2022/09/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアーリィさんが現れました。
アーリィ > 人通りの多い通りから少し外れた小さな酒場。大して飲めないのだが、今日は人恋しい気持ちを紛らわすために訪れていた。
大通りは恋人や家族やら、羨ましい光景が目に入って胸を締め付けられた。

「…はあ……って、溜息ばっかりだめだめ…っ」

こんなことではいけない、と頰をぺちぺちと叩いて己を鼓舞する。慣れない酒をぐいっと煽ると、アルコールが喉の奥を熱くしていく。

「〜〜〜…っ」

どのくらい時間が経っただろうか。いつの間にか顔は真っ赤で、瞳は潤んで虚で。すっかり酔ってしまった身体は桜色に染まっていた。
店主からちゃんと帰れるのか、と心配されたが、大丈夫とへらへらと笑いながら頷いてみせた。

「大丈夫ですよ〜//いざとなったらこの本の角で〜…//」

分厚い魔術書を手に取ると、周りの客に構わずそのままぶんぶんと振り回してみせて。

アーリィ > 心配する店主から水をのように差し出され、グラスに口をつければ冷たい水が喉を通っていく。さっぱりとすれば、少し冷静になっていった。

「ふぅ…、じゃあそろそろ帰ります。ご馳走様でした」

支払いを済ませると軽く身支度を整え、夜風で酔いを覚ましながら、賑やかな通りに消えていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアーリィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイーザさんが現れました。
ルイーザ > まだ日が高い時間の平民地区の大通り。
人で混雑するその通りを路地に近い壁に背を預けて人波を眺める。
ただ人を探しているなどという訳ではなく、一休みのついでに眺めているという感じで。

「こんなに暑い日なのにみんな元気だよ。本当に凄いって思うよね」

学生の自分も大変だとは思うがそれ以上に熱い中で働く人々は凄いと思ってしまい。
自分なら熱すぎると頑張れないなと関心をするようにして。

もう少し休憩をすれば冒険者ギルドか雑貨店にでも向かおうと考えて人波を眺め続けて。

ルイーザ > そうして休憩を終えれば雑貨屋へと足を向けて去っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルイーザさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にルイーザさんが現れました。
ルイーザ > 昼間に受けた簡単な依頼を終え併設された酒場へと足を向ける。
しかし酒を飲むという事はなく、頼むのは軽い軽食と果実水だけ。
この食事を終えれば別の依頼を探して受けようと考えているからだが…。

「ついてないね、一人で出れそうな依頼が出払っているとかね」

受けれそうな依頼があればと前もって頼んでいたが今のところは出払っているという答えしかもらえず。
待っていればその内にという言葉を信じて食事をするのだが今のところは声もかからず。
そうして待つ間に軽食も減っていくわけで、あまり長いも出来なくなってくる状況。
取りあえずはお代わりに果実水を頼んで軽食を食べるスピードを落として酒場内やギルドの方へと視線を巡らせる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にコルボさんが現れました。
コルボ > ギルドの方へ視線を巡らせればスカウトらしき男が書類束を受付に提示し、
そのうちの数枚を引き抜いて受付嬢に差し出す。

「このターゲットはもうカタついてる。並行して別口で依頼が出てたっぽくて
 もう始末した奴がいんのよ。
 だから大森林南部の林道方面は警戒解除していいと思うぜ。

 あの辺は駆け出しが動きやすいからな。早いところ手続き頼むわ」

 ギルドからのフィールドワーク、調査依頼を受けて戻ってきたらしい冒険者。
 学院で講義を受けているなら、薬草学の非常勤講師として悪い意味で名が知れてるだろうか。

 女性関係に良くない噂が絶えない男。しかし周りに女性の影が絶えない男。

「……んあ?」

 手続きを終えて振り向けば、若い貴女が一人でいるのが目について。

「おーい、わりい。相席いいか?」

 片手をひらひらさせながら声をかけてくるだろう。

ルイーザ > 依頼が来るか来ないか分からない状況。
待つよりは即行動、内容を選ばずに夜警でも受ければいいのだが一度待ってしまえば決断が付きにくくなり。
ズルズルと時間を浪費をするがままに軽食を食べ終えてしまう。

