2022/10/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 ただの酒場兼食事処。つまりは憩いの場、そう憩いの場のはず……だった。

「……俺、こういうの呼び込む癖タイプなるのかね」

 愚痴る。愚痴りたくもなる。
 簡単に言えば折角一仕事終えて飲みに来た。なのに店の中の空気が最悪。
 なんでもここの店主がどこかで金を借りていたらしく、それの取り立てが来たとかなんとか。店の奥からは怒鳴り声が聞こえる。
 自分はああいう手合いは慣れてるし、最悪こっちに火の粉が降りかかってきてもあっさり退けられる。いくら怪我をしていようとあの程度の下っ端に後れを取るほどじゃない。
 そもそもほぼ完治していて今は調整期間だ。ぶっちゃけ戦場に出ても余程の上位クラスじゃない限りは対等にやり合える。
 しかし、それはそれとして空気は酷い。なのになぜ店を変えないのか。理由は単純だ。

「ホント、運がわりぃ」

 もう支払いも済ませてしまったし上の部屋の宿を取っている。ここで空気悪いので帰ります。なんて言えば金だけ取られ損。そんなの御免だった。
 火の粉が降りかかってくるなら払えば良い。その程度の感覚でしかなかった。
 だが、周りの目はどうだろうか。周りの大部分が委縮する中、堂々と酒を注文して飲んでいる。それは異様に見えるか心強く見えるか。

クレイ >  奥から騒々しい音がする。殴られて店主がぶっ飛ばされたか貸し付けた側が何かを蹴飛ばしたか。
 どちらにしても迷惑な話である。その音で回りはビクッとなるが。一切動じず飯を食う。

「てか、金あるんだから返せばいいのに」

 そう、最大の問題はそこだ。別にこの店は繁盛していないわけじゃない。返そうと思えばとりあえず今日の分だけでも払って終わらせられるはずなのだ。なのにしない。
 それが色々と不思議であった……まぁ、平民地区であまり騒ぎを大きくすれば騎士やらが来る場合もあるし、所謂良い人が助けてくれる場合もあるという考えなのだろうが。

クレイ >  
 いよいよもって奥が騒がしくなる。
 何もしないつもりだったが、いよいよ我慢できなくなり。

「おう、奥借りるぞ」

 静止する店員を後目にズンズン奥の部屋へ。
 そして彼が奥へ消えた途端さっきまでの騒々しさが嘘みたいに消えて、しばらくすれば取り立て屋は帰っていく。
 お互いが納得する形で仲裁したらしい。

「いいか、今回は手助けしてやったが。相手が誰だろうが借りたからには返すが常識だ。今日の契約わすれてねぇな? 次は俺は向こうにつく。その時はどうなってもしらねぇからな」

 と店主に言えば自分の席に戻り、食事の続きを楽しむだろう。
 数日後も店が続いていた所を見ると、店主も大人しく帰したのかもしれない。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイさんが去りました。