2022/10/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にスザンヌ・ドレークさんが現れました。
■スザンヌ・ドレーク > 平民地区の酒場で昼間から飲んでいた。
ドレーク商会と言う表向きの会社を立ち上げてみたものの、
思う様な人材が私の所へやってこないではないか。
「…全く、都会はどうなっているんだ。」
私は鬱憤はらしにグラスを傾ける。
この酒場は昼は酒場よりも食堂として機能しているようなので、
私は遠慮して隅の方の席で一人静かにしている。
学院でも浮いた存在になっている気がするし、都会はなんともやり辛いな。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアンドレアさんが現れました。
■アンドレア > 開かれた扉から入ってきたのは、あまりこの近辺にはそぐわなさそうな服装をした華奢な姿の人物。
視線を向けられた相手には視線を返して笑顔で手を振りながらマスターの方へと近づいて行って、声をかけた。
「ごきげんよう。この前の件はどうなりました?
……あぁ、あれで上手く行きましたか。それは良かったです。
マスターが探されていた系統の酒類であれば、あの商会さんが強いので、何かあったら相談を持っていくといいと思いますよ。」
入ってきた人物は男性とも女性とも判断がつきにくい容姿で、声だけを聴けば女性のようにも思えるし、男性のようにも聞こえる感じ。
だが、服装を見れば女性の格好。膝上くらいのスカートに、女性もののチュニックを身につけている。
これらは仕立てが良く、多分貴族か、とも思える感じで。
会話の内容は元々興味のない連中の耳に入っても左へと流れていくだろう。
興味のある人間であれば、耳に止まるかもしれないけれど。
そんな会話の後で、マスターのおごりで紅茶とケーキを渡されて。
「あぁ……たまたまおせっかいで首を突っ込んだだけなのに、すみません。
折角ですので、ありがたく頂戴しますね。」
そんな言葉を口にしてから、振り返ったものの、各テーブルに一人ないし二人座っているような状況。
どこに行ったものかと一思案していた。
■スザンヌ・ドレーク > なんだか知らない人物がマスターと気さくに会話をしているな。
声だけでは男か女かもよくわからないが、雰囲気から都会慣れしている気配を感じる。
うん、なんだか羨ましいぞ。
会話の内容からするとマスターに店を紹介しているようだ。
なかなかできた相手だな。
服装から判断すると、女性なのか?
とにかく可愛らしい感じだ。
私はグラスを傾けながらちらちらとこの見慣れない人物を観察していた。
よーく見ると学院で見たような気もするが、わからない。
「君、相席で良かったらそこに座るかい?」
どうやら座る場所を決めかねているようだ。
私は何故かこの少女らしき人物に声を掛けた。
元々四人掛けのテーブル席なのだが、今は私が一人で使っている状態。
ちなみにテーブルの上には私のグラスと、赤ワインが入ったボトル、そして豆と肉類が置いてある。
■アンドレア > どうしようかと一思案していればかけられた声。
目を瞬かせてそちらを見やれば、『かっこよく』て『綺麗』な印象の女性。
一瞬ドキッとするものの、少し深呼吸をして気持ちを落ち着かせてから、そちらの方へと近づいて行って。
「ありがとうございます。相席となると、失礼にならないか気になってしまって。」
声をかけてくれたことと相席の了承をしてくれたことの両方にお礼を告げつつ彼女の向かいに腰を掛けた。
腰かけた後で無意識に彼女の服装を見やってなんとなくの生業を想像するものの、確信がないのでそこまでとした。
学院では、貴族クラスと混合クラスのため、授業で一緒になることはあまりないだろう。
ただ、学院内ですれ違ったり、食堂やラウンジですれ違ったり姿を見たりしたことはあるかもしれない程度。
故に、こちらも確信が持てずに保留しようとしたものの、どうしても気になってしまったので、しばしの逡巡の後に問いかけた。
「……勘違いでしたらごめんなさい。コクマー・ラジエル学院でお見掛けしませんでしたか?