食べ終えてしまえば追加の注文をするか否かと考えようとした所で声が聞こえ。
依頼が来たのかと思ったがどうやらそうではなく、視線を向けた先にが何処かで見た顔。
よく見れば学院の講師だった気がすると見ていたがこちらにも気が付いたようで。

「構わないよ、僕みたいな子の相席でよければね」

声をかけてくる男に笑みを浮かべて、断る理由もなく、どうぞと向かいの席を手で示して。

コルボ > 「みたいなって、モテそうな顔立ちの割にはずいぶんな感じだなぁ。
 俺ぁコルボだ。スカウトやってる。後ラジエル学院で講師もな。
 お前さんもしかしてあそこの生徒か?
 ここで飲み食いしてんなら掛け持ちでギルドに登録してんだろ?」

 学生の中でもたまにいる冒険者として登録する傍ら勉学に精を出す若者達。
 そういう類なのだろうと思ったところで、周囲を見渡して。

「そういや仲間はいないのか?」

 駆け出しであれば、いくらか頭数を揃えるものだと思っていたが、
 最近は単独の駆け出しも増えてきてふと気になったように

ルイーザ > 「モテるのかな…そんな事は考えた事はなかったよ。
コルボさん…あぁ、思い出した。薬草学の先生だったよね。
僕はルイーザだよ。正解、学院の生徒であっているよ。
流石に詳しいね、初級の冒険者もやらせてもらっているよ」

モテそうと言われ、今まで考えた事がなかったことに目を丸くし。
その言葉にいつもを思い返せばモテている?と思い当たる節が幾つかあり。
学院の講師と聞けば完全に思い出し、自分も生徒だと頷き名乗り返し、
掛け持ちに関してもその通りと否定せず。

「僕はパーティは組んでないよ。時々に学院の同じような生徒や募集の臨時と組むことはあるけど…。
基本は一人だね」

周囲を見回す男に尋ねられれば一人だという事をさらりと告げ。
あまり団体行動をしない事を口にする。

コルボ > 「顔立ちは普通に良いし、振舞いは女受けも良さそうに思うぜ?
 学年上がったぐらいから後輩に注目されるんじゃないか?

 そうそう。仕事上の知識を生かして、おかげで良い副業に着けてる、って言いたいところだが、
 テストの採点やら学生のケアまでデスクワークの契約増やしすぎちまってるアホな先生だよ。

 ルイーザ……、ああ、もしかしてお前さんブランチ……、形態変化する武器とか使ってないか?」

 情報屋として、学生のケアを請け負っている立場上目についた生徒のことはある程度記憶したりメモを取っていて。

「んー、そっか一人か。だったらこっから先はなるべく
 誰かと組んで動くのはお勧めしとくぞ。

 ダンジョンや街中での依頼はともかく、自然地帯はこれから冬ごもりや餌がなくて飢えてる魔物増えるからな」

ルイーザ > 「確かに同級生の女の子はよく持ち上げてくるね。
何でかな……注目されるって聞くと照れるね。

先生の講義は判りやすいって好評だよ、僕も依頼の時に薬草を探す時に助けられてるね。
良い先生じゃないか、そのまま本業にするのはどうかな?

