2022/09/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルマさんが現れました。
■アルマ > 「……ア、アアアアアアアアアア……。」
地の底より響く亡者の声にあらず、けれど獣の鳴声でもない、これは一人の青年が疲れのあまり口から何かが抜けて行く声である。
――…此処は平民地区に幾つかある公園のひとつ。
大通りから少しだけ離れた少し大きめの公園である。
今日は本当なら休日で、簡単なクエストを受ける予定でワクワクウキウキだったのだが、唐突に店長であり師匠……王都に住むひとりの魔女により本当に唐突に仕事を捩じ込まれたのだ。
それもだ。
一晩で枯れる特殊な花を届けろと、普通にいけば2日は確実に掛かる場所に届けろと、届けさえすれば現地で保存する事ができるから気にせず必ず必ず届けろと、無茶振りもいいところだ。
もう王都の門を出てから風の精霊を唱喚し、一気に駆け抜けて届けて――…帰りに一晩で届けないと効能が切れる薬を師匠に宛てに預って……アアア…と今に至るのだ。
公園のベンチ。
そんな身体を冷やしてくれる涼やかな秋風。
深くベンチに腰を落とし、背凭れに思い切り寄りかかり、両肘を背凭れに乗せて秋空を仰いでいる。
口には力を抑えこむ為に師匠が特別に複数の薬草を乾燥させて刻んで紙で巻いた何時もの薬、先端にはそれを吸う為につけた小さな青い火がともっており、火に良く似た薄青い煙がまるで魂が逃げようとしているかのように、ふわっ~と秋空に上がっていた。
甘いハッカに似た香り、公園にはそんな香りが広がっていた。
■アルマ > 「…………フゥ。」
唐突なクールダウン。
叫んだところで疲れも取れなければ魔力枯渇も改善しない。
咥えてる薬入りの紙筒も吸えばある程度改善されて歪になったものは抑えられるが、根本的な解決に至らない。
喉はすーっとするので気に入っているが、燃やして効能を得る為、暫く吸っていると青い炎が赤へと変わり、最後には一気に根元まで燃えて――…ポロっと灰となって消える。
さて、どうしたものか。
魔力を回復させるポーションでも買いに行くか、それとも師匠のお詫びとして確保してもらった宿に帰えるか、眉間に自然と浮かんだ皺を人差し指で解しながら悩むのであった。
まだ日差しは少し強いが涼しげな風が吹く心地良い公園。
くぅっと欠伸を噛み締めて、何事も無ければもう少しのんびりしたら、別の場所にでも行こうかと。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリナールさんが現れました。
■リナール > くぁり あくびを零しながら大通りを少し外れた通りを歩く。
どこかで休憩しようか、と思考を巡らせた。
巡らせていれば、涼しい秋風が肌を撫ぜ、すこし肌寒いからぷるりと身体を震わせる。
今日は客を取っていないし、すこしムズムズとしていた。
公園にでも寄って、秋風に触れてその火照りを冷まそうかと目についた公園へと立ち寄る。
んにゅ、変な音を出して伸びをし、ベンチへと向かえば先客がいるのが目に入る。
容姿が好みであれば、出世払いでもいいか、と思えるほどに身体は疼いている。
少し肌寒いであろう公園の中を、まっすぐ青年の方へと向かっていく。
表情は、彼をじぃと見据えるように双眸が細められ、つまらなそうな顔も相まって、睨んでいるようにみえるやも知れない、か。
そんな女が足早に近づいていく。
■アルマ > ただの足音なら平民地区の通りで聞き飽きている。
公園に誰ぞか何がしかが遊びに来てもおかしくない時間帯。
アーアーとゾンビの真似事に良く似た呻き声をあげたところで、秋空仰ぐのを止めて灰色の眼を足音の方へと向けようと。
秋風が大変心地良い或いは少し肌寒くも感じる本日の公園は人の気配が皆無なうえ、公園ではしゃぎに来た子供の足音にしては少しばかり重たいし何なら自分の方に向ってくるとなれば、当然僅かな警戒色とともに視線を足早な人物に向けて当然である、が……。
「………アルマさんは別にゾンビでもなけりゃ、怪しい人物でもありませんので、退治する必要はないのですが、アレですか、何か現在進行形でアルマさんさん何かしでかしてます?」