あ、いえ。お見かけしたと言ってもすれ違った程度だと思うのですが……」
この至近距離までやってきて、骨格から相手の性別を判断できるのであれば、目の前の人物は男性であると確信できるだろう。
ただ、服装は女性。仕草や所作も女性。声は女性にも聞こえるが、ボーイソプラノならば説明がつく。
つまり、いわゆる男の娘と呼ばれるタイプなのだろうと気付けるかもしれない。
■スザンヌ・ドレーク > 「大衆食堂で失礼も何もないだろう、気にするな。」
私はボトルからグラスに注ぎながら笑みを浮かべる。
ずっと飲んでるからいい加減酔いが回って来てるな。
なんというか、酔っ払い特有の顔をしていることだろう。
さりげなく向こうはこちらの格好を確認しているようだ。
この格好は目立つし、分かりやすいので気に入っている。
「奇遇だな。 同じことを考えていた。
私はスザンヌ・ドレーク。 混合クラスの生徒だ。
君はおソロ楽貴族クラスの生徒だな。
可愛い顔をしているから印象に残っている。
名前はなんていうんだ?」
おお、ついに私にも学友が出来る時が来たようだな。
しかしこの子は男なのか女なのか分かりづらいな。
都会ではこんな感じの子が流行っているのだろうか。
可愛いとは思うが。
ついつい、私は顔や体をじっと見てしまっていた。
■アンドレア > 「ほら、食事は一人で食べたい人もいるでしょうし……もちろん、複数人の方がいいと言う人もいるとは思うんですけど、外から見ていてそれは分からないですからね。
少しは警戒してしまうんですよ。」
くすっと小さく笑いをこぼしてそんな軽口めいた言葉を口にした。
そして、向けた問いに返ってきた問い。
同じ学生である事を理解すれば少し安心した笑顔を見せるだろうか。
「あはは……可愛いって言ってもらえるのは嬉しいですね。
名前は、アンドレアです。
……まぁ、つまりは男なわけですが。
それでもほら、男の子が可愛くちゃいけない理由もないと思って!」
その部分は力説した。どうやら可愛いことに関してはこだわりがあるようだった。
そして、しばらく自分の顔や体を見つめられれば、はにかむような笑顔を浮かべて少し恥ずかしそうに自分の身を抱くような仕草。
「あ、貴女のように格好良くて綺麗な人に見つめられたら、流石に恥ずかしいです……」
こういう仕草や反応を見ていれば、男と分かった今でも女のようにも見えて感覚が少し狂ったように感じるかもしれない。
■スザンヌ・ドレーク > 「私に関してはそんな心配は要らないぞ。
まあ、この格好を見れば警戒するのは分からないでもないが。
流石に酒場で手を上げることは…あるかもしれないな。」
酔っていることもあって一人で笑えてしまう。
これはいかんな、絡み酒と思われるかもしれない。
「アンドレアか、よろしくな。
なるほど…男だけど可愛くありたいと。
私にはよくわからんのだが最近の都会の子はそんな感じなのか?」
力強く説いてくるので、そういう考えもあるのだと理解はするが。
私の知っている世界ではアラクレ男がほとんどだったのでアンドレアみたいなタイプは珍しい。
いやいや、都会はとても面白いな。
「これはすまん。
つくづく可愛いものだと思ってな。
女だと言われてたら本当にそう思ってしまいそうなほどだ。
でも実際に可愛くありたいとは思っているのだろう?」
自分の身を抱くアンドレアの姿に双眸を細める。
見ていて面白い子だ。
折角だし、もう少し色々聴いてみたくなった。
■アンドレア > 「まぁ……貴女を警戒しているわけではないんですが。
その格好であれば、確かに一目見て海賊と分かります。
ただ、ぼくの記憶が確かならば、王家からの私掠許可が出ている海賊の格好のはず。
ならば……まぁ、海賊さんですからないとは言えないですけど……私掠許可のない海賊さんよりは安心できますよね。」
観察眼と聡い所がある事を示せば、続く言葉には少し赤くなりながらも頷いて。
「まぁ……はい、そうです。恰好いいと綺麗とかわいいはやっぱり印象面で強いと思うのですよ。特に第一印象では。
ぼくがきょうだいみたいな感じなら、恰好いいとか綺麗を目指したかもしれないですけど、ぼくが目覚めたのは可愛いだった、というか。
……あー、多分少数派です。それも、アイテムや呪いでそうなっちゃったわけじゃないなら、希少種だと思います。」
だからわかってもらえないんですよねぇ、と少し嘆息。
自分はニッチだという事は痛いほど理解している。
「可愛いって言われると嬉しいんですけどぉ……どこか少し恥ずかしくなるっていうか。
……本当ですか!そう言ってもらえると嬉しいです。
はい。実際に可愛くありたいですし、そうあろうと思っています。」
聡さの幅は広そうだが、同時に変な方向にも相当の労力を使っている様子だった。
だが、労力を使っているだけあってそれだけの効果は出ているのだろう。
少なくとも、本人がそうあろうと思っているようには。
■スザンヌ・ドレーク > 「いやいや、警戒した方がいいぞ?