よく知ってるね、同級生や学院の関係者で知ってる人は殆どいないはずだけど」

男の講義は判りやすいから本当に楽しいよと笑って答え。
良い先生だと親しみを込めるように口にし、人に話していない事を知っている事に驚きを見せて。

「仲間がいると助かるんだけど予定を合わせるのが大変だからね。
……肝に命じておくよ。自然地帯は特に危険なのは身に染みているからね」

男の言葉に一瞬肩が跳ね、判っていると何度も頷いで果実水を口元に運んで。

コルボ > 「たまにルイーザみたいに男勝りじゃないんだけど、なんていうんだ、
 所作の中に”同性が憧れる異性の理想の振舞い”みたいなのを持ってるっていうかな。

 実際の男子見てみろ? クソ暑いときに外ではしゃいだ末に汗だくで上半身裸で歩いてよぉ。
 俺のケア、悩み相談じゃなくてこっちのが多いんだよ……。」

 女生徒の目のやり場もケアしていたようです。

「わかりやすいってか、みんな学院に授業料払って勉強しに来てる、
 ない知識欲しくて来てんだからな。
 なんで分からないんだって教師が言うのは違うだろうよ。

 情報は伝えるんじゃなくて伝わるようにするのが大事だからな。
 ま、それでも実際に生徒からそういってもらえんのはうれしいが……、
 あくまで副業だな俺ぁ。

 外出て知らないこと知って動いて回るのがやっぱ性分みたいでな。」

 良く知ってるね、と言われれば。

「学院の関係者、ならな。でもルイーザは冒険者だ。
 ……仲間なようで商売敵なところもあるからな、同業は。
 目立つルーキーは、わりと噂になるもんだぜ?」

 少し脅かすような口調の後、ニヤリと笑って。

「ん-、だったら学院でもいいから俺に声かけてみればいい。
 教師同伴かつツーマンセルなら単位も金も稼げるぞ?」

 ……一瞬肩が跳ねたのを一瞥して。

「それに、俺は生徒のケア頼まれてる先生だからな。
 仲間や商売敵じゃない相手に吐き出したいこともあれば聞くぜ?」
 

ルイーザ > 「意識しているつもりはないけど、そう見えていたのかな。

実際の?あれはあれで元気でよくないかい?目のやり場には困るけどね。
コルボ先生がアレを注意してくれてたのかい?だったら助かってるよ」

そんなつもりはなくとも上半身裸の男子が歩いていれば目のやり場に困る。
それを注意してくれているなら助かっていると。

「それは僕も同じだよ、けど判りにくい先生もやっぱりいるからね。
僕は知りたい知識が丁度先生の講義で一致してるんだよ。
副業なんだね、そこは割り切ってるんだ。

そう言うのが好きなのは仕方ないよ」

知りたい事をわかりやすく教えてくれるという事は好印象。
そんな男が副業と言い切るならそれ以上はと諦めて見せ。
外にと聞けばよく判るので何度か頷き。

「つまりは生徒の事を調べたって事なんだね。
そう言うのはセクハラって言うべきかな?」

脅かすような口調に、逆にそういう趣味?と問うように笑い返して。
目立つという言葉に少しは気を付けようとも決めて。

「先生を誘う?それも悪くはないかもね…。
僕はお金よりも習った事を実演したいから報酬は二の次なんだよ」

稼げるならそれはそれでも良いが二の次。
しかし男と一緒なら安全に依頼を受けれるかと考えて。

「吐き出したい事……無いよ、そんな事は」

その言葉に知られている、一番知られたくない事を。
そう考えが流れれば自然と視線をそらしてしまう。

コルボ > 「そういうのは意識しないからいいんだよ。お前さんはお前さんのまんまでな。

 なんやかんやで懐深いなルイーザは。目のやり場も気持ちもどうしようもない女子生徒もいるからなぁ。
 だってよ、そういう何気ないところで彼女持ちが恋人に幻滅されて逃げられんだぜ?
 ケアじゃなくても同性として言うよそりゃ。」

 男は男で女性が許容できないがさつさから逸脱しないようにとやきもきしているのだと

「まー、教師一辺倒の講師ほどわかりにくいのはあるかもな。
 俺は交渉するのも仕事だし、生徒とよく話してる教師も気づいたりする、
 会話の流れとかあるからなぁ。」

 遊んでいる噂のある男は、その遊びが伝わりやすさにも繋がっているらしく。

 とりあえず腹を満たそうとサンドイッチとエールを注文して、
貴女に”奢りだけどなんかほかに頼むか”とも声をかけて。

「俺もソロメインだが、知らないことを知ったり調べるのもいいし、
 自分が思うように動きたいからな。
 如何に戦わないか、とかも考えてるしな。

 ん? ああ知らないのか? 俺ぁセクハラどころかもっと良くない噂が流れてる男だよ?」

 脅かすような口調に返ってくるのはより大きな噂。
 尚、注文したウェイトレスのお尻を会話の流れで触ってトレイで後頭部を思いきり殴打される。
 ちょっとだけ会話が途切れつつ。

「実践、か……。また危ういこと言ってくれるな。
 そういうのは安全確保したところでやるの、何も恥ずかしいことじゃないぞ?
 逆に金払ってんだから学院の演習場使うのもいいぜ?