と、視線の先に捉えた少し派手目に見える……ウェーブ掛かった金色の髪がちょっと色っぽい女に視線を向けながら、何処か自己弁護に聞える言葉を返して、向けたばかりの視線を女からツィっと外して、視線をあわせない様に見ないようにそっぽを向く――…灰色の眼には相手が何ともいい難い表情で睨んでるように見えたから。
■リナール > のっしのっしと歩いて向かってみたらなんか聞こえた。
随分と、変なことを言うものだからおかしくなってしまう。
だがそれを表情には出さずにそのまま彼の前へとポケットに手を突っ込んで見下ろす。
その目は品定めしているようでジロジロと上から下まで眺めており
そっぽを向く横顔をまさに品定めをするような、じっくりと、ねっとりとした視線だった。
白い髪に白い眉、それに柔和な顔立ちは、とても心をくすぐるものだった。
一瞬見えた灰色の瞳も綺麗で、中々にいい。
「……アルマっていうんだぁ、へぇ? いい名前じゃん。
――……で、お前って童貞?」
ものすっごい失礼な言葉を彼へと投げかけたら、そっぽを向く彼へ顔を覗き込ませるだろうか。
覗い込めたら、彼から見えるのはニタニタとした歪な笑みを浮かべた女の顔であり。
睨んでいるように細めていた目もガン開きになっており、ある意味ホラーかもしれない。
「童貞じゃなくてもいいんだけどさぁ……なんかアンタって童貞臭いし好みでさぁ」
失礼なことをぽんぽんと吐き出しては、ポケットから手を出し前かがみになり
膝に手を付き、胸元を強調するような格好となる。
もし此方へと顔を向けたのなら、胸元が覗いているはずで。
■アルマ > ――…神様に感謝する事なんて非常に個人的にではあるが、そう何度も無いし、最後に神様に祈ったのは師匠である魔女に徹夜で花束の配達を命じられた時に、目尻の小皺が増えてしね、と祈った時くらいだ。
今は、今はそう、先程まで咥えていた紙に筒に薬草を巻き込んだそれを吸っていなくて良かったと、ありがとう、今吸ってたら間違いなく全部吐き出した吸い終わらせてくれてありがとうと、祈ったし感謝した。
その眼差しを表現するなら、じっくりとしていてねっとりともした視線をこちらに向けた挙句に行き成り想像の遥か斜め上の発言をぶつけてくる相手からそらした視線を更に横につつつと反らそうとしたが、其処まですると露骨に「それそのもの」見たいな反応になってしまうと自覚をして、覚悟を決めるとは大げさであるが、顔をふっと此方を見る相手へと向けた。
ものすごいニタニタしてる。
灰色の眼に写ったのは細くしぼられていた瞳が今やハッキリと開き広がり、そんな瞳を無遠慮にも向けながら、ニタニタ歪な笑みと向けた女の顔であった。
「……童貞、かと言われると厳密にはと…。いやいや、そうじゃない、そうじゃない、何で名前も知らぬ相手に言わなきゃならんのさ。ちょっと美人さんだからって失礼すぎやしない?」
答えはYESで有るが、そんなの初対面の相手に言えるだろうかいいや言えない、言える筈がない、知らぬ相手の前でそれも公園で羞恥心はまだ此処にある。
だが同時に視線は隠せない。
相手をしれっと美人だと言葉にするには十分な程にまずは相手の相貌を眺め、視線をポンポンッと失礼な言葉を紡いでいる唇へと下ろしてから、最後には吸い込まれるように、前かがみになった女の胸元に衣服からの覗き見える白い肌に落ち着く――…蠱惑的と言葉が似合う美人であるのは間違いない、但し口の悪さで蠱惑的と言うよりも小悪魔的に感じるが。
……だらんとしていた足を戻し、片膝に足を乗せて足を組んで座りなおし、表情は嫌悪よりも僅か好奇心、後は初対面ゆえに何物だと探る眼差しを。
仕事で街中を良く歩き各方面に届け物と花束を届ける仕事をしている身としては実は知り合いではないかと。
■リナール > 基本的には自分を安売りしないし料金はきっちりもらう。
それはそれとして、だ。
童貞だったら、出世払いにしていいし、いい夢を見せてあげるのだけれど
と、彼が童貞であることを願う変態思考な女は内心では、そう決めていた。
童貞であるかと訪ねたら、瞳が動きそうな気配を感じるものの
その綺麗な瞳は自分に向いたのだった。
真っ直ぐこっちを見る彼の容姿を改めて見ることができたので、股は少し濡れてしまった。
ああ、自分好みの男である。
歪な笑みを続けながら、彼の言葉の続きを待てば。
「と? チッ、はっきり言えよ。それでアルマの今後の行末がきまんだぞおい。
