2022/09/24 のログ
■クチナシ > 「――ぷは。ふぅ……美味だなぁ。」
平民地区に在るとある酒場。
其処に在る席の一角に腰を落ち着かせ、頼んだ料理に舌鼓を打ちながら、笑顔を浮かべる一人の少年。
明日からは天気が悪くなり、外に出にくいだろう。
そう考え、ギルドで今日中にこなせそうな依頼を受諾し――解決し、資金を得。
懐が潤ったまま、酒場に来て食事をしている現状況。
「それに、明日明後日は……おそらく外には出ぬから、な。
酒の1杯でも飲めるというものさ。」
――そう、珍しく。その手には泡立つ黄金色の液体が注がれたジョッキがある。
普段は冒険者として酔いがあるのはいけないと思い、飲んでいないが――今日は別だ。
明日、明後日はのんびりと過ごす予定故。酒に酔いながら、文字通り酒の肴として、食べ物にも手を付ける。
――人は多い。自分がいるのは大きな席だが、この埋まり様だと、誰かと相席になるかもしれない。
まだ空いている自身の隣の席を見つつ。来た時はおごりでもしてあげようかと思いながら、飲食を進めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイーザさんが現れました。
■ルイーザ > 如何にか依頼を終わらせ報告を終えて酒場へと向かう。
ただ向かった時間が悪かったのか足を踏み入れた酒場は混雑をしている。
如何にか席はないかと店内を歩き、いかにも酔っ払いの誘いを流していれば大きな席に一人という場所。
あそこにしようと決めてそちらに足を向けて。
「こんばんわ、申し訳ないけど相席いいかな?」
近づけば丁度一杯楽しんでいる様子に少し申し訳なさそうに声をかけ。
了承を貰えればその隣の席に腰を降ろしていく。
■クチナシ > 揚げたての鶏の唐揚げ。
厚焼き玉子。どちらかというと東の方の料理が出てくるのがこの酒場の良いところ。
じゅく。っと油が吹き出る唐揚げを噛み締め、酒を一杯。混雑の中、一人思いっきり楽しんでいたところに――ふと、声が投げられる。
「んむ。……ごくん。
ああ、勿論だとも。――この混雑だ。相席も普通さ。座ると良いよ。」
それに合わせ、あいていた席の方に伸びていた自身の尾を腹巻きのように巻いて場所を作り、隣を指し示す。
彼女が座ったなら、人の良さそうな笑みを浮かべ――。
「この時間まで頑張っていたようだな。その出で立ちからするに。――さ、水だ。飲むと良い。」
近くにあるグラスに水差しの中身を注ぎ、彼女へと差し出す。混雑状況的に、店員が来るのも遅くなるだろうと考えての。
■ルイーザ > 「ありがとう。
もし断られたらどうしようかと思ったよ」
断られる事なく了承をしてくれた少年に笑みを向けて軽く頭を下げ。
開いている席に伸びていた尾を巻いて場所を作ってくれればそこに座り。
「採取の依頼だったんだけどね。先客がいたのか中々揃わなかったんだよ。お陰で苦労したよ……。
いいのかい?ありがとう、丁度喉が渇いていたんだよ」
差し出されたグラスを受け取れば早速と口を付けて喉を潤し。
そうしてグラスが空になれば二杯目は自分で注ぎ。
「そっちも依頼を終わらせた後だったのかな?随分と豪華だけど」
水を飲んで一息つけばテーブルの上に目を向け、そこに並べられた料理にもしかして同業者かなと問うように、
そして東の国の服なのかなと今更に見てしまって。
■クチナシ > 「くはは――。こういう時はお互い様だろう?