 んでも、あー、現場の知識……、薬草学……、あー……、フィールドワークだな」

 自分で言ったことを自分で否定してしまった。

「……ルイーザが吐き出したくないってならいいさ。
 要らんこと聞いちまったな」

 ただ、それだけ言葉を返す。
 訳知り顔で無遠慮に踏み込むことはしてこない。
 知ってか知らずかは別としても、本人が話さないと始まらない、
 そういう大人のスタンスで。

ルイーザ > 「僕は僕だよ、変わりようはないね。

暑いから脱ぎたくなるのは理解は出来るからさ。
僕が思うのはそれで恋人に幻滅されるのはそれまでって事じゃない?本当に好き、愛してるなら受け入れる事も出来ると思うよ。
先生だって懐が大きいね」

それでもきちんと対応するのは凄い事だと賞賛し、そう言うのを放置な講師もいると告げて。

「正直、教わったのが役に立たなかったって言うのもあるね。
それを受けた後だと先生のは本当に判りやすいんだよ、現場仕込みっていうのかな」

噂は聞くが、それで講義が判りやすければよく。
その噂が自分や知人に及ばなければ何かを言う事はなく。

奢りと聞けば果実水のお代わりをお願いして。

「一人だと調べる事も増えるけど、それも勉強だと思えばね。
自分の思うように動きたいならどうしても一人になるよ。
仲間が多いと戦いが避けれないも多いからね。

そうだね、一番最近だと隣のクラスの子とだったかな?」

勿論知っていると笑みと共に返し。
ウェイトレスのお尻を触っている姿を見ればそれは本当だろうと思えて。

「剣の扱いは学院でも大丈夫だよ、けど薬草の種類を見るにはね。
フィールドワークが一番なんだよ」

学院だとその辺が駄目だからと首を振り。

「……だったら聞いてもらおうかな。
僕じゃなくて知り合いなんだけどね、自然地帯の依頼中にゴブリンに襲われたんだよ。
その子を励ましたいんだよ、いい方法はないかな?」

男の言葉に申し訳なさそうにし、知り合いがと前置きを置き。
襲われた子をどう励ませばいいかと口にする。

コルボ > 「ま、なんだかんだで教師生活満喫してるのもあるかもな。
 幻滅されたらそれまでかもしんないが、そこでそれまでじゃなかったら、その先どうなるかってのも考えちまうほうだしな。」

 教師としての対応もあるが、同じ男としての忠告、いわば業務外でもあるのだと。

「まー、実際俺等は誰もが本当に使ったうえでの結果だしな。
 あとなー、授業でも言ったけどたまにあんだよ、貴重な薬草を奪われないように
 わざと嘘の生息域記された資料がそのまま教材に使われてたりとか。

 貴重なのは本当に奪い合いだからな……。

 ……なんで俺マジでそんな間違いわざわざ訂正して教えてんだろ」

 今更気づいた体を見せつつも、実際のところは”教えてる薬草は穴場の生息域を知っているから”なのは
さすがに授業外なので秘密にしているが。

「駆け出しだと取り分がなぁ……。戦力にならなくてもまとめ役が逆に大事なんだよな。

 隣のクラスで最近だと、もう6人ぐらいいるぞ」

 自分の頭をさすりながら真顔で言う

「流石に薬草園で見てもなぁ。結局人の栽培したもんだしなありゃ。

 実際、体調整えるのに薬草食べる魔物の足取り追って生息域見つけるとか、
 現場出ないとだもんなぁ……」

 なんのかんので、熱心な生徒には授業で教えてない確保の方法を漏らしつつ。


「励ましたい、か……。
 ゴブリンに襲われたって、そういうことだよな。

 ……まだ運が良かったほうだって、ゴブリンのやばさが分かってない若い奴に言っても届かねえだろうしな。

 まー、俺だったら無理やりにでも嫌なこと忘れさせるためにデートして楽しませるけどな。

 逃げとか目を背けさせるんじゃなくて、なんつうか、こう、勿体ねえからな。
 ルイーザが友達って言えるぐらいいい奴なんだろ?