ちなみにリナールな。美人お姉さんの名前は覚えとけよ」
童貞と答えればもれなく食べられる未来が待っている。
彼の言葉はすこし刺々しく感じるが視線は素直なものである。
好奇心が見える表情をじっくり眺めながら、すこし誘ってみるか、と
片手を胸元にやり、服を乳輪までずらした。見えるのは、綺麗なピンク色だったか。
リナール、という言葉は、もしかしたら聞き覚えがあるかもしれない。
住んでいる場所は誰にも知られていないというのに、
男達から、どうにかしてリナールという娼婦に届けてくれないか、と何度か頼まれたことがあったかも、しれない。
■アルマ > 少し遠まわしな言い方であったが名前を尋ねれば名前をちゃんと返してくる女に好感度が少し上がるし、灰色の眼に見える美味しそうなピンク色のそれには湧き上がり昂ぶるものも正直在る、が、が、だ名前――…どこかで覚えが有る。
リナール、リナール……と舌打を短く響かせた女の質問に答える前に脳裏に幾度も過ぎる女の名前、覚えがある寧ろ名前が依頼主の口からでるたびに、何時か顔を見てビンタくれてやろうと思ったことが何度もある名前である。
彼女自身が悪いわけではない。
彼女が自分に間接的にも何かをしたわけではない。
いや……だが少しやっぱり確実に彼女が悪い。
彼女はどんなに探っても住んでいる場所がわからないし、一度王都にある学院でそれっぽい人を見かけたが、と噂を聞く事があったが、彼女は娼婦……娼婦が学院に通っているとは思えない。
ともかく、彼女宛のプレゼント、花束依頼、それを何度かキャンセルしたし、倉庫で眠ってるのもあるくらいであるし……複雑な感情が渦巻いた。
「……幻の花、近くにあるが触れられない蜃気楼、曇り空に浮かぶ月、ああー!リナール、娼婦のリナール!いやいや確かに美人さんだけどさー……。」
大事な問いの前に聞き覚えがある名前だと隠さず正直に歪な笑みを浮べる彼女にハッキリと返し、彼女にプレゼントを運ぼうと依頼してきた男たちが彼女を現した言葉を並べると、ふーんっと少し意味有りげな笑みを口元に浮べるし、其処まで夢心地に堕ちれるのかと考えれば視線をピンク色の其処から、再び彼女の赤い瞳に向けて露骨な好奇の視線をじぃっと……。
それから腕をゆるっと伸ばすと自分の顎に触れて思案する仕草を見せた後に、少しだけ躊躇いがちに渋々とであるが、答えてもらった分は言葉にする必要があると、彼女の赤い瞳を見据えたまま少し渇き始めた唇で答える。
「ああ、っと、失礼。ちゃんと答えてもらった分は答えるよ。……答えは恥ずかしながらそうだよ、自称美人のお姉さん。で、それが何か?」
と、ハッキリと。
視線をそのまま恥かしげに逸らす、何て事は無く。
さてだからなんだと言わんばかりに眺めながら、彼女からの答えを待つのだ。
恥ずかしながら、であるが。
確かに相手が自称するだけあって美人、周囲の男たちが騒ぐほどに小悪魔的な愛らしさもある。
――…娼婦、正直興味がない筈も無いが、当然それを買うお金も無いから、何処かそれを期待する雰囲気を見せてしまうのだった。
■アルマ > ――…ああ、時間である。
あの返事への答えで何が起きるのかナニがどうなるのか、ムクリと湧きあがる好奇心を止める術はないのだが、そろそろかと思っていたものがジリと脳内に突き刺さる。
師匠、店長、色々呼び名のある魔女からの仕事の命令である。
それを断るという選択肢はなく、彼女に向けて申し訳差無そうな表情と一緒に両手を合わせると、連絡先諸々を渡す気の聞いた事もせずできず、ベンチから立ち上がると、一目散に駆け出す。
魔女が下す罰は絶対に回避したい。
が、が……と後ろ髪ひかれながらも公園より立ち去るのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアルマさんが去りました。
■リナール > 住所を聞かれても絶対に口を割ることもなく、尾行をされても軽々と撒く。
住処だけは決してさらさないのに、まさか、自分に花束を送ろうとしているなんて、と彼から聞けば驚いてしまうだろう。
そうして、彼の口から出てくる異名に、にんまり、心地よさそうに笑みを浮かべた。
「へぇ、そんな名前で呼ばれてるんだ」
そう、心が昂ぶるのを感じつつも何の8日と言われて口を開こうとしたのだけれど。