それに、席が空いているのに独り占めしようとする、みみっちい男でもないさ。」
既に酒が入っているからか、普段は細められている瞼をいつもよりも開け、しっかりと双眸で彼女の事を捉えながら、笑う。
それだけで男に酒が入っていることが彼女にも伝わるはず。
「あぁ……なるほど。採取関係は早いものがちだからな。特に薬草周りなんかは、依頼でなくても冒険者が摘んで応急手当にも使ったりする。
まあ、戻ってこれた。そして、その物言いなら揃ったということか。――やるじゃあないか。
……まぁ、その報酬。というには些か侘しいものかもしれんがな?」
そのまま彼女の方へ水差しを差し向けた。
自分には酒があるので、彼女が使ったほうが良いと考え――。その考えが功を奏したか、彼女は1杯、2杯とその水を飲み、渇きを潤している。
「ああ、こちらは討伐依頼を、な。――こちらは揃えるより、ある意味気が楽だ。どうせ、腐る程いる。
2件ほど、同じ区域にいるものを狩ったから、な。――何なら、少しいるか?」
彼女の予想通り、ここに居るのは同業者。つまり、冒険者である。変則的では在るが、その衣装は間違いなく東の方のもの。
――そして、言葉の終わりに積み重なる唐揚げの山を彼女へと寄せてみる。まだ多目にある。彼女が少し食べても亡くならないぐらいに。
■ルイーザ > 「本当にそうだよね。
けど中にはそうじゃなくてさ、相席の代わりに付き合えって言うのもいるからね」
そういうみみっちいのも居ると思い出して口にし。
そんなのに比べれば相席を受け入れてくれた彼はお酒が入っているのに紳士的に思え。
視線を合わせるようにして笑い合えば、それだけでも疲れはマシになったように思えて。
「そうなんだよ。僕が見つけた場所だったんだけど、知ってるのがほかにも居たみたいでね。
如何にか集めたけど馬車に乗り遅れて歩いたんだよ、本当に疲れたよ。
今回は労力と報酬はあってないね……」
彼に褒められればうれしくて笑みを深め。
そして言われた通りに報酬は今回は割に合っていないと苦笑を見せて。
「討伐を二件もかい?それは凄いね、僕はまだ討伐は一人で受けれるほどの腕は無いから羨ましいよ。
いいのかい?それじゃ遠慮なく……ん、美味しいね」
この国で東の国のものを身に纏っているならかなりのベテランではと今更に気が付き。
失礼な事をしていないかと心配にもなるが、唐揚げの山を寄せられると誘惑には勝てずに一つ摘まみ、油の噴き出る触感に舌包みを打ち。
そうしてようやくやってきた給仕に折角だしとエールを注文して。
■クチナシ > 「ああ――。
……確かに居るなぁ。ああ、自分はそういうのはない。安心すると良い。まぁ……駄弁りには付き合ってもらうがな?」
合点がいった。とでも言うように、彼女の言葉に頷く。
が、今日は既に酒も入っているし、そういった気分だ。故に付き合いは付き合いでも、会話に付き合え。と、告げたりはする。
勿論、それは誰にでも言うわけではない。――既に言葉を交わせたからこそ。
「……近場だと、喜びヶ原や九頭龍山脈辺りか?
それはまぁ、大変だったな。乗り遅れるのは厄介だ。――足も疲れたろうに。
……しっかり食べて、明日はゆっくり休むと良いよ。」
笑顔を浮かべていた表情が、僅かに心配を織り交ぜる。
この夜道を歩いて戻ってくるぐらいには、ある程度の技量が在る。ということはわかる。が、夜道を長く歩く――これは精神的にも肉体的にもキツいものがあるからこそ。
さりげなく、「いるか?」と別の皿を差し出した。それは所謂ポテトサラダ。胡椒をふりかけ、ぴりっとした風味が増えたそれだ。
「何。家畜に被害を与えていたウルフ。そして、近場にある水場で水質を歪めていたカエルがいた。
なら、一緒にしてしまうのがよいだろう? ――そういうことさ。
くはは、そうだろう? ――やはり揚げ物は正義ゆえ、な。」