 少なくとも、一人でいると、襲われた時のことが自分の中で悪い方向に巡り続けるからな」

 自問自答は時に毒なのだと。冒険者がパーティを組む理由、仲間を求める意味を提示するように。

ルイーザ > 「満喫しているなら向いているって事だよ。
何て言うか……先生は気を使いすぎてないかな?」

生徒のことを思って色々としてくれているのはよく判る。
しかし副業と言っていたのに気を使いすぎているようにふと思えて。

「そういう話を僕たちは聞きたいんだよ。
言っていたね、嘘の生息域が教材になっているって。
先生に教わる前はそれを教えられていたから驚いたんだよ。

……何でだろうね?」

今更気が付いた様子に本当に教師向きではと思ってしまい。
思ってしまったのだがあえて口にはしないでおき。

「そもそもに駆け出しで儲けようと思うのが間違いだと僕は思うよ。
それに仲間で組むとリーダーでもめたりもするからね。

手を出し過ぎじゃないかい?」

真顔で告げられた言葉には呆れ、少しだけ身を離すようにしてしまい。

「綺麗に整えて育てられているから意味がないよ、あそこは。
実際にこの目で自然に自生しているのを見つけて、採取にはどんな危険があるかは現場でないとね」

授業で使う分には良いのだが、実際自分で採取には薬草園は役に立たないと溜息と共に口にして。

「そう言う事だよ。助けが来るまでずっとだったそうだよ。
泣いて謝っても嗤って犯されるんだよ…。
それでさ、抵抗をすれば乱暴にされるから、ある時からは必死に媚を売ったって言ってたよ。
……それでも助けられるまで…何匹も産まされたんだって…。

忘れさせるためにデート?それは気が付かなかったよ。
僕が自慢できるぐらいいこだよ、その子はさ。

一人にしない事なんだね、良い事を聞いたよ」

男の言葉を聞けば何度も頷いて見せて、そういう時は一人でいない方がと小さく呟いて。

コルボ > 「知ってっか? スカウトってなパーティの中で魔術師よりも頭使うしタスク並行して処理する仕事なんだぜ?
 危険がない分まだ張り合いがないってか日常の範疇だよ。」

 ちょっとは惚れたか? などと生徒に言う始末で。

「んまぁ、嘘書いた奴からすれば広まりたくないから本当ですっていうし
 実際にそこを教材に使う奴が調べるわけでもないだろうからなぁ。
 それに、その生息域を書くように指示したのが貴族なら、まあ教材にねじ込めるわな。

 単純なミスってより、人の思惑がからんでだなぁ」

 そこまで分かった上で全部言う。貴族の思惑よりも仕事に対する誠実さを取る。
 プロとしての矜持であり。

「でも駆け出しって冒険者やってる中で一番夢がある時期だからな。
 実際駆け出し一発目で遺跡の隠し部屋偶然見つけて大金持ちになる奴、
 本当に、本当にたまにいるからな。

 駆け出しだけの構成だと大体クッソ泥沼になって最悪死人出るから
 最終的にギルドかお役人が動いて没収もあるけど。」

 冷静かつ客観的に物事を見ることができる。だからこそ裏の事情を先に言っておくのは、
 多分そのリーダーの素質があるのだろうと見越して。

「そうは言うけど、あんなさ、教師も生徒も無防備でさ、そのうえ顔がいいのがいっぱいでさ、
 面積の割に人口密度すごくてさ、その分移動距離とかレスポンス早くてさ。

 結構我慢してるよ先生は?」

 ちゃんと仕事をしたうえでこの勢い。寝てるのか疑わしいレベルで。

「今度どの薬草をどういう魔物が好んで摂取してるか授業で資料配るから目は通しておけよ。

 いろいろな意味でやべえのいるからな」

 ユリカゴイモリとか、とぽつりととある魔物の名前を呟いて。

「実際ゴブリンてな人型全般を孕ませる穴ぐらいにしか思ってないからな。
 男尊女卑とかじゃなくて、そういう生態と本能なんだ。
 そいつも、なんで弱くて駆け出し冒険者の依頼によく出るゴブリンが絶滅しないか、理由は分かっただろうよ……。」

