2022/11/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアストラさんが現れました。
■アストラ > ──時刻は夕暮れから夜に差し掛かる陽が落ち始めた頃。
軒先の店や外灯に明かりが灯り、夜になる前に人々の行く先を照らしている。
平民地区には多くの人が入り乱れて雑多に行き交っている。
明るいうちはさほど治安も悪くないのだが、こうした夕刻の時間からは危険がないとは言い切れない。
冒険者ギルドで今日の依頼を報告し終えたアストラは暇を持て余していた。
実入りの良い依頼だったのでそれなりに懐も温かい。
いつもならちょっと豪華なものでも食べに行こう、なんて即座に行動に移すけれど、今日ばかりは困ったことに別の問題が浮上していた。
ありていに言ってしまえばムラムラしていた。
こういう時は娼館を利用するのが一番手っ取り早いのだけれど、折角の報酬をそれで使い切るのもどうなの?というちょっとした葛藤もあり。
ヒールを鳴らしながら歩くだけ歩いて、アストラは決めた。
「うん、酒場でナンパしましょう」
アストラは自分が男好きする豊満な体を持ってる自覚がある。
それを武器にすることもあるし、単純に気持ちイイことが好きなのでそういう気分の時は積極的に声を掛けに行く事もある。
今回はそんな気分だったので、軽い足取りでアストラは目的地へと移動し始めた。
行きついた先は小さな酒場。
冒険者ギルドからさほど遠くもなく、一人でも入りやすい小さな店でカウンター席と、座席のない丸テーブルの席がある。
軽く酒を飲んでつまみを食べて、はしごするための店だろうか。
じっくり腰を落ち着けて飲む店ではなさそうなので、ちょうど良いとアストラはカウンター席へと向かい、酒精の薄い酒を注文した。
お酒は好きだけど強くない。けど好き。なのでまずはちびちびと飲みながら、店内のお客さんたちを物色し始めた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にマロゥさんが現れました。
■マロゥ > 小さな酒場の中を物色するように見回す女性の視界に、それは映ったであろうか。
席に腰を落ち着けるでもなく、カウンター越しに数枚の硬貨と引き換えに店員から酒瓶を受け取る人物の姿。
立地の所為もあってか冒険者が客層の大半を占める中、その身に纏ったのは王立学院の制服だった。
しかし、それ自体は特別珍しい事では無い。
特筆すべきは、その制服が少々大きく映る程に小柄な少年の姿は、酒場という場には些か不似合いであったという事。
しかしそんな様子を気に留める事も無く、少年は店員との取引を終えた後、
酒場の中を物珍しそうに眺め回す視線がふと女性のそれと合ったのならば、
まるで挨拶代わりとばかりに、にこりと人当たりの良さそうな笑顔を彼女の方へと投げ掛けて見せた。
■アストラ > 「あら……?」
さほど広くはない店内を見渡していたところ見つけたのは小柄な少年。
この場所にはやや不釣り合いに見える学生服を着て店主とやり取りをしている。
お使い、というには少年の姿はやや身綺麗であっただろうか。
店の中とは言え荒くれ者の冒険者もいる酒場だ。変に絡まれたりしたらと心配になる。
アストラは子供や年下にとても甘いのである。
店内を見回す様子から自然と視線が合って笑顔を向ける様子に、同じようににこりと微笑んだ。
「こんばんは、坊や。お使いかしら?」
お酒の入ったコップをカウンターに置いて、少年の方へと近づいていく。
長い蒼みがかった銀髪に、金色の垂れ目。胸元が大きく開いて豊満な谷間が目立つベアトップのローブ。ハイスリットが入って白い生足がちらりと覗くのが少年の視線からは見えるかもしれない。
娼婦のような恰好ではあるが冒険者である。
■マロゥ > 実際、絡まれる事こそ無かったが場違いとも言える少年の姿に、女性以外にも奇異の、或いは値踏みするような視線を投げ掛ける者は居た。
しかしながら、其処へ一人の女性が声を掛ける様子を見て取ったならば、その機会を失ったかのように彼らの視線は少年から離れてゆく。
「………今晩は、お姉さん。お使い………まぁ、そんなところです。」
改めて、目の前へと歩み寄って来た女性へと会釈をしながら、今しがた受け取った酒瓶を示して見せると共に彼女の方を一瞥する。
さらりと零れ落ちる銀髪に金色の瞳、そして何よりも衣装の合間から露出した胸元が、白い脚がその目を引いて。
一見娼婦とも見紛うばかりの装いと肢体を持った女性だったが、ローブの体を成したその衣装は確かに冒険者のものだった。
「そういうお姉さんは、今日はお一人で?