自分の好物を美味しい。と言ってもらえればその口元も緩むというもの。もっと食べると良い。と、まるで子供や孫に美味しいものを食べさせる家族の如く。
給仕がやってきたのなら、此処でさり気なくこっちにもエールを。と追加注文。気付けばジョッキの中は残りわずかだった。
■ルイーザ > 「あんな品のない誘いはお断りだよ。
キミはそう言う事を言いそうに見えないから声をかけたんだよね。
いいよ、話し相手なら喜んで」
酔ってはいるようだが話し相手を求められてはその程度ならと受け入れ。
きっと楽しい話になりそうだと考えていて。
「喜びヶ原だね、そこの森林の浅い場所で採取をやったんだよ。奥にはいい思い出がないからね…。
納期が今日だったから戻るしかなかったけど…本当に疲れたよ。
明日は出たい講義があるから休めないんだよね」
心配をするように表情が変われば安心させようと笑い。
夜道を王都まで歩いたのは二度目ではあるが今回は特に疲れたという事もあり、しかし明日は講義がと口にして。
そして別の皿を差し出され、ポテトサラダとみるとフォークを伸ばして一口食べ、ぴりっとした風味にもう一口と食べてしまい。
「ウルフとカエルは討伐でよく出てるね。
カエルは僕も一度受けたけど大変だったよ…。
それを一緒にって言えるのが凄いよ、本当にね。
一寸カロリーが気になるけど…やめれないね、これ。
そう言えば名乗ってなかったね、僕はルイーザだよ」
太りそうと口にするも、勧められるともう一つ口に運んでは美味しそうに食べ。
今日初めて会ったはずだが、その好意に甘えていまって。
エールを二人で注文し、待っている間にふと名乗っていない事を思い出し。
初対面では誰にでも名乗る訳ではないが少年なら良いだろうとな名前を名乗って。
■クチナシ > 「――そうか? 自分も誘う時は誘うぞ?
まぁ、今はそういった欲よりも食欲。この美味を味わってる最中だからな。……それに、話した方が、楽しい。そうだろう?
――感謝するよ。」
彼女からの受け入れに、言葉通り――感謝するように頭を下げれば、頭頂部の狐耳がふわりと揺れる。
一見、ミレー族に見えるその風貌だが。
「ああ、そちらか。……確かに。それは否定しない。深いところには山賊も出るし、なんなら魔物も出る。
突発なダンジョンも発生したりするからなぁ……いや、頑張った。納期をしっかり守る冒険者は大成するぞ?
……と、講義。ああ、なるほど――。学院の生徒か。なら……夜更かしはダメだな。食べたらちゃんと戻って休むのだぞ?」
彼女が笑うなら、心配する表情をこちらも笑顔に変え――。
其処で零された言葉に、納得がいったというように頷いた。それは自分も学院の臨時講師をしているからこそ。
彼女に向けたのは、年長者や教師が告げるような真面目な言葉であった――。
「ああ。だからこそ狩っても狩っても足りない。まぁ、結果食いっぱぐれない。ということさ。
……あの粘液塗れの表面を切り裂くのは、な。動きを止め、貫く。もしくは鈍器で殴る辺りが最適。……倒し方さえ憶えれば、容易さ。
……くはは。いいじゃあないか。美味いものを食べている時は、カロリーは考えない方が良い。
それに運動すれば直ぐ消化されるさ。……自分はクチナシ。
……ああ、ルイーザという名前。確か見たことが在る。こう見えて、冒険者と共に講師も兼任していてな。」
そして、自分の立ち位置を明かす。
実際に顔を合わせたことはないが、生徒の名前は出来る限り暗記している。頭の中で彼女とその名前を結びつけつつ。
そこで新しいエールが届いたのなら。……ふと、ジョッキを持ち上げて。
「なら――今日という出会いの日に、乾杯でもどうだ?」
■ルイーザ > 「そうなんだね。キミに誘われたら状況次第じゃ頷いたかもしれないね。
それは判るよ、こんなに美味しいのを食べているならそっちを優先してしまうよ。
僕はね、人は見た目で判断しない事にしてるんだよ」
頭を下げられれば揺れるきつめ耳に目を向けて。
しかしミレー族とは思わず、別の種族なのだろうと考える。
