を鳴らして。
探るのはやっぱり、若く、瑞々しい雌の匂い。

種喰らいの獣 > 大口を開け、伸びをする。
この日はハズレだったようだ。

ねぐらへ帰って、一眠りすることとしよう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から種喰らいの獣さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティネさんが現れました。
ティネ > そこそこの賑わいを見せる夕過ぎの酒場。
テーブルについた客の一人が店の自慢のミートボールをスプーンですくって食べようとして……おや? こつ然と消える。

──あれ? 俺のミートボールは?
──落としたんじゃないの? まぬけね~

おっかしいなあと首をかしげる客。
犯人は、酒場の棚に腰掛ける小さな妖精の少女だった。
服や肌を汚しながら盗んだミートボールを両手でつかんでむしゃむしゃ食べている。

「っへへ~ いただきます」

このファンシーなこそ泥は今のところ客の誰にも気づかれていないようだった……