生憎お酒のお付き合いは出来ませんけれど、僕で良ければお酌くらいはしましょうか?」
などと、口許には穏やかな笑みを浮かべた侭、冗談めかした口調でそんな誘いを投げ掛けようか。
■アストラ > 幼気な子供にすら手を出すならず者のような者も冒険者の中にはいる。
そう言った連中の視線が離れれば少なくともアストラが傍に立つ間は不埒な輩も手を出しはしないだろう。
返事に応じる少年に笑顔を向けたまま、続く問いかけには頬に手を当てた。
大人しそうで、見た目よりも幾分も礼儀正しそうな子だというのが印象で。
年上相手にも物怖じしない様子に、女性への対応も慣れていると思えた。きっと年の離れた姉などがいるのかも、と推測程度に留めておき。
「そうね、一人なの。小さな紳士さんのお誘いは嬉しいけれど、
こういう場所にいつまでも君くらいの子がいては危ないわ。
わるぅいお姉さんに、とって食べられちゃうかもしれないわよ?」
冗談っぽく笑って、からかうように胸元を少年の顔へと近づけて耳元に甘く囁く。
見た目だけを見れば普通の平民よりも気品を感じるので純粋に心配している部分もあるが、元々性欲が溜まっていたこともあり、可愛い年下の男の子をからかってやろうというつもりで。
■マロゥ > 貧民地区とは比べるべくも無いにしろ、夜のこの辺りも決して安全とは言い難い。
身なりの悪くない少年の出で立ちを、格好のカモと見る視線もそれらの中には含まれていただろう。
その事実を知ってか知らずか、当の少年は物怖じした様子ひとつ見せる気配見せず、
女性の言葉に穏やかな笑顔混じりに受け答えを返してゆく。
「あはっ、心配してくれてありがとう御座います。
こう見えても、自分の身ひとつくらい守る術は持ち合わせているつもりですが………。
―――でも、そうですね。『悪いお姉さん』にとって食べられてしまうのも、偶には面白そうかも。」
胸元を寄せ耳元で囁く声、己の身を案じながらも、からかうような響きを持ったその言葉に、
わぁ、とわざとらしく驚いた素振りでおどけて見せながら。
しかしそんな彼女の内側で溜まっていた密かな欲望を感じ取ってか否か、
その艶めかしい括れを持った腰へと小さな手を回しながら、カウンター越しの店員へと一礼し、店の出口へと向かおうとする。
この先は場所を変えて―――と、まるで彼女に促そうとするかのように。
■アストラ > 「ふぅん……?」
偶には、ねぇ。
数度のやり取りだけではあるが少年が見た目通りの大人しい子供ではないようだと察しがついた。
それどころかかなり性的な事に関して経験がありそうだと、彼の対応を見て思う。
これくらいの年齢の子供なら、異性の胸元を前に冷静な返答など普通は出来ないもので。
故に、アストラはこの少年に少し興味を抱いた。
「それじゃあ、悪いお姉さんと遊んでもらおうかしら」
それが普通の遊びじゃないことは伝わるだろうか。
自然な手付きで腰に手を回す少年のエスコートを受け、誘いに乗る。
性的行為に忌避感がないのなら、相手が少年でも構わない。
店員に向けて酒代をカウンターへ置けば、少年と共に店を出るとしよう。
夜の帳が落ちる街中に、姉弟のような年の差の二人の姿は消えていくだろう──。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマロゥさんが去りました。
■アストラ > 【移動】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアストラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセリーナさんが現れました。
■セリーナ > すっかりと日も暮れてしまった平民地区の大通り。
まだ店を開いている酒場などを除けば一定間隔に並ぶ魔導式の街頭以外に明かりのない通りを魔法の明かりを片手に歩く。
ただその足取りは帰路についているというわけではなく、時折に足を止めて周囲を見回している動きから見回りという事が伺えて。
「この辺りは何にもなし。このまま何事もなく終わってくれるといいんだけど」
そんなことを口にしながら歩くのを再開し、もう少し歩けば開いている店も多い一角に付く。
そこまでいけば、同じような依頼を受けた同業者に遭遇するかもしくは何かあるかもしれない。
そう考えては少しだけ気を引き締めて薄暗い道を明かりで照らしては歩いて行って。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセリーナさんが去りました。