その理由はミレー族よりも堂々としているという程度の事であるが。
「一度魔物に大変な目に合わされてね。それからは行かないようにしてるんだよ。
ダンジョンなんて出てきたら流石に逃げの一手になるね。
納期を守るのは基本だよ、そうじゃなければ受けないからね。
兼務で冒険者をやってるんだよ。勿論だよ」
心配そうにしていた顔に笑みが戻れば嬉しそうにし。
夜更かしは駄目と言う言葉に判っていると頷き、少なくとも授業をサボった事はないのが自慢で。
向けられた真面目な言葉をしっかりと聞いて。
「僕ももう少し腕に自信を持ったらメインでやってみようかな。
そうなんだよ、最初はそれを知らなくて苦労したんだ…貫くか殴るんだね、今度試してみるよ。
そうは言うけどね、太るって言うのは僕にとっては致命的なんだ、自慢のスタイルが崩れるからね。
食べて戻って休んだら運動をする暇がないよ。
クチナシ君ね……クチナシ……あ、ああ!」
正体を明かされれば驚きの声を上げてしまい。
友人が判りやすい講義をする講師と言っていたのを思い出して。
「いいね、そうしようか。今日のこの出会いに」
同じくジョッキを持ち上げ、彼の言う事に名案だと頷き。
軽くジョッキを合わせては出会いに乾杯と告げては口に運んで。
■クチナシ > 「――くはは。言うなぁ? そういうのは誘い文句にもなる。気をつけるのだぞ?
そういうところを、理解してくれるのは助かる。それに、冷めたらまずい。揚げ物系はなおのことな。
なるほど。……良いことだ。特に学院の生徒でお主のような子が居るのは心強い。」
実際、差別的な行動を行う不良や、問題児は居る。
そういう中で彼女みたいな思考を持つ子は、色々な意味で助け舟となるだろう。
――視線を受けると揺れる耳。
「なるほどな。既に経験済か。……大丈夫だったか?」
と、共に、再び心配そうな声色を織り交ぜたのは、その体が魔物に大変な目にあったからだ。その顔やお腹辺りに視線を向けたのは、魔物がそういう箇所を求めるからこそ。
「――何か合ったなら言うと良い。そういったものに効く呪術のひとつやふたつはあるから、な。
……とは言うがな。それを守らぬ冒険者も居るというわけさ。
自分は基本的に受けたら即日向かうようにしているが……ほっぽったり、後回しにする輩もなぁ。」
そう。真面目じゃない冒険者だっているのである。
やれやれ――。と肩をわざとらしく竦めて見せる。だからこそ、学業とギルドの任務を両立させている彼女に向ける視線は、何処か誇らしさすら織り交ぜている。
「……其れが良い。そのためにも、受講は忘れぬようにな。
ああ、講師なら――××先生の授業は良いぞ?実践的であり、効率もいい。体も引き締まる。まぁ、少しスパルタではあるが。
……それと。
もし、そういったものがわからなければいつでも冒険者や講師を頼ると良い。
何せ冒険者兼任の臨時講師が多いからなぁ、あそこは。そういったのにも応えられるよ。
――そう。自分みたいにな? くははは!!」
笑った。自分の正体を知り、驚きの言葉を零した彼女へ。
そして、一頻り笑ったのなら、改めて持ち上げていたジョッキを彼女の元へ。
「ああ――今日の出会いに、乾杯。確かここらだと、プロージットというのだったかな。」
かちん。と響かせたガラスの当たる音。そして、おかわりのエールに口を付け、小柄な体躯からは見合わぬ勢いで飲み進めていく。
■ルイーザ > 「……そ、そうだね、気を付けるよ。
揚げ物は熱い間に食べないと味が落ちるのがね。
人は見た目じゃないんだよね」
誘い文句と言われ自覚すれば頬を赤く染め。
美味しい食事は美味しい時にと同意を見せ。
この国では特に見た目や生まれを信じては痛い目を見るので人を見る目を鍛えていると自負し。
揺れる耳を見ては可愛いと思ってしまって。
「……出来れば思い出したくないかな」
心配そうな声色とお腹あたりに向けられた視線に小さく震え、まさにそれを求められたという事で。