どうやら時間の様子。彼と何言か話をし、走っていく彼を見送ろう。
「くひ、いい人見ぃ付けたぁ♡」
連絡先も渡さなかった彼は、逃しはしない。
今度彼の勤め先を探して突撃してやろうとさえ、決めたのだ。
女は歪に笑う。獲物を見つけて、心が昂ぶった。
さぁ、今日は彼を思って自分を慰めよう。
明日は学院だ、楽しい時間もあるのだから、程々に。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリナールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にルイーザさんが現れました。
■ルイーザ > まだ日が高い時間帯の冒険者ギルド。
様々な人、これから依頼に出る者、戻ってきた者や冒険者を探す依頼人で込み合うギルド内。
そんなギルド内で依頼が張り出される掲示板の前で依頼を探す。
普段ならば簡単に済ませれる自然地帯での薬草採取などがあればそれを受けるのだが、今はそれを避けていて。
「しばらく森林地帯にはいきたくはないから…受けるなら九頭龍山脈での採取か遺跡の探索あたりかな。
どっちも遠いのが難点だけど、街中の依頼は今は出払ってるようだしね」
学院での授業もあるので遠出はしたくはないが依頼がなければ受けるしかなく。
ただ受けるにしてもどちらの方がリスクが少ないかと考えれば直ぐには決めれず。
どうしようかと考えるように依頼を眺める。
■ルイーザ > 依頼を眺めるもやはり距離や掛かる期間を考えれば如何にも受けようとは思えず。
少し後にもう一度来ようと考えれば一度その場を離れて隣の酒場へと足を向け。
「自然地帯に行かないとなると案外ないんだよね」
適当な空き席に座れば困ったなとため息を吐き。
安めの果実水を注文し、それが届けばちびちびと飲みながら時間を潰して。
■ルイーザ > そうして時間を潰せばギルドに戻って依頼探しを再開して。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からルイーザさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 中央広場」にジュリーノさんが現れました。
■ジュリーノ > すっかりと日が暮れて忙しなく往来する人々より掲げられた街灯の明かりが闇に溶けるように仄かに照らす夜の広場。
ベンチに腰を下ろした少年は眼の前で踊る女性に小さく手を打ち鳴らしていた。
「上手。上手。もうすぐ酒場で踊れるようになるよ。」
ダンサーというには粗末な格好だけど。観衆は一人だけだけど。四肢伸びやかに舞踏を踊る路上ダンサーに
そこかしこ、人が足を止めて見物が始まる。
手を高らかに長々しい余韻を残して踊りが終焉すれば、喝采には程遠いがそこかしこから拍手があがる。
「こんなところで踊りを見れるなんて吃驚だ。
ええっと」
踊り子の足元に放られる投げ銭に、自分も一つ加えようと財布を開いて顔が青褪める。
苦々しく笑いながら、そっと小銭を一枚投げて。
「お金がない分、これでおひねりってことしてよ。」
カチリ、と落ちる硬質な音の後に割れんばかりの拍手を送っていく。
■ジュリーノ > お捻りを差し出してきた者達に慇懃深く礼をする踊り子へ激励と賛辞を、にっこりと唇弓描いて笑いながらその背を送ること暫し。
広場に停滞していた人々が、ひとり、またひとりと、通りの向こうへ歩き出す。
それでもベンチに座った腰を持ち上げる気がならず、広場の静謐が完全に元の形に戻る顛末を見守ってから
膝上に肘ついた手の甲に顎を乗せて浮かせた爪先を小さく動かし始めた。
「好い夜。」
目を楽しませる踊り子が消えても、その口元から笑みが消えない。
秋交じる宵のさやかな大気が心地よく、今暫くこの街の夜に身を任せたくなった。
それだけのこと。
瞼閉ざした横顔に吹き付ける風に微かに口元を緩めて鼻歌を奏で始めた。
■ジュリーノ > 「よし!」
ぽ、 ん。足の反動の利を借りてしなやかに腰を持ち上げれば。
猫のように大きく背筋を伸ばし。ほんのり冷たい夜風を受けながら広間から去っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 中央広場」からジュリーノさんが去りました。