2022/09/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区<路地裏>」にダークネスさんが現れました。
ダークネス > 平民地区の路地裏に似つかわしくないバラの香りがふわりと香る。

「………よっと、本日も1日お疲れさんでしたっと……。」

暗いくらい路地裏に姿を見せるのは髪色から眼の色からきている物まで病的なまでの白い肌以外は全身黒で統一している小柄な人影。

それは知る人ぞ知る、一山幾らの冒険者の中でも護衛と案内を得意とする黒尽くめの少年冒険者その名はダークネス。
吸血鬼でありながら、同じ同族よりも色々な意味で人間を愛し時には殴りかかり、時には誑かし、時には送り狼となる本能に忠実な少年である。

今夜はその<案内人>の仕事を終えて静かな場所を探して平民地区の大通りに幾つもある路地の中でもあまり人気のない路地裏へとやってきた。

喧騒が苦手ってわけじゃない。
静かな場所が好きなだけで、一人でいるのが好きなだけ。
人見知りなんてとんでもない、迷い込んでくるものが居ればそれはもう色々と仲良くしよう。

で、路地裏にするりと微かな薔薇の香りと共に入り込んで、何をするかと思えば疲れたので一休み、近くに無造作に転がっていた木製の酒樽に腰をかけて、手でひらりと口元を覆ってから欠伸をかみ締めるのだった。

見目麗し……い程ではないが一見して冷たい印象を与える相貌、吸血鬼には見えない黒い瞳、見るからに黒尽くめの怪しい人影がいる路地裏に誰かくるのか来ないのか、そういう偶然もまた路地裏で一休みしている中の楽しみである。

ダークネス > ブーツの硬い踵で座っている木製の酒樽を蹴って楽器代わりにコンコンと音を鳴らし、「~~~~♪」と酒樽を蹴る音に合わせて鼻歌を歌い、と路地裏を少しだけ賑やかに。

両腕は胸の前で組んで左手の人差し指で腕を叩いてリズムを取る、暇なのは暇であるし、静寂を好みはするが基本人間が好きである色々な意味で、なので静か過ぎるよりはこうして音を奏でて暇を潰す事が多々あった。

「……明日はどんな案内をしようか、初心者冒険者を無名遺跡の中へと案内?それとも隣の都市まで商人を送るのもわるかないね……。」

音を奏で鼻歌を歌い、思いは明日の仕事へと馳せる。
――こうしていると、時折大通りから何事かと路地裏を覗き込む人影や視線があるのだが、その度に視線のほうに眼を向けて、視線の主にひらひらと手を振って自分の存在をアピールする、それが少しでもお金と血の香りがするなら喜んで声をだすが、手を振るだけのアピールのみで終わらせる興味をそそる人影は今のところない

ダークネス > もう少しだけ暇を堪能しても良いかな?と思ったが、メキョと踵が木製の酒樽を貫いた音と感触がして、慌てて酒樽から腰を浮かせて降りると、軽くしゃがみこんで木製の樽の破損後を確認する――ぶしゅっと中から新鮮なぶどう酒の香りがする何か、何かというがワインが噴出し顔面に目一杯浴びる。

「や、やべぇ…こいつはヤバいよ………。」

慌てて立ち上がり周囲に視線がない事をキョロキョロと右に左に視線を向けて確認し、誰も見ていないことに胸をほっと撫で下ろすと、座った感触は軽かったから中身はいってないと思ったんだよ!?と自分に言い訳をしながら、足早に路地裏より逃げ……走り出すのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区<路地裏>」からダークネスさんが去りました。