「戻ってから蓄えはなくなったけど教会と治療院に行ったから多分大丈夫だよ。
それを守るのは冒険者の基本だって重々言われてるからね、守らないのは問題だよ。
それは何て言うかね……」
そういうのに依頼は取って欲しくないと大きな息を吐き。
後に回したり放っておくなら他が受けるから触れないでほしいという本音。
向けられた視線に交じる誇らしげな色には眼を丸して驚いて。
「講義で必要な事を学んで鍛えてからだね。死んだらそれまでなんだよね。
スパルタでも自分の為になるなら大歓迎だよ、○○先生だね。
先ずは先生に頼ってみるよ。
勿論クチナシ先生にも頼るからさ」
現役冒険者であり講師である彼なら本当に有意義なアドバイスを聞けると考えて。
そして寄せられたグラスが当たる音が響けば口を付けてエールを飲み。
半分ほど飲んだところでグラスを置いて一息入れ、その顔は酒に弱いのか疲れて早く回っているのか赤く染まっていて。
■クチナシ > 「うむ。其れが良い。特にここにはそういった欲が強い牡が多いからなぁ。
……だろう?まぁ、だからといって熱々のままでは口が火傷する。そして、そういう時にエールが合う。
まったく、見事な組み合わせよな。」
普段なら、あまり直球な事は言わないが、生徒相手にそういった言葉を零すのは少なからず酒が入っているからか。
――自分の言葉通りに、唐揚げを一口齧れば、エールを流し込む。
熱々の油と肉が冷たいエールとともに流れていくのは、やはり良い。箸休めのポテトサラダもちょうど良い。食が進む。
そんな最中も、彼女が可愛いと思った耳やしっぽは、気分の良さからか揺れ続け。
「――そうか。」
その揺れが止まったのは、彼女の言葉を聞いたからこそ。
「ん、良い。ちゃんと適切な処置を行ったならな。
……その問題行為を当然のようにして、ブラックリスト入りしている輩もいるからなぁ。
まったく、困ったものよ。取られた依頼者も、其れをフォローする他の冒険者にも、迷惑が掛かる故な。」
露骨な溜息は、そういったののフォローもやったことがあるからか。
彼女の意見には全くもって同意であり。会話の最中にもその頭を前後に揺らしている。
「然り。死んだら其処まで。まぁ、だからこそ……自分らが技術を教えるのだがな。
と言っても、自分が教えているのは外方な呪術故、人を選ぶものではあるが。……ふふ。頑張るのだぞ?
自分にも何かあれば言うと良い。と言っても、自分は技巧で勝負する側。あんまり参考にならんかもしれんが、な。」
頑張る生徒には応援を。――頼られるなら、それにも応じたい。
彼女の言葉に大きく頷きつつ、食を進める。
既にエール2杯目だというのに酔い潰れる気配は一向に魅せないこちらではあるが。
――彼女に関しては、既に顔が赤い。酒に弱いのか、疲れた体に直ぐに酒が回ったのか。
「ん、大丈夫か……? ……少し休むか?」
――心配するような声色、再び。
同時にその自分の太腿の上に乗ったしっぽが揺れ……まるで極上の枕の如き、丸みを見せたりする。
■ルイーザ > 「欲が強すぎて見ていて呆れる事が多いよ。
この組み合わせは悪くないね。次からは僕もこのセットで頼むようにするよ。
食べるのが止まらないね」
直球な言葉にそうだと何度も同意をしてみせ、それだけ学院でも色々とあるようで。
熱々の唐揚げと冷えたエールはよくあい、サラダも丁度よく、次はこのセットと決めて。
もし彼が教師でなければ触れさせてと頼んでたかも知れず。
「ああいう失敗は二度はごめんだね。
教会は疑わしいけど治療院は行きつけだから大丈夫だよ。
そう言うのが本当に居るから選ばないとね、治療を受けたらお腹が大きくなったなんて笑えないよ。
フォローが効くならいいんだけどね」
薬草採取のフォローは大変だったと大きなため息。
そういう冒険者がいなければもっと余裕をもって稼げるとつい口にして。
「本当に教わった事を実演しているよ。