 初心者向けだからではない、上からすれば替えの利く初心者を駆り出してでも定期的に殲滅しなければならないのだと。

「ま、そういうわけでだ。その友達をデートに連れてくんだろ?
 ルイーザはそういうデートしたことあるのか?
 ないんだったら今から付き合ってやるぜ?」

 悪い噂が真実である男は、そういう風に女性を口説くのだとでもいうように。

ルイーザ > 「それは知ってるよ。スカウトが仕事をしないとパーティが危険に晒されるからね。
僕はパーティではリーダーよりもスカウトの意見が優先されると思ってるよ。
日常の範疇って言えるのが凄い事だよ」

それはないよ、惚れたかという言葉にはきっぱりと言い切って。

「その嘘を真に受けて大怪我をする子もいるからね。
僕としては嘘を書くなら最初から書かないでほしいと思うんだよ。
人の思惑が絡んだので僕たちは教わっているかもしれないんだね」

告げられた言葉に今以上に教わった内容は再確認しようと決める事となり。
男の授業は大丈夫そうだが、他はどうなのだろうかと疑問を浮かべるほどで。

「冒険者は慣れてくると夢もなくなって来るって本当なんだね。
もう先生は知ってるから言えるけど、僕は遺跡で見つけた方だよ。

その時も一人だったから揉める事も無くて全部僕のものにしたんだよ。
苦労して見つけたのが没収は笑えないよ」

そういう男は今は夢はないのだろうかと見てしまい。
もう知られているので、男が言った武器は遺跡で見つけたのだと。
そしてもし複数で遺跡に行くときは男の言葉を思い出そうと誓って。

「無防備なのは仕方なくはないかな?
そこに手を出す方が僕は問題だと思うけどね。
手を出した時点で我慢できてないよ」

仕事をした上に生徒に手を出す、どれだけ元気なのかと呆れるほどで。

「本当に?僕としては今すぐにその資料を貰いたいって思うよ。
出来れば遭遇したくはないからさ」

聞こえた名前には愉快な名前の魔物も居るのだという程度の認識。
魔物学の授業では教師の考えか避けられていた名前であって。

「本当にそうだったよ。産んだら直ぐにだった、だって言ってたからね。
あれだけ討伐の依頼が並ぶのに無くならない依頼の理由はあの繁殖力なんだね」

どれだけ大規模に討伐をされても減らない理由、それを実感したというように顔を青くするも直ぐに首を振り。
怖いよねと笑ってみせて。

「そうだね、次の休みに誘ってみるよ。
遊びに行く事はあってもデートは経験はないかな。
それって…僕をナンパしてるのかな、コルボ先生?」

口説くような言葉、それを聞くと7人目にはならないよと首を振って。

コルボ > 「でも意外とスカウトって軽視されんだよな。スカウトの意見が本当に尊重されるかは、
 お前さんみたいなリーダーがいるのが前提だ。
 誰しも自分のスタイルにプライドはあるし、特に目に見えて分かりやすい戦果を重視する奴もいるからな。」

 リーダーは戦闘よりとりなしが大変だぞ? などと笑って。
 それはない、と言われれば想定内というようにどこ吹く風。

「俺からすれば、あれも良い教材なのさ。現場に出れば全部真実とは限らない。
 嘘の情報も交じってるのも前提。
 人の悪い話に聞こえるかもしれないがな。
 あの授業を通して、半分でも情報を疑って調べる姿勢がついてくれた方が俺は実になったと思ってるよ」

 実際に再確認をしている貴女は優秀な方なのだと。導入の段階でまず嘘であることを教えたこと自体が、それこそわかりやすい授業なのかもしれないが。

「夢がなくなったっていうか、俺はあの頃夢見てたところをとっくに追い越したクチかな?
 あの時できなかったことも多くできるようになったし、多く掴んだつもりだよ。

 だから胸張って副業でも先生やってんのさ。

 まー、没収は人死にがでていわゆる”いわくつき”になっちまうからだし
 ルイーザの相棒は心配すんな。
 そういやそのブランチ……、ルイーザはどこまで使いこなせるんだ?
 色々変化させられるんだろ? 剣を軸に戦い方を組み立てる感じか?」

 全てをこの年で十全に使える、可能性は低いにしてもあり得る話。
 武器が人を選ぶこともあるのだから。

「大丈夫大丈夫、全員合意の上だから。最終的でもな?
 それに、関係を持つこと自体は、別に悪いことじゃないぜ?