最近は都会のやり方を覚えつつあるが私の本性は言っても海賊だからな。
都会の人では思いもつかないような残虐さや野蛮さがあるかもしれない。
しかし、私掠許可とはよく知ってるな。実際その通りだ。
それだけだと通りが悪いので最近は貿易商も始めたぞ。」
話してて面白い相手だ。
私はついつい口が軽くなってしまう。
貴族クラスだけあって色々と知っているようだ。
「ほほう、君は兄弟がいるのか。
別に呪いだのがあろうとなかろうと成りたい自分になればいいのではないか。
私なんぞよりは余程都会のルールに長けているようだしな。
さっきも店主と何か話していただろう。」
可愛いでいくのも大変らしいな。
目の前でため息を吐かれてしまった。
流石に頭を撫でてやる場面でもないだろうから、ポリポリとツマミを食べて置く。
「実際にアンドレアは可愛いぞ。
女の格好が良く似合っている。
連れて歩けば人目を集めそうだな。」
苦労してるようだが、成果は出ているように思える。
しかしまあ、私に可愛いと言われて恥ずかしがっているとは。
面白いので私は軽く遊ぶことにした。
アンドレアの顎に手を伸ばす。
何事もなければそのまま顔を引き寄せ、キスをするだろう。
戯れ程度のキスだがな。
■アンドレア > 「そうですか……まぁ、そうおっしゃるのなら。
でも、残虐さや野蛮さがあるのは軍も騎士団も同じです。
ただ、そこに何らかの枷があるか無いかの差で。
とはいえ、それが枷だけではなく特権にもなるわけですが。
そういう意味では、王国から見れば私掠海賊は海軍も同然ですしね。
……もちろん海賊さんですから、ご機嫌を損ねないようにしないと思いも付かないような残虐さや野蛮さを見せつけられてしまうかもしれないと言うのは理解しているつもり……です。」
本当につもりかもしれないな、と一瞬思ったので、最後に若干間があいた。
「なるほど、貿易商。そうなると、ご自身で商会を立ち上げたのですか?それとも、どこかの商会と契約を?」
少し目をキラキラさせながらそんな問いを向ける。
自分で商うのか、他の商いを仲介するのかによっても結構やり方は変わってくるものだ。
そうしていれば、続く言葉を耳にして、口元少し笑み深まって
「はい、上に3人。みんな家系に従って騎士へと。
ぼくはそうはなれないなぁと思っているので……
ははっ、そうですね。なりたい自分になればいい、ですね。
あぁ……元々この店は友人の行きつけなのですが、この前来た時に珍しいお酒を仕入れたいという話を耳にしまして。
たまたま商っている商会を知っていたのでご紹介したわけなのですが。」
店主との話は概略だけかいつまんで話しつつ。
結構たくさん話しているのに、タイミングを見て器用にケーキと紅茶は減らしている様子だ。
そうしていれば、まっすぐに褒められて。
そういう経験はあまりないのでぼっ、と顔が真っ赤になり
「そ、それはありがとうございます
…そう、ですかね。人目、引けますかね……んっ!?」
はにかんだ様子で嬉しそうに少しもじもじしていたけれど、あごと引き寄せられて触れるキス。
とても驚いた表情になったけれど、戯れ程度のキスならば程なく離れるか。
少しびっくりしたような、そして少しほっとしたような、複雑な表情を浮かべつつも、会話の流れから自分の『可愛い』に対する評価なのだろうと理解すれば、
「ありがとう……ございます……」
恥ずかしそうにしつつも、確かにお礼の言葉を口にした。
■スザンヌ・ドレーク > 「君は都会の事情に詳しそうだな。
私は元々海賊の生まれでな、こっちに来て日が浅い。
私掠許可を持っているし、貴族ではあるのだがその実お上りだな。
どうだろうな…確かに機嫌を損ねると暴力を使うかもしれないが。
こうして話している間は大丈夫だぞ。
流石に店の中だしな。」
なんで最後は良い淀んでるだと思ったが、触れないでおく。
「誰も手伝ってくれんから自分で立ち上げたさ。
契約をするとそこの評判に影響を受けるだろう。
幸い、貿易のルートだけはあるのだし自力でやったわけだ。
おかげでまだまだ立ち上げ途中だがね。」
なんだか楽しそうに聴いてくる。
この子はそういうことに興味があるのだろうか。
ツテもありそうだし、声を掛けてみるのも面白そうだが。
「凄いな、騎士の家系なのか。