呪術も興味はあるからね、講義にも顔を出させてもらうよ。
そういう経験こそ知りたいものだよね」
兎も角色々な事を学びたいと講義にも何れは顔を出すと告げ、
たとえどんなアドバイスでも欲しいと向上心を見せて。
普段ならば1杯程度ではこうはならないのだがアルコールの回りは早くて。
「少し酔ったかもね…いいのかい?」
再び心配そうな声に酔ったかもと認め。
太ももの上に乗せられた尻尾に視線が流れれば身を預けるようにしていって。
■クチナシ > 「まぁ、空気を読む事も大事。――ああ、良いな。それは。
ちなみに品名はそのまま鶏の唐揚げ。盛り合わせだ。覚えておくと良い。」
勿論、こちらも牡なので誘うときは誘うがそれはそれ。
おすすめのセットを気に入ってもらえれば、こちらとしても嬉しいのか、僅かに赤らんだ頬は笑顔を作る。
――彼女は知らない。生徒に子供先生と呼ばれていて、時折しっぽや耳を触らせていることに。
「治療院が行きつけ。というのはあんまり関心はしないがな。
まだ若い。怪我は極力減らせるように――しっかりと鍛錬せねばいかんぞ?
……いや、本当にな。大惨事ってレベルじゃあない。
もし、危ないと思ったら仲間を連れて行くのも大事だぞ?」
仲間。眼の前の社交的な彼女なら、そういった相手も直ぐ見つけられるだろう――と考えての言葉。
勿論、分前は減るだろう。しかし、やはり身の安全こそ第一なのであり。
「――お、来るか?
くはは! ああ、その時は歓迎しよう。
まぁ、初回の道具などは集めてもらうことにはなるが……其れさえ持ってくれば、な。いくらでも教えるとも。」
受講生徒が少ない授業故、色々な意味で親身になり――結果、彼女が思い出した「わかりやすい講師」というイメージが付いたという話。
自分のそれに興味を持たれるのは嬉しいのか、ぱさぱさとしっぽが揺れていたのは秘密――。そして、その尻尾を枕にするように丸めたら。
「ああ、勿論。……なぁに。
少し休めば元気になる。今は休んで、整えて、明日に備えると良い。」
――身を預けてくる彼女の体を支える。小柄だが、しっかりと筋肉を持った肉体は彼女の体を受け止めてもブレることはなく。
その頭に手を添え、子供をあやすように――宥めていくのだ。彼女の酔いが覚めるまで。
■ルイーザ > 「読めないのが本当に多いからね。
鶏のから揚げ、本当にそのままなんだ。覚えておくよ」
つい最近まで経験もなく、実際に誘われれば慌てるのだがそれはそれとし。
料理名を聞けば忘れないようにと何度か口にし、笑顔の頬が赤らんでいる事に気が付けは微笑んで。
耳や尻尾は触れてみたいが、それは失礼だと我慢していて。
「依頼で戦う事があった時は念のために行ってるんだよね。
鍛錬に手を抜くつもりはないよ、でもありがとう。
本当に笑えない大惨事だよ、そうなったらね……。
仲間か…今度級友を誘ってみるよ」
何気に一人で行動をする事が多いので怪我も多い時があり。
彼の言うとおりに仲間を真剣に探そうかと考え、まず最初に同じように冒険者をやっている友人を当たる事に決めて。
「興味はあったから受けさせてもらうよ。
道具を集めるのが苦労しそうだね、でも集めて受けさせてもらうよ」
受けている友人が言うには本当に判りやすいと言う事。
そして何度も助けられたと聞いているのでぜひ自分でも身に付けたいと考えていて。
「そうだね。それじゃ…少し休ませてもらうよ」
異性にこれだけ気を許して身を任せるのは信頼か疲れからか。
枕のように丸められた尻尾に頭を預け、あやすように宥められては力が抜け。
やがて酔いがさめてしまえば別な意味で慌てるのだが、それはまだ先の話しで…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクチナシさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルイーザさんが去りました。