 実際ルイーザだって俺がこういう奴だって分かってるだろ?
 みんな、分かった上でさ。……それぞれ分かった上で関係を持つ理由もあんのさ」

 ちょっといい話にまとめようとしたら大丈夫、そういう空気を出している。
 多分それさえもわざとなのだろうと伺えるだろうか。

「俺が足で稼いだ秘蔵の資料が待ってれば授業でもらえるんだぜ?
 そこからさらに先に、ってなると、なあ?

 ……まー、冗談はさておき。俺が出してる資料って、実際に俺が調べたもんだけど
 内容自体は学院の図書館で頑張れば調べられる内容ばっかだからな。
 多分一から調べても同じ資料は2週間もあれば作れるぜ」

 時間はともかく、ある意味では学院の範疇に収めている講師としての限度は弁えていて。
 それもまた、学び舎にいることの意味を生徒にも知ってもらうためで。

「ナンパしてるよ? 無神論者だけど宗教上の理由でルイーザはまだ宿に連れ込まないけどな。
 行くなら普通のデートだよ」

 色々とぼかしたうえで、なんだかんだで身を案じている男は冗談めかして。

「ま、その友達が俺に抱かれたい、7人目になってもいいっていうなら、即座に忘れさせてやるけどな」

 ゴブリンなんぞに負けはしないという最低のプライドを掲げている先生。

ルイーザ > 「そこが不思議だと僕は思うんだよ。スカウトがいないと最悪罠で全滅もあり得るのにね。
僕はリーダーには向かないよ、自分の意見を押し通せないんだよ。
目立つとそれだけ注目をされるよね」

とりなしなんて無理だと困った笑みを見せ。
どこ吹く風な姿に判ってて聞いたのかと。

「情報をそのまま信じずに疑ってかかれって事だね。
僕も調べはするけどどうしても信じてしまうからさ、それでミスも何度かあるよ。

最初に嘘だと教わっていなければそこまで再確認もしていない。
そういう意味では男の授業は本当に自分の為になっていて。

「追い越した……流石は先輩って言う事でいいのかな。
僕もいつかは先生のいる所にまで行けるか不安になって来るよ。

その恩恵を受ける事の出来る僕たちは本当についているって事だね。

僕は没収されれば困るって騒ぎじゃすまないんだよ。
一番剣が得意だけど一通りは扱えるように鍛錬は欠かしていないよ。
そうだね、剣をメインに間合いと相手で形状を変えているね」

メインはあくまで剣、他は補助的なものだと説明をして。
使いこなすにはまだ色々と足りないと自覚をしていて。

「最終的にって時点で大丈夫に聞こえないよ?
生徒に手を出すのが問題に思えて仕方ないけど…判ってるんだから本人が納得していればかな」

それで良いのかと思いはするが当人たちの問題かと割り切る事にし。
良い話にしようとしている事に騙されないという目を向けて。

「僕みたいな駆け出しの学生兼務には宝のような資料だよ。

2週間で作れるとしてもね、やっぱり実際に先生が調べて作ったのと図書館で調べたのだと精度が違うと僕は思うよ」

図書館にはよく足を運ぶは資料の多さに2週間では無理という考え。
出来れば貰ってから調べていきたいと復習的な事も視野に入れ。

「先生、宿にって言われる時点で断るよ。途中で気が変わったもあり得るよね?」

身を案じてくれているのは何となく解りはしたが、もし連れ込まれそうになればパニックを起こすかもしれない。
その恐怖に冗談のように口にして。

「それはその子に言ってあげてよ。
それじゃ僕は行く事にするよ、先生と話せてよかったよ」

プライドを掲げる男に少し気の抜けた笑みを見せれば席を立ち。
そろそろ行く、御馳走さまと言えば、また学園でと告げてその場を後にして。