君の場合、なれない以前になりたくなさそうだがな。
ま、君が自分で選んでいくがいいさ。
凄いじゃないか。
既に商売人の素質は十分と言うわけだな。」
話してる間にも器用に食事をしている。
色々と対応力もありそうだ。
真っ赤になったアンドレアの唇を奪った。
いきなりのことなのに怒るどころか、お礼を言われてしまったぞ。
「可愛い奴だな。
君さえ良ければこれから私の所で飲みなおさないか。」
これはまあ、そういう意味だ。
別に本当に飲みなおすことになっても構わないがね。
■アンドレア > 「都会の事情に詳しいと言うか、生まれた時からこの街なので、この街のことならある程度は知っている、と言うだけですよ。」
自分のよく知っている場所ならばよくわかるという論理を口にした。
きっと彼女も彼女自身が良く見知って言えることはこの場にいる誰よりも知っているはずだろうから。
「自分で立ち上げた、と。そしてルートは既にあるのですね。
だとしたら、何を持ち込んでいけば儲かるかのリサーチと実践だけじゃないですか。」
学院の座学系では優等生である。
頭を使う事なら結構得意な部類だった。
体を使う方はからっきしだが。
「そうですね、ぼくはなりたくない、が正しいと思います。
……ふふっ。まだ頭で分かっているだけで経験はないですけどね」
そこの部分は念のため付け加えておく。
自分はまだ頭でっかちだとは理解しているのだ。
そうしていれば、次の誘いをもらってしまった。
少しだけ考えたけれど、こくり、頷いて。
「ええ、この後は特に予定もないですし、構いませんよ。
それじゃぁ……」
そう口にすれば、ハンカチをナプキン代わりに使って口を拭い、拭った面を内側に折りたたんでポケットにしまった。
それから立ち上がって彼女の準備が整うのを待って連れ立って『次』へと向かっていく事だろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアンドレアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスザンヌ・ドレークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルさんが現れました。
■シャル > 肌寒い夜、まだ眠る気にはなれずに当てもなく散策に出たけれど。
行く場所を決めずに夜歩きするには不安の多い土地なのもあって、行ったことのない道を試してみるのも難しく。
まばらに行き交う人の姿が消えない通りを、時折少し脇道へ覗き込んでみるけれど、暗がりをそのまま進むのは憚られるように思う。
「あ……あそこは何だか明るい?」
いくつかの通りを覗いては戻りしているうちに、路地裏のひとつが少し開けた空間になって、篝火が焚かれているのを目に留めて。
焚き火と言うほど大きくはないけれど、ほんのり寒くなってきた今頃であれば、周囲にそっと寄り添って集まるには良い場所のようにも見えた。
もう少しよく見てみれば、談笑しながら飲み交わす男たちや、何か手編みのようなものを膝の上で熱心にしている女性の姿もある。少し安心できる日常生活の光景、これなら隅の方へお邪魔していても危なくはなさそうで。
羽織ったケープを深く直しつつ、火の見える揺らぎの端で、ちょうど座るのに良さそうな石の段差へ腰掛けて。
■シャル > 暫し不安な気持ちで周囲の人々を見ているけれど、新たに現れた少女に少し目線を向けてくる者こそいたものの、別段近づいてくるでもなく、男たちはまた談笑を続け、女性は手元に忙しいのか。
同じように集まってきただけの人々でもあるのかもしれず、そっとしておいてくれる。
篝火の火をぼんやりと眺めながら、またそんな人々の姿を眺めながら、暫しここでゆったりして行くのも今はちょうどいいのかな、と思う。
「もっと……こう、色々できたらいいのだけど」
学院のあれこれを終えてから、空いた時間は何をしてみようと考えてみたり、先日行ってみたお店にまた行ってみようかとか思ったりもしたけれど、そこまでするにはもっと夜ふかしできそうな元気がないと、なんて小さなため息をつく。
授業で少し無理をしすぎたかしら、と時折ほんのり痛む気もする左腕を撫でて。
頂いた塗り薬は使っているし、明日には消えていたらいいな、と左手を握ったり